警察相談専用電話#9110の使い方|詐欺かもと思ったときの110番との違い

「これって詐欺?」と不安になったとき、いきなり110番するのはためらわれる。そんなときのための番号が、警察相談専用電話の#9110です。全国どこからかけても、その地域を管轄する都道府県警察本部などの相談窓口につながります。

ただし、#9110は緊急通報ではありません。「今まさにお金を取りに来る」「目の前で被害に遭っている」という場面は110番です。この記事では、#9110のつながり方と受付時間、110番との分かれ目、詐欺の相談で何をどの順番で話せばよいか、警察を名乗る電話の真偽を確かめる使い方までを、警察庁と都道府県警察の公開情報をもとにまとめました。警察署に行く前の持ち物やメモの作り方は、別の記事で詳しく扱います。

#9110はどこにつながるのか

警察庁の案内によると、#9110は全国共通の短縮ダイヤルで、発信した地域を管轄する都道府県警察本部などの総合窓口に直接つながります。携帯電話からも利用できます。

ダイヤル回線や一部のIP電話からはかけられないため、その場合は各警察本部の相談窓口の番号に直接かけます。たとえば次のような番号です(警察庁の一覧から抜粋)。

警察本部相談窓口の番号
警視庁03-3501-0110
神奈川県警察045-664-9110
愛知県警察052-953-9110
大阪府警察06-6941-0030
福岡県警察092-641-9110

番号は変わることもあるため、かける前に住んでいる都道府県警察のサイトで最新の案内を確かめてください。警視庁は、都県境では#9110が他県につながることがあると注意しています。住んでいる都道府県の警察に相談したいのに隣の県につながった場合は、上のような固定の番号にかけ直すと確実です。

通話料は相談者の負担です。警視庁のページでも、#9110などの短縮ダイヤルには通常の通話料金がかかると案内されています。

受付時間と、時間外にかけたとき

受付時間は都道府県警察によって異なりますが、平日の8時30分から17時15分までが基本です。土日祝日や夜間は、「当直」や「音声案内」などで対応していると警察庁は説明しています。

運用の細かい部分は県ごとに違います。長野県警察では、2024年4月1日から#9110に自動音声案内を導入し、終日の運用を始めました。音声の案内に従って番号を押すと、相談内容に合った窓口が案内される仕組みです。

また、機器の改修などで一時的につながらない時間帯が告知されることもあります。警視庁の相談ホットラインのページでは、2026年9月28日(月)の午後5時15分頃から概ね4時間、#9110がつながらないと案内されていました(9月25日確認)。つながらないときは、最寄りの警察署に直接電話しても相談できます。

夜間に不安になって眠れないときは、#9110で当直につながるか、音声案内で翌日の受付時間を確認し、それまでにメモを作っておくのが現実的です。ただし、次の章で説明する緊急の場面であれば、時間帯に関係なく110番してください。

110番と#9110の分かれ目

警視庁は、「たった今、被害や交通事故に遭った」「事件や交通事故を目撃した」という場合は110番、それ以外の相談は#9110と整理しています。長野県警察も、緊急の事件・事故の通報は110番、相談は#9110を使うよう呼びかけています。

詐欺の場面に当てはめると、編集部では次のように考えます。

状況かける番号
相手がこれから自宅に現金やカードを受け取りに来ると言っている110番
ATMやコンビニに向かうよう電話で指示されている最中110番
数日前に振り込んだが、相手と連絡が取れなくなった#9110
投資サイトの出金を断られ、詐欺かどうか分からない#9110
警察や役所を名乗る電話があり、本物か確かめたい#9110

迷ったら、「今すぐ誰かが動かないと被害が起きるか」で考えてください。そうでなければ#9110で落ち着いて相談し、必要なら警察署の担当部署を案内してもらいます。

詐欺の相談で話す順番

電話口では、要点を短く伝えるほど、担当者が適切な窓口を判断しやすくなります。次の順番で話すことをおすすめします。

  1. 結論:「詐欺かもしれない相手にお金を払ってしまった」「払うよう求められている」
  2. いつ・何で:相手と知り合った時期と手段(SNS、マッチングアプリ、電話、メールなど)
  3. いくら・どうやって:払った日付、金額、方法(振込、電子マネー、暗号資産、手渡しなど)
  4. 相手の手がかり:名乗った名前、電話番号、アカウント名、振込先の口座
  5. 今の状態:まだ連絡が続いているか、追加の支払いを求められているか
  6. 望むこと:被害届を出したい、口座を止めたい、まず詐欺かどうか知りたい

長野県警察は、#9110では匿名での相談も受けているとしています。名前を言うのに抵抗があっても、まず状況を聞いてもらうことはできます。ただ、被害届を出す段階では本人の確認が必要になるので、その先に進むつもりなら、最初から名乗っておくほうが話は早く進みます。

