占い詐欺の事例をパターン別に解説|公的機関が公表した相談事例から

占いサイトや占いアプリをめぐるトラブルには、繰り返し現れる「型」があります。この記事では、国民生活センターと消費者庁が公表した相談事例だけを材料に、占い詐欺が疑われるケースを4つのパターンに分けて解説します。架空の体験談や、出典のない被害額は載せていません。

先に結論を言うと、公表事例に繰り返し出てくるのは「無料や少額で始まる」「自分だけが特別だと思わせる」「終わりが示されないまま1通ごとに課金される」「やめようとすると引き止められる」の4点です。どれか一つでも心当たりがあれば、支払いを止めて記録を保存し、消費生活センター(188)に相談することを検討してください。

ここで紹介する事例は、特定の事業者を名指しするものではありません。ご自身の状況と照らし合わせるための材料として読んでください。

公的機関のデータで見る占いサイトの相談

国民生活センターが2020年11月に公表した資料によると、全国の消費生活センター等に寄せられた占いサイト・アプリに関する相談は年間1,000件を超えています。

年度相談件数
2016年度1,490件
2017年度1,406件
2018年度1,430件
2019年度1,837件

同じ資料では、相談の約8割が女性で、40歳代・50歳代が多いこと、2016年度以降の相談で既に支払った金額の平均が122万4,107円だったことも示されています。支払い方法はクレジットカード等が47.2%、銀行振込等が45.9%、プリペイド型電子マネー等が6.8%で、電子マネーの割合が増える傾向にあるとされています。

消費者庁が2022年8月の検討会に出した資料では、「開運商法」に関する相談のうち、2021年度は「占い・祈とうサービス(インターネット通信販売等)」が54.4%を占めていました。同年度の既支払金額は平均96万9,160円、中央値6万4,660円です。平均と中央値の差が大きいことから、少額の相談が多い一方で、一部に非常に高額な被害があることが読み取れます。

パターン1:「必ず当選に導く」金運・宝くじ型

公表事例:宝くじの当選番号を導くと言われた50歳代女性

国民生活センターの事例1では、占いサイトの体験ページに名前や生年月日を登録した50歳代の女性に、「金運専門の鑑定士」から1,000円の鑑定チケットの案内が届きました。その後「一攫千金の鑑定士が一週間だけ日本にいる」「選ばれし者のみを鑑定し、必ず宝くじの高額当選に導く」と紹介され、やり取りを口外しないこと、最後まで鑑定を受けることを約束させられています。

2日間の無料期間が終わると、メッセージ1通につき1,500円分のポイントが必要になりました。当選番号を導くためとして特定の言葉を一文字ずつ送るよう指示され、2週間以上のやり取りで、銀行振込約17万円、クレジットカード約38万円を支払っています。結果が出ないことを尋ねると「波動が乱れているから調整が必要だ」と言われたといいます。

公表事例:ゲーム広告から400万円に至った70歳代

国民生活センターが2023年8月に高齢者の見守り情報として紹介した事例では、スマートフォンのゲーム中に出た広告から宝くじ当選をうたう占いサイトに登録した70歳代の方が、メールに書かれた言葉や数字の羅列を一文字ずつ送り返すと運気が上がると言われ、送信1回につき1,500円かかる送信を繰り返しました。「もう少しで当たる」という言葉を信じ、コンビニ決済やクレジットカードなどで約400万円を支払っています。

このパターンの見分け方

  • 「必ず当たる」「高額当選に導く」と結果を約束する
  • 当選者の通帳写真など「実績」を見せてくる
  • 意味の分からない文字や言葉を1通ずつ送らせる

パターン2:「今やめると無駄になる」引き止め型

公表事例:「三つの徳」を授けると言われ4か月で300万円

国民生活センターの事例2では、「無料鑑定」の広告から占いサイトに生年月日を登録した50歳代の女性が、「健康」「人間関係」「金運」の三つの徳を授けると言われました。二つは早く授かったものの「金運の徳」がなかなか授からず、無料期間を過ぎてもやり取りを続けています。毎日のようにコンビニでプリペイド型電子マネーを買ってポイントを購入し、やめようとすると「今やめるとこれまでのやりとりのすべてが無駄になる、もう少しだ」と引き止められました。

途中から「鑑定士は病気で余命僅か」という話や、師匠を名乗る人物も登場し、複数の相手とやり取りする状態になりました。4か月で300万円を支払い、家族に指摘されて気づいたとされています。

このパターンの見分け方

  • 段階を踏んで「あと一つ」「もう少し」と先延ばしにされる
  • やめたいと伝えると「無駄になる」「不幸になる」と言われる
  • 師匠・弟子・家族など、新しい人物が次々に登場する
  • 鑑定士の体調など、同情を誘う話が出てくる

国民生活センターはこうした状況について、占いや鑑定を最後まで続ける約束を事前にさせたり、師匠を名乗る者を登場させたりして、途中でやめられない状況が作られているケースがあると指摘しています。不安をあおる勧誘については霊感・スピリチュアル系の占い詐欺でも解説しています。

パターン3:無料のつもりが有料になる型

公表事例:無料は最初の3日間だけだった占いアプリ

事例3の50歳代男性は、広告を見て無料だと思い占いアプリを入れましたが、無料で使えたのは最初の3日間だけでした。「この占いのおかげで宝くじに2回当選し借金を返せた人がいる」と言われてやり取りを続け、プリペイド型電子マネーで合計3万2,000円を支払っています。おかしいと気づいて退会したところ、それまでのやり取りの記録がすべて消えてしまい、手元には最後のレシートしか残っていませんでした。

公表事例:10分無料の電話占いで30分以上

事例4の10歳代女性は、10分間無料の電話占いに登録しました。「あと1分で10分間が終了します」というアナウンスが流れても占い師が話し続けたため、自分から電話を切れずに30分以上通話し、1万円以上を請求されています。

