返金される可能性アリと言われたら|見込みを自分で確かめる手順

「返金される可能性アリ」という言い方は、それだけではお金が戻るかどうかを何も約束していません。見込みを左右するのは、どの手段で払ったか、払ってからどれだけ時間がたったか、相手が誰でどこにいるか、手元にどんな記録が残っているか、の4点です。

この言葉は、返金の無料診断をうたう広告、被害情報をまとめたサイトの判定欄、SNSで届く「取り戻せます」という連絡などで目にします。出会い系・占い・支援金をうたうサイトなど、ポイント制のサービスにお金を払ってしまい、「自分の場合は戻るのか」を知りたい人に向けて、見込みを自分で整理する方法と、公的な仕組み、費用を払う前に確かめたいことをまとめました。個別の事情によって結論は変わるため、この記事で返金をお約束することはできません。

「返金される可能性アリ」はどこで使われる言葉か

検索すると、「可能性アリ」「返金見込みあり」「返金率〇%」といった表現が並びます。どれも、誰がどんな基準で判断したのかを確かめないと意味を持ちません。よく見かけるのは次の3つの場面です。

  • 返金診断・無料査定のフォーム:支払った額や相手のサイト名を入れると「可能性あり」と表示され、その後に電話や面談を勧められる
  • 被害情報サイトの判定:サイトごとの評価として「返金される可能性あり」と書かれている。書き手の経験や見解であって、手続きの結果ではない
  • 知らない相手からの連絡:「あなたの被害金は取り戻せる」「国の制度で返金される」とメールやDMが届く

消費者庁は、投資で損をした人に公的な救済制度を名目にしたり手続きの代行を申し出たりして、改めてお金を払わせる二次被害について注意を呼びかけています。どの場面でも、「可能性がある」と言われたこと自体を、費用を払う理由にしないことが大切です。

払った手段ごとに、取り戻しの手がかりは違う

取り戻しの手段は、払ったときの手段によってほぼ決まります。まず自分の支払いを次の表に当てはめてください。

払った手段主な手がかり見込みを下げる事情
銀行振込振込先の金融機関に口座の凍結を求め、振り込め詐欺救済法の手続きで残高から分配を受けるすでに引き出されて残高がない、振込先が個人名義で転々としている
クレジットカード(分割・リボ)割賦販売法の「支払停止の抗弁」。分割は手数料込みで4万円、リボは代金3万8千円に届かないと使えない営業のための購入、条件に満たない金額
クレジットカード(翌月一括)カード会社に経緯を伝えて調査を頼む。割賦販売法の抗弁の対象外カード会社の受付期間を過ぎている
プリペイド型電子マネー未使用の番号なら、発行元に連絡して残高の利用を止めてもらえることがある番号を伝えてから時間がたち、すでに使われた
アプリストア経由Google Play・Appleの払い戻しの申請、またはアプリの提供者への請求購入から日数がたっている
暗号資産・現金手渡し警察への被害届と、相手が特定できた場合の民事請求送金先が海外、相手が分からない

日本クレジット協会の案内では、支払停止を申し出る前に、まず販売事業者と交渉し、それでも解決しない場合にカード会社へ申し出るよう求めています。振り込め詐欺救済法の分配は、凍結された口座に残っていたお金を被害者で分ける仕組みなので、残高が少なければ戻る額も少なくなります。

いくつもの手段を混ぜて払った場合

最初はカードでポイントを買い、上限に達したら電子マネー、最後は指定口座への振込、というように支払い手段が途中で変わるのは珍しくありません。この場合、見込みは1本の数字にまとまりません。振込の分は金融機関、カードの分はカード会社、電子マネーの分は発行元と、手段ごとに連絡先を分けて、それぞれの結果を積み上げていくことになります。すべてが戻る、あるいはすべてが戻らない、と一括りに考えず、どの分から手を付けるかを決めるのが先です。急ぐべきなのは、残高や未使用の番号がまだ残っていそうな直近の支払いです。

時間がたつほど見込みが変わる理由

同じ支払い手段でも、動いた時期によって結果が変わります。時間の要素は3つに分けて考えると整理しやすくなります。

お金が動くまでの時間

振込先の口座からお金が引き出される前に凍結されれば、分配の元になる残高が残ります。プリペイド型電子マネーも、番号が使われる前なら止められる余地があります。気づいた日のうちに連絡するのが基本です。

制度ごとの期限

  • 消費者契約法による取消し:追認できる時から1年、契約から5年(霊感などを使った勧誘による取消しは3年・10年)
  • アプリストアの払い戻し:Google Playのアプリ内購入は48時間以内なら申請できる場合があり、それ以降は提供者への問い合わせになる
  • カード会社への申し出:会社ごとに受付の期間がある。明細が届いたら早めに問い合わせる

