「動画を見るだけでポイント」の副業に注意|YouTube広告から始まる入金要求

動画広告やSNSで「動画を見るだけでポイントがたまる」「いいねを押すだけで報酬」と紹介され、LINEで相手とつながった後に「報酬を受け取るには入金が必要」と言われたら、その時点で支払いを止めてください。国民生活センターは2026年5月、簡単なタスクで稼げるとうたう副業のトラブルが20~30代で急増しているとして注意を呼びかけ、報酬を得るはずが振り込みを求められたら言われたとおりに振り込まず相談するよう案内しています。

この記事は、YouTubeなどの動画をきっかけに「ポイント」「報酬」がもらえる副業に登録した人、または登録を迷っている人に向けたものです。最初の少額報酬のあとに何が起きやすいか、LINEの友だち追加前に何を見ればよいか、払ってしまった場合にどこへ連絡するかを順に説明します。

動画広告から始まる「簡単タスク」副業の典型的な流れ

国民生活センターが2026年5月19日に公表した資料では、SNSや動画広告、インターネット検索で次のような文言が使われていると紹介されています。

  • 「“いいね”を押すだけ」「スタンプを送るだけ」
  • 「スクリーンショットを撮るだけ」「コピペするだけ」
  • 「相談に乗るだけ」「動画を見るだけ」

同センターは、こうした文言は詐欺の可能性があるのでうのみにしないよう呼びかけています。報酬を「ポイント」と呼ぶか「お金」と呼ぶかは案件によって異なりますが、スキマ時間に簡単な作業で稼げると思わせる点は共通しています。

公表された相談事例の経過

ある事例では、SNSを見て事業者とメッセージアプリでつながり、動画に“いいね”をつければ報酬が出るという説明を受けました。3日間の作業で約2,500円の報酬が振り込まれたものの、その後は作業の失敗をグループ全体の責任だとされて約50万円を入金し、さらに報酬を送るのに必要だとして次々に請求された、という内容です。相談者は会社名もわからず、個人らしき相手とメッセージアプリでやり取りしていただけだったとされています。

最初に少額が入るのはなぜか・その後に来る請求

国民生活センターの分析では、はじめに小さな報酬を受け取らせたあと、「高額報酬のタスクに進むため」「失敗の連帯責任」といった口実で振り込みを迫る流れが目立つとされています。最初の入金は「本当に払ってもらえる」と信じさせる効果を持つため、少額が振り込まれたことは安全の証明になりません。

請求の名目として見られるもの

  • タスクに失敗したことによる「連帯責任」
  • 報酬を送金するための手続き費用
  • より高額な報酬が出るタスクへの参加費
  • サポートやノウハウの提供料

LINEの公式ガイドも、SNSを起点にLINEの公式アカウントへ誘導する情報商材の手口について、初めは1~3万円程度の商材を勧め、購入した人にさらに高額な商材を売りつける例が多いと説明しています。「少し払えば元が取れる」という感覚で重ねてしまいやすい構造です。

ポイントを先に買わせる形の勧誘はポイント購入を求められた副業詐欺の手口、「作業継続費」「保証金」という名目の請求は副業詐欺の「作業継続費」「保証金」要求の特徴でも扱っています。

LINEで友だち追加する前に見ておくこと

動画の概要欄や広告のリンクからLINEに誘導される前に、次の点を確かめておくと、あとで引き返しやすくなります。

  • アカウントのバッジの色:LINEは、アカウント名に「公式」と付いていても、名前の横のバッジがグレーなら認証されていないアカウントだと説明しています。
  • 事業者の名称・所在地・連絡先:国民生活センターの事例では、会社名がわからず、連絡先がメッセージアプリのアカウントしかない状態で被害に至っています。
  • 契約書面の有無:どんな仕事で、いくら支払えば何が得られるのかが書面で示されているか。
  • 個人情報の要求:登録段階で住所、氏名、銀行口座、免許証の画像を求められた場合、同センターは悪用の可能性を否定できないとして、相手が誰か不明なら安易に教えないよう勧めています。
  • 遠隔操作アプリのインストール要求:望まない操作をされたり、パスワードを見られたりする恐れがあるとして、安易に入れないよう呼びかけられています。

動画の再生回数やチャンネル登録者数、広告として表示されていることは、事業者の実態を示すものではありません。LINEも、「稼げる系」の動画がSNSや動画サイト上で広告として流れるケースがあると注意を促しています。

ポイントがたまる正規のサービスと比べる

アンケート回答や広告視聴でポイントがたまるサービス自体は、一般に広く提供されています。迷ったときは、次の違いに目を向けると判断材料になります。

  • 運営会社の名称と所在地、問い合わせ窓口がサイト上に明記されているか
  • ポイントの付与条件や交換方法が、利用規約として事前に公開されているか
  • ポイントを受け取るために、利用者が先にお金を払う仕組みになっていないか
  • やり取りが個人アカウントとの個別チャットだけで完結していないか

