仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
LINEの投資グループに入ると、はじめは無料の相場解説が流れてきます。しばらくすると「講師のエントリーを会員だけにリアルタイムで配信」「通知どおりにコピーするだけ」といった有料プランの案内が届く。この記事は、そうした会員契約を迷っている方、申し込んだものの解約したい方に向けたものです。
要点は3つあります。1つ目に、売買のタイミングや銘柄を会員に継続して有料で伝えるサービスは、金融商品取引法の「投資助言・代理業」の登録が関係しうること。2つ目に、登録を受けた業者と結んだ投資顧問契約なら、契約締結時の書面を受け取った日から10日以内であれば、書面やメールなどの電磁的記録で解除できる制度があること。3つ目に、投資助言業者は助言に関してお客さんからお金を預かってはならず、「資金をこちらで預かって運用」という話は制度の外にあることです。
以下で、グループでの案内のされ方、登録の確かめ方、解除の手順、支払い後の動き方を順に説明します。取り上げるのは制度の一般的な説明です。個々のグループや運営者の良し悪しを判定したり、払ったお金の返還を約束したりするものではありません。
LINEが勧誘の舞台になりやすいことは数字にも出ています。令和7年の確定値として警察庁が公表した資料によると、SNS型投資詐欺で被害に遭ったときの連絡手段はLINEが8,906件と、9割を超えました。バナー広告やダイレクトメッセージで接触した後、LINEへ誘導される割合はどちらも約9割とされています。
金融庁は、こうしたグループチャットにいわゆるサクラがいて、指南に従えば利益が上がるかのようなメッセージが投稿されることがあると注意しています。ほかの参加者の成功報告は、判断の根拠にしないでください。
入口の広告にも注意が要ります。警察庁によると、令和7年7月以降、著名人の画像や動画を無断で使ったバナー広告による被害の増加が目立っています。講師として名前の知られた人物が紹介されていても、その本人がグループを運営しているとは限りません。
金融商品取引法は、有価証券やデリバティブ取引などの価値について助言を行うことを約束し、相手がその対価を払う契約を「投資顧問契約」と定めています(第2条第8項第11号)。この契約に基づく助言を業として行うのが投資助言・代理業で(第28条第3項)、内閣総理大臣の登録を受けなければ行うことができません(第29条)。
どこからが助言に当たるかは個別に判断されますが、手がかりになる公的な説明があります。
裏返すと、会費を払った会員だけに、売買の指示を継続して送る形は、助言に近い位置にあります。グループの運営者が「情報提供なので登録はいらない」と説明しても、その言葉だけで安心しないほうがよいでしょう。
金融庁の金融商品取引業者登録一覧(PDF)は、令和8年8月31日現在で1,951者を掲載しています。業者ごとに「第一種」「第二種」「投資助言・代理業」「投資運用業」の欄があり、どの種類の登録を受けているかが丸印で示されます。このうち投資助言・代理業の登録業者は1,007者です。
申込画面に会社名も登録番号も見当たらない、あるいは講師の個人名しか分からない場合は、この段階で申し込みを見送る理由になります。
あわせて、登録業者が広告をするときは、商号、登録業者である旨、登録番号などを表示しなければならないと定められています(第37条)。有料プランの案内文や申込ページにこれらの表示がない場合も、確かめる手がかりの一つです。
金融商品取引法第37条の6は、一定の金融商品取引契約について、契約締結時の書面の情報を受け取った日から一定の日数内であれば、書面や電磁的記録で解除できると定めています。施行令第16条の3により、対象は投資顧問契約、日数は10日とされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 登録業者と結んだ投資顧問契約(助言の契約) |
| 期限 | 契約締結時の書面(第37条の4)の情報を受け取った日から起算して10日 |
| 方法 | 書面または電磁的記録。書面は発送した時点で効力が生じる |
| お金 | 業者は解除までの期間に相当する対価として内閣府令で定める額を超えて、損害賠償や違約金を請求できない。前払いを受けていれば返還が必要(その額を除く) |
| 特約 | これらに反する顧客に不利な特約は無効 |
実際には、解除の意思、契約日、サービス名、会員IDを書いた書面を、記録が残る方法(特定記録郵便や簡易書留など)で送り、同じ内容をメールでも送っておくと、日付の証明がしやすくなります。送った書面の写しと郵便の控えは保管してください。
この制度は登録業者との契約を前提にしています。運営者が登録を受けていない場合や、契約の中身が助言ではなく情報商材の販売だった場合は、使える制度が変わります。消費者ホットライン188で、自分の契約にどの制度が当てはまるかを相談してください。
会員になった後、「通知どおりにやるより、資金を預けてくれればこちらでまとめて運用する」「専用口座に入金すれば講師のトレードがそのまま反映される」と持ちかけられることがあります。
金融商品取引法第41条の4により、投資助言業務では、登録業者であってもどんな名目であれ顧客から金銭や有価証券を預かることが認められていません。続く第41条の5は、助言の顧客に金銭を貸し付けることや、第三者からの貸付けの媒介・取次ぎ・代理をすることも禁止しています。
つまり、助言サービスを名乗る運営者が入金を求めたり、「足りない分は業者を紹介するので借りればいい」と言ったりするのは、登録業者に求められるルールから外れた話です。この時点で送金を止めてください。自分でやる場合でも、入金先は本人名義で開いた登録業者の口座だけにします。
グループを抜ける前に、トーク履歴をバックアップし、講師やアシスタントのプロフィール画面、LINEのID、アルバムやノートに置かれた資料を保存してください。退会すると見られなくなるものがあります。保存のこつは証拠の残し方で紹介しています。
AIツールの無料配布をうたうグループの見分け方はLINEグループの「AI自動売買ツール無料配布」で、コピートレードの勧誘全体の整理はコピートレード詐欺の相談窓口で扱っています。
A. 10日を過ぎるとクーリング・オフは使えませんが、契約の取り消しや中途解約ができる場合があります。勧誘のときに事実と違う説明があったかなど、事情によって使える手段が変わるので、契約書面とやり取りを手元にそろえ、188(消費者ホットライン)でどの手段が使えるかを聞いてみてください。
A. 起算日は、契約締結時の書面の情報が届いた日です。まだ届いていないのであれば、まだ起算が始まっていないと考えられる場合があります。受け取っていない事実も含めて、消費生活センターや金融庁の相談窓口に伝えてください。
A. だれでも自由に見られる情報発信なら投資助言業に当たらないとされていますが、会費を払った会員だけに売買の指示を継続して送る形は判断が分かれます。登録の要否は個別に判断されるため、運営者の説明だけで判断せず、金融庁の窓口に相談してください。
A. 登録を受けた投資助言業者であっても、助言業務に関してお客さんからお金を預かることは法律で禁じられています。送金はせず、そのやり取りを保存してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
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