ブロックしたのに別のアプリから同じ相手の連絡|再接触されたときの対処

ブロックした相手が別のアプリや新しいアカウント、見知らぬ番号から連絡してきたときは、返信しない・記録を残す・そのアカウントも通報するの3つが基本です。脅しや個人情報をばらすといった言葉があれば、ためらわず警察に相談してください。

この記事は、お金の話が出たところで相手との連絡を断った方、あるいはすでに送金してから関係を切った方のうち、「別の入口から、また同じ相手らしき人が来た」という状況にある方を想定しています。相手が本当に同じ人物かどうかを突き止めることより、自分の安全とお金を守ることを優先した書き方にしています。

ブロックしても別の入口から連絡が来るのはなぜか

アプリのブロックは、そのアプリの、そのアカウントからの連絡を止めるだけの機能です。相手が別のアプリで新しいアカウントを作ったり、以前に聞き出した電話番号やメールアドレスを使ったりすれば、ブロックをすり抜けて届いてしまいます。

詐欺に使われるアカウントは、止められても作り直されるものと考えておいたほうが現実的です。警察庁の資料によると、令和7年中に警察が利用停止などを促すためLINEヤフー株式会社へ情報を提供したアカウントは、特殊詐欺とSNS型投資・ロマンス詐欺を合わせて1万8千件を超え、MetaにもFacebook・Instagramのアカウント422件の情報を提供しています。電話についても、犯行に使われた050IP電話番号1,320件、固定電話番号544件が利用停止されたと報告されています。

これだけの数が止められていても被害が続いているのは、一つの窓口が閉じられると別の窓口から近づく動きがあるためと考えられます。ブロックした相手からまた連絡が来たとしても、自分の対応が甘かったせいではありません。

「同じ相手かもしれない」と気づくきっかけ

新しいアカウントは名前も写真も変えてくることが多いため、見た目だけでは分かりません。次のような点が重なったら、以前の相手とつながっている可能性を考えて慎重に扱ってください。

  • あなたの本名、仕事、以前に話した悩みなど、前の相手にしか話していないことを知っている
  • 言い回しや絵文字の使い方、送ってくる時間帯が前の相手とよく似ている
  • 前回と同じ投資サイト、同じアプリ、同じ振込先の名前が出てくる
  • 「共通の知り合いから聞いた」と言うのに、その知り合いの名前を出さない

再接触のときによく使われる口実

一度関係を切った相手が戻ってくるときは、前回とは違う顔をしていることが少なくありません。次のような言い方には注意してください。

  • 謝罪や復縁:「誤解させてごめん」「本当に好きだった」と感情に訴え、止まっていた送金の話を再開させる
  • 出金・解約の手続き:「口座に残っている利益を引き出すには手数料が必要」「税金を払えば全額戻る」と、追加の支払いを求める
  • 第三者を名乗る:「相手は逮捕された」「被害金を取り戻す手続きをしている」と、弁護士・調査会社・公的機関のような立場を装う
  • 困りごとの相談:「家族が病気になった」「空港で荷物が止められた」と、新しい送金理由を持ってくる

とくに「返金する」「取り戻せる」という連絡は要注意です。国民生活センターが2024年7月に出した注意喚起では、コード決済アプリで「返金の手続き」をしたつもりが、自分のほうから約10万円を送っていたという事例が紹介されています。コード決済での返金を持ちかけられた時点で詐欺を疑うように、というのが同センターの呼びかけです。返金の話が相手の側から持ち込まれたら、その時点で手を止めてください。

返信せずに記録だけ残す

「もう連絡しないで」と一言だけ返したくなる気持ちは自然です。ただ、返事をすると、その連絡先が今も使われていて、あなたが読んでいることを相手に知らせる結果になります。やり取りが始まれば、また説得の材料を与えることにもなりかねません。

返信の代わりに、次のものを保存してください。

  • 新しいアカウントのプロフィール画面(表示名、ユーザーID、アイコン、自己紹介)
  • 届いたメッセージの全文と受信日時が分かる画面
  • 電話の場合は着信履歴の画面と、留守番電話が残っていればその音声
  • メッセージ内のURL(開かずに、長押しでコピーするか画面ごと撮影する)

以前のアカウントとのやり取りも残っていれば、新旧を並べて保存しておくと、同じ筋書きの続きであることが第三者にも伝わりやすくなります。保存が終わったら、新しいアカウントもそのアプリの通報機能で報告し、それからブロックします。

渡してしまった個人情報ごとの見直し

別の入口から連絡が来たということは、相手があなたの何らかの連絡先を持っているということです。何を渡したかを思い出し、項目ごとに手を打っておくと、次の接触や別の被害を防ぎやすくなります。

