子どもが電話占いで高額請求を受けたら|未成年者取消しの条件と親の手順

18歳未満の子どもが保護者の同意を得ずに申し込んだ電話占いの契約は、民法第5条にもとづき、原則として取り消せます。ただし、小遣いとして任された範囲の支払いや、年齢をごまかすために積極的な手段を使った場合などは、取消しが認められないことがあります。子どもを責める前に、まず記録を押さえ、どの条件に当てはまるかを確かめてください。

この記事は、子どもの携帯料金やカード明細に電話占いの請求を見つけた保護者の方に向けています。18歳・19歳の方の場合は扱いが大きく変わるため、後半で分けて説明します。電話占いのトラブル全般は電話占い詐欺の手口と見分け方、支払い方法別の窓口はキャリア決済・後払い請求の見方もあわせてご覧ください。

未成年者取消しの基本:18歳未満・同意なし・任された範囲外

民法は、未成年者が契約などの法律行為をするには法定代理人(通常は親権者)の同意が必要だと定め、同意のない行為は取り消せるとしています(第5条第1項・第2項)。成年年齢は2022年4月1日に20歳から18歳へ引き下げられたため、いまこの規定で守られるのは、契約したときに18歳未満だった人です。

取消しに必要な条件を、東京くらしWEB(東京都)の解説に沿って整理すると、次のようになります。

  • 契約した時点で18歳未満であること
  • 法定代理人が同意していないこと(父母が共同で親権を持つ場合は、原則として双方の同意が必要)
  • 小遣いなど、処分を許された財産の範囲を超えていること

電話占いでは、ポイントを買うたび、通話をするたびに支払いが発生するため、どの利用がどの契約にあたるのかを分けて考える必要があります。経済産業省の「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」も、携帯電話を使った電子契約について、回線の契約とは別に個々の契約ごとに同意の有無を判断するという考え方を示しています。何回分の利用が問題になるのか、日付ごとに整理しておきましょう。

取消しが難しくなる場面と、その見極め方

小遣いの範囲内だった

目的を決めて、あるいは目的を決めずに自由に使ってよいと渡したお金の範囲なら、子どもは自分の判断で使えます(民法第5条第3項)。月3,000円の小遣いで収まる利用と、数万円のキャリア決済とでは、評価が大きく変わります。

年齢をごまかすために「詐術」を使った

未成年者が大人だと信じさせるために詐術を用いた場合、その契約は取り消せません(民法第21条)。ただ、ここでいう詐術は、単に年齢欄に偽りを書いたことだけで決まるものではないと考えられています。経済産業省の準則は、子どもの年齢、サービスの性質や対象者、年齢を入力させる画面の作りなど、個別の事情を総合して判断するとし、「成年ですか」の問いに「はい」を押させるだけの画面は、詐術に当たる可能性が低い例として挙げています。

後から認めた(追認)

保護者が請求内容を知ったうえで「払います」と認めたり、子どもが成人後に支払いを続けたりすると、追認として取消しができなくなるおそれがあります。請求書を受け取っても、事実を確かめるまでは支払いの約束をしないでください。

期間の制限

取消権は、追認できるときから5年、契約のときから20年で消えます(民法第126条)。時間の余裕があるとはいえ、サイト側の記録が消える前に動くほうが確実です。

電話占いの利用で、保護者が最初に確かめること

取消しの条件に当てはまるかを判断するため、次の情報を集めます。子どもから聞き取るときは、叱るより先に「一緒に片づけよう」と伝えると、正直に話してもらいやすくなります。

確かめること見る場所
いつから、何回使ったか端末の通話履歴、サイトのマイページの利用履歴
いくら払ったか・請求されているか携帯料金の明細、カード明細、後払いの請求書
登録時に年齢をどう入力したかサイトの会員情報の画面、登録時の確認メール
年齢確認の画面がどういう作りだったか登録画面(同じ手順を保護者の端末で画面保存する)
誰の支払い手段を使ったか子ども名義の回線か、保護者のカードや回線か
祈祷やグッズなど通話以外の支払いがあるかメール、メッセージ、振込の記録

保護者のクレジットカードを子どもが無断で使ったケースは、子ども自身の契約の取消しとは別に、カード会社の会員規約上の扱いが問題になります。どちらの問題として進めるかは相談先で確認してください。画面の保存のしかたは証拠を残す手順の解説を参照してください。

子どもへの聞き取りで確かめたいこと

  • どこで電話占いを知ったか(広告、SNS、友人の紹介など)
  • 最初の1回は無料だと思っていたか、料金を分かっていたか
  • 占い師から、祈祷や別のサイトへの登録を勧められたか
  • 「誰にも言わないで」などと口止めされたか
  • ほかに使っているサイトやアプリはないか

