占い師から突然電話で勧誘され継続契約|クーリング・オフと霊感商法の取消し

見覚えのない番号から「占い師の〇〇です」と電話があり、話しているうちに毎月の鑑定コースや祈祷、開運グッズの契約をしてしまった。そんな方のための記事です。

結論から言うと、事業者の側から電話をかけてきて契約に至った場合は、特定商取引法の「電話勧誘販売」に当たる可能性があり、法律で決められた書面を受け取ってから8日以内ならクーリング・オフで解約できます。さらに、「このままでは家族に不幸が起きる」などと霊感を持ち出して不安をあおられた契約は、消費者契約法で取り消せる場合があり、その期間は通常より長く定められています。一方、自分で広告を見て電話占いのサービスにかけた場合は扱いが異なります。どちらのケースなのかを最初に整理してから、手続きに進みましょう。

どちらが先に電話したかで、使える制度が変わる

特定商取引法の第2条第3項が定める電話勧誘販売は、消費者庁の解説を要約すると、事業者が消費者に電話をかけ(または特定の方法で電話をかけさせ)、その電話での勧誘によって契約の申込みを受けたり契約を結んだりする取引を指します。電話を一度切ったあとに郵便やネットで申し込んだとしても、購入の決め手が電話での勧誘だったなら、電話勧誘販売に当たるとされています。

電話番号はどこから知られたのか

相手がなぜ自分の番号を知っているのか、はっきりしないことも多いものです。過去に無料診断や占いサイトへ名前や電話番号を入力したことが入口になっている場合もあります。「無料だから」と氏名やアドレスを入れた後に、いろいろな業者からのメールが急に増えた、という声は国民生活センターの占いサイトに関する発表(2020年11月)にも出てきます。心当たりがあれば、どのサイトにいつ入力したかも思い出してメモしておくと、相談の際に役立ちます。

こちらから電話した場合でも該当することがある

次のような形で電話をかけるよう仕向けられた場合も、電話勧誘販売の対象になると政令で定められています。

  • メール、SMS、郵便、チラシなどで、契約の勧誘が目的だと告げずに電話をかけるよう求められた
  • 「あなただけ特別に安く鑑定できる」など、ほかの人より著しく有利な条件で契約できると告げられて電話をかけた

広告を見て自分から電話占いにかけた場合

電話占いのサイトやアプリで料金を確認し、自分の意思で鑑定を申し込んだケースは、一般に通信販売として扱われます。通信販売にはクーリング・オフ制度がないため、利用規約や料金表示の内容、申込み画面の表示に問題がなかったかを確かめる方向で考えることになります。国民生活センターにも「無料の時間だけ使うつもりが、途中で電話を切れずに高額な請求を受けた」という相談が寄せられています。

電話勧誘をする事業者に課されているルール

特定商取引法は、電話で勧誘する事業者に対して次のような義務や禁止事項を定めています。電話の最中に「これは守られているか」と照らし合わせるための目安として使ってください。

ルール内容条文
名乗る義務勧誘に先立ち、事業者名、勧誘する人の氏名、商品や役務の種類、契約の勧誘が目的であることを告げる第16条
再勧誘の禁止契約しないとはっきり伝えた人に、勧誘を続けたり改めて勧誘したりしてはいけない第17条
書面の交付申込みや契約の際に、代金、支払方法、クーリング・オフなどを記載した書面を渡す第18条・第19条
禁止行為事実と違うことを告げる、故意に重要な事実を告げない、威迫して困惑させる第21条

「鑑定のため」とだけ言って契約の話だと告げない、断ったのに何度もかけてくる、といった様子があれば、日時と内容を控えておきましょう。消費生活センターに相談するとき、事業者の対応を具体的に伝える材料になります。

電話勧誘販売のクーリング・オフは法定書面の受領から8日

電話勧誘販売で契約した場合、法定の書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、理由を問わず申込みの撤回や契約の解除ができます(特定商取引法第24条)。国民生活センターの解説では、期間は申込書面と契約書面のうち早く受け取ったほうの日から数えます。

手続きのポイント

  1. はがき等の書面か、メールなどの電磁的記録で通知する(電磁的記録による通知は2022年6月から可能)
  2. 契約日、契約者名、契約した鑑定コースや商品名、金額、通知を出す日を書く
  3. はがきは両面をコピーしてから、特定記録郵便や簡易書留など発信の記録が残る方法で送る
  4. クレジットカードの分割払いなどクレジット契約を使った場合は、クレジット会社にも同時に通知する

通知に書く内容の例

契約解除通知書
契約年月日:〇年〇月〇日
契約内容:電話鑑定の月額コース(〇〇コース)
契約金額:〇円
販売会社:(書面に記載の会社名)
上記の契約を解除します。支払済みの〇円を返金してください。
〇年〇月〇日 住所・氏名

通知の控えと郵便の受領証(メールなら送信済みの画面)は、返金が済むまで保管しておきます。

8日を過ぎていてもあきらめない

書面が渡されていない、記載に不備がある、「この契約はクーリング・オフできない」と事実と違うことを言われた、といった場合は、期間を過ぎてもクーリング・オフできることがあります。すでに鑑定を受けていても、クーリング・オフが成立すればその対価を払う必要はないとされています。また、普段必要な量を大きく超える開運グッズなどを電話で買わされた場合は、「過量販売」として契約から1年以内なら解除できる規定もあります(第24条の2)。

