仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
学校の先輩や昔の友人から「いい話がある」と呼び出され、FX自動売買ツールを勧められた方、すでに契約して「人を紹介すれば元が取れる」と言われている方に向けた記事です。
最初に結論です。ツールの購入に加えて「紹介すれば報酬が入る」という話がセットになっているなら、いわゆるマルチ商法として特定商取引法の連鎖販売取引に該当する可能性があり、法定の書面を受け取ってから20日以内はクーリング・オフで解除できます。20日を過ぎても、将来に向けて退会する中途解約の仕組みがあります。相手が友人でも、法律上の扱いは変わりません。
本記事は公的機関の資料をもとにした一般的な解説です。特定の事業者や誘ってきた人を悪者と決めつけるためのものではありません。返金の結果も、個々の事情で変わります。
国民生活センターは、商品やサービスを契約したうえで自分も勧誘する側に回り、紹介料などの報酬を得る商法を「マルチ商法」と呼び、特定商取引法の連鎖販売取引とは必ずしも一致しないと注記しています。ただ、次の要素がそろっていれば、連鎖販売取引として法律の規制を受ける可能性が高くなります。
同センターは2019年、健康食品などの「モノ」ではなく、投資や副業といった「役務」を扱うモノなしマルチ商法の相談が若者で増えていると注意を呼びかけました。PIO-NETの集計では、2018年度にマルチ商法の相談のうち役務に関するものが5,490件あり、そのうち29歳以下が2,481件でした。FX自動売買ツールは、まさにこの「モノなし」の形で広がりやすい商材です。
なお、特定商取引法は連鎖販売取引について、勧誘を始める前に事業者の氏名(名称)、契約の勧誘が目的であること、扱う商品やサービスの種類を告げるよう義務付けています(第33条の2)。「久しぶりにご飯でも」と呼び出され、席に着いてから投資の話が始まった場合は、この点も相談時に伝えてください。
紹介料を得られるとうたってEA作成ソフトの利用サービスを広げていた連鎖販売業者について、消費者庁は2023年7月、連鎖販売取引の一部を15か月間停止させる命令を出しました。公表資料には、次のような勧誘の実態が書かれています。
国民生活センターが2021年に紹介した相談にも、大学の先輩にファミリーレストランへ呼び出され「約50万円のFX自動売買システムを買えば何もしなくても稼げる」と勧められ、学生ローン2社から計50万円を借りて支払ったという20歳代の例があります。契約書はなく、会社の住所も連絡先も分からないままでした。
こうした事例を読むと、勧誘してくる友人本人も、上の立場の人から同じ話を聞かされて信じている場合が少なくないことが分かります。相手を責めるより、契約の仕組みそのものを冷静に確かめることが大切です。
断りきれずに話を聞く場面では、相手の熱量に流されないよう、事実を確かめる質問を用意しておくと冷静でいられます。答えがあいまいなら、それ自体が判断材料になります。
質問するだけで空気が悪くなるなら、その集まり自体が質問されたくない事情を抱えていると考えてよいでしょう。編集部としては、この5つのうち1つでも答えが出ない段階でお金を払うことはすすめません。
国民生活センターは、「お金がない」と断ると「借りればいい」と返され、借金やクレジット契約で断る理由を封じられることがあるとして、「いりません」ときっぱり断るよう呼びかけています。友人との関係を壊したくないときほど、理由を並べずに短く伝えるほうが話がこじれません。
「誘ってくれたのはありがたいけど、この話には参加しない。この件はこれで終わりにしたい。」
次のような言葉が出てきたら、その場で決めずに席を立ってかまいません。
借入れの理由や勤務先を偽って申告するよう言われた場合、それ自体が消費者庁の処分例で違反とされた行為に当たります。言われた内容はメモに残してください。
連鎖販売取引のクーリング・オフ期間は20日です。起算日は法定書面を受け取った日で、商品の受け取りのほうが遅ければその日から数えます。通知は紙の書面でも、メールなどの電磁的記録でも構いません(消費者庁「特定商取引法ガイド」)。嘘の説明や脅しによって手続きを思いとどまらせられた場合は、20日が過ぎていても解除の道が残ります。書面を一度も受け取っていないなら、その事実を相談先に伝えてください。
クーリング・オフの期間が過ぎても、連鎖販売契約は将来に向かって解除(退会)できます。一定の条件を満たせば、あわせて商品の販売契約を解除できる仕組みもあります。ツールのように形のないサービスの場合にどこまで返金を求められるかは、契約内容によって変わるため、消費生活センターで確認するのが確実です。
「確実にもうかる」といった事実と違う説明や、重要なことを隠した勧誘によって誤認して契約した場合は、契約の意思表示を取り消せる規定もあります。消費者契約法にも、将来の利益のように確実でないことを「確実だ」と言い切って契約させた場合(断定的判断の提供)に取り消せる定めがあります。
どの手段を使う場合でも、通知は送った証拠が残る方法で出し、控えを保存してください。
貸金業者や学生ローンから借りたお金は、ツール契約を解除しても、原則として返済義務が残ります。ただし、ツール代金が返金されればその返済に充てられます。借入れの経緯(誰に、どう申告するよう指示されたか)を記録し、返済が苦しい場合は早めに相談してください。返済計画の見直しは、消費生活センターや法テラスで相談先を案内してもらえます。
自分が誘った人がいる場合、その人も同じように解約できる可能性があります。気まずさから黙っているより、「自分は解約することにした、クーリング・オフの期限を確かめてほしい」と早めに伝えるほうが、相手の被害を小さくできます。勧誘した側に回った期間が長い場合は、自分の立場について弁護士に相談しておくと安心です。
記録の残し方は証拠の残し方、SNSのグループを通じた類似の勧誘はSNS・LINEグループの投資詐欺も参考にしてください。
友人との関係が気になるときは、「消費生活センターに相談したら、クーリング・オフの対象だと言われた」と、第三者の判断として伝えると角が立ちにくくなります。相談前に、誘われた日、会った場所、同席した人、説明された内容、払った金額と方法を書き出しておきましょう。弁護士への依頼を考える方は相談予約、全体の進め方は解決までの流れをご覧ください。
A. 勧誘したのが友人でも、連鎖販売取引に当たる契約なら、法定の書面を受け取ってから20日以内はクーリング・オフの対象になり得ます。通知は契約の相手方である事業者に送ります。
A. クーリング・オフの期間は法定の書面を受け取った日から数えるため、書面を受け取っていない場合の扱いは専門家に確認する価値があります。受け取っていない事実を記録し、188に相談してください。
A. 紹介料を前提にした収入は、次に勧誘できる人がいる限りでしか成り立ちません。消費者庁の処分例でも「誘えば誘うほどもうかる」といった勧誘が確認されています。紹介料を当てにした契約はおすすめしません。
A. クーリング・オフや中途解約の通知は事業者に送るもので、友人の了承は要りません。関係が気になる場合は、手続きを済ませてから「相談窓口に確認して解約した」と伝える方法もあります。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。