仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
FX詐欺の返金を考えるとき、最初に決めるべきは「誰に、どの手段でお金を渡したか」です。金融庁に登録されたFX業者とのトラブルなのか、登録のない海外業者や偽の取引サイトなのか、自動売買ツールやサロンの販売業者なのか、あるいは知人や恋人に直接渡したのか。相手によって使える制度も相談窓口もまったく違います。
この記事は、FXに関わるお金を取り戻したいと考えている人に向けて、相手の種類ごとに返金の道筋を整理したものです。どの道でも返金が約束されるわけではありませんが、使える制度を知っておけば、次に何をすべきかがはっきりします。
FXは為替相場の変動で損益が出る取引です。登録を受けた業者で、自分の判断で売買して出た損失は、原則として返金の対象になりません。返金を求められる可能性があるのは、次のように取引の前提そのものに問題がある場合です。
金融庁も、FXや暗号資産の勧誘では日本で登録を受けていない業者が使われることが多く、その場合は被害回復が難しく泣き寝入りになるおそれがあると注意を呼びかけています。自分のケースがどちらに近いかを先に整理しておくと、相談先で話がかみ合います。
返金の窓口を決めるため、お金を渡した相手を次の4つのどれかに当てはめます。
| 相手の種類 | 確かめ方 |
|---|---|
| 登録を受けたFX業者 | 金融庁の金融事業者検索で、業者名や電話番号から登録を確認できる |
| 無登録の業者・偽の取引サイト | 検索で見つからない。金融庁が公表する、警告書を出した無登録業者の一覧に載っていることもある |
| ツール・サロン・情報商材の販売業者 | 取引そのものではなく、ソフトや講座、情報の代金を払っている |
| 個人(紹介者、SNSの知人、恋人) | 業者を通さず、相手の口座や手渡しでお金を渡した |
1つの被害に複数が混ざることもよくあります。たとえば「知人の紹介で自動売買ツールを買い、そのツールが指定する海外業者に入金した」なら、ツールの販売業者と海外業者の両方が相手です。お金の流れを1本ずつ分けて考えてください。
相手が登録を受けたFX業者なら、まず業者の苦情窓口に、日時と内容を具体的に書いて申し出ます。約定の不具合や説明の不足など、業者の対応に問題があったと考える場合が該当します。
話がまとまらなければ、「証券・金融商品あっせん相談センター」(略称FINMAC)という第三者機関に持ち込めます。株式や投資信託、FXなどの取引をめぐるトラブルについて、国の指定を受けた中立の機関として苦情の相談とあっせん(紛争解決の手続き)を行っています。
あっせんでは、双方の言い分を聞いたうえで、あっせん委員が解決案を示します。申し立てる前に、業者とのやり取りの記録、取引報告書、問題があったと考える注文の日時を時系列に並べておくと、主張が伝わりやすくなります。
登録業者が相手なら、少なくとも相手の所在ははっきりしています。返金を求める交渉の土台がある点で、無登録業者の場合とは大きく違います。
登録のない業者や偽のサイトに入金した場合、業者そのものに返金を求めても応じる見込みは薄いため、お金が通った経路で手を打ちます。
| 支払い方法 | 使える手続き |
|---|---|
| 銀行振込 | 振込先の銀行と警察に連絡し、口座の凍結を求める。振り込め詐欺救済法の手続きに進めば、口座に残った預金から被害額に応じた分配を受けられる場合がある。口座ごとの進み具合と申請の受付期間は、預金保険機構がウェブで公告している |
| クレジットカード | 利用明細を手元に置いてカード会社へ連絡し、請求を止められないか尋ねる。海外の決済代行業者を経由していることも多い |
| 暗号資産 | 送金に使った国内の取引所に連絡し、送付先アドレスとTxIDを添えて警察に相談する |
| 現金の手渡し・郵送 | 受け取った人物の情報を警察に伝える。郵送なら伝票を保管する |
どの方法でも、時間が経つほど口座の残高は減り、相手は消えていきます。振込の場合は特に、気づいた日のうちに銀行へ連絡するつもりで動いてください。
自動売買ツールや投資サロン、情報商材の代金は、取引の損失とは別に取り戻しを検討できます。
契約の勧誘で、事実と違う説明をされたり、「確実に儲かる」と将来の利益を断定されたりして契約した場合は、消費者契約法第4条にもとづいて契約を取り消せる可能性があります。この取消しの権利は、誤認に気づいて追認できるようになった時から1年間使わなければ消え、契約の日から5年が過ぎた場合も同じ扱いになります(同法第7条)。
電話で勧誘されて契約したなら、契約書面を受け取った日を1日目として8日以内であれば、クーリング・オフを使える場合があります。人を紹介すると報酬が出る仕組みの契約では、20日間が基準です。詳しくは電話勧誘の自動売買ツールとクーリング・オフ、紹介報酬つき自動売買の解約20日ルールで扱っています。
どちらも、契約書や広告、勧誘の録音やメッセージが根拠になります。販売ページが消される前に保存しておきましょう。
業者を通さず、紹介者や知人、SNSで知り合った相手の口座にお金を振り込んだ、あるいは「代わりに運用する」と言われて現金を手渡したというケースもあります。相手の名前や連絡先が分かっているなら、民事の手続きで返還を求める道があります。
相手が親しい人だと、強く言い出しにくいものです。ただ、紹介した本人も別の誰かに誘われて被害に遭っていることがあり、早めに事実を共有したほうが双方の被害を広げずに済む場合もあります。
相手がどの種類でも、返金の手続きでは「いつ、誰に、いくら、どうやって払ったか」を示す記録が土台になります。次のものを1つのフォルダにまとめておくと、窓口ごとに探し直さずに済みます。
取引画面は、サイトが閉鎖されると二度と見られません。まだログインできるうちに保存してください。まとめ方は証拠の残し方・保存方法でも紹介しています。
FX詐欺の返金について検索すると、「返金率○%」「着手金ゼロで取り戻す」とうたう広告が目につきます。弁護士でない者が報酬を得る目的で他人の法律事件を扱うことは、弁護士法第72条で禁じられています。調査会社やコンサルタントを名乗る業者に依頼する前に、その業者が何をするのか、誰が交渉するのかを確かめてください。解決業者を名乗る二次被害については詐欺被害の2次被害に気をつけるで詳しく説明しています。
海外業者への入金が絡むなら海外FXで出金拒否されたときの見極めも参考にしてください。状況の整理から始めたい方は相談予約をご利用いただけます。
A. 登録業者での取引で、自分の判断で売買して出た相場の損失は、原則として返金の対象になりません。業者の説明に問題があった、システムの不具合で損失が生じたなど、業者側の対応に原因があると考えるなら、業者の苦情窓口やFINMACに相談できます。
A. 業者が海外にあると、日本から返金を求めるのは難しいのが実情です。ただし、振込先が国内の銀行口座なら、振り込め詐欺救済法の手続きで口座に残った預金から分配を受けられる場合があります。銀行と警察に早めに連絡してください。
A. 勧誘の内容によっては、消費者契約法による取消しや、特定商取引法のクーリング・オフが使える可能性があります。取消しには期限(追認できる時から1年、契約から5年)があるため、契約書や広告の記録をそろえて早めに188へ相談してください。
A. 弁護士でない者が報酬目的で交渉などを代行することは弁護士法で禁じられています。前払いの費用を求められたり、返金を約束されたりしたら慎重に判断し、公的な窓口か弁護士に相談してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。