Facebookで勧誘された医療機関を名乗る詐欺の事例と専門家への相談
Facebookで勧誘された医療機関を名乗る詐欺に注意が必要なケース n Facebookで勧誘された医療機関を名乗る詐欺のような状況に遭遇した場合、その内容に…
結論から書くと、個人のネットバンキングで起きた不正送金は、本人に過失がなければ銀行が原則として補償するという取り決めが銀行業界にあります。全国銀行協会(全銀協)が2008年2月19日に公表した申し合わせです。ただし補償には「銀行への速やかな通知」などの要件があり、過失の有無によっては減額や不補償になることもあります。
この記事は、銀行を名乗るメールやSMSから偽のログイン画面に誘導され、口座から身に覚えのない送金が出てしまった人に向けて、補償の仕組みを一次資料に沿って説明します。金融庁が公表している補償件数の実績や、法人口座の場合の違いもあわせて載せました。補償するかどうかは最終的に各銀行が個別に判断するため、この記事の内容が補償を約束するものではない点はご承知おきください。
キャッシュカードの偽造・盗難による被害には、預貯金者保護法という法律があります。一方、ネットバンキングの不正送金はこの法律の対象外です。そこで全銀協は2008年2月、インターネット・バンキング(モバイル・バンキング、テレホン・バンキングを含む)の不正な払戻しについて、銀行に過失がない場合でも、お客さまに過失がなければ原則補償するという申し合わせを行いました。
その後も全銀協は、2012年に固定式のID・パスワードだけに頼らない認証の導入、2013年にさらなるセキュリティ強化に関する申し合わせを重ね、2016年6月には補償の減額・不補償になりうる事例を整理して公表しています。つまり、補償の判断材料は「法律の条文」ではなく、こうした業界の申し合わせと各銀行の規定です。
実務上は、取引している銀行のネットバンキング利用規定に補償の条件が書かれています。被害に気づいたら、全銀協の基準とあわせて、自分の銀行の規定(公式サイトの「不正送金の補償について」などのページ)も確認しておくと話が早く進みます。
2008年の申し合わせの別紙では、個人のネットバンキングについて補償の対象・要件・基準が一覧になっています。要点を表にまとめました。
| 項目 | 申し合わせの内容(個人のお客さま) |
|---|---|
| 要件1 | 金融機関への速やかな通知 |
| 要件2 | 金融機関への十分な説明 |
| 要件3 | 捜査当局への被害事実等の事情説明(真摯な協力) |
| 預金者に過失なし | 全額補償 |
| 過失あり・重過失 | 個別対応(被害者の態様や状況を加味して判断) |
| 補償しない場合 | 被害発生日の30日後までに金融機関へ通知がなかった場合、親族等による払戻し、虚偽の説明、戦争・暴動等の混乱に乗じた場合 |
見落としやすいのが30日の期限です。通帳記帳やアプリの明細をしばらく見ていなかった場合、気づいた時点で期限が迫っていることもあります。「本当に不正かどうか確かめてから」と様子を見るより、疑わしい取引を見つけた段階で銀行に一報を入れるほうが安全です。
要件3の「捜査当局への事情説明」は、警察に被害を届け出て、事情聴取などに協力することを指します。銀行から警察の受理番号を尋ねられることが多いので、届出後は番号を控えておきましょう。連絡の順番や伝える内容は銀行と警察への連絡の順番をまとめた記事で詳しく扱っています。
個人の「過失あり・重過失」は個別対応とされているため、どこから減額になるのかが分かりにくい部分でした。全銀協は2016年6月、会員銀行の一部へのアンケート結果として、実務上補償の減額または不補償とされている事例を公表しています。要約すると次の4つです。
フィッシングで偽サイトに入力したこと自体が、ただちに「過失」と決まるわけではありません。一方で、1番目のように「銀行が何度も知らせていた手口」かどうかは判断材料になりえます。そして4番目が示すとおり、気づいてから連絡が遅れると不利に働くおそれがあります。補償の見込みを少しでも残すには、とにかく早く銀行に知らせることが最優先です。
