投資詐欺・仮想通貨(暗号資産)詐欺について、全体像をつかむための入口ページです。先に結論を書くと、勧誘された商品の種類によって、業者の登録を調べる場所も、困ったときの電話先も違います。株やFXなら金融商品取引業、暗号資産なら暗号資産交換業、未公開株なら日本証券業協会の通報窓口というように、最初の確認先を取り違えないことが、損失を小さく抑える近道になります。
SNSや知人から投資話を持ちかけられて迷っている人、入金した後で出金できずに困っている人、家族の様子が気がかりな人に向けて書いています。個々の手口は各論の記事へ案内し、このページでは地図の役割に徹します。数字や制度は、2026年9月時点で確認できた警察庁・金融庁などの公表資料にもとづいています。
数字で見る投資詐欺:令和7年は9,523件、今年も増えている
警察庁が2026年6月5日に公表した令和7年分の確定値で、SNS型投資詐欺として警察が把握したのは9,523件。金額にして1,288.0億円にのぼります。前年からの伸びは件数で48.5%、金額で47.9%です。7月31日公表の令和8年上半期(暫定値)でも5,893件・797.9億円と、前年の同じ時期より3,020件、444.9億円多くなっています。
令和7年の資料からは、犯人と最初につながった経路も読み取れます。
- 接触の手段:広告(バナー等)経由3,785件とDM経由3,549件を合わせて、全体のおよそ8割
- 最初のツール:Instagramが1,934件でもっとも多く、YouTubeの1,229件、LINEの1,211件が続く。投資のサイト、TikTok、Facebook、X(Twitter)もそれぞれ800〜1,100件ほど
- だまされていく途中の連絡手段:LINEが8,906件で、9割を超える
入り口は分散していても、話を進める場所はほぼLINEに集まっています。当サイトは、広告やDMから「続きはLINEで」と誘われた瞬間を、もっとも立ち止まる価値のある場面と見ています。警察庁は、著名人の写真や動画を無断で使い「必ずもうかる」「元本保証」とうたう広告も確認したと書いています。
勧誘された商品ごとに違う「登録の確かめ先」
投資の商品には、それぞれ国の登録制度があります。相手がまっとうな業者かどうかは、口コミや利益のスクリーンショットではなく、この登録で判断するのが基本です。
| 勧められた商品 | 関係する登録・ルール | 調べる場所 |
|---|---|---|
| 株式・投資信託・ファンドへの出資 | 金融商品取引業の登録 | 金融庁の金融事業者検索 |
| FX・バイナリーオプション | 金融商品取引業(第一種)の登録 | 同じ検索に加え、海外業者は金融庁が公表する無登録業者の一覧 |
| 暗号資産の売買や取引所の利用 | 暗号資産交換業の登録 | 金融庁の暗号資産交換業者登録一覧 |
| 売買シグナルの配信・自動売買ツール・投資スクール | 助言にあたる内容なら投資助言・代理業の登録。販売の形によっては特定商取引法の表示義務 | 金融事業者検索と、販売ページの特商法表示 |
| 未公開株・社債・「近く上場する」株 | 日本証券業協会の自主規制で、証券会社は未公開株の勧誘を原則として行わない | 日本証券業協会の未公開株通報窓口(0120-344-999) |
| 「元本保証・毎月配当」をうたう出資 | 元本の払い戻しを約束して不特定多数から出資を集めることは出資法が禁じている | 警察や金融庁の相談窓口 |
一覧で名前が見つからないだけで、相手の違法性がただちに決まるわけではありません。とはいえ、金融庁自身がSNS経由の投資勧誘について、取引の前に登録の有無を検索で確かめるよう呼びかけています。登録番号を尋ねてはぐらかされたら、それを入金しない理由にしてかまわないと当サイトは考えます。取引所の真偽の見方は 仮想通貨取引所の詐欺サイトの見分け方、自動売買ツールの調べ方は 「AI自動売買ツール無料配布」の調べ方 で具体的に説明しています。
勧誘の入り口と、その後にたどりやすい流れ
入り口ごとの細かな手口は各論に譲り、ここではどこから始まっても似通う流れを並べます。
- 広告、DM、マッチングアプリ、知人の紹介などで投資の話を聞く
- LINEの個別トークや「投資の勉強グループ」に招かれ、先生役・アシスタント役・もうかったと報告する参加者役が現れる
