仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
LINEグループで紹介された海外FXで利益が出たのに、出金を申請すると保留のまま動かない、あるいは「先に費用が必要」と言われる。この状況で大事なのは、断られた理由が「手続きの不足」なのか「追加でお金を払わせる話」なのかを見分けることです。前者なら書類をそろえれば進む余地があります。後者なら、払っても出金につながる保証はなく、国民生活センターや金融庁が注意を呼びかけている典型的な流れに重なります。
この記事では、出金拒否の理由の読み分け方と、申請の記録の取り方、グループの運営者ではなく業者本体とやり取りするための手順を説明します。勧誘メールの段階での見分け方は高レバレッジFXの案内メールの記事、手数料名目の請求全般は出金手数料の記事で扱っています。
業者やグループの担当者が示す理由は、言い回しこそさまざまですが、おおむね次の3つに分けられます。どれに当たるかで、次の一手が変わります。
| 型 | よくある言い方 | 考え方 |
|---|---|---|
| 手続き型 | 本人確認が終わっていない/入金と同じ方法でしか出金できない/出金先の名義が口座名義と違う | 求められた書類や情報を出せば進む可能性がある。ただし、出すたびに別の書類を求められ、何か月も終わらないなら注意。 |
| 規約型 | ボーナスの取引量条件を満たしていない/禁止された取引をした/利益を取り消した | 規約のどの条項に当たるのか、条項番号と該当する取引を文書で示すよう求める。 |
| 支払い要求型 | 税金・保証金・出金手数料・マネーロンダリング審査費用などを先に振り込め | 支払わない。払えば出せるという話が続き、最後に連絡が途絶える流れが公的機関から報告されている。 |
筆者は、3つ目の型が出てきた時点で「出金の問題」ではなく「被害が広がるかどうかの問題」に切り替わったと考えるべきだと思います。ここで払うお金は、これまでの入金とは別に、新たに失うお金になりかねないからです。
本人確認の書類を求められること自体は、正規の業者でも普通にあります。気になるのは次のような場合です。
三つ目は、手続き型の顔をした支払い要求型です。書類を出すことと、お金を払うことは切り離して考えてください。
国民生活センターが2024年1月に公表した注意喚起では、SNS上の投資グループでFX取引に誘われ、出金しようとすると税金の名目で支払いを求められた事例が紹介されています。退職金をつぎ込んだ60代の男性が、出金の条件として税金160万円の支払いを二度にわたって求められたケースもありました。
国内に住む人の場合、FXの儲けに対する所得税は、自分で申告書を出して国に納める仕組みです。国税庁のタックスアンサー(No.1521)は、国内の登録業者との取引の利益は申告分離課税、それ以外の業者との取引による利益は総合課税の雑所得になると説明していますが、どちらの場合も、出金の前に業者や仲介者へ税金を預けるという手順は出てきません。
なお、無登録の海外業者を通じて利益が出た場合、国税庁の説明どおり総合課税の雑所得として扱われ、ほかの所得と合算して税率が決まります。実際に出金できて利益が確定したときに備え、入出金の記録は税務の面でも捨てずに取っておいてください。申告の要否や金額に迷うときは、業者ではなく税務署や税理士に尋ねるのが筋です。
グループ経由で始めた人の多くは、口座の開設も入金も「アシスタント」や「先生」と呼ばれる人の案内どおりに進めています。そのため出金のときも、業者の公式サポートではなく、グループの担当者に「出金したい」と伝えてしまいがちです。
ここに落とし穴があります。担当者が業者の社員である保証はなく、担当者が「審査中」と答えている間、業者本体には何の申請も届いていないことさえありえます。次の点を確かめてください。
金融庁も、知人の紹介であっても利用する業者が日本で登録を受けていない場合があるとして、取引前の登録確認を呼びかけています。
グループ内の出金報告は、あなたを安心させるための投稿である可能性も否定できません。国民生活センターは、グループ内で成功体験が共有され、初めは利益が出ているように見えて送金を重ねた末に出金できなくなる流れを示しています。他人の報告ではなく、自分の口座で自分の申請が通るかどうかだけを判断材料にしてください。
出金拒否をめぐる相談では、「いつ、いくらの出金を申請し、何と言われたか」を時系列で示せるかどうかが、話の通りやすさを左右します。記録は次のような形で一か所にまとめておくと便利です。
| 日付 | したこと | 相手の返答 | 残した記録 |
|---|---|---|---|
| 例:〇月〇日 | 取引画面から〇〇円の出金を申請 | 「審査中」と表示 | 画面のスクリーンショット、受付メール |
| 例:〇月〇日 | サポートに状況を問い合わせ | 「保証金が必要」と返信 | 送受信したメールの全文 |
感情的な文面は避け、事実と依頼だけを書きます。返信がない場合も「返信がなかった」こと自体が記録になります。画像やメールの保管のしかたはこちらの解説にまとめています。
出金のための費用をすでに払ってしまった人もいるはずです。その場合も、これ以上は払わないと決めることが先です。「あと一回で出せる」という話は、公的機関の注意喚起で繰り返し出てくる言い回しです。
もう一つ気をつけたいのが、出金できずに困っている人を狙った「代わりに取り戻します」という連絡です。着手金を払った後に連絡が取れなくなる二次被害もあるため、依頼先が弁護士や認定司法書士かどうかは、所属する会の名簿で確かめてからにしてください。
規約違反を理由に、利益の部分だけを取り消して元本のみ返すと告げられることもあります。この場合は、元本の返金を先に受け取れるかを確かめ、利益の取り消しについては、対象となった取引と条項の説明を求めて記録を残す、という二段構えにすると、手元に戻るお金を確保しやすくなります。
業者が海外にあると、自分だけで交渉して出金を実現するのは難しいのが実情です。海外に拠点を置く無登録業者について、金融庁は、実態の把握が難しく、問題が起きたときに責任を追及するのは極めて困難だと説明しています。だからこそ、早めに複数の窓口に記録を届けておく意味があります。
持っていくのは、上の時系列の表、業者名とサイトのURL、グループの保存画像、入金と支払いの明細です。手順全体は返金相談の流れで確認できます。口座を他人に操作されていた場合は、同じシリーズの口座を作らされた人向けの記事もあわせて読んでください。
A. 待つ間に、取引画面から自分で申請したかを確かめ、申請番号と画面を保存してください。業者のサポートに理由と根拠の条項を文書で求め、期限を決めて回答がなければ、記録を持って消費生活センターや金融庁の相談ダイヤルに相談します。
A. 出金できるという保証はありません。公的機関の注意喚起では、手数料や税金などの名目で支払いを重ねた後に連絡が取れなくなった事例が紹介されています。払う前に相談してください。
A. ボーナスに取引量の条件をつける規約自体は珍しくありません。どの条項のどの条件を満たしていないのかを文書で示してもらい、自分の取引履歴と照らし合わせてください。説明が得られない場合は、その経過を記録して相談します。
A. 手元のスクリーンショット、入金の明細、業者とのメールがあれば相談は進められます。端末のトーク履歴が残っていれば、そのまま消さずに保存してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
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