仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
X(旧Twitter)のタイムラインに、「AIに任せて放置で月利20%」「今月のAI自動売買の成績」といった利益画像つきのポストが流れてくる。プロフィールのリンクから登録しようか、DMで詳細を聞こうか迷っている。この記事は、その一歩手前にいる方と、すでにDMを送ってしまった方に向けています。
判断の足場になるのは、法律が投資の広告に求めている表示です。金融商品取引業者が自分の業務を広告するときは、商号と、登録業者であることと登録番号を表示しなければなりません(金融商品取引法第37条)。ポストや誘導先のページに登録番号がない、番号はあるが金融庁の検索結果と会社名が一致しない、のどちらかなら、そこで手を止めてください。確かめ方を具体的に説明します。
警察庁の統計(令和7年確定値)によると、SNS型投資詐欺の最初の接点になったツールのうちX(Twitter)は815件で、前年の約2倍(+99.8%)に増えました。DMを入口とする3,549件に絞ると、Xは451件(12.7%)です。30代から40代では、InstagramとXによる被害が多いとされています。
X上で見かける形は、大きく3つに分けられます。
成績として載せられる残高画面は、画像の加工や、実際のお金が動かない練習用口座の画面である可能性もあります。ポストの主が本当にその金額を得たかどうかを、見る側が確かめる方法はほとんどありません。
金融庁は、投資関連の投稿をフォローするとDMが届き、最終的にクローズドチャットへ誘導されるという流れを、投資詐欺が疑われる事例として公表しています。Xのやり取りだけで完結せず、LINEなど別のアプリに移るよう促された時点で、この流れに乗っている可能性を考えてください。
金融商品取引法第37条は、登録を受けた金融商品取引業者等が業務の内容について広告をするとき、次の事項を表示するよう定めています。
同じ条文の第2項は、利益の見込みなどについて著しく事実と違う表示や、著しく誤解させる表示を禁じています。さらに第38条は、不確実なことについて断定的な判断を示したり、確実だと誤解させるようなことを告げたりして勧誘することを禁止しています。
| ポストや誘導先で見かける表現 | 法律との関係 |
|---|---|
| 会社名も登録番号も見当たらない | 登録業者の広告なら表示が求められる事項が欠けている |
| 「AIだから負けない」「月利○%確定」 | 断定的判断の提供や、利益見込みの誇大な表示に近い |
| 「海外の会社なので日本の登録は不要」 | 金融庁は、海外の業者でも日本の居住者を相手に業として取引するなら日本の登録が必要だとしている |
「AIが判断している」という説明は、登録が要るかどうかに影響しません。料金を取って売買のタイミングを伝える、預かったお金や口座を代わりに動かす、といった行為の中身で決まります。
なお、登録のない者がこうした勧誘をしている場合は、そもそも第29条の登録を受けずに営業している疑いが出てきます。表示義務を守っているかどうか以前の問題です。
金融商品取引業者の登録番号は、「〇〇財務局長(金商)第〇〇号」のように、登録した財務局と番号の組み合わせで示されます。番号が書いてあるだけで安心せず、次の手順で照合してください。
暗号資産の売買や交換の場を提供する業者は、暗号資産交換業の登録を受けている必要があります。金融庁が公開している登録業者の一覧(令和8年9月1日現在で27業者)では、登録番号が「〇〇財務局長 第〇〇〇〇〇号」の形で載っています。AIツールの販売者と、実際にお金を預ける取引所が別の会社になっていることも多いので、それぞれを確認してください。
手順4まで行うのは、実在の業者の名前や番号を無断で使う例があるからです。金融庁は、金融商品取引業者の登録番号を詐称している事例や、実在の業者に似せた偽サイトへ誘導する事例を公表しています。無登録業者の警告一覧にも、勧誘に使われた登録番号が実際には別の登録業者のものだった、と注記された掲載があります。
筆者の考えでは、X経由の勧誘で登録番号の照合まで済ませる人は多くありません。逆に言えば、この3分ほどの作業が、入金前にできるいちばん効き目のある確認です。
個人のアカウントが「このAIツールで勝てている」「この海外業者は出金が早い」と紹介している場合、ポストの主は業者ではないため、ポスト自体に登録番号がなくても不自然ではありません。見るべきは紹介されている先です。
無登録の海外業者と取引して出金できなくなった場合、日本の制度で取り戻せる余地はかなり限られます。海外業者とのやり取りで困ったときの整理は海外FX詐欺の送金被害に遭ったときの対処法を参考にしてください。
気になるポストはURLをコピーし、画面も保存しておきます。投稿は削除されることがあるためです。そのうえでアカウントをミュートまたはブロックすれば、同じ誘いを繰り返し目にせずに済みます。誇大な投資の勧誘だと感じたら、Xの報告機能で運営に知らせる方法もあります。
怪しいポストや広告を見つけたこと自体を行政に知らせたい場合、金融庁がSNS上の投資詐欺の疑いがある広告・投稿専用の情報受付窓口をウェブに設けています。
支払った方法によって、最初に連絡する先が変わります。
| お金を払った手段 | 真っ先に連絡する相手 | その場で伝える情報 |
|---|---|---|
| クレジットカードでツール代を払った | カード会社 | 利用日、金額、加盟店名。分割払いやリボ払いなら支払停止の抗弁を使える場合がある |
| 銀行振込で入金した | 振込元と振込先の銀行、警察 | 振込日時と振込先口座。相手口座が凍結されれば、救済法にもとづく分配の対象になりうる |
| 暗号資産で送った | 利用した取引所、警察 | 送金日時、数量、送り先アドレス、トランザクションID |
あわせて、次の窓口も使えます。
損を取り戻せると持ちかける連絡が後から来ることもあります。消費者庁も、被害を回復できるとうたう連絡による二次被害への注意を促しています。前払いの費用を求められたら、払う前に188で相手の説明を確かめてもらいましょう。
AI自動売買をうたう勧誘の経路ごとの違いはAIトレード自動売買詐欺の対処法、自動売買やコピートレードを名目にした手口はFX詐欺——自動売買・コピートレードを名目とした詐欺の手口でも取り上げています。
A. 番号の記載だけでは判断できません。金融庁は、登録番号を詐称する事例を公表しています。金融庁の金融事業者一括検索で会社名・登録番号・所在地・電話番号が一致するか確かめ、さらに公式サイトの連絡先に自分で問い合わせてください。
A. 名目がどうであれ、実際に料金を取って売買の判断を伝えたり、運用を代わりに行ったりしていれば、金融商品取引業の登録が問題になります。料金、契約の中身、運営会社名を確かめ、説明があいまいなら取引しないでください。
A. 金融庁は、業者の所在地が海外でも、日本の居住者を相手に金融商品取引を業として行うなら日本での登録が必要だとしています。登録がない業者との取引は避けてください。
A. 販売者の所在や契約の形、支払い方法によって取れる手段が変わります。カード払いならカード会社へ、振込で払ったなら振込先の金融機関と警察へ、なるべく早く連絡したうえで、契約の解除や返金交渉については188に相談してください。返金が実現するかどうかは状況しだいです。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
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