- 専用アプリや取引サイトに登録させられ、個人名義の口座への振込や暗号資産での入金を指示される
- 画面上の残高が増え、少額なら一度だけ出金に応じることもある
- まとまった額を入れた後、引き出そうとすると手数料や税金、保証金を求められ、やがて連絡がつかなくなる
恋人のように接してくる相手から投資へ話が移る型は 恋人役と「先生」が分担する流れ、グループ型は インスタDMからLINE投資グループへ、配当を払って信用させる型は 高配当投資を見極める手順 で扱っています。
出金のために求められるお金は、払う前に相談へ
相談の中でとりわけ多いのが「残高は増えているのに引き出せない」という状況です。金融庁も、出金の段階で高額な手数料や税金を名目に入金を求められ、払った直後に連絡が途絶える例を紹介しています。
持ち出される名目には、たとえば次のようなものがあります。
- 利益に対する税金を先に納めてほしい
- 出金の手数料や資金洗浄の確認費用がかかる
- 口座が凍結されたので、解除のための保証金が要る
- 信用スコアが下がったので、回復させる入金が必要
税金は本来、自分で申告して納めるか利益から差し引かれるもので、運営者へ前払いする形はふつう考えにくいものです。当サイトの意見としては、引き出すために追加の支払いを求められた時点で入金をやめ、画面と指示の記録を保存して相談に切り替えるのが、損失を広げないための現実的な判断です。取り戻したい一心で払い足し、被害額がかえって大きくなる流れはよく見られます。海外FXやバイナリーオプションの出金トラブルは 海外FXで出金を拒まれたときの見極め も参考にしてください。
払った方法ごとの取り戻しの手順
お金を取り戻せる見込みは、それがどの経路で相手に渡ったかで大きく変わります。どの方法でも結果を約束できるものではありませんが、動き出しが早いほど使える手続きは多く残ります。
振込で払った場合
まず、振り込んだ先の銀行と警察へ連絡し、相手の口座を止めてもらうよう頼みます。相手の口座が凍結されて残高があるなら、その残高を被害者で分け合う振り込め詐欺救済法の分配手続きに進むことがあります。手続きの開始は預金保険機構が公告するので、自分の振込先の口座名義で検索してみてください。申請の進め方は 分配金を申請する手順 にまとめました。
暗号資産で送った場合
ブロックチェーン上の送金には取り消しの仕組みがなく、戻らない例が多いのが実情です。それでも、送金に使った国内の交換業者へ経緯を伝え、送り先アドレスとトランザクションIDを控えて警察に届け出ておく意味はあります。金融庁へ情報を届ける手順は 金融庁への申告の3つの窓口 を読んでください。
カードで払った場合
カード会社へ連絡し、その加盟店への支払いについて相談します。リボや分割で払ったなら、割賦販売法が定める「支払停止の抗弁」によって、残りの支払いを止めるよう求められることがあります。国際ブランドのルールによる取消し(チャージバック)は、カード会社が判断する手続きです。
現金を渡した・送った場合
受け取りに来た人の特徴や日時、場所、宅配便の伝票などをできるだけ残し、警察へ相談します。
支払い方法ごとの連絡先を一覧にした 詐欺の相談先は支払い方法で変わる も合わせて使ってください。
相談窓口:投資の話に詳しい窓口を先に押さえる
| 窓口 | 電話 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 金融庁 詐欺的な投資に関する相談ダイヤル | 0570-050588(IP電話は03-6206-6066) | SNS・マッチングアプリ経由の勧誘や、有名人をかたる投資話 |
| 金融庁 金融サービス利用者相談室 | 0570-016811(IP電話は03-5251-6811) | 登録業者との取引のもめごと、制度についての質問 |
| 証券取引等監視委員会 情報提供窓口 | 0570-00-3581 | FXやファンドなど、市場の公正を損なう疑いのある情報を届ける |
| 日本証券業協会 未公開株通報窓口 | 0120-344-999 | 未公開株や社債の売り込み |
| 警察相談専用電話 | #9110 | 被害届や口座凍結の要請を含めた相談 |
| 消費者ホットライン | 188 | 投資教材・ツール・スクールなど契約の解約 |