金融庁は、各金融機関からの報告をもとに、ネットバンキングによる預金等の不正払戻しの発生件数と補償状況を公表しています。2025年12月26日公表分(2025年9月末までの被害)では、次のような数字でした。
| 被害発生年度 | 処理方針決定済 | 補償した件数(割合) | 補償しない件数(割合) |
|---|---|---|---|
| 2022年度 | 1,699件 | 1,342件(79.0%) | 357件(21.0%) |
| 2023年度 | 5,484件 | 4,518件(82.4%) | 966件(17.6%) |
| 2024年度 | 10,252件 | 8,703件(84.9%) | 1,549件(15.1%) |
| 2025年度(4〜9月) | 1,698件 | 957件(56.4%) | 741件(43.6%) |
「補償」には全額だけでなく一部補償も含まれます。2025年度は半期分で、処理方針がまだ決まっていない被害は数に入っていません。また、この統計の被害件数には遺失や詐欺による被害も含まれると注記されています。
数字から読み取れるのは、補償される例が多数派である一方、毎年一定の割合で補償されないケースがあるということです。当サイトとしては、「たぶん戻る」と楽観せず、要件をそろえて銀行に説明する準備をしておくことをおすすめします。
会社名義の口座で被害に遭った場合、個人向けの「無過失なら原則補償」はそのまま当てはまりません。全銀協は2014年7月17日、法人向けネットバンキングについて別の申し合わせを公表しました。そこでは、法人の被害を補償するかどうかは個別の銀行の経営判断として検討するものとされ、補償の対象先や上限も、法人の属性やセキュリティ対策への対応力に応じて個別に決めるとされています。
同じ申し合わせでは、次のような場合に補償の減額や不補償がありうると例示されています。
法人口座では、電話とメールを組み合わせて担当者をだます手口の被害が目立っています。社内での備えは法人口座を狙うボイスフィッシングの記事にまとめました。
要件2の「十分な説明」をするには、何が起きたかを時系列で説明できる材料が必要です。次のものを、消さずに残しておきましょう。
記憶は時間とともに曖昧になります。「何時ごろSMSが届き、何時にリンクを開き、何時に異変に気づいたか」を、その日のうちに書き出しておくと、銀行の聞き取りにも警察の事情聴取にも同じ内容で答えられます。証拠の残し方全般は証拠の残し方のページも参考になります。
銀行から「今回は補償の対象外」「一部のみ補償」と回答され、その理由に納得できない場合は、まず判断の根拠となった規定や事実認定について、書面での説明を求めてみてください。そのうえで、次の窓口があります。
当サイトの相談予約からも、状況の整理と相談先の案内を受け付けています。返金や補償の結果を約束するものではありませんが、どこに何を伝えればよいか迷っている段階でも利用できます。
A. 入力したことだけで一律に補償されないわけではありません。全銀協の申し合わせでは、個人は無過失なら全額補償、過失・重過失がある場合は個別対応とされています。銀行が繰り返し個別に注意喚起していた手口だったか、通報が遅れなかったかなどが判断材料になります。
A. 全銀協の申し合わせでは、被害発生日の30日後までに金融機関へ通知がなかった場合は補償を行わないとされています。各銀行の規定で扱いが異なる可能性もあるため、期限が過ぎていそうでも、まず取引銀行に事情を説明して確認してください。
A. 申し合わせでは「捜査当局への被害事実等の事情説明(真摯な協力)」が要件の一つです。最寄りの警察署や都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口に被害を届け出て、受理番号を控えておくと銀行への説明がスムーズです。
A. 法人向けは2014年の別の申し合わせにより、補償するかどうかや上限は各銀行が個別に判断します。セキュリティ対策の実施状況や通報の時期、会社関係者の関与の有無などで減額・不補償がありうるとされています。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。