メールで届くレビュー副業の登録|報酬の受取口座・身分証を送る前に

「商品レビューモニターに当選しました」「報酬の振込先を登録してください」といったメールから登録フォームに進むと、口座や身分証の情報を次々に求められることがあります。先に結論を書くと、報酬を振り込んでもらうだけなら、相手に伝えるのは金融機関名・支店名・口座番号・口座名義で足ります。暗証番号、ネットバンキングのパスワード、キャッシュカードや通帳そのものを求められたら、その時点で手を止めてください。

この記事は、メールで届いたレビュー投稿の副業に登録しかけている人、すでに情報を送ってしまった人向けです。「受取用に新しい口座を作って」「振り込まれたお金を指定先へ送って」という依頼が、2026年7月に罰則が重くなった犯罪収益移転防止法とどう関わるのかもあわせて説明します。

登録フォームで求められる情報のうち、報酬の受取に要るもの・要らないもの

登録フォームや返信メールで求められる情報は、報酬の受け取りに本当に必要なものと、そうでないものが混ざっています。下の表で見比べてください。

求められる情報報酬の受取に要るか渡した場合に起こりうること
金融機関名・支店・口座番号・名義振込には必要相手の身元が不明なままだと、身に覚えのない入金の受け皿にされる余地が残る
キャッシュカードの暗証番号不要カードと組み合わされると預金を引き出される
ネットバンキングのID・パスワード・ワンタイムパスワード不要口座から勝手に送金される
通帳・キャッシュカードの郵送不要口座を他人に渡す行為そのものになり、法律違反に問われうる
運転免許証などの表裏の画像、顔写真相手を確認できるまでは出さないあなたの名前で口座や携帯電話を契約されるおそれ
スマホの遠隔操作アプリの導入不要画面を操作され、借入や送金をさせられる

最後の遠隔操作アプリは、大げさな話ではありません。国民生活センターが2026年5月に公表した副業トラブルの事例には、メッセージアプリ経由で登録したあと遠隔操作アプリを入れるよう指示され、消費者金融4社から借り入れさせられて暗号資産で送金させられたものや、遠隔操作で消費者金融2社から30万円ずつ借り入れさせられたものが含まれています。

筆者の見方では、レビューを書くだけの仕事で、暗証番号やログイン情報、カードの現物が必要になる理由は考えられません。フォームにこうした欄がある時点で、報酬を払うための仕組みではなく、あなたの口座や名義を使うための仕組みだと判断してよいと考えます。

マイナンバーを求められたとき

正規の会社が報酬を払う場合、税務の手続きのために個人番号の提供を求めることはあります。ただしそれは、会社名・所在地・担当者が確認できてからの話です。メール1通とフォームしか接点がない段階で送る必要はありません。

「受取用の口座」「届いたお金の送金」は犯罪の手伝いになりうる

レビュー副業のメールには、「報酬の受取専用に新しい口座を開設してください」「あなたの口座に入ったお金を、手数料を差し引いて指定の口座へ送ってください」といった依頼が混ざることがあります。どちらも作業の報酬とは関係のない、お金の流れを隠すための役割です。

口座を渡す・貸す

犯罪収益移転防止法第26条は、相手がその口座を自分や第三者に使わせるつもりだと知りながら、通帳・キャッシュカード・ネットバンキングのログイン情報などを渡す行為を処罰しています。同じ条文は、正当な理由なくお金をもらって渡す行為も対象にしており、「相手の目的は知らなかった」では済まない場合があります。e-Govに掲載されている現行の条文では、3年以下の拘禁刑か500万円以下の罰金が科され、両方が併科されることもあります。

届いたお金を別の口座へ送る

第32条は、他人の依頼を受け、その目的を知ったうえで、報酬をもらって自分の口座を使った送金をする行為に、2年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金を定めています。大阪府警察の案内によると、口座の譲渡に関する罰則の引き上げと、この送金の請け負いに関する規定は、いずれも令和8年(2026年)7月10日から適用されています。

「受取専用の口座を新しく作って」と言われたら

口座を新しく作ること自体は問題ありません。問題になるのは、作った口座の通帳やカード、ログイン情報を相手に渡す前提で話が進んでいる場合です。報酬の受取だけなら普段使いの口座で足りるはずで、わざわざ新しい口座を求める理由を相手が説明できないなら、応じる必要はありません。

刑事上の責任だけでなく、生活への影響も小さくありません。全国地方銀行協会は、譲り渡した口座が犯罪に使われると、その口座以外の自分名義の口座まで凍結されたり、将来にわたって新しい口座を作れなくなったりすることがあると注意を促しています。

届いたメールで確かめられること

メールそのものにも、正規の依頼かどうかを考える手がかりがあります。ポイントは「誰が送ったか」と「どこへ入力させるか」です。

  • 差出人の表示名は企業名なのに、メールアドレスがフリーメールや企業名と無関係なドメインになっている
  • 返信すると、別のアドレスや個人名の担当者に切り替わる
  • 本文のリンク先が、企業の公式ドメインではなく汎用のフォーム作成サービスや短縮URLになっている
  • 会社名は書かれていても、所在地や電話番号がない、または検索すると別の会社のものだった
  • 「本日中に登録しないと当選が無効」など、確認する時間を与えない締め切りがある

