インスタグラムのDMで外国人投資家を装う詐欺の証拠保全方法
インスタグラムのDMで外国人投資家を装う詐欺に注意が必要なケース n インスタグラムのDMで外国人投資家を装う詐欺のような状況に遭遇した場合、その内容に不審な点…
先に結論です。LINEの投資グループに誘われたら、相手の出身地や人柄ではなく、お金を預ける先が金融庁の登録を受けた業者かどうかを自分の手で調べてください。登録が確認できない相手には入金しない。これが一番確かな線引きです。
この記事は、マッチングアプリやSNSで知り合い「台湾出身」「台北で働いている」などと自己紹介した相手から、LINEのグループに招待され、講師役の投稿や参加者の利益報告を見ているうちに入金を考え始めた人に向けて書いています。台湾の人を疑うための記事ではありません。名乗られる出身地は、詐欺の筋書きでは相手が自由に選べる「設定」にすぎず、判断の根拠にはなりません。その代わりに使える確認の手順を、金融庁・警察庁・国民生活センターの公表資料をもとに整理しました。
国民生活センターは2024年1月、SNS上の投資グループをきっかけにしたFX取引のトラブルについて注意を呼びかけました。公表された手口のイメージは、次の4段階です。
ロマンスの要素が加わると、この流れの入口に「親しくなった相手」が立ちます。本人は投資の専門家ではないと言いつつ「おじが運用の先生」「職場の先輩が教えてくれるグループ」などと紹介し、自分も利益が出ている画面を見せてくる、という組み立てです。
金融庁も、LINEのグループ内では犯人側が複数のアカウントを使い、投資がうまくいっているそぶりを見せて参加者を信用させる例があると説明しています。つまり、グループの参加者が50人いても、その多くが同じ側の人間という可能性を排除できません。恋人とグループの両方から背中を押されると、断る理由が見つけにくくなります。そこが、この形の一番の怖さだと筆者は考えています。
警察庁が2025年分の確定値として出した資料を見ると、SNS型ロマンス詐欺の加害側が自称した地域の内訳は、国内在住の日本人という設定(3,461件)が最多で、全体のおよそ6割を占めていました。そのほか東アジア、日本(国外)、東南アジアなどの地域を名乗る例もみられるとされています。同じ資料の事例紹介には、英国在住の韓国人と称する人物や、マカオ在住を自称する人物も登場します。
ここから読み取れるのは、名乗る国や地域はいくらでも差し替えられるということです。台湾は旅行先として身近で、好感を持っている人も多い土地です。だからこそ、話の相手を信じてもらうための背景として借りられやすいのではないか、と筆者は見ています。
付け加えると、SNSの投資勧誘は日本語だけで完結するとは限らず、相手が台湾華語や英語を少し交ぜてくるのも「本物らしさ」の演出になりえます。言葉づかいが自然か不自然かも、国籍と同じく決め手にはなりません。
一方で、台湾に住む人や台湾出身の人がこうした詐欺に関わっていると考える根拠は、公表資料からは見当たりません。むしろ、実在する台湾の人の写真やプロフィールが無断で使われている可能性もあります。相手の国籍や話し方で白黒をつけようとすると、本当に見るべき「お金の行き先」から目がそれてしまいます。
「台湾の人だから台湾株に詳しい」という説明は、聞き手にとって筋が通って聞こえます。けれども、その人が実際にどこに住み、何の仕事をしているのかは、会ったことのない相手については確かめようがありません。確かめようのない前提の上に、お金の判断を乗せないことが大切です。
グループでは、台湾の半導体メーカーや米国の大型株など、ニュースで名前を聞く実在の企業が話題にされることがあります。値動きの解説も一見もっともらしく、「ちゃんとした投資の勉強会だ」と感じるかもしれません。
ただ、話題の銘柄が本物であることと、あなたのお金がその銘柄の売買に使われることは、まったく別の話です。警察庁も、ロマンス型の勧誘では専用の投資アプリの画面で、収益が増え続けているかのように装う例があると注意を促しています。画面の数字は、運営側が好きなように表示できます。
国民生活センターは、振込先として個人の名前の口座を示されたら入金しないよう求めています。上の4つのうち1つでも答えられなければ、入金は保留にしてください。
金融庁は、投資勧誘を受けたら取引先が金融商品取引業や暗号資産交換業の登録を受けているか確認するよう案内しています。手順は3つです。
| 調べた結果 | 読み方 | 次の行動 |
|---|---|---|
| 登録業者に見当たらない | 日本で勧誘・取引をする資格が確認できない | 入金しない。金融庁の相談窓口へ情報提供 |
| 無登録業者リストに載っている | 金融庁が警告書を出した相手 | 入金しない。すでに入金済みなら警察と金融機関へ |
| どちらにも載っていない | 安全という意味ではない | 登録が確認できない以上、入金は見送る |
| 登録業者と名前が一致 | 名義の借用もありうる | 公式の電話番号へ自分でかけて確認 |
一覧に名前がない業者が無登録のまま営業しているケースもありうると、金融庁自身が断り書きを入れています。「リストにないから大丈夫」とは読まないでください。
退会やブロックをすると、トーク履歴や参加者一覧が見られなくなることがあります。やめると決めたら、抜ける前に次のものを保存しておくと、後で相談するときに話が早く進みます。
画面の撮り方と保管の工夫は証拠の残し方にまとめています。警察は2025年の1年間で、犯行に使われたLINEアカウント18,214件の情報をLINEヤフー社に伝え、利用停止などを促しました。このうち9,505件がSNS型投資・ロマンス詐欺の分です。保存を終えたら、LINEの通報機能で相手のアカウントを報告しておくのも一つの手です。
恋人役の相手には「投資はしないことにした」とひと言返せば十分で、なぜやめるのかを長々と説明しなくても大丈夫です。そこで強く引き留めたり、責めたり、急に冷たくなったりしたら、それ自体が関係の性質を示す手がかりになります。
すでにお金を入れていても、まずは追加の入金を止めることが先です。「出金には手数料がいる」「税金を先に払えば全額戻る」と言われても、応じないでください。国民生活センターの相談事例にも、出金を申し出たら口座残高の半分の証拠金を求められた、出金時に税金を請求された、という例が並んでいます。
暗号資産で送った場合や、どこまで取り戻せるかの見通しは、状況によって大きく変わります。取り戻せると断言する人や、成功報酬を先に払えば回収できると持ちかける業者には注意してください。流れの全体像は相談から解決までの流れ、送る前の確認項目はチェックリストで確認できます。台湾出身を名乗る相手からの勧誘を経路別に整理した総合ガイドもあわせてどうぞ。
A. 出身地だけでは何も判断できません。見るべきは、お金を預ける業者が金融庁の登録を受けているかどうかです。登録業者検索で見つからない、入金先が個人名義、取引アプリが正規ストアにない、といった点が重なるなら入金は見送ってください。
A. 安全とは言えません。リストに載るのは警告書を出した時点で無登録営業が確認できた業者だけで、金融庁も掲載されていない者が無登録営業をしている場合があると注意しています。登録業者として確認できるかどうかで判断してください。
A. 金融庁の注意喚起によれば、グループの中で同じ犯行側の人物がいくつものアカウントを使い分け、うまくいっているふりをする例があります。参加者の多さや利益報告の数は、取引が本当に行われている証拠にはなりません。
A. 追加の入金はやめてください。最初に利益が出たように見せ、その後に高額の入金や出金手数料を求める流れは、国民生活センターが公表した手口のイメージそのものです。まず取引先の登録を確認し、不安があれば#9110や188に相談してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。