仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
広告やDMをきっかけにLINEの投資グループへ入ったところ、「AIが売買を自動でこなすツールを参加者限定で無料配布」「AI診断で選んだ銘柄を毎朝配信」といった案内が流れてきた。講師やアシスタントを名乗る人が親切で、ほかの参加者も利益報告をしている。本当に大丈夫なのか確かめたい。この記事はそういう方に向けたものです。
手っ取り早く白黒をつける方法はありませんが、自分でできる確認はあります。グループ名、運営会社名、ツールやサービスの名前を、金融庁が公開している2つのデータで照合することです。1つは登録を受けた業者を探す検索、もう1つは無登録で営業しているとして警告を受けた者の一覧です。ただし、警告一覧に載っていないことは安全の証明になりません。その理由と、グループから抜ける前に残しておく記録、入金してしまった場合の窓口も順に説明します。
金融庁は、SNS上の投資勧誘について寄せられた情報をもとに、似た事例が複数ある手口を公表しています。その中に「AI診断」を入口にするものがあり、AI診断をうたうウェブサイトへ誘い込み、分析レポートを配信するという名目でSNSへ移らせてから投資話を持ちかける、と説明されています。同じ資料では、グループチャットに「講師」「先生」「アシスタント」が登場して指南役を務めること、いわゆるサクラが利益の出たような書き込みを重ねることも挙げられています。
役割分担は、おおむね次のように見えます。
| グループ内の役 | よくある書き込み | 見るべきところ |
|---|---|---|
| 講師・先生 | 相場の解説、AIの的中実績、限定プランの告知 | 本名や所属、登録番号を示しているか |
| アシスタント | ツールの配布、個別トークへの案内、入金方法の説明 | 個別トークに移ったあとで話が有料になっていないか |
| 参加者 | 「今日も利益が出た」「先生のおかげ」という報告 | 同じ文面や似た時刻の投稿が続いていないか |
警察庁の統計(令和7年確定値)では、SNS型投資詐欺9,523件のうち、被害を受けた時点の連絡手段がLINEだったものが8,906件(93.5%)でした。広告やDMで接触した後にLINEへ誘導される割合は、どちらの経路でも約9割とされています。入口がどこであれ、最後はLINEの中で話が進むと考えてよいでしょう。
金融商品取引法は、金融商品取引業を営むには内閣総理大臣の登録が必要だと定めています(第29条)。グループで行われがちな行為に当てはめると、次のようになります。
金融庁が警告を出した無登録業者の一覧を読むと、AIを名前に使ったサービスは珍しくありません。令和8年4月から5月に掲載された分だけでも、名称に「AI」を含むサービスを提供し、投資顧問契約にもとづいてSNS等で投資助言をしていたとして警告を受けたものが複数あります。古い掲載分には、自動売買ソフトを買った人が特定の業者での口座開設を指示されたり、口座のIDとパスワードを知らせるよう求められたり、投資判断を他社に任せる書面への署名を求められたりした、という情報も載っています。
無料のツールを受け取っただけなら、すぐに法的な問題が生じるわけではありません。気をつけたいのは、その後に有料プランや運用の委託、指定口座への入金へ話が進むときです。
金融庁の「金融事業者一括検索」を開き、グループやツールの案内に出てくる会社名を入力します。金融庁の説明では、名称のほか電話番号でも検索できます。見つかった場合は、登録の種類(投資助言・代理業、第一種金融商品取引業、暗号資産交換業など)と、案内されている業務が合っているかを見てください。
「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」のページには、PDF、Excel、HTMLの3形式で一覧があります。スマートフォンならHTML版を開き、ブラウザのページ内検索を使うのが早い方法です。PDFやExcelでアルファベットの名称を探すときは、全角と半角の両方で試すよう金融庁が注意書きをしています。
検索にかける言葉は、1つに絞らないほうが確実です。
| 結果 | 読み方 |
|---|---|
| 登録業者の検索で見つかった | 名前を借りたなりすましの可能性が残る。公式サイトに載っている電話番号へ自分でかけて、そのグループを運営しているか確認する |
| 警告一覧に載っていた | 警告の時点で無登録営業が確認された相手。入金や個人情報の提供はしない |
| どちらにも出てこない | 安全という意味ではない。金融庁自身が、掲載されていない者でも無登録営業にあたる行為をしていることがあると明記している |
会社名がどこにも示されていないグループは、調べる手がかりすらありません。筆者としては、運営者名を尋ねてもはぐらかされる時点で、それ以上関わらないのが妥当だと考えます。
次のどれか1つにでも当てはまったら、話を聞き続ける理由はありません。
有名人の画像を使ったバナー広告の手口について、警察庁もLINE登録へ誘導すること、「必ずもうかる」「元本保証」とうたうことを見分けるポイントに数えています。グループ内の雰囲気がどれだけ和やかでも、これらの合図の重みは変わりません。
グループを抜けるとトーク履歴を見返せなくなることがあります。退出やブロックの前に、次の順で記録を残してください。
記録が済んだら、グループを退出し、講師やアシスタントのアカウントを通報・ブロックします。LINEの安全ガイドでは、知らない相手からのトークを通報する機能、ブロック機能、友だち以外からのメッセージ受信を拒否する機能が案内されています。退出した後に別のアカウントから個別に連絡が来ることもあるので、受信拒否の設定もしておくと安心です。
グループに入るきっかけがSNS上の広告だった場合は、金融庁の「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」に広告の内容を伝えることもできます。
最優先は、振込先の口座を止める手続きに早く乗せることです。警察庁の統計では、SNS型投資詐欺の振込型7,135件のうち5,049件(70.8%)がインターネットバンキングによる振込でした。スマホで手軽に送れる分、気づいたときには複数回に分けて送っていることもあります。
暗号資産で送った場合の記録の取り方は暗号資産詐欺の証拠の残し方、出金に手数料を求められている場合は「手数料を払えば出金できる」の特徴を参考にしてください。LINEグループに招待されたときの一般的な注意点はLINEグループに招待されて投資を勧められた場合、AI自動売買の勧誘全体はAIトレード自動売買詐欺の対処法にまとめています。
A. 安全とは言えません。警告一覧は、警告を出した時点で無登録営業が確認できた者だけを載せたものです。登録業者の検索でも見つからないなら、登録のない相手と取引しようとしていることになります。
A. 受け取っただけで直ちに困ることは少ないものの、その後に有料プランへの加入や口座への入金、IDとパスワードの共有を求められるなら応じないでください。配布時に氏名や電話番号を登録した場合は、別の勧誘の連絡が来ることも考えておきましょう。
A. 返信はせず、トークを保存してから通報とブロックをしてください。LINEの設定で、友だち以外からのメッセージ受信を拒否しておくと、別アカウントからの連絡も届きにくくなります。
A. 警告は無登録営業の中止を業者に求める行政上の措置で、利用者一人ひとりの支払いを回収する仕組みは含まれていません。返金を目指すなら、振込先の銀行への連絡や警察への相談、弁護士への依頼を検討してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。