特に三つ目は重要です。報酬やポイントを受け取る側が、受け取りの前提としてお金を払い続ける形は、国民生活センターが挙げる相談事例の流れとよく似ています。

借入や遠隔操作まで進んでしまった場合

同じ公表資料には、電話で説明を受けながら遠隔操作アプリを入れ、消費者金融4社への申し込みをさせられた事例や、相手がスマートフォンを遠隔操作して消費者金融2社から30万円ずつ借り入れ、どこかへ送金していた事例も載っています。後者では「返済は不要」と言われていたため借入に気づかず、数カ月後の督促で初めてわかったとされています。

気づいた時点でやること

  1. 遠隔操作アプリを終了して削除し、スマートフォンの各種パスワードを変更する。
  2. 銀行口座、クレジットカード、消費者金融の利用状況を確認し、心当たりのない取引があれば各社に連絡する。
  3. 借入が自分の名義で行われていた場合は、その貸金業者に経緯を伝える。
  4. 警察と消費生活センターに相談する。

借入の返済義務がどうなるかは、契約の経緯や本人の関与の程度によって変わります。自己判断で放置せず、消費生活センターや弁護士に事情を説明して確認してください。

支払い方法ごとの連絡先

支払い方法連絡先ポイント
銀行振込振込先の金融機関と警察振り込め詐欺救済法により、振込先口座に残っている資金が支払われる可能性がある。引き出された後は対象にならない
コード決済・送金アプリその決済サービスの事業者と警察取引番号と相手の表示名を控えて伝える
クレジットカードカード会社請求の内容と経緯を説明し、対応を相談する
暗号資産での送金利用した暗号資産交換業者と警察送金先アドレスと送金日時を記録する

金融庁の案内によれば、SNS型投資詐欺やロマンス詐欺であっても、口座への振込みでお金を失ったのであれば救済法の枠組みに入ります。副業名目で振り込んだ場合も、振込先の金融機関と警察へ早めに知らせておくことが肝心です。同センターの事例には、借りたお金を暗号資産に交換して送金するよう指示されたものもあり、暗号資産で送った場合は送金先の特定や回収がいっそう難しくなりがちです。送金に使った交換業者の取引履歴は必ず保存してください。国民生活センターは、いったん振り込んでしまうと被害回復は困難だと明記しており、どの方法でも回収が約束されるわけではありません。

相談窓口と、相談前にまとめておくこと

  • 消費者ホットライン 188:最寄りの消費生活センター等を案内する全国共通の番号です。相手の説明に不信感や疑問を持った段階で相談してかまわないと、国民生活センターは案内しています。
  • 警察相談専用電話 #9110:発信地を管轄する警察本部等の総合窓口につながります。
  • LINEの通報機能:誘導されたアカウントのトークから通報でき、理由には「詐欺」を選べます。友だち追加した直後でも手続きは同じです。

残しておきたい記録

  • きっかけになった動画や広告のURL、チャンネル名、表示された日時
  • 友だち追加したLINEアカウントの名前、バッジの色、プロフィール
  • タスクの指示内容と、報酬として受け取った金額・日時
  • 請求の名目が書かれたメッセージと、支払いの明細

窓口で伝える順番

電話で相談するときは、次の順に話すと状況が伝わりやすくなります。

  1. いつ、どの動画や広告で知ったか
  2. 誰と、どのアプリでつながったか
  3. どんな作業をして、報酬をいくら受け取ったか
  4. 何の名目で、いくらを、どの方法で払ったか
  5. いまも相手から連絡や請求が続いているか

メモを見ながら話してかまいません。金額と日付だけでも一覧にしておくと、聞き取りが短く済みます。

保存方法は証拠の残し方を、LINEポイント交換をうたう勧誘の入口別の特徴はLINEポイント交換詐欺の手口と相談前チェックを参照してください。公的窓口とあわせて個別の相談をしたい場合は相談予約から受け付けています。

よくある質問

Q. 最初に報酬がきちんと振り込まれました。それでも注意が必要ですか?

A. はい。小さな報酬を一度払ってから、連帯責任や高額タスクの参加費を口実に振り込ませる流れは、国民生活センターが公表した相談事例に共通して見られます。少額の入金は、その後の支払いの安全を保証するものではありません。

Q. YouTubeの広告で見たものなら、ある程度は信用できますか?

A. 広告として表示されていること自体は、事業者の実態や報酬の確かさを示すものではありません。LINEの公式ガイドも、稼げる系の動画が広告として流れるケースに注意を促しています。事業者名・所在地・契約書面を確認できるかで判断してください。

Q. 「ポイントがもらえる副業」で連帯責任だと言われました。払わないとどうなりますか?

A. 言われたとおりに振り込まず、消費生活センター等に相談するよう国民生活センターは案内しています。脅すような言葉があっても、その場で支払う前に188や#9110に連絡し、やり取りの記録を残しておいてください。

Q. 銀行口座や免許証の画像を送ってしまいました。

A. 悪用のおそれがあるため、口座のある銀行に事情を伝えて取引の監視や手続きを相談し、警察にも相談してください。今後、身に覚えのない契約や請求の連絡が来ないか注意し、届いた場合は記録を残しておきます。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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詐欺返金相談ナビの相談前整理事例

サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。

相談前に、被害状況を整理しておきましょう

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。