仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
知らない番号から電話があり、「AIが相場を読んで自動で売買するシステムの無料モニターを募集している」「FXの自動売買で月々の収入を作りませんか」と勧められた。話を聞くうちにツールの購入を約束してしまった、あるいは口座のIDを伝えてしまった。この記事は、そうした状況で次に何をすればよいか知りたい方に向けたものです。
電話による投資の勧誘には、法律がいくつかの歯止めを設けています。登録を受けた業者であっても、FXのような店頭デリバティブ取引を個人に勧める電話を、頼まれてもいないのにかけることは原則として禁じられています(不招請勧誘の禁止)。ツールや情報商材を電話で売る契約なら、特定商取引法の電話勧誘販売として、書面を受け取ってから8日以内のクーリング・オフが使える場合があります。どちらに当たるかは契約の中身で変わるので、以下で順に確かめていきましょう。
電話の勧誘は、相手の顔も資料も見えないまま話が進むのが特徴です。よく聞かれる筋書きを並べると、次のようになります。
この筋書きには裏づけがあります。金融庁が公表している無登録業者の警告一覧には、FXや日経225オプションの自動売買ソフトを買った人が、指定された業者で口座を開くよう指示された、口座のIDとパスワードを知らせるよう求められた、投資判断を他社に任せる「LIMITED POWER OF ATTORNEY」という書面の提出を求められた、口座に残高があるのに出金できない、といった情報が寄せられたと記載されています。
電話の相手が名乗る社名は、途中で変わったり、折り返し先の番号がつながらなかったりすることもあります。最初の電話で聞いた社名と番号は、必ずその場で書き留めておきましょう。
電話口で「ソフトを売っているだけで、運用はお客様ご自身です」と説明されても、実際にはIDを預かって売買している、という形は珍しくありません。その場合、無登録で投資運用をしている疑いが出てきます。
電話で勧められた内容が「投資の取引や助言そのもの」なのか、「ツールや情報の販売」なのかで、主に使われる法律が変わります。
| 勧められた内容 | 主な法律 | 電話勧誘についてのルール |
|---|---|---|
| FXなどの店頭デリバティブ取引の口座開設・取引 | 金融商品取引法 | 勧誘の要請をしていない顧客に、訪問や電話で勧誘することを禁止(第38条第4号)。個人を相手にする店頭デリバティブ取引が対象(施行令第16条の4) |
| 投資の取引全般 | 金融商品取引法 | 断った人への勧誘の継続(第38条第6号)、断定的判断の提供(同条第2号)、虚偽の告知(同条第1号)を禁止 |
| 報酬を取って売買の助言をする契約 | 金融商品取引法 | 投資助言・代理業の登録が必要。登録業者との投資顧問契約には解除のルールがある(次章) |
| 自動売買ソフト・情報商材の販売 | 特定商取引法(電話勧誘販売) | 事業者名や勧誘目的の明示、断った人への再勧誘の禁止、法定書面の交付、クーリング・オフ |
消費者庁の特定商取引法ガイドは、金融商品取引法など他の法律で保護される取引は特定商取引法の適用から外れると説明しています。ソフトの販売と投資の契約が一緒になっているような場合、どちらの法律で考えるかは専門家の判断が要ることもあります。契約書や送られてきた書面を手元に置いて、188に相談するのが近道です。
電話で勧誘されて申し込んだ場合は、電話を切ったあとに郵便や電話で申し込んだときも電話勧誘販売に含まれます。期限は8日間で、起算日は事業者から法定の書面を受け取った日です。その期間内なら、はがきなどの書面かメール等の電磁的記録を送ることで、申込みの撤回や契約の解除ができます。書面を受け取っていない、記載が欠けているといった事情があれば、8日を過ぎていても相談してみる価値があります。
金融商品取引法第37条の6は、金融商品取引業者等と結んだ一定の契約について、書面等による解除を認めています。対象は投資顧問契約で、日数は10日です(施行令第16条の3)。解除の効力は、書面を発した時点で生じます。登録を受けた投資助言業者と「AIの売買シグナル配信」などの契約を結んだ場合は、この制度が使えるか確認してください。
相手が海外の業者や、連絡先がはっきりしない業者の場合、通知を出しても返金に応じない可能性があります。その場合でも、期限内に通知した記録は、後で交渉や相談をするときの材料になります。
電話では、はっきり断ることが次の勧誘を止める根拠にもなります。断った人への勧誘の継続や再勧誘は、金融商品取引法でも特定商取引法でも禁じられているからです。
「話だけでも」「資料を送るだけ」と言われても、住所やメールアドレスを伝えるとその後の連絡先が増えるだけです。資料が必要なら、会社名を聞いたうえで自分で公式サイトを探すほうが確実です。
理由を説明する必要はありません。「なぜですか」「損をしますよ」と食い下がられても、同じ言葉を繰り返して切ってかまいません。
話を続ける前に、次の点を尋ねてメモしてください。答えを渋る相手とは、それ以上話を進めないのが賢明です。
着信履歴の画面も保存しておきましょう。録音できる環境があれば、やり取りを残しておくと、言った言わないの争いを避けられます。筆者の考えとしては、初めての電話でその日のうちの決断を求める投資話は、中身を聞く前に断ってよい部類です。
一度お金を払うと、その情報が別の勧誘に使われることがあります。金融庁が詐欺的商法の疑いが強い勧誘として例示しているものには、被害回復を約束する代わりに別の株や社債の購入を求める誘いや、「金融庁(その他公的機関名)の者ですが」と名乗る連絡が含まれています。金融庁などの職員が、金融商品の取引の勧誘や被害の調査をすることはないとも明記しています。
次のような電話は、それだけで警戒してください。
消費者庁も、被害回復をうたう二次被害への注意を呼びかけています。返金の話が来たら、その電話では何も約束せず、188や#9110に内容を伝えて確かめてください。
相談窓口は次のとおりです。
電話以外の経路で勧誘された場合との違いはAIトレード自動売買詐欺の対処法、ツールで損失が出たときの考え方はFX自動売買ツールで損失が出た場合の相談先と対処法にまとめています。警察に行く前の準備は暗号資産詐欺を警察に相談する際の準備も参考になります。
A. 登録業者であっても、個人にFXなどの店頭デリバティブ取引を頼まれていないのに電話で勧めることは原則禁止です。また、実在の業者の名前や番号をかたる例もあります。金融庁の金融事業者一括検索で照合し、公式サイトに載っている番号へ自分からかけ直して確かめてください。
A. 口頭でも契約が成立したと扱われることがあります。電話勧誘販売に当たるなら、クーリング・オフの8日間は書面の受領日から数え始めます。書面が届いたら日付を控え、早めに188に相談してください。
A. すぐにその口座のパスワードを変更し、口座を開いている会社の公式窓口に連絡して不審な取引がないか確認してください。取引の判断を他人に任せる形になっていた場合、無登録の運用にあたる疑いがあるので、金融庁の相談室にも情報を寄せてください。
A. 書面が交付されていない、記載が不十分、うそを告げられたなどの事情があれば、期間を過ぎても解除や取消しを主張できる場合があります。契約書面と通話のメモを持って188に相談してください。結果は個別の事情によります。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
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