このパターンの見分け方

  • 「無料」の条件(期間、時間、通数)が目立たない場所に書かれている
  • 無料の範囲が終わる直前に、話が盛り上がるように仕向けられる
  • 電話占いで、終了の合図があっても相手が話をやめない

事例3の教訓は、退会の前に記録を保存することです。電話占いのトラブルについては電話占いの高額請求も参考にしてください。

パターン4:個人情報の入力から勧誘が広がる型

公表事例:名字だけ入力したのに会員登録され、迷惑メールが数十件

事例5の60歳代女性は、SNS広告で知った無料占いを試そうとしましたが、氏名の入力をためらって途中で止めました。すると「名字だけでもよい」とメッセージが届き、名字を送ったところ「会員登録が完了しました」というメールが来ました。登録するつもりはなかったのに、その後、知らないサイトからのメールが数十件届くようになっています。

国民生活センターは、無料の占いだからといって氏名・生年月日・メールアドレスなどの個人情報を気軽に入力しないよう呼びかけています。一度登録すると、別の占いサイトや知らないサイトから次々とメールが届くケースが目立つためです。

このパターンの見分け方

  • 占う前に、氏名・生年月日・メールアドレスの入力を求められる
  • 入力を途中でやめても、別の方法で入力を促してくる
  • 登録後に、利用した覚えのないサイトからメールが届き始める

個人情報を渡してしまった後の対処は占い詐欺で個人情報を渡してしまったときにまとめています。

相談で解決に向かった公的事例と、使える制度

消費生活センターのあっせんで一部の金額で和解した例

消費者庁の2022年8月の検討会資料には、ネット広告の「無料占い」から有料の占いサイトを使うようになり、「やめたい」と返信しても反応がないまま指示どおり返信を続けた相談者の事例があります。消費生活センターが経緯書を事業者に送ってあっせんしたところ、事業者は「霊感商法にならないように注意しているが、購入したのは事実」と回答し、支払い総額のうち一部の金額で和解しました。合意書を交わし、和解金の振込みを確認して対応を終えています。

この例から分かるのは、相談によって事業者との話し合いが動く場合があること、そして結果は全額返金とは限らないことです。

知っておきたい制度:消費者契約法の取消権

消費者契約法には、霊感などの特別な能力による知見として、そのままでは重大な不利益が生じると不安をあおり、契約が必要だと告げる勧誘を受けて結んだ契約を取り消せる規定(第4条第3項第8号)があります。消費者庁の逐条解説によると、この取消権は令和4年の改正で、行使できる期間が「追認できる時から3年、契約の締結から10年」に延ばされました。ほかの取消権(原則1年・5年)より長いのが特徴です。

ただし、実際の勧誘がこの規定に当てはまるかは、言われた言葉や経緯によって判断が分かれます。当てはまるかどうかの見通しは、消費生活センターや弁護士に確認してください。返金の流れは占い詐欺の返金方法で詳しく説明しています。

事例に共通するサインと、自分の状況の当てはめ方

ここまでの公表事例を、ご自身の状況に当てはめやすいように一覧にしました。

サイン該当した公表事例今すぐできること
無料・少額から始まり、途中で有料になった事例1・2・3・4無料の条件が書かれた画面を保存する
「選ばれた」「必ず当選」など特別さや結果を約束された事例1、2023年の見守り情報その文面をそのまま保存する
文字や言葉を1通ずつ送らされている事例1、2023年の見守り情報送信した通数と金額を数える
やめようとすると引き止められる事例2、消費者庁資料の事例やめたいと伝えた日時と返答を残す
退会したら記録が消えた事例3メール、明細、レシートなどサイト外の記録を集める

編集部の意見としては、この表で二つ以上当てはまる場合は、自分だけで判断せず早めに第三者へ相談したほうがよいと考えます。事例1では「結果が出ないことへの疑問」、事例2では「家族の一言」が、気づくきっかけになっていました。周りに話すこと自体が、状況を見直す機会になります。相談の前に相談前チェックリストで記録を整理し、消費者ホットライン188、警察相談専用電話#9110、または当サイトの相談予約をご利用ください。いずれも返金や解決を保証するものではありません。

よくある質問

Q. 占い詐欺の事例に、自分の状況が当てはまるか分かりません。

A. 「無料から有料になった」「結果を約束された」「文字を1通ずつ送らされた」「やめようとすると引き止められた」のうち、当てはまるものがあるかを確認してください。複数に心当たりがあるなら、次の送信や購入の前に手を止め、画面やメールを保存したうえで消費者ホットライン188に電話してみてください。

Q. 何年も前に占いサイトに払ったお金でも、取り消せる可能性はありますか?

A. 消費者契約法の霊感等による告知を用いた勧誘に関する取消権は、令和4年の改正で「追認できる時から3年、契約から10年」に延びました。ただし、実際の勧誘がこの規定に当てはまるかは個別の判断になります。消費生活センターや弁護士に確認してください。

Q. 退会してやり取りの記録が消えてしまいました。

A. 国民生活センターの公表事例にも、退会でやり取りの記録がすべて消えた例があります。メールの受信箱、カードの利用明細、振込の控え、電子マネーのレシートなど、サイトの外に残っている記録を集めて相談してください。

Q. 家族が占いサイトにお金を払い続けているようです。どうすればよいですか?

A. 公表事例でも、家族の指摘で気づいたケースがあります。責めるのではなく、支払いの合計額を一緒に書き出すところから始めると話しやすくなります。本人の同意を得たうえで、消費者ホットライン188に家族から相談することもできます。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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詐欺返金相談ナビの相談前整理事例

サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。