出会い系に無料登録後の迷惑メールの止め方|個人情報の扱いと特定電子メール法

出会い系サイトに無料登録してから、見覚えのない広告メールや出会いを誘うメールが急に増えた。登録時に入れたメールアドレスや名前、生年月日がどう扱われているのか不安になっている人に向けた記事です。

結論から言うと、やることは三つに分かれます。(1) 送信者がはっきりしている広告メールは、配信停止の意思表示で止められる仕組みがある。(2) 送信者を偽ったメールや見覚えのない相手からのメールは、開かず・押さず・入力せずに、フィルターと情報提供で対処する。(3) 登録先に渡した個人情報は、利用停止や消去を求められる場合がある。それぞれの根拠になる特定電子メール法と個人情報保護法の中身、具体的な手順、相談先を順に説明します。

登録時に入れた情報を事業者はどう扱うことになっているか

会員登録で入力した情報は、そのサイトを運営する事業者が「個人情報取扱事業者」として管理します。個人情報保護法には、次のような基本ルールがあります。

ルール内容条文
利用目的の通知・公表個人情報を取得したら、あらかじめ公表している場合を除き、利用目的を本人に通知するか公表しなければならない。登録フォームのように本人から直接書面(電磁的記録を含む)で受け取るときは、あらかじめ利用目的を明示する第21条
第三者提供の制限法令に基づく場合などを除き、あらかじめ本人の同意を得ないで個人データを第三者に渡してはならない第27条第1項
オプトアウトによる提供本人の求めがあれば提供を止めることなどを通知・公表し、個人情報保護委員会に届け出た場合に限り、同意なしの提供が認められる第27条第2項

まず確かめたいのは、登録したサイトのプライバシーポリシー(個人情報の取扱い)です。利用目的に「提携先からの広告配信」「グループ会社との共同利用」などが書かれていないか、登録画面に「お得な情報を受け取る」といったチェック欄が最初から入っていなかったかを見てください。プライバシーポリシー自体が見当たらない、事業者の名称や住所が書かれていないサイトは、情報の行き先を確かめる手段が乏しいと考えたほうがよいでしょう。

登録後に迷惑メールが増えたとき、考えられる経路

登録後に迷惑メールが増えたとしても、その原因が登録したサイトにあると決めつけることはできません。考えられる経路はいくつかあり、受け取る側から特定するのは難しいのが実情です。

  • 登録したサイト自身が、登録時の同意にもとづいて広告メールを送っている
  • プライバシーポリシーに書かれた提携先・共同利用先から届いている
  • アドレスを推測や自動生成で割り出した送信者から、登録とは関係なく届いている
  • メール内のURLを開いたことで、そのアドレスが使われていると送信者に知られた

最後の点について、総務省の委託で迷惑メール相談センターを運営する日本データ通信協会は、アドレスを識別する情報を含む迷惑メールの場合、URLをクリックしてサイトを見ただけで、メールを受け取りアクセスしたことが運営者に分かってしまうと説明しています。「配信停止はこちら」というリンクであっても、送信者が分からないメールでは押さないほうが安全です。

国民生活センターが紹介する相談の中には、お金やポイントを受け取れるとうたうメールに返信したことが、出会い系サイトへの登録のきっかけになった例もあります。メールそのものが別のサイトへの入口になっていることがあるため、内容に心当たりがなくても返信やアクセスは控えてください。

特定電子メール法が定める4つのルール

広告や宣伝のためのメールには「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」(特定電子メール法)が適用されます。総務省によれば、電話番号あてに届くSMSも、広告・宣伝目的なら原則として同じ法律の対象です。主なルールは次のとおりです。

同意のない相手には送れない(オプトイン)

送信者は、あらかじめ送信を求めた人や同意した人などを除き、広告宣伝メールを送ってはならないとされています(第3条第1項)。同意を得た場合は、その記録を保存する義務があります(同条第2項)。

「送らないで」と伝えた後は送れない(オプトアウト)

受信者から送信をしないよう求める通知を受けたら、その意思に反して送信してはなりません(第3条第3項)。つまり、正規の送信者に対しては、配信停止の意思表示が法的な意味を持ちます。

送信者の名称と連絡先を表示する義務

送信者の氏名または名称、配信停止の通知を受けるためのメールアドレスやURLなどを表示しなければなりません(第4条)。

送信者情報を偽ることの禁止

送信に使ったメールアドレスなどの送信者情報を偽って送ることは禁止され(第5条)、違反には1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が定められています(第34条)。法人には3,000万円以下の罰金刑が科されることもあります(第37条)。

オプトインや表示義務を守らない送信者に対しては、行政が送信方法を改めるよう命令を出せる仕組みもあります(第7条の措置命令)。

メールの種類別・迷惑メールの止め方

止め方は、届いているメールがどちらの種類かで変わります。まず送信者欄と本文末尾を見て、次の表で当てはめてください。

メールの様子やることやらないこと
登録したサイトの名前・運営者名・配信停止の方法が書かれているマイページのメール受信設定をオフにする。設定がなければ、表示された停止用アドレスに停止を依頼する停止のために追加の個人情報を入力すること
運営者名はあるが、登録した覚えのないサイトから届く開かずに迷惑メールフォルダへ。フィルター設定で以後の受信を止める本文のURLを押す、返信する
送信者名がない、実在の企業を装っている、脅すような内容開かない・押さない・入力しない。迷惑メール相談センターへ情報提供する「退会手続き」「未払い料金」などの案内に従うこと

