SNS広告・検索・DM経由の返金をうたう詐欺を見分ける方法|相談前に確認すべき手口と安全な相談先の選び方
ChuChuやHEATをかたる窓口など、返金相談を装う連絡に不安を感じた人へ。広告・検索・DMでの誘導の見分け方、確認事項、相談先の選び方を解説します。
「きょうは必ず当たります」は、特定の占いサイトの名前ではありません。占い師を名乗って宝くじの高額当選を約束し、鑑定料を振り込ませたとして警視庁が2025年6月と2026年6月に摘発した事件で、被害者に送られていたメッセージの文言として報道されたものです。
先に結論を書きます。この言葉とセットで「当選のための鑑定」「ポイント購入」「指定口座への振込」を求められているなら、報道された事件と同じ型の勧誘です。支払いはいったん止め、振込先の口座名義・金額・日時を控えたうえで、振込先の金融機関と警察(#9110 または最寄りの警察署)、消費生活センター(188)に連絡してください。
この記事は、同じ文言のメールやメッセージを受け取った人、すでに鑑定料を払ってしまった人、高齢の家族のスマートフォンで似たやり取りを見つけた人に向けて書いています。報道と公的機関の資料で確認できたことだけを載せ、口コミや体験談は載せていません。
読売新聞オンライン(2025年6月5日)によると、警視庁は2025年6月4日、占いで宝くじの高額当選を当てるとうそを言って現金をだまし取ったとして、男女8人を詐欺容疑で逮捕しました。熊本県内の70歳代の女性に占い師をかたって「宝くじの高額当選を必ず引き当てる」と告げ、350回以上にわたって現金計約737万円と約11万円相当のギフトカードを詐取した疑いとされています。
手口として報じられたのは、何らかの方法で入手したメールアドレスに「良い運気が来るので鑑定を受けてください」と送り、グループが運営する占いサイトへ誘導する流れです。サイト上で「今日は必ず当たる」などと伝え、鑑定料の名目で指定口座に振り込ませていたといいます。
2026年7月2日には、同じ事件の指示役とみられる男3人の逮捕(6月30日)が発表されました。読売新聞オンラインの記事では、男らが「聖(ひじり)イシス」「天神福寿(あまねふくじゅ)」と名乗ってメールを送り、「占い館」というサイトへ誘導、「今日は必ず当たります」などと送って1回数千〜数万円を振り込ませていたと伝えています。産経ニュースは、「完了するためにはポイントを購入する必要がある」といった虚偽のメールが使われたこと、前年に逮捕された8人のうち7人が起訴されたことを報じています。
| 項目 | 2025年6月の発表 | 2026年7月の発表 |
|---|---|---|
| 逮捕された人数 | 男女8人 | 男3人(指示役とみられる) |
| 逮捕容疑の被害 | 熊本県の70歳代女性から現金約737万円と約11万円相当のギフトカード | 同じ女性から現金約740万円と約10万円分のギフトカード |
| 警視庁がみている被害の全体 | 2023年8月以降、少なくとも約10人から計約5,000万円 | 2023年8月〜2025年3月に全国約20人から計約8,000万円 |
| 誘導先 | グループが運営していた占いサイト | 「占い館」というサイト |
数字はいずれも報道時点で警視庁が「みている」とされた内容で、裁判で確定した金額ではありません。逮捕や起訴は有罪の確定を意味しない点も付け加えておきます。
「評判・口コミ」で検索しても、出てくるのは主にこの報道への反応です。サイト名が「占い館」のようにありふれた名前で、占い師の名前も複数使われていたため、自分が使ったサイトが報道の事件と同じかどうかは、名前だけでは判断できません。
検索する人の不安は、おおむね次の3つに分かれます。
どの場合も、最初にやることは同じです。追加の支払いを止め、画面を消さずに保存し、振込の記録を集めることです。やり取りを削除してから相談すると、どの口座に何回払ったかを後から説明しにくくなります。