記録が消えるまでの時間

サイトの閉鎖や退会で、やり取りやポイントの履歴が見られなくなることがあります。退会の前に画面を保存しておかないと、後から経緯を説明できません。

請求する相手を特定できるか確かめる

請求の相手がはっきりしているかどうかも、見込みを大きく左右します。次の順に調べてみてください。

  1. 特定商取引法に基づく表記:サイトに事業者名・住所・電話番号・責任者名が書かれているか。消費者庁の特定商取引法ガイドは、通信販売の広告でこれらを表示するよう定めていると説明している
  2. 法人番号公表サイト:表記の社名と住所が国税庁の登録と一致するか
  3. 行政処分の有無:消費者庁の特定商取引法ガイドの「執行事例の検索」で、同じ社名に処分歴があるか
  4. 海外の事業者か:表記の住所が国外にしかない場合は、海外事業者との取引を扱う越境消費者センター(CCJ)が窓口になる

国内の事業者で、社名・住所が確かめられ、連絡も取れるなら、消費生活センターの助言を受けながら交渉する道があります。表記がなく、連絡先がメールだけで、支払いの受取人も個人名義という場合は、交渉の相手を見つけるところから難しくなります。

自分で作る「見込みメモ」

「可能性アリ」と誰かに言ってもらう前に、次の項目を紙1枚に書き出してみてください。窓口に相談するときも、これがあれば話が早く進みます。

  1. 最初の接点(メール・SNS・広告など)と、その日付
  2. サイト名・アプリ名と、画面に出ていた運営者名
  3. 支払いの一覧(日付・金額・手段・振込先や決済会社)
  4. 払った理由として言われた名目(ポイント代、手数料、保証金など)
  5. 約束されたのに実現しなかったこと(会える、支援金がもらえる、など)
  6. 保存できている記録と、消えてしまった記録

書き出してみると、銀行振込が多い人、カードのリボ払いが中心の人、電子マネーばかりの人と、それぞれ連絡する先が分かれてきます。記録の残し方は証拠の残し方、窓口に行く前の準備は相談前チェックリストが参考になります。

「可能性がある」と言われて費用を求められたら

「可能性がある」と言われた後に、着手金、調査費、手続きの代行料などを求められることがあります。払う前に、次の点を確かめてください。

  • 相手は弁護士か:弁護士法72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事件の交渉や和解などを業として扱うことを禁じている。返金の交渉を引き受けるという業者が弁護士でも弁護士法人でもないなら、依頼は避ける
  • 本当にその弁護士か:日本弁護士連合会は、SNS上で偽造した弁護士の身分証を示し、本物の弁護士だと信じ込ませる詐欺が報告されているとして注意を呼びかけている。日弁連の弁護士検索や、事務所の公式サイトの電話番号にかけ直して確かめる
  • 探偵・調査会社の「返金サポート」:国民生活センターは、トラブル解決をうたう探偵業者との契約をめぐる相談について注意喚起をしたことがある
  • 費用と見込みの説明:回収できなかった場合に費用がいくら残るのかを、書面で示してもらえるか

「成功報酬のみ」「着手金ゼロ」とうたう案内でも、調査費や通信費といった別の名目で先に支払いを求められる例があります。契約書に、何をしたら費用が発生するのか、途中でやめたら何が返ってくるのかが書かれているかを読み、口頭の説明だけで申し込まないようにしてください。

弁護士に相談する場合の費用の考え方や事務所の選び方は、出会い系詐欺を弁護士に依頼する前にで詳しく扱っています。

無料で使える相談先

  • 消費者ホットライン188:事業者との交渉の進め方、カード会社への申し出について助言を受けられる。費用はかからない
  • 振込先の金融機関:銀行振込をした場合は、188より先に電話して口座の凍結を求める
  • 警察相談専用電話#9110:だまされたと考えられる場合、脅された場合
  • 法テラス:収入や資産が一定の基準以下なら、弁護士との相談を無料で受けられる

どこに電話するか迷うときは、相談から解決までの流れで順番を確かめられます。当サイトの相談予約でも、今の状況に合う窓口の整理をお手伝いします。

よくある質問

Q. 「返金される可能性アリ」と判定されたら、お金は戻ってきますか?

A. 判定そのものに返金を実現する力はありません。実際に戻るかどうかは、支払い手段、経過した時間、相手が特定できるか、記録が残っているかで決まります。まず支払いの一覧を作り、188に相談してください。

Q. 返金の無料診断フォームに入力しても大丈夫ですか?

A. 入力した氏名や電話番号をもとに、有料の代行や調査の勧誘を受けることがあります。入力する前に運営者が弁護士・弁護士法人かを確かめ、分からなければ188で公的な窓口の助言を受けるほうが安全です。

Q. 何年も前に払ったお金でも返金の可能性はありますか?

A. 消費者契約法の取消しには1年・5年(霊感などを使った勧誘は3年・10年)の期限があり、振込先の口座も時間がたつと残高がなくなりがちです。古い支払いほど難しくなりますが、請求の根拠は他にもあり得るため、記録を持って相談してください。

Q. 少ない金額でも相談してよいですか?

A. 金額の大小にかかわらず、188や#9110に相談できます。少額の支払いが続いている段階で相談すれば、それ以上の支払いを止めるきっかけにもなります。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。