スマートフォンで電話しながら画面を確認するのは難しいので、話す内容は紙に書いておくと安心です。

警察を名乗る電話の真偽を確かめる窓口としても使う

#9110は、「警察から電話が来たが本物か」を確かめる手段にもなります。警察官を名乗る詐欺は近年とくに目立ち、警察庁は特設の注意喚起ページを設けています。

警察庁が示しているポイントは明確です。

  • 「あなたは捜査の対象だ」と警察官が電話で告げてくることはない
  • 警察官がSNSで連絡をすることはない
  • 警察官が警察手帳や逮捕状の画像を送ることは決してない
  • 相手から教えられた番号には、決して折り返さない

警察庁は、犯人が実在する警察署などの電話番号を偽装して表示させる手口も確認しています。紹介されている事例では、愛知県警察本部の代表番号が表示された電話から始まり、ビデオ通話で警察手帳を見せられた被害者が、資金調査の名目で250万円を振り込んでいます。最初に表示された番号へ自分でかけ直して確認したことで、詐欺だと分かったとされています。

着信表示が本物の番号でも信用せず、いったん電話を切って、自分で#9110にかけてください。国際電話番号からの着信を拒否する設定も、警察庁が勧めている対策です。関連する手口は警察を名乗る電話が来たときの見分け方で詳しく紹介しています。

#9110とあわせて知っておきたい番号

#9110は警察への相談の総合的な入口ですが、内容によっては専用の番号のほうが早い場合があります。警察庁の特殊詐欺対策ページ(SOS47)や警視庁の案内に載っている番号を整理しました。

  • 188(消費者ホットライン):業者との契約や課金のトラブル。地元の消費生活センターにつながります。
  • 0120-344-999(日本証券業協会の未公開株通報専用窓口):未公開株や社債の勧誘に関する相談。
  • 0120-924-839(匿名通報ダイヤル):特殊詐欺の犯人や拠点につながる情報を、名前を明かさずに伝える窓口。闇バイトに誘われて連絡先を交換した、といった情報も対象です。
  • #8103(性犯罪被害相談電話):性的な被害を伴う脅しなど。警視庁の案内では通話料が無料です。

東京都の場合、警視庁には犯罪被害者ホットライン(03-3597-7830)もあります。都道府県警察ごとに専門の相談電話を設けていることが多いので、住んでいる地域の警察のサイトを一度見ておくと、いざというときに迷いません。

どの番号にかけるか迷ったときは、#9110で「どこに相談すればよいか」から聞いても問題ありません。

#9110の後の進み方

#9110で相談すると、内容に応じて相談窓口が案内されます。詐欺の被害を届け出る場合は、住所地を管轄する警察署に出向くことが多くなります。

警察署へ行く前に電話を入れる

茨城県警察は、警察署に来て相談する際は担当者が不在の場合があるため、事前に電話で日程を調整してから来てほしいと案内しています。何度も足を運ぶ手間を省くためにも、来署の前に電話しておきましょう。

ネットが関わる被害はオンライン窓口も

警察庁は、サイバー事案についての通報・相談・情報提供を受け付ける全国統一のオンライン窓口を設けています。住んでいる都道府県の警察本部や管轄の警察署を選んで送ると、そこに内容が届きます。ただし、被害届を出す場合は最寄りの警察署などに連絡するよう案内されています。

警察と並行して進めること

振込をしたなら、振込先の金融機関への連絡も急いでください。口座にお金が残っていれば、凍結によって被害回復の手続きにつながる可能性があります。警察署に行くときの持ち物や時系列メモの作り方は詐欺被害を警察へ伝える準備と進め方、被害届の出し方は詐欺被害を警察に相談する際の準備と手順で解説しています。

よくある質問

Q. #9110は無料でかけられますか?

A. 通話料は相談者の負担です。警視庁も、#9110などの短縮ダイヤルには通常の通話料金がかかると案内しています。

Q. #9110に匿名で相談できますか?

A. 長野県警察は、#9110で匿名の相談も受けているとしています。取扱いは都道府県警察によって異なる可能性があるため、電話の最初に確認するとよいでしょう。被害届を出す段階では本人確認が必要です。

Q. 夜中や休日に#9110へかけるとどうなりますか?

A. 受付は平日8時30分〜17時15分が基本で、土日祝日や夜間は当直や音声案内などで対応しています。緊急の場合は時間帯に関係なく110番してください。

Q. #9110がつながらない電話はありますか?

A. ダイヤル回線や一部のIP電話からはつながりません。その場合は、各都道府県警察本部の相談窓口の番号(警視庁なら03-3501-0110など)に直接かけてください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。