似た手口は事件の前から相談として寄せられていました。2020年11月に国民生活センターが出した注意喚起では、「必ず宝くじの高額当選に導く」という鑑定士とのやり取りで、1通1,500円分のポイントを払いつつ、当せん番号のためだと言われた言葉を1文字ごとに送り続けた相談が紹介されています。支払額は振込が約17万円、カードが約38万円にのぼりました。
報道の事件と国民生活センターの事例に共通する要素を、確認用に並べます。
編集部の見解を書いておくと、宝くじの当せん番号は抽せんで決まる仕組みです。特定の日や買い方を鑑定で見抜けば当選が確定する、という説明を裏づける公的な根拠は見当たりません。1から7のうち複数に当てはまるなら、次の支払いをする前に第三者へ相談してください。
振込先の金融機関と警察にすぐ連絡します。金融庁の案内では、いわゆる振り込め詐欺救済法により、詐欺の振込先になった口座の残高が、被害者への分配に回されることがあります。流れは、口座の凍結、預金保険機構のサイトでの公告、被害者の申請、という順です。口座から現金が引き出されたあとでは分配の原資がなくなり、分配まで半年以上かかるのが一般的とされています。一日でも早く連絡するほうが有利です。
事件では現金のほかにギフトカードも詐取されたと報じられています。カードの裏面の番号、購入したレシート、番号を送った画面を保存し、発行会社の窓口に不正利用として連絡してください。日本資金決済業協会も、プリペイドカードの番号を伝えさせる詐欺への注意を呼びかけています。使われた後では残高が戻らないことが多いので、気づいた時点での連絡が肝心です。
カード会社には、明細のどの行が問題の支払いかを示して調査を頼みます。割賦販売法の対象になるクレジット契約なら、請求を止めるよう求める「支払停止の抗弁」という手続きがあります。日本クレジット協会の案内によれば、一括払いには使えず、目安となる金額は、分割で手数料を含めた総額4万円、リボで現金価格3万8千円とされています。
「鑑定を受けないと運気が落ちる」のように、霊感などの特別な力を持ち出して不安をあおられ、支払いが避けられないと思わされた場合は、消費者契約法の取消しの規定(第4条第3項第8号)が関係してきます。同法第7条により、この取消しは追認可能になってから3年以内、かつ契約締結から10年以内に行う必要があります。自分の事情が該当するかは、弁護士か消費生活センターで見てもらってください。
報道された事件は詐欺容疑で逮捕者が出ています。同じ型の勧誘で払ってしまった場合、刑事事件として警察に相談する選択肢と、お金を取り戻すために消費生活センターや弁護士に相談する選択肢を並行して考えてください。
手元に揃えておくと話が早いものは次のとおりです。
証拠の集め方は証拠の残し方、相談前の確認は相談前チェックリストにまとめています。占いサイトのトラブル全般を扱う窓口は、占い詐欺の公的相談先で一覧にしています。個別に話を聞いてほしい場合は無料の相談予約も利用できます。
A. 返信そのものに料金がかかるかは、誘導先のサイトの料金表によります。報道された事件では、やり取りを続けるうちに鑑定料やポイント代として振込を求められていました。料金表と特定商取引法に基づく表記を確認し、支払いを求められた時点でやり取りを止めて相談するのが安全です。
A. 相談できます。自分が使ったサイトが報道の事件と同じかどうか分からなくても、宝くじ当選を約束されて鑑定料を振り込んだという事実があれば、#9110や最寄りの警察署で相談できます。振込先口座の情報を持参してください。
A. まず本人と一緒に追加の支払いを止め、通帳や振込控えから振込先と金額を一覧にします。次に、振込先の金融機関と警察へ連絡し、188で消費生活センターにもつないでもらいましょう。口外しないよう言われていることがあるので、責める言い方は避けたほうが話を聞き出しやすくなります。
A. 戻るとは限りません。振り込め詐欺救済法による分配は振込先口座に残っていた金額が上限で、刑事手続きとお金の回収は別の手続きです。回収の見込みは、支払い方法や時期によって変わるため、弁護士に個別に確認してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。