応募した覚えのない「当選」や「採用」の知らせは、それだけで一度疑ってかまいません。広告メールの表示ルールや、違反メールの情報提供先は副業・情報商材の勧誘メールが届いたらで紹介しています。

メールの末尾に「配信停止はこちら」とリンクが付いていても、むやみに押さないほうが無難です。押したことで、そのアドレスが実際に使われていると相手に伝わる場合があります。迷惑メールとして報告し、受信拒否の設定で対応してください。

本物かどうかの確かめ方

メールに書かれた電話番号やリンクは使わず、企業名を自分で検索して公式サイトにたどり着き、そこに載っている窓口へ問い合わせてください。メールの中の連絡先に問い合わせても、送り主本人につながるだけです。

送ってしまった情報別に、いま連絡すべき先

送ってしまった情報によって、急いで連絡すべき先が変わります。複数に当てはまる場合は、お金が直接動くものから先に止めてください。

ネットバンキングのログイン情報・暗証番号を送った

最優先です。金融機関の紛失・盗難や不正利用の窓口に電話し、ネットバンキングの利用停止とパスワードの変更、キャッシュカードの停止を依頼してください。夜間や休日でも受け付けている窓口が多いので、翌営業日まで待たないほうがよいでしょう。

キャッシュカードや通帳を郵送した

金融機関に連絡して口座を止めてもらい、あわせて警察に相談してください。郵送した日時、送り先の住所、やり取りのメールが手がかりになります。

口座番号と名義だけを伝えた

番号と名義だけで預金を引き出されることは通常ありません。気をつけたいのは、心当たりのない入金があった場合です。そのお金を引き出したり、言われるままに別の口座へ送ったりしないでください。金融機関に連絡し、どう扱うべきか指示を受けるのが安全です。

身分証の画像を送った

画像が悪用されて口座や携帯電話を勝手に契約されるおそれがあります。警察に相談して記録を残してもらい、身に覚えのない契約の連絡が来たら、その会社にすぐ申し出てください。

クレジットカードの番号を入力した

「本人確認のため1円だけ決済します」などと言われて入力した場合も、カード会社に連絡して利用を止め、番号を変えた再発行を依頼してください。明細に覚えのない請求があれば、その場で伝えます。

遠隔操作アプリを入れた

アプリを削除し、スマホに保存していた金融機関や決済アプリのパスワードを変えてください。操作されている間に借入や送金がなかったか、利用明細も確認します。

相談先と、相談前にそろえておくもの

相談先は、状況に応じて組み合わせて使います。

  • 取引している金融機関:口座やカードの停止、不審な入出金の確認
  • 警察相談専用電話 #9110:情報を悪用された、口座を渡してしまった、脅すような連絡が来ている
  • 消費者ホットライン 188:登録料や教材費を払った、契約の扱いを知りたい

窓口では経緯を順を追って聞かれます。次のものを手元に置いておくと、説明で迷いません。

  1. 最初に届いたメール(本文だけでなく、差出人アドレスや受信日時がわかる形で)
  2. 入力したフォームのURLと、入力した項目の一覧
  3. 送った画像や書類の控え
  4. お金の出入りがあれば通帳やアプリの明細
  5. いつ何をしたかを書いた時系列のメモ

保存の手順は証拠保全ガイド、相談前に確かめる項目は相談前チェックリストにまとめています。口座を渡してしまった、送金を手伝ってしまったという場合でも、黙っているより早く相談したほうが、その後の選択肢は広がります。

よくある質問

Q. レビュー副業の報酬の振込先として、口座番号と名義だけ送りました。問題はありますか?

A. 番号と名義だけで預金が引き出されることは通常ありません。ただ、心当たりのない入金があったときに、引き出したり指示された口座へ送ったりすると、犯罪に関わるお金の移動を手伝う形になりかねません。見知らぬ入金があれば、手を付けずに金融機関へ連絡してください。

Q. 「報酬口座に入ったお金を、手数料を引いて別の口座に送って」と頼まれました。

A. 応じないでください。犯罪収益移転防止法第32条は、他人の依頼で目的を知りながら報酬を受けて送金を請け負う行為に、2年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金を定めています。やり取りを保存し、#9110や金融機関に相談してください。

Q. レビュー副業の登録でキャッシュカードを郵送してしまいました。

A. すぐ金融機関に連絡してカードと口座を止めてもらい、警察にも相談してください。口座を渡す行為は犯罪収益移転防止法第26条の処罰対象になりうるため、経緯を正直に説明し、送り先の住所やメールを提出できるようにしておきましょう。

Q. 身分証の画像を送ってしまった後にできることは?

A. 警察に相談して経緯を記録してもらい、身に覚えのない契約や請求の連絡が来たら、その事業者にすぐ申し出てください。同じ相手にこれ以上の書類や写真は送らないでください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。