風水鑑定料の追加請求・継続契約をやめたい|途中解約と取消しの考え方

最初は数千円から数万円の風水鑑定だったのに、「現地での再鑑定が必要」「方位の調整を毎月続けないと効果が消える」と言われて、追加の請求や年間契約が積み重なっている。そんな状況にいる人に向けた記事です。

結論を先に書きます。追加の料金を払う必要があるかどうかは、その料金に自分が事前に合意していたかで決まるのが基本です。合意の記録がない請求には、内訳と根拠を書面で求めてください。継続契約については、鑑定のような「事務の委託」は民法上いつでも解除できるのが原則で、解約時の違約金も、事業者の平均的な損害を超える部分は消費者契約法で無効とされます。業者からの電話で勧められた追加契約なら、電話勧誘販売としてクーリング・オフが使える場合もあります。

記事の内容は法令と公的機関の資料にもとづく一般的な整理です。契約書の条項や勧誘の経緯によって結論が変わるため、実際の対応は消費生活センター等に相談してから決めてください。

追加請求が生まれる4つの場面を切り分ける

「追加請求」と感じているものの中身は、ひとつではありません。まず、自分が受けている請求がどれに当たるかを分けてください。

場面よくある名目最初に見る書類
初回鑑定の料金が説明より高い出張費、図面作成費、鑑定書発行料申込書・見積・広告の料金表示
頼んでいない作業の料金を請求された「特別に調べた」「遠隔で調整した」やりとりの記録(依頼した事実があるか)
鑑定のあとに別契約を勧められた再鑑定、祈祷、置物・工事の手配新しい契約書、勧誘時のメモ
継続契約・年間契約の支払いが続く月会費、年間サポート、定期的な方位調整契約期間・解約条件の条項

国民生活センターが2014年に公表した開運商法の資料(2022年に消費者庁の検討会資料として提出されたもの)では、数千円から数万円の開運グッズを買ったあと、業者に電話すると祈祷を勧められ、祈祷料として数十万円を振り込んだ事例が複数紹介されています。1件目の支払いが、次の勧誘の入り口になっている点が共通しています。

編集部は、このテーマでいちばん大切なのは「どの支払いが、どの契約にもとづくか」を一覧にすることだと考えています。日付・名目・金額・支払い方法を表にするだけで、合意のない請求や、書面をもらっていない契約が見えてきます。

合意していない追加料金と、先に作業された料金

事前の合意がない請求

契約は当事者の合意で成り立つため、申込みの時点で示されていなかった料金は、原則として後から一方的に請求できるものではありません。請求を受けたら、支払う前に「どの契約の、どの条項にもとづく請求か」を書面かメールで示すよう求め、回答を保存してください。広告や申込画面に「総額」として示されていた金額があれば、その画面も記録しておきます。

頼んでいないのに「特別に調べた」と言われた

消費者契約法4条3項10号は、消費者が契約の申込みをする前に、事業者が調査や情報提供などを行い、正当な理由がないのに「あなたのために特に実施した」「その損失の補償を請求する」と告げて契約させた場合、その契約を取り消せると定めています。「すでに方位を調べてしまったので、その分を含めて年間契約を」と迫られた場合は、この規定との関係を相談してください。

申込みの前に作業を始められた

同じ項の9号は、申込み前に契約上の義務の内容を実施し、元に戻すのを著しく難しくして契約させた場合も取消しの対象としています。家具の配置替えや、置物の設置などを先に済ませて断りにくくした場合がこれに近い状況です。9号・10号による取消しは、追認できる時から1年、契約から5年以内に行う必要があります。

継続契約・年間契約を途中でやめるときの考え方

鑑定や助言の契約は、いつでも解除できるのが原則

風水鑑定や継続的な助言は、法律上は「法律行為でない事務の委託」(準委任)と整理されることが多い契約です。民法656条は準委任に委任の規定を準用しており、651条1項は「委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる」と定めています。つまり、残りの期間があっても、解除の意思を伝えること自体は可能です。

ただし、相手に不利な時期に解除した場合などは、やむを得ない事由がない限り損害賠償が必要になることがあります(651条2項)。また、途中で終わった場合でも、すでに提供された分については履行の割合に応じた報酬を請求されることがあります(648条3項)。

高額な違約金の条項

「中途解約の場合は残期間分の全額をいただきます」といった条項があっても、消費者契約法9条1項1号により、解除に伴う損害賠償の予定や違約金のうち、同じ種類の契約の解除で事業者に通常生じる平均的な損害を超える部分は無効です。事業者には、求められたら算定根拠の概要を説明する努力義務もあります(9条2項)。

特定継続的役務には含まれない

エステや語学教室などの「特定継続的役務提供」には、特定商取引法で中途解約の上限額が決められています。しかし、国民生活センターが示している対象はエステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、パソコン教室、結婚相手紹介サービスの7種類で、風水鑑定は含まれていません。風水の継続契約では、上の民法と消費者契約法の考え方で整理することになります。

電話・訪問・オンラインで申し込んだ追加契約の扱い

追加の契約をどう申し込んだかによって、使える制度が増えることがあります。

業者からの電話、または電話をかけさせられて勧められた

先の国民生活センターの資料は、電話や郵便、パンフレットなどで勧誘目的を告げずに消費者に電話をかけさせて勧誘した場合は電話勧誘販売に当たり、法定の書面を受け取ってから8日を過ぎるまではクーリング・オフができると指摘しています。さらに、相談事例では法定書面が交付されていないケースがほとんどで、その場合は8日を過ぎてもクーリング・オフができる、とも書かれています。「結果の報告があるので電話してください」と言われてかけた電話で再鑑定を勧められた場合は、この点を確認してください。

