LINEグループで誘われた台湾系投資ロマンス詐欺の事例と専門家への相談
LINEグループで誘われた台湾系投資ロマンス詐欺に注意が必要なケース n LINEグループで誘われた台湾系投資ロマンス詐欺のような状況に遭遇した場合、その内容に…
先に要点を書きます。身近な人がInstagramで知り合った恋人の勧めで投資をしている様子なら、「だまされている」と言い切るより、「その会社、登録があるか一緒に見てみない?」と確かめる作業に誘うほうが話が進みやすくなります。本人が聞き入れなくても、家族の立場のままでも、#9110(警察の相談窓口)や188(消費者ホットライン)に状況を伝えられます。
想定している読者は、被害に遭っているかもしれない本人ではなく、そばで見ている家族や友人です。どんな変化に目を向けるか、最初の一言をどう選ぶか、何を一緒に調べるか、送金が済んでいた場合に何から動くかを順に説明します。
まず去年1年間、令和7年の数字から見ていきます。警察庁の確定値では、SNS型ロマンス詐欺で犯人との最初の接点がInstagramだったケースは1,288件でした。全体の22.8%で、マッチングアプリに次ぐ2番目の多さです。接触の手段はほぼダイレクトメッセージで、Instagramのメッセージから始まったものだけで1,247件ありました。
令和8年1〜6月の暫定値でも傾向は続いています。Instagramが入口になった件数は486件、被害額は51.8億円で、SNS型ロマンス詐欺の被害額全体の21.0%を占めました。恋愛を前面に出さない投資の勧誘でも、令和7年の最初の接点はInstagramの1,934件が最多です。
だまされた側の顔ぶれにも特徴があります。令和7年のSNS型ロマンス詐欺では、年代は男女とも40代から60代が中心で、性別では男性が3,633件と約6割でした。「うちの親に限って」「あの友人は慎重だから」と思える年代や人ほど、実際には当事者になりやすいと筆者は受け止めています。犯人とのやり取りの場は、どの入口から始まっても最終的にはLINEに移ることが多く、被害時の連絡手段の93.8%がLINEでした。
次のような変化が重なってきたら、一度ゆっくり話を聞く機会をつくる目安になります。一つ当てはまっただけで決めつける必要はありません。
最後の二つは見落とされがちです。令和7年の警察庁資料によると、ロマンス型の振込被害のうちネットバンキング経由は件数で50.8%、金額では68.5%を占めています。窓口で声をかけられにくい方法へ移ったという変化は、本人が周りに止められたくないと感じ始めている合図かもしれません。
本人にとって、相手は恋人であり、投資は二人の将来のための計画です。そこへ「詐欺に決まっている」とぶつけると、恋愛感情と投資の判断を同時に否定されたと感じ、相手をかばう側に回りやすくなります。相手の側から「家族には話さないで」と言われていることもあり、正面からの否定はその筋書きに乗ってしまいます。
| 避けたい言い方 | 置き換えの例 |
|---|---|
| 「そんなの詐欺だよ、目を覚まして」 | 「最近楽しそうだね。どんな人なの?」 |
| 「会ったこともない人を信じるなんて」 | 「今度ビデオ通話で紹介してもらえたりする?」 |
| 「いくら取られたの?」 | 「投資の画面、どんなふうに見えるのか見せてもらえる?」 |
| 「もう連絡しちゃだめ」 | 「その会社が国に登録されているか、一緒に調べてみない?」 |
話を切り出すのに向いているのは、本人が「出金に時間がかかっている」「急に手数料を求められた」など、小さな不安を口にした瞬間です。そのときに責める言葉が出ないよう、あらかじめ言い方を決めておくと落ち着いて返せます。
日本で株式やFXなどの金融商品を扱う業者、暗号資産の交換業者は、金融庁への登録が必要です。金融庁のサイトには「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」と、暗号資産交換業者の登録一覧が載っています。登録を受けずに営業しているとして金融庁が警告を出した相手の名称も、別のページで公表されています。サイト名や運営会社名を本人と一緒に打ち込んで探してみてください。警告の対象に載っていないからといって、問題のない業者だとは限りません。
画像検索にプロフィール写真をかけると、別の名前のアカウントやモデルの写真として出てくることがあります。反対に何も見つからなくても、本物の証明にはなりません。警察庁は、翻訳アプリや生成AIを使えば誰でも別人になりすませると注意を呼びかけています。
国民生活センターが紹介したロマンス投資詐欺の流れでは、はじめは少額の利益が出たように見せ、より大きな入金を勧め、出金しようとすると別の名目で送金を求め、最後は連絡が途絶えるという順で進んでいました。本人が「出金には税金が先に要る」「保証金を入れれば引き出せる」と言われているなら、この流れと重なっているかを一緒に照らし合わせてみましょう。
本人が「アプリストアで配信されている投資アプリだから安心」と話すこともあります。ストアに並んでいることは、金融庁の登録の代わりにはなりません。この点は案内された投資アプリが本物かの確かめ方で詳しく扱っています。
確かめた結果を見せても「あの人は違う」と言われることはあります。そのときは説得を続けるより、周りが動ける範囲を広げておくほうが現実的です。
口座の名義人でない家族が、本人に代わって銀行口座を止めたり送金を取り消したりすることは、原則としてできません。できるのは、本人が銀行や警察へ行くときに付き添うことです。本人が打ち明けやすい順番については、家族にどう打ち明けるかの記事も参考になります。
本人がすでにお金を送っていたと分かったら、責める話はいったん脇に置き、支払い方法を確かめてから動きます。
家族が気づいて動き出した頃に、「取り戻せます」と近づく業者や、公的機関を名乗る連絡が届くことがあります。前払いの費用を求められたら応じないでください。見分け方は「資金回収します」の広告や投稿の見方にまとめています。
送ったお金そのものより、恋人がいなかったと知ることのほうがこたえる人もいます。最初にかける言葉は「話してくれてよかった」で十分です。いくら失ったか、なぜ気づかなかったのかを問い詰めるのは、落ち着いてからで遅くありません。眠れない、食事がとれないといった状態が続くようなら、医療機関や自治体の心の相談窓口につなぐことも考えてください。
全体の点検にはチェックリスト、窓口選びに迷ったら相談予約のページも使えます。
A. 相談できます。#9110にかけると各都道府県警察の相談窓口につながり、家族の立場からでも状況を伝えられます。本人が送金を続けている様子や、確認できた投資サイトの名前などをメモしておくと話が早く進みます。
A. そうとは言えません。生成AIで作られた顔写真や、検索にかかりにくい写真が使われることもあります。写真よりも、投資先が金融庁に登録されているか、出金に追加の支払いを求められていないかを確かめるほうが判断の材料になります。
A. 原則として、口座の手続きは名義人本人が行います。家族にできるのは、本人が銀行や警察に行くときに付き添い、記録の整理を手伝うことです。本人の同意を得たうえで一緒に動いてください。
A. 画面上の数字は、出金できるまでは実際のお金とは言えません。国民生活センターが紹介した事例でも、最初は利益が出たように見せ、出金の段階で別の支払いを求める流れでした。追加の支払いには応じないと決めたうえで、「一度、全額を引き出してみたら?」と提案し、どんな条件を出されるかを一緒に見るのも一つの方法です。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。