渡したもの考えられること見直しの例
電話番号SMSや電話、電話番号で検索できるアプリからの連絡携帯電話会社やスマートフォンの迷惑電話・SMSのブロック設定、メッセージアプリで「電話番号から自分を検索・追加できる」設定をオフにする
LINE ID・メールアドレス新しいアカウントからの友だち追加やメールIDで検索されない設定にする、知らない相手からのメッセージを受け取らない設定を見直す
本名・勤務先・住所職場や家族に知らせるといった脅しの材料にされる脅しの言葉があれば保存して警察に相談する
身分証の画像なりすましや口座開設などへの悪用警察に相談し、身に覚えのない契約や請求がないか注意する
カード番号・口座情報不正な引き落としや利用カード会社・銀行に連絡し、停止や再発行の要否を相談する
ログイン用のパスワードや認証コードアカウントの乗っ取りパスワードを変更し、二段階認証を設定する

電話番号やメールアドレスを変えるかどうかは、生活への影響と比べて決めればよく、必ず変えなければならないものではありません。まずは設定の見直しと記録で様子を見る、という選択も十分にありえます。

脅された・拡散をほのめかされたときは

「職場にばらす」「写真をネットに流す」「家まで行く」といった言葉が出てきたら、ひとりで抱え込まずに警察へ相談してください。相手の言葉が脅迫にあたるかどうかは警察が判断することですが、刑法には、本人や親族の名誉や財産などに害を加えると告げて脅す行為を罰する規定(第222条・脅迫罪)があります。

  • 身の危険を感じるときは 110番
  • 急ぎではないが相談したいときは警察相談専用電話 #9110、または最寄りの警察署
  • 画像や個人情報がすでにネットに書き込まれてしまったときは、総務省の委託事業として運営されている違法・有害情報相談センターで、削除依頼の進め方などを相談できます

脅しに応じてお金を払っても、要求が止まるとは限りません。支払う前に相談につなげることが、被害を広げないいちばんの近道です。警察への相談の流れや持っていくものは警察に相談・被害届を出す手順で詳しく説明しています。

職場や家族への連絡をほのめかされたら、先に話しておく

相手が知っている情報の中で、いちばん脅しに使われやすいのが勤務先と家族の連絡先です。「知られたくない」という気持ちが強いほど、相手の要求をのみやすくなってしまいます。

そこで考えたいのが、信頼できる家族や職場の上司に、先に事情を話しておくことです。「知り合った相手とお金のトラブルになり、連絡が来るかもしれない」と伝えておけば、実際に連絡が来ても周りが取り合わずに済み、脅しの効き目は大きく下がります。職場によっては、総務や人事の窓口が不審な電話への対応を決めていることもあります。

打ち明けるのは勇気がいりますが、警察や消費生活センターに相談したうえで、「専門の窓口にも相談している」と添えて話すと、受け止めてもらいやすくなります。

相談するときに伝えたいこと

再接触の相談では、「いつ、どの入口から、どんな名前で連絡が来たか」を一覧にしておくと、話が早く伝わります。

  1. 最初に知り合ったアプリと、そのときの相手の名前・ID
  2. 連絡を断った日と、その理由(送金を求められた、投資を勧められたなど)
  3. 再び連絡が来た日時、使われたアプリ・番号・アカウント名
  4. 再接触のときの口実と、求められたこと
  5. これまでに支払った金額と支払い方法

相談先に迷ったら、脅し・つきまとい・身の危険に関わることは警察、支払いや契約、返金をめぐることは消費生活センター、と大まかに分けて考えると選びやすくなります。どちらに電話しても、内容によっては適した窓口を案内してもらえるので、最初の一本を迷って先延ばしにしないことが大切です。一覧は印刷するか、スマートフォンのメモにまとめて、電話しながら読み上げられるようにしておきましょう。

アプリをまたいで同じ人物らしきアカウントが複数ある場合の整理のしかたは、複数の経路を使い回す相手の見分け方も参考になります。お金の被害がある方、今後の対応に迷っている方は相談予約からご相談いただけます。

よくある質問

Q. 新しいアカウントが、ブロックした相手と同じ人か確かめる方法はありますか?

A. 利用者が自分で確かめる確実な方法はありません。文面の癖や話の続き方が似ているかを記録し、判断は運営や警察に任せるのが現実的です。確かめるために返信する必要はありません。

Q. ブロックした相手から「最後に一度だけ話したい」と来ました。応じるべきですか?

A. 応じなくてかまいません。最後の話し合いを口実に、送金や個人情報の話が再開することがあります。伝えたいことがあっても、返信より記録と通報を優先してください。

Q. 別の人から「あなたの被害金を取り戻せます」と連絡が来ました。

A. 被害を知っている人物から届く返金の案内は、二次被害の入口になりやすいものです。費用の前払いや、コード決済アプリでの操作を求められても応じないでください。相談先は、局番なしの188(消費者ホットライン)か、警察の#9110です。

Q. 電話番号を変えたほうがいいですか?

A. 必須ではありません。着信拒否やSMSのブロック、アプリの友だち追加設定の見直しで収まることもあります。脅しや執拗な連絡が続く場合は、警察に相談したうえで変更を検討してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。