出会い系で「無料」のはずがギフトカード購入を求められたら|払う前後の対処

「登録もやり取りも無料」と案内された出会い系サイトで、途中から「ポイントが足りない」「支援金を受け取るには手続き費用が必要」と言われ、コンビニでギフトカードやプリペイド型電子マネーを買って、カードの番号を送るよう指示される――。この段階で手を止めてください。国民生活センターは、コンビニで電子マネーを買わせてその番号をメールなどで送らせる方法を詐欺の手口として繰り返し注意喚起しており、一度番号を伝えるとお金を取り戻すのは非常に難しいとしています。

この記事では、なぜ出会い系サイトで電子マネーを指示されるのか、買う前に確かめること、すでに買って番号を伝えてしまった場合に急いでやることを、順番に説明します。サイトを使ってきた本人だけでなく、家族の様子が気になっている人にも読んでいただける内容にしました。

出会い系サイトで電子マネーを指示される典型的な流れ

国民生活センターが公表している出会い系サイトの相談事例には、電子マネーが絡むものが目立ちます。たとえば次のような内容です(相談者の申し出をもとにしたまとめ)。

  • 「ポイントを差し上げます」というメールがきっかけでサイトに入り、それを受け取る手続きとして電子マネーでポイント代を支払った。結局、約束のポイントもお金も届かなかった
  • 動画共有SNSから出会い系サイトに登録し、複数の女性と連絡を取るのに必要だとして、コンビニで買ったプリペイド型電子マネーでポイント代金を払い続けた。一度も会えていない
  • 支援金を渡すというメールに返事をしたら出会い系サイトへ案内され、やり取りのたびにポイントを買ったものの、支援金の受け取り方は最後まで分からなかった

消費者庁のサクラサイトトラブルのページでは、誘い文句のパターンとして、異性との出会いを持ちかける出会い型のほか、同情型、利益誘引型などが挙げられています。異性との出会いだけでなく、「芸能人を励ましてほしい」「遺産を一緒に受け取ろう」といった持ちかけや、「個人情報閲覧料」「文字化け解除手数料」などの名目で支払いを求めるパターンもあると説明されています。

共通しているのは、最初は無料で始まり、相手とのやり取りが盛り上がったところで「あと少し」「今だけ」と支払いを重ねさせる点です。電子マネーでの支払いを指示されるのは、その流れのなかで起きることが多いと考えておきましょう。

件数の面では、国民生活センターのPIO-NETに登録された出会い系サイトの相談は、2026年度分で5月31日時点までに283件(前年同期373件、消費生活センター等からの経由相談を含まない)です。前年より少ないとはいえ、2か月で数百件の相談が寄せられている計算になります。同センターが挙げる最近の事例5件のうち2件で、ポイント代の支払いに電子マネーが使われています。

「番号を送って」と言われたら、そこで立ち止まる理由

ギフトカードや電子マネーそのものは、コンビニで普通に売られている正規の商品です。問題になるのは、相手に言われて買い、そのカードの番号(コード)を写真やメッセージで送るという使い方です。

国民生活センターは2024年12月の注意喚起で、コンビニ等でプリペイド型電子マネーを買うよう指示し、番号などの情報を写真に撮ってメールで送らせる方法は詐欺の手口であり、そのような支払いを求められても応じず、購入の手続きを進めないよう呼びかけています。同じ注意喚起では、番号を一度伝えてしまうとお金を取り戻すのは非常に困難だとも書かれています。

発行会社側も同じ立場です。Appleはサポートページで、Appleギフトカードは Apple から製品やサービスを買う場合にしか使えず、それ以外の支払いに使うよう求められたら詐欺の可能性があると説明しています。裏面の番号をよく知らない人や会ったことのない人に教えないこと、番号が相手に渡ると、警察や Apple に連絡する前に残高が使われてしまうおそれがあることも明記されています。

購入前に自分に問いかけたい3つの質問

  1. その支払いは、サイトの公式な決済画面を通したものか。それとも、相手から個別に「番号を送って」と言われたものか。
  2. 払ったあと、何が手に入るのか(ポイント、会う約束、支援金)。これまでに一度でも実現したか。
  3. 「今日中に」「誰にも言わないで」と急がされていないか。

ひとつでも引っかかるなら、買う前に家族や消費生活センター(188)に一度話してみてください。

買ってしまった・番号を伝えてしまった直後にやること

すでに購入して番号を送ってしまった場合も、時間との勝負になる部分があります。次の順番で動いてください。

  1. 追加で買わない:「手続きが途中で止まっている」「あと1枚で完了」と言われても、そこで止めます。
  2. カードと購入レシートを捨てない:カード本体(番号が書かれた台紙)とレシートは、発行会社や警察に説明するときの基本資料です。写真も撮っておきます。
  3. カードの発行会社に連絡する:国民生活センターは、取り戻すのは非常に困難としながらも、早急に発行会社に連絡するよう勧めています。Appleギフトカードであれば Apple サポートが窓口として案内されています。
  4. 警察に届け出る:最寄りの警察署、または警察相談専用電話(#9110)へ。国民生活センターも発行会社への連絡とあわせて警察への届け出を勧めています。
  5. 消費生活センターに相談する:消費者ホットライン「188」で最寄りの窓口につながります。