答えはメモにして日付を入れておくと、消費生活センターに相談するときにそのまま使えます。

取消しを伝える手順:記録から通知、支払い窓口まで

  1. 画面を保存してから動く:退会や解約の操作をすると利用履歴が見られなくなることがあるため、先に画面を保存します。
  2. 運営会社に取消しの意思を伝える:東京くらしWEBの解説では、書面(はがきなど)を特定記録郵便や簡易書留で送る方法が紹介されています。通知は、子ども本人からでも保護者からでも出せます。契約者の氏名、利用期間、18歳未満であること、保護者が同意していないこと、取り消す旨を簡潔に書き、写しを残します。
  3. 支払いの窓口に連絡する:キャリア決済なら携帯電話会社、カードならカード会社、後払いなら決済事業者に、取消しを通知したことを伝えます。
  4. 今後の利用を止める:キャリア決済の上限を下げる、または停止する設定を行います。
  5. 消費生活センターに相談する:運営会社が応じない、詐術を理由に断られたといった場合は、消費者ホットライン「188」に連絡してください。事業者との話し合いを手伝ってもらえることがあります。

取り消した後のお金の扱い:払った代金と「現に受けている利益」

契約を取り消すと、その契約は初めからなかったものとして扱われ、すでに払った代金は返還を求められるのが原則です。

一方で、子どもの側にも受け取ったものを返す義務がありますが、民法は、契約の時点で制限行為能力者(未成年者はこれに含まれます)だった人の返還義務を、その行為によって現に利益を受けている限度にとどめています(第121条の2第3項)。商品であれば、手元に残っている状態のまま返せばよいとされています。

電話占いの鑑定は、形のないサービスです。受けた鑑定の分をどう評価するかは、事案ごとに判断が分かれる可能性があるため、「全額が必ず戻る」とは言い切れません。運営会社との話し合いがまとまらない場合は、消費生活センターや弁護士に相談して見通しを確かめてください。

18歳・19歳の場合:取消しの対象外になるが、使える制度はある

2022年4月以降、18歳・19歳の方は民法上の成年として、一人で契約を結べます。そのため、未成年者取消しは使えません。キャリア決済の上限も、auのように18歳〜19歳の上限を最大5万円に引き上げた例があり、大人に近い金額を使える環境になっています。

ただし、若い世代の契約を守る規定がほかにないわけではありません。消費者契約法には、進学・就職・結婚といった将来の望みについて、経験の浅さから強い心配を抱えていることを業者が承知のうえで、その心配をさらに膨らませ、望みをかなえるには契約が欠かせないと告げる勧誘(第4条第3項第5号)や、勧誘する人への恋愛感情に乗じて、契約しなければ関係が壊れると告げる勧誘(同項第6号)を取消しの対象とする定めがあります。霊感などを示して重大な不利益を告げる勧誘(同項第8号)も同様です。

当てはまるかどうかは個別の判断になるので、「何と言われて、なぜ申し込んだか」をできるだけ具体的に書き出し、188に相談してください。

家庭でできる予防策と、編集部の見解

  • 利用者の年齢を正しく登録する:家族の回線を親名義で契約している場合も、子どもの端末は利用者として年齢を登録します。auは、子どもの利用者登録と上限の引き下げを保護者向けの対策として案内しています。
  • 決済の上限を低くする:キャリア決済やアプリ内課金の上限を、小遣いの範囲に合わせます。
  • カード情報を端末に保存しない:保護者のカード番号がブラウザやアプリに残っていないかを確かめます。
  • 話せる関係をつくる:電話占いを使う背景には、友人関係や進路の悩みがあることも少なくありません。

当編集部は、請求が見つかったとき、最初の10分を叱ることに使わないことを勧めます。叱責が先に立つと、子どもは利用の経緯やほかの請求を隠しがちになり、取消しに必要な事実がそろわなくなります。事実を一緒に整理することが、結果的にお金を取り戻す近道になると考えています。手続きの進め方に迷ったら、相談予約フォームから状況をお聞かせください。結果の保証はできませんが、相談先の選び方をお手伝いします。

よくある質問

Q. 子どもが年齢を偽って電話占いに登録していました。取消しはできませんか?

A. 年齢欄に偽りを入力しただけで、ただちに取消しができなくなるとは限りません。経済産業省の準則は、子どもの年齢やサービスの性質、年齢確認の画面の作りなどを総合して判断するとしています。登録画面を保存したうえで、188に相談してください。

Q. 高校生の子が自分の小遣いの範囲で電話占いを使っていました。

A. 保護者が自由に使ってよいと渡した小遣いの範囲内の支払いは、原則として取消しの対象になりません。範囲を超えた分があるかどうかを、明細で確かめてください。

Q. 19歳の子どもが電話占いで高額な請求を受けました。未成年者取消しは使えますか?

A. 2022年4月から成年年齢が18歳になったため、19歳の方は未成年者取消しを使えません。ただ、不安をあおる勧誘などがあった場合は消費者契約法で取り消せる可能性があるため、勧誘の内容を書き出して188に相談してください。

Q. 取消しの連絡は、子ども本人と親のどちらがすればいいですか?

A. 東京くらしWEBの解説では、本人と親権者のどちらからでも通知できるとされています。送った内容の写しと、郵便の控えを保管しておきましょう。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。