「このままでは不幸になる」と言われた契約は取り消せる場合がある

消費者契約法には、霊感を持ち出した勧誘に向けた取消しの規定があります(第4条第3項第8号)。当てはまるかを考えるときは、次の三つがそろっているかを見ます。

  1. 霊感や、科学的に確かめようのない特別な力で分かったこととして話された
  2. 自分や家族の命、健康、お金などに大きな害が及ぶと不安をあおられた(もともと抱えていた不安につけこまれた場合も含む)
  3. その害を避けるには契約するしかない、と迫られた

「先祖の因縁を断ち切るには、この祈祷を今月中に受けないといけない」「お守りを持たないとご家族が病気になる」といった言い方が典型です。電話口でこうした話が出たら、いつ、どんな文句で言われたのかを、なるべく正確にメモへ残しましょう。

取り消せる期間は通常より長い

取消しの期限も特別扱いです。第7条では、誤認や困惑による取消しの多くが「追認できるようになってから1年・契約の日から5年」で使えなくなるのに対し、霊感を使った告知による取消しに限っては3年・10年と長めに設けられています。この拡充は、令和4年法律第99号による改正で行われました。

電話勧誘販売で事実と違う説明を受けて誤解した場合には、特定商取引法第24条の3による取消しもあります。どの制度が当てはまるかは、言われた内容や契約の経緯によって変わるため、自分だけで判断せず相談窓口で確認しましょう。霊感商法の手口についてはスピリチュアル系の占いトラブルでも取り上げています。

かかってきた電話への対応と、手元に残す記録

突然の電話で冷静に判断するのは簡単ではありません。次の順番を覚えておくと、その場で契約してしまうことを防ぎやすくなります。

  • その場で決めない:「家族と相談してから」「書面を見てから」と伝えて電話を終える
  • 相手の情報を聞き取る:事業者名、担当者名、折り返しの電話番号、住所。答えを濁すなら、その事実もメモする
  • 折り返しは自分で調べた番号に:相手が言った番号ではなく、公式サイトや書面に書かれた番号を使う
  • カード番号や口座情報を電話で伝えない
  • 断ったあとにかかってきた電話も記録する:日時と回数は再勧誘の禁止に関わる

断るときに使える短い言い方

理由を詳しく説明する必要はありません。「契約はしません。今後の電話も不要です」と一度はっきり伝え、相手が話を続けても電話を切って構いません。「今決めないと運気が下がる」「あなたのために特別に時間を取った」と引き留められても、それは契約する理由にはなりません。その後も着信が続くなら、スマホの着信拒否機能を使い、かかってきた日時を記録に加えます。

通話の日時、話の要点、送られてきた書面や封筒、振込の控え、カード明細は、捨てずにひとまとめにしておきます。スマホの機能で通話を録音できる場合は、それも残しておきましょう。整理の方法は証拠の残し方で紹介しています。

相談先:消費生活センター、法テラスの専用ダイヤル、警察

  • 消費者ホットライン188:クーリング・オフや取消しができる取引かどうか、通知の書き方を相談できます。国民生活センターは、クーリング・オフの通知は自分でも出せるとしたうえで、判断に迷ったら消費生活センター等へ相談するよう案内しています。
  • 法テラス「霊感商法等対応ダイヤル」0120-005931:霊感商法をはじめとする金銭トラブルなどの相談を受け付けています(平日9時30分から17時)。弁護士による法律相談を希望する場合の案内もあります。
  • 警察相談専用電話 #9110:現金を送るよう求められた、自宅に受け取りに来ると言われた、脅すような言葉があった、といった場合に。

相談の前に、契約日、書面を受け取った日、支払った金額と方法、相手の名乗った名前と電話番号を一枚にまとめておくと話が早く進みます。当サイトの相談予約や、同じシリーズの占い師をかたる継続課金の見分け方もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 占い師からの電話で申し込んだ毎月の鑑定コースは、クーリング・オフできますか?

A. 相手の側から電話があり、その話がきっかけで申し込んだのであれば、電話勧誘販売として扱われる余地があります。その場合の期限は、法律で決められた書面を手にした日を1日目として8日間です。はがきやメールなど、送ったことが後から証明できる方法で通知してください。

Q. 契約の書面を受け取っていません。8日を過ぎたらもう解約できませんか?

A. 法律で決められた書面が渡されていない、または記載に不備がある場合は、8日を過ぎてもクーリング・オフできることがあります。手元の書類を持って消費生活センター(188)に確認してください。

Q. 広告を見て自分から電話占いにかけ、長電話で高額になりました。クーリング・オフは使えますか?

A. 自分の意思でサービスに申し込んだ場合は一般に通信販売として扱われ、クーリング・オフ制度はありません。ただ、料金の表示や申込み画面に問題があれば別の主張ができる場合もあるので、利用規約と明細を保存して相談してください。

Q. 霊感で不安をあおられて結んだ契約は、いつまで取り消せますか?

A. 期限は、追認できるようになってから3年、契約の日から10年です。当てはまるかどうかは個別の事情によるため、消費生活センターや法テラスの霊感商法等対応ダイヤルに相談してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。