連絡の際には、カードの種類と金額、購入した店舗と日時、番号を送った相手(サイト名・相手の表示名)、送った日時をまとめたメモがあると話が通じやすくなります。サイト内のやり取りは、退会やアカウント停止で見られなくなることがあるため、画面の保存を先に済ませておきましょう。保存の手順は出会い系詐欺の証拠保全で詳しく説明しています。

払った後に来る「返金します」「解除料で戻せます」に注意

電子マネーで支払った後、「誤って課金されたので返金する」「解除手続きの手数料を払えば全額戻る」といった連絡が来ることがあります。ここで応じると、被害が広がるおそれがあります。

国民生活センターは、コード決済アプリ(いわゆる○○ペイ)を使って「返金する」と言われ、手順どおりに操作しているうちに、返金を受けるはずが逆に送金してしまっていたという相談が目立つと注意を呼びかけています。また2024年4月の注意喚起では、電子マネーを買って番号を伝えた後に、公的機関を名乗る別の人物から電話があり、「さらに払えばまとめて返金する」と言われて再び電子マネーを買ってしまった事例も紹介されています。

「返金のために、まずお金を払う」「返金のためにアプリを操作する」という話は、それ自体が立ち止まる合図です。返金の手続きを本当に進めたいときは、相手から届いた連絡先ではなく、カードの発行会社や消費生活センターといった、自分で調べた窓口を通してください。

支払い方法ごとの記録の残し方と見通し

出会い系サイトへの支払いは、電子マネー以外の方法が混ざっていることもよくあります。国民生活センターの注意喚起をもとに、方法ごとの連絡先と手元に残すものを整理すると次のようになります。

支払い方法手元に残すもの連絡先見通し
ギフトカード・プリペイド型電子マネー(番号を相手に送った)カード台紙、購入レシート、送信した画面発行会社、警察取り戻すのは非常に困難とされる。未使用分がないか、とにかく早く確認を
サイトの決済画面でのクレジットカード払いカード明細、サイトの購入履歴カード会社トラブルを伝えることで、カード会社から対応が得られる場合がある
銀行振込振込控え、振込先口座の情報振込先の銀行、警察取り戻すのは非常に困難とされるが、警察に相談したことも銀行に伝える

電子マネーで支払った場合の、より詳しい連絡の流れは電子マネーで支払った詐欺被害の対応にまとめています。カード払いが中心なら出会い系でクレジットカード払いをした後の対処も参考にしてください。

家族や身近な人が気づいたときにできること

コンビニで何度もギフトカードを買っている、スマートフォンを手放さずに誰かとやり取りを続けている――。家族のそうした様子に気づいたときは、責めるより先に話を聞くことが大切です。消費者庁は、こうしたサイトで狙われるのは「心の隙間」であり誰にでも危険があるとしたうえで、ふだんと違う様子に気づいた周りの人から働きかけ、助言することを勧めています。一般社団法人日本資金決済業協会も、怪しいと思ったら一人で判断せず、家族や友人、周りの人に相談することが大切だとしています。

声をかけるときは、次のような点を一緒に確認してみてください。

  • サイトの名前と、最初に「無料」と書かれていた画面
  • これまでに買ったカードの枚数と金額(レシートが残っているか)
  • 相手から「誰にも言わないで」と言われていないか

本人が認めたがらない場合でも、消費生活センター(188)には家族から相談できます。当サイトの相談予約でも、状況の整理から一緒に行っています。返金を保証するものではありませんが、次にどこへ連絡すればよいかを具体的に確認できます。

よくある質問

Q. 出会い系サイトの支払い方法に電子マネーが用意されているのは違法ですか。

A. 電子マネーが決済手段のひとつとして用意されていること自体で、ただちに違法とはいえません。注意したいのは、サイトの決済画面を通さず、相手から「カードを買って番号を送って」と個別に指示される場合です。国民生活センターは、この形の支払いを詐欺の手口として注意喚起しています。

Q. ギフトカードのレシートを捨ててしまいました。もう相談できませんか。

A. 相談はできます。カードの台紙、送信した画面、購入した店舗と日時の記憶、スマートフォンの決済履歴など、残っているものを集めてから発行会社や警察、消費生活センターに相談してください。国民生活センターの事例にも、手元にレシートしか残っていないという相談があり、残っている記録から整理していくのが現実的です。

Q. 番号を送ったのはついさっきです。まだ使われていないかもしれません。

A. Appleは、番号が相手に渡ると、警察や Apple に連絡する前に残高が使われてしまうおそれがあると説明しています。まだ使われていない可能性に賭けるなら、何よりも先にカードの発行会社へ連絡してください。そのうえで警察と消費生活センターにも相談します。

Q. やり取りしていた相手から「私もサイトにだまされている、一緒に払えば取り戻せる」と言われました。

A. 消費者庁は、こうしたサイトの誘い文句に同情心をあおる型があると紹介しています。相手の事情がどうであれ、追加の支払いで状況がよくなると考える根拠はありません。支払いには応じず、それまでのやり取りを保存して消費生活センターに相談してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

この記事をシェアして注意を広める

詐欺返金相談ナビの相談前整理事例

サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。

相談前に、被害状況を整理しておきましょう

LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。

LINEでチェックリストを受け取る 登録は無料 / 一般情報の提供を目的としています

参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。