仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
信頼している友人から「ビットコインの運用で毎月増えている」「あなたも始めて、誰かを紹介すれば報酬が入る」と誘われたら、友人の人柄と、話の中身は分けて考えてください。友人自身がその仕組みを信じて、善意で勧めていることも少なくありません。国民生活センターは、知人やセミナーからの暗号資産の勧誘について、「必ず儲かる」という言葉は信じないよう以前から呼びかけています。
この記事は、友人・知人・職場の同僚などから暗号資産の投資を勧められた人、すでに参加して出金できなくなった人、自分が誰かを誘ってしまったかもしれないと心配している人に向けたものです。仕組みの確かめ方、関係する法律、断り方、参加した後の動き方をまとめました。特定の団体や人物を詐欺と断定するものではありません。
暗号資産のトラブルについて3つの省庁(金融庁・消費者庁・警察庁)が連名で出している資料を読むと、身近な人からの勧誘がきっかけになった相談が目立ちます。資料に載っている例を要約します。
国民生活センターが2017年に出した注意喚起でも、知人から「5倍以上の価値になる」、セミナーで「1日1%の配当がつく」と勧められた事例が紹介されています。2024年1月には20代向けの発表として、知人の副業グループから暗号資産の自動売買ソフトの購入を勧められ、海外に送金したのに利益が出なかったという事例を取り上げています。
知人経由の勧誘に共通するのは、「紹介すると報酬」「仲間を増やすほど得をする」という仕組みがついている点です。次の章で、その仕組みがなぜ危ういのかを見ていきます。
高い配当が毎月入り、紹介すれば報酬も出るという話では、その配当や報酬が実際の運用益から出ているのか、後から入った人のお金を回しているだけなのかが外からは分かりません。後者の場合、新しい参加者が増えなくなった時点で支払いが止まり、出金できなくなります。上の相談例で「出金が止められた」「出金に追加の支払い」が繰り返し出てくるのは、この点と無関係ではないと筆者は見ています。
出資法第1条は、不特定多数の人に対し、出資金の全額またはそれ以上を払い戻すと明示または暗示して出資金を受け入れることを禁じています。違反した場合の罰則は、同法第8条第3項で拘禁刑3年以下か罰金300万円以下、またはその両方とされています。「元本は保証されるから損はしない」という説明は、この規定との関係でも慎重に受け止めるべき言葉です。
特定商取引法は、紹介による利益(特定利益)が得られるとして人を誘い、商品の購入や取引料などの負担(特定負担)を伴う取引をさせる仕組みを「連鎖販売取引」として規制しています。暗号資産の運用ツールや会員権の購入を伴う紹介制度がこれに当たる場合、契約の書面を受け取った日から数えて20日が過ぎるまでは、紙の書面か電子メールなどの電磁的記録で通知して、理由を問わず契約を解除できます(クーリング・オフ、同法第40条)。当たるかどうかは仕組みしだいなので、判断は消費生活センターに相談してください。
断りにくいときは、「一緒に確かめてから決めたい」と伝えるのが角の立たない方法です。次の項目を友人に尋ね、答えを一緒に調べます。
| 尋ねること | 調べる場所・見るポイント |
|---|---|
| お金を預ける先の会社名 | 金融庁の暗号資産交換業者登録一覧(令和8年9月1日現在27業者)と、無登録業者への警告の公表資料 |
| 配当や利益はどこから出ているのか | 具体的な運用先と、その運用で配当を出せる根拠を書面で示せるか |
| 元本割れの可能性はあるか | 「ない」と答えるなら、その時点で見送る判断材料になる |
| 紹介報酬の出どころ | 紹介された人の入金額に応じて報酬が決まる仕組みではないか |
| 友人自身は出金できたか | 少額の出金ができても、まとまった額が引き出せるとは限らない |
友人が答えに詰まったら、それは友人を責める材料ではなく、友人自身も仕組みをよく知らないというサインです。その場合は、友人にもこの確認を勧めてください。友人がすでにまとまった額を入れているなら、追加の入金を控えるよう伝えるだけでも、友人を守ることにつながります。
友人からの誘いは、「勉強会がある」「成功している人の話を聞くだけ」といった形で、セミナーや食事会、オンラインの説明会につながることがあります。先に挙げた相談例にも、セミナーをきっかけにアプリで運用を始めたケースがありました。
こうした場では、あらかじめ「今日は話を聞くだけで、手続きはしない」と決めて行くのが有効です。スマートフォンを渡して操作してもらうのは避け、配られた資料や会社名は持ち帰って、登録一覧と照らし合わせてから判断してください。説明会の日時、会場、講師の名前、配られた資料は、後で相談することになったときの手がかりになるので捨てずに取っておきましょう。
断る理由を詳しく説明する必要はありません。話の中身ではなく、自分の方針を理由にすると、相手も引き下がりやすくなります。
それでも「今やらないと損をする」「ほかの人に枠を取られる」と急かされるなら、距離を置いてかまいません。友人関係を守ることと、お金の話に乗ることは別の問題です。
紹介報酬が得られる仕組みでは、参加した人が次の勧誘者になりがちです。自分も説明をよく理解しないまま友人や家族を誘い、その人が損をした場合、人間関係が損なわれるだけでなく、状況によっては勧誘したことの責任を問われるおそれもあります。まだ誰も誘っていないなら、誘わないまま相談窓口に話を持っていくのが安全です。
紹介してくれた友人に強く詰め寄ると、記録が消されたり、連絡が途絶えたりすることがあります。友人も同じ立場の可能性があるため、まずは一緒に相談へ行けるかを話してみるのも1つの方法です。証拠の整え方は暗号資産の証拠の残し方を参考にしてください。
知人から副業としてLINEで誘われたケースは友人・知人からLINEで副業に誘われたらで、マルチ商法との境目も含めて扱っています。SNSや電話など、友人以外から誘われた場合との比較は利益保証をうたうビットコイン投資の総合ページ、弁護士への相談準備は暗号資産詐欺を弁護士に相談する前の整理をご覧ください。個別の相談を希望する場合は相談予約から。お金が戻ることを保証するものではありません。
A. 友人自身が仕組みを信じて、善意で勧めていることもあります。友人を疑うより、お金を預ける先の会社が金融庁に登録しているか、配当がどこから出ているかを一緒に確かめるのがおすすめです。
A. 扱いは事情によって変わります。受け取った日と金額の記録は消さずに残し、返すかどうかを自分だけで決める前に、188や弁護士の意見を聞いてください。何より、新しく人を誘うのはやめておきましょう。
A. 紹介の報酬をえさに、お金の負担を伴う契約を結ばせる仕組みが特定商取引法の「連鎖販売取引」に該当するなら、契約書面の受領日から20日間は解除の通知を出せます。該当するかは中身しだいなので、期限が過ぎないうちに188へ問い合わせてください。
A. 少額の出金ができたことは、まとまった額を引き出せる保証にはなりません。公的機関がまとめた相談例にも、出金を止められた、引き出すために追加の支払いを求められた、という流れが繰り返し出てきます。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。