仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
X(旧Twitter)には「勝率85%のサインツール」「エントリーのタイミングを配信」といった投稿があふれています。先に結論を言うと、成績の画像ではなく、販売者の身元と登録の有無、解約・返品の条件で判断してください。会員制で継続的に売買のタイミングを知らせるサービスは、内容によって金融商品取引法の「投資助言・代理業」の登録が必要になる場合があると、金融庁の監督指針に書かれています。
この記事は、Xの投稿をきっかけにバイナリーオプション用のツールや配信サービスを検討している人、すでに買って「思っていたのと違う」と感じている人に向けたものです。
警察庁が公表した令和7年のSNS型投資詐欺の統計で、X(Twitter)が最初の接触ツールだった件数は815件でした。前年から99.8%増え、ほぼ倍になっています。件数ではInstagramやYouTubeに及ばないものの、入口が多様化していることの表れといえます。
バイナリーオプション関連では、次のような順序で有料の商品にたどり着く例が見られます。
国民生活センターの2019年の資料でも、取引サイトに入金した後、紹介者から「10万円くらいのツールを購入しないか」と持ちかけられた相談事例が紹介されています。取引とツールの販売が、ひと続きの勧誘として行われている点に注意してください。
投稿に添えられた成績は、確かめようのない情報がほとんどです。画像を見るときは、次の点を意識してください。
たとえば、1,000円のオプションを買って当たれば1,800円が払い戻される(倍率1.8倍)条件なら、1回勝つと800円のプラス、1回負けると1,000円のマイナスです。この場合、損益がゼロになる勝率は約55.6%(1÷1.8)で、勝率55%では長く続けるほど少しずつ損が積み上がります。倍率がもっと低い条件なら、必要な勝率はさらに上がります。「勝率6割」という宣伝を見たら、どの倍率での話なのか、実際の取引で損益の合計がいくらになったのかを確かめてください。
金融庁は、一定時間後のレートを高い確度で予測することは「非常に困難」だと説明しています。編集部としても、勝率の数字を根拠に数十万円を払う判断はおすすめできません。
報酬を受け取って、有価証券やデリバティブ取引についての投資判断を助言する業務は、金融商品取引法の「投資助言・代理業」に当たり、登録が必要です。金融庁の監督指針は、ソフトウェアの販売について次の線引きを示しています。
つまり、「会員限定のLINEで毎日エントリーの合図を送る」「月額制でシグナルを配信する」といったサービスは、登録の要否が問題になりうる形です。登録を受けた業者かどうかは、金融庁が公開している登録業者の一覧(金融商品取引業者の欄)で、販売者の名称を検索すれば確かめられます。
個人名やハンドルネームだけで販売していて、法人名も登録番号も示されていないなら、その時点で購入は見送るのが無難です。
なお、登録を受けた業者であれば何を言ってもよいわけではありません。金融商品取引法は、登録業者に対しても、不確実な事柄について「必ず上がる」「確実に勝てる」といった断定的な判断を示して勧誘することを禁じています。宣伝文句にこうした言葉が並んでいるかどうかは、登録の有無と並ぶ大切な見極めのポイントです。
ネットで申し込むツールや配信サービスは、多くの場合「通信販売」に当たります。特定商取引法は、通信販売の広告に次の事項の表示を義務づけています(第11条)。
加えて、インターネットの申込みでは、最終確認画面に分量・価格・支払時期・返品特約などを表示することが求められています(第12条の6)。「特定商取引法に基づく表記」のページが見当たらない、住所が私書箱やレンタルオフィスだけ、電話番号が載っていない、といった場合は購入を控えてください。
自分でサイトを開いて申し込む形の取引は通信販売に分類され、法律で定められたクーリング・オフの制度が用意されていません。商品の売買については、到着から8日以内であれば返品できるという法定のルールがありますが(第15条の3)、広告に返品特約が表示されていればその特約が優先します。このルールは商品の売買を前提としているため、配信サービスのような役務の契約にはそのまま当てはまらない場合があります。
最初はネットで申し込んでいても、その後に業者から電話がかかってきたり、Web会議に呼ばれたりして上位プランを勧められることがあります。国民生活センターの情報商材の解説では、こうした勧誘が「電話勧誘販売」に当たれば、クーリング・オフの対象になりうるとされています。DMのやり取りの後に通話で勧誘を受けたかどうかは、使える制度を左右する大事な事実です。
最終確認画面に事実と違う表示があった、または表示すべき事項が欠けていたために思い違いをして申し込んだケースについては、特定商取引法第15条の4に取消しの規定が置かれています。申込み画面のスクリーンショットが残っていれば、相談の際に役立ちます。
カードで支払った場合は、カード会社にも経緯を伝えて相談してください。いずれの手段も、使えるかどうかは契約の中身次第で、返金を約束するものではありません。
準備しておくとよいのは、販売者のXアカウントのURLと投稿の保存、購入ページと「特定商取引法に基づく表記」の画面、決済の明細、勧誘の通話があった日時のメモです。Xの投稿は販売者が後から削除できるため、URLだけでなく画面そのものを日付が分かる形で保存しておくのが確実です。手順は証拠の残し方と相談前チェックリストを参考にしてください。
ツールと一緒に海外の取引サイトへ入金している場合は、出金トラブルも並行して起きがちです。出金を断られたときの記事、業者の登録の調べ方は海外業者の見分け方の記事で解説しています。FX向けの自動売買ツールについてはFX自動売買ツールの損失と返金も参考になります。
A. 一律には言えません。誰でもいつでも買える形のソフト販売なら登録不要とされる一方、会員制で継続的に売買の合図を送るような形は、投資助言・代理業の登録が必要になる場合があります。販売者名を金融庁の登録業者一覧で確認してください。
A. 返金保証の条件(取引回数、期間、証拠の提出方法など)を購入ページで確認し、画面を残してから188へ電話し、進め方を相談しましょう。条件の表示が不十分だった場合は、特定商取引法の規定が問題になることがあります。
A. 無料の段階でお金の被害は出ていなくても、有料会員への勧誘や、特定の海外業者での口座開設を求められる流れにつながりやすい点に注意してください。取引サイトの登録状況は先に確かめておくと安心です。
A. 取引で出た損失を誰に請求できるかは、勧誘の内容や契約の形によって大きく変わります。個別の判断が必要になるため、記録を揃えて弁護士や消費生活センターに相談してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。