鑑定士が自宅に来て、その場で追加契約をした

訪問販売に当たり、書面を受け取った日から8日間はクーリング・オフができます。特定商取引法9条5項により、すでに鑑定などの役務が提供されていても、その対価を払う必要はありません。ただし、自分から自宅での契約を求めて呼んだ場合は適用が除外されることがあるため、呼んだ経緯をメモしておいてください。

ウェブサイトから申し込んだオンライン鑑定

通信販売にはクーリング・オフがありません。また、法律上の返品ルール(15条の3)は商品や特定の権利が対象で、鑑定のような役務は対象外です。一方で、申込みの最終確認画面に、分量(回数や期間を含む)・代金・支払時期などの必要な表示がなかったり、事実と違う表示があったりした場合は、その誤認による申込みを取り消せる規定があります(15条の4)。定期的な鑑定の申込みであれば、画面に期間や回数、総額がどう表示されていたかを確認し、今の申込画面も保存してください。

解約・支払い拒否の意思を伝える手順

  1. 契約と支払いの一覧を作る:日付、契約名、金額、支払方法、受け取った書面の有無。
  2. 書面かメールで通知する:電話だけで済ませず、記録が残る方法で送ります。クーリング・オフに当たる場合は、はがき(特定記録郵便・簡易書留)やメール、専用フォームで通知し、控えを保存します。
  3. カード・引き落としの停止を相談する:月会費がカード払いや口座振替の場合は、業者への通知と並行してカード会社や金融機関に事情を伝えます。
  4. 電話での引き止めには即答しない:「今やめると鑑定の効果が反転する」と言われても、「書面でお送りしたとおりです」と伝えて通話を終えます。

通知の文面は、次のように短くてかまいません。

○年○月○日に契約した風水鑑定の継続契約(月額○円)を、本日をもって解除します。あわせて、○月○日付でご請求の「再鑑定料」○円については、事前に合意した事実がないため、請求の根拠となる契約条項をお示しください。

霊感などを理由に不安をあおられて契約した場合は、「解除」ではなく消費者契約法4条3項8号にもとづく「取消し」を通知することも考えられます。取消しが認められれば、支払い済みの金額の返還を求める根拠になります。どちらで通知するかは、送る前に消費生活センターで相談してください。

相談先と、相談前にまとめておくこと

  • 消費者ホットライン188:追加請求の根拠や解約の進め方、業者とのあっせんを相談できます。
  • 法テラスの霊感商法等対応ダイヤル(0120-005931):「やめると運気が反転する」などの言葉で継続を迫られているときの相談先を案内しています。平日9時30分から17時まで。
  • 警察相談専用電話 #9110:「払わないと家に行く」などの脅し、借金をして払うよう迫られたとき。

まとめておくこと

  • 最初の申込みの画面・申込書と、そのとき示された料金
  • 追加請求の書面やメール、請求の名目と金額
  • 継続契約の契約書(期間・月額・解約条件の条項)
  • 鑑定士とのやりとり(とくに「やめると効果が消える」など不安をあおる言葉)
  • 支払いの記録(振込明細・カード明細・口座振替の記録)

SNSや電話など入り口ごとの注意点は風水師をかたる詐欺の見分け方、改名や開運印鑑から月額料金が始まった場合は開運の改名・印鑑・表札を高額で勧められたら、返金の請求方法は占い詐欺の返金請求を自分で進める手順も参考にしてください。個別の状況を整理したい場合は相談予約をご利用ください。

よくある質問

Q. 風水の年間契約を途中でやめたら、残りの期間分も払わないといけませんか?

A. 鑑定や助言の継続契約は準委任と整理されることが多く、民法651条によりいつでも解除できるのが原則です。解約時の違約金の条項があっても、事業者に通常生じる平均的な損害を超える部分は消費者契約法9条1項1号で無効です。ただし提供済みの分の報酬は請求されることがあるため、契約書を持って188に相談してください。

Q. 頼んでいない「遠隔での方位調整」の料金を請求されました。

A. 事前に合意していない料金は、原則として一方的に請求できるものではありません。支払う前に、どの契約条項にもとづく請求かを書面で示すよう求めてください。「あなたのために特別に実施した」と告げて契約を迫られた場合は、消費者契約法4条3項10号による取消しを検討できます。

Q. 鑑定結果を聞くために自分から電話したら、再鑑定を契約させられました。

A. 勧誘目的を告げずに電話をかけさせて勧誘した場合は、特定商取引法の電話勧誘販売に当たることがあります。そうであれば、法定書面の受領日から数えて8日以内はクーリング・オフの対象で、書面がそもそも交付されていないときは8日の経過後でも可能とされています。電話をかけるよう求められた連絡を保存してください。

Q. オンラインで申し込んだ風水鑑定はキャンセルできますか?

A. 通信販売にはクーリング・オフがなく、役務である鑑定には法定の返品ルールもありません。キャンセルの可否は規約によります。ただし、申込みの最終確認画面に必要な表示がなかった、事実と違う表示があった場合は、特定商取引法15条の4で取り消せる可能性があります。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。