金融庁の相談ダイヤルは平日10時から17時まで電話を受け付け、ウェブの窓口は24時間開いています。電話の前に、相手の名前やアカウント、入金日と金額、指示の内容を時系列で1枚にまとめておくと話が早く進みます。窓口ごとの役割は 警察・188・弁護士・法テラスの違い で比べています。
「取り戻せます」という連絡は二次被害の入り口になりやすい
被害の後、SNSの広告やDM、電話で「返金を代行する」「調査して資金を回収する」と持ちかけられることがあります。弁護士や司法書士、公的機関を名乗るケースもあります。国民生活センターは以前、被害の解決を請け負うと宣伝して調査費用を取る探偵業者について、注意を促す文書を出しました。
- 自分で探したのではなく、相手から声をかけてきた回収業者には、頼む前に実在と資格を確かめる
- 弁護士を名乗るなら、日本弁護士連合会の弁護士検索で氏名と所属を照らし合わせる
- 「必ず戻る」「成功率〇%」と言って決断を急がせる相手には頼まない
広告の読み方は 「詐欺の返金実績」広告は信じていい? で詳しく取り上げています。
手口・商品別に詳しく読む
- 暗号資産の被害を段階ごとに整理した 仮想通貨詐欺まとめ
- FX全般の取り戻し方 FX詐欺の返金方法
- 入金後の動き方 バイナリーオプションに入金した後の取り戻し方
- 会員契約の解除 有料コピートレード会員と10日の期限
- 新しいトークンの販売 ICO詐欺・トークン詐欺の手口と対策
- デジタル作品への投資 NFT詐欺の手口と被害相談
- 採掘の配当話 マイニング投資詐欺の手口と被害相談
本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の事案での返金や解決を約束するものではありません。具体的な判断は、上の相談窓口や弁護士に確かめてください。
よくある質問
Q. 投資詐欺かどうかを自分で確かめる方法はありますか?
A. いちばん手堅いのは、相手の業者名で金融庁の金融事業者検索を引くことです。暗号資産なら暗号資産交換業者登録一覧を見ます。登録番号を示さない、聞いても話をそらすといった場合は、入金を見送る判断材料になります。
Q. 仮想通貨(暗号資産)で送ったお金は戻りますか?
A. 送金を取り消す仕組みがないため、戻らない場合が多いのが実情です。送金に使った国内の交換業者への連絡、送り先アドレスと取引IDの保存、警察への届け出は早めに行ってください。回収をうたう業者に先払いするのは慎重に考えましょう。
Q. 投資アプリで出金するために税金を先に払うよう言われました。
A. 払う前に、金融庁の詐欺的な投資に関する相談ダイヤル(0570-050588)や警察相談専用電話(#9110)へ相談してください。金融庁は、出金時に税金や手数料の名目で入金を求められる例を注意喚起の中で紹介しています。
Q. 家族が投資グループにのめり込んでいるようです。どうすればいいですか?
A. 頭ごなしに否定すると話を聞いてもらえなくなりがちです。相手の業者名を一緒に金融庁の検索で調べる、出金を試してもらうといった具体的な確認から入り、家族の立場で相談できるかを窓口に電話で尋ねてみてください。
この記事の出典
- 警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」(2026年6月5日)
- 警察庁 同上 資料1(PDF)
- 警察庁「令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」(2026年7月31日)
- 金融庁「SNS・マッチングアプリ等で知り合った者や著名人を騙る者からの投資勧誘等にご注意ください!」
- 金融庁「金融サービス利用者相談室」
- 金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」
- 金融庁「暗号資産交換業者登録一覧」
- 金融庁 金融事業者検索
- 預金保険機構「振り込め詐欺救済法に基づく公告」
- 日本クレジット協会「支払停止等の抗弁に関する手続きについて(ご案内)」
- 国民生活センター「『アダルトサイトとのトラブル解決』をうたう探偵業者にご注意!」(2016年12月15日)
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。