フィルターと受信設定

日本データ通信協会は、携帯電話会社やプロバイダーが提供するメールフィルタリングを使い、迷惑メールや詐欺メールを受信しないようにしておくことを勧めています。スマートフォンなら、メールアプリの受信拒否と、契約している携帯電話会社の迷惑メール設定の両方を見直してください。同じ送信元から繰り返し届くなら、アドレスやドメインを指定して拒否する設定が使えるかを、各社の案内で確かめるとよいでしょう。

アドレスを変えるかどうか

フィルターをかけても量が減らないなら、アドレスを変えるのが確実です。ただし、ほかのサービスに登録しているアドレスなら、変更の手間も考えて判断してください。今後は、用途ごとにアドレスを分ける方法もあります。迷惑メール相談センターも、信頼できるか判断のつかない相手には、迷惑メールが来ることを前提に別のアドレスを使う方法を紹介しています。

個人情報の利用停止・消去を求める方法

登録先のサイトに対して、渡した個人情報の扱いを見直すよう求めることもできます。個人情報保護法第35条は、本人が請求できる場合を定めています。

  • 利用目的の範囲を超えて使われている、または不正な手段で取得された場合:利用停止または消去(第1項)
  • 本人の同意なく第三者に提供されている場合:第三者提供の停止(第3項)
  • 事業者がもう利用する必要がなくなった場合や、扱い方によって本人の権利・正当な利益が害されるおそれがある場合:利用停止・消去・第三者提供の停止(第5項)

請求に理由があると分かったとき、事業者は必要な限度で遅滞なく対応し、結果を本人に通知しなければなりません(同条第2項・第4項・第6項・第7項)。

請求するときの伝え方

退会の手続きとは別に、問い合わせフォームやサポート用アドレスへ、次のような文面で送ると要点が伝わります。

私(登録メールアドレス:○○)は貴サイトを退会しました(または退会を希望します)。個人情報保護法第35条に基づき、私の保有個人データの利用停止および消去、ならびに第三者への提供の停止を求めます。対応結果をこのアドレスあてにご通知ください。

送った文面と日時はスクリーンショットで残してください。退会そのものの手順で困っている場合は、出会い系サイトを退会できないときの手順を参照してください。

情報提供と相談の窓口

一人で抱え込まず、内容に合った窓口を使ってください。

困っていること窓口方法
同意なく広告メールが届く、送信者表示がない、なりすましメール迷惑メール相談センター(日本データ通信協会、総務省委託)違反メールを meiwaku(アットマーク)dekyo.or.jp へ転送、または情報提供フォーム
登録先の個人情報の扱いへの苦情・質問個人情報保護法相談ダイヤル(個人情報保護委員会)電話 03-6457-9849(9:30〜17:30、土日祝日・年末年始を除く)
登録後の請求や契約のトラブル消費者ホットライン電話 188
脅すような連絡、金銭の要求警察相談専用電話電話 #9110

迷惑メール相談センターに寄せられた情報は、総務大臣と消費者庁長官による違反送信者への措置や、通信事業者の送信防止対策に使われます。情報提供をしても個別に配信が止まるわけではありませんが、同じ送信者からの被害を減らす材料になります。

提供や相談の前に、届いたメールは削除せず、少なくとも数通は残しておきましょう。送信者、件名、受信日時が分かる状態で保存する方法は証拠の残し方にあります。お金の請求が絡む場合は消費生活センターへの相談の流れも確認してください。

よくある質問

Q. 出会い系サイトを退会すれば、迷惑メールは止まりますか?

A. 登録先のサイトからの広告メールは、退会や配信停止の意思表示で止まるのが本来の扱いです。ただし、提携先や無関係の送信者から届いているメールは退会しても止まらないことがあります。フィルター設定と、必要に応じて個人情報保護法第35条にもとづく利用停止・第三者提供の停止の請求を組み合わせてください。

Q. メールにある「配信停止はこちら」のリンクを押してもいいですか?

A. 登録したサイトからのメールで、運営者名と停止方法がきちんと表示されているなら、マイページの受信設定から止めるのが安全です。送信者が分からないメールのリンクは、押すことでアドレスが使われていると知られるおそれがあるため、押さずにフィルターと迷惑メール相談センターへの情報提供で対処してください。

Q. 登録した覚えのないサイトから請求メールが届きました。

A. 開いたり返信したりせず、記載された電話番号にも連絡しないでください。請求の内容に心当たりがなく不安なときは、メールを残したうえで消費者ホットライン188に相談してください。

Q. 個人情報を消してほしいと頼んだら、必ず消してもらえますか?

A. 個人情報保護法第35条は、目的外利用や不正取得、利用の必要がなくなった場合などに利用停止・消去を請求できると定めていますが、請求に理由があるかどうかの判断が入ります。対応されない場合や扱いに疑問がある場合は、個人情報保護法相談ダイヤル(03-6457-9849)に相談できます。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。