仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
マッチングアプリで知り合った相手とLINEでやり取りを続けるうちに、「私はプロの売買をそのままコピーして増やしている」「あなたも口座を作れば同じ結果になる」と誘われた。この記事は、その話に乗るか迷っている方と、すでにお金を入れてしまった方に向けて書いています。
先に結論を書きます。相手の話が信用できるかは、恋愛感情や相手の人柄からは判断できません。見るべきなのは仕組みのほうで、口座がだれの名義でどこに開かれるのか、お金をどこへ入れるのか、売買の注文が実際にどこで出されるのかの3点です。本来のコピートレード(自動売買の一種)はこの3点がはっきりしていて、利用者が自分で確かめられます。確かめられない話なら、送金はいったん止めてください。
以下では、統計に表れている被害の傾向、本来の仕組み、3つの違いの見分け方、送金後の動き方、相談先の順にまとめます。なお、ここで示すのは見分けるための手順です。やり取りしている相手や特定のサービスについて結論を下すものではなく、送ったお金が戻ると約束する内容でもありません。
警察庁は、SNSなどで対面しないまま関係を深め、恋愛感情や親近感を抱かせてお金をだまし取るものを「SNS型ロマンス詐欺」、投資金や出金手数料の名目でだまし取るものを「SNS型投資詐欺」として集計しています。恋愛の話と投資の話が同時に進む場合は、ロマンス詐欺の側に数えられることもあります。
警察庁がまとめた令和7年の確定値を見ると、ロマンス型の被害は5,645件、額にして546.4億円が認知されています。最初に接触したツールとして最も多かったのはマッチングアプリの1,846件で、被害に遭ったときの連絡手段はLINEが9割以上を占めています。SNS型投資詐欺のほうでは、犯人が名乗った職業として「投資家」が3,288件にのぼっています。
この流れ自体はありふれた会話にも見えます。だからこそ、話の雰囲気ではなく、次の章で説明する仕組みの部分で確かめることが大切です。
コピートレードやミラートレードは、他人が設定した売買ルールや実際の売買を選び、自分の口座で同じ注文が自動で出されるようにするサービスを指して使われることが多い言葉です。金融先物取引業協会は、FX取引を自動で行うソフトやシステムについて、仕組みとリスクを理解したうえで自己の責任で使うことが肝要だとしたうえで、FX業者が提供するもの以外にも有償・無償のものが数多く出回っていると注意しています。
国内の居住者を相手にFXなどの取引を業として行うには、金融商品取引法に基づく登録が必要です(第29条)。FXは「店頭デリバティブ取引」に当たり、登録一覧では「第一種」の業者として掲載されます。本来の形では、次のようになっています。
| 項目 | 本来の形 |
|---|---|
| 口座 | 利用者本人の名義で、登録を受けた業者に開く |
| 入金先 | その業者の名義の口座(利用者ごとに案内される) |
| 注文 | 業者の取引システムで利用者の口座から出され、取引報告書などで履歴を確認できる |
| 損益 | 利益も損失も利用者の口座に帰属し、コピー元が損を肩代わりすることはない |
ソフトを買ったことが入口になり、日本で登録のない海外業者の口座へ誘い込まれた相談があることにも、同協会は触れています。「コピーする」という言葉だけでは、どこに当たるのか分かりません。
相手から届いたURLを開くと、見慣れない名前の取引サイトやアプリが表示される。これが最初の分かれ目です。金融庁は、既存の金融商品取引業者に似せた名称のアプリが使われることがあると注意しています。
もう一つ気をつけたいのが、「口座は私が管理しているものに一緒に入れればいい」「ログイン情報を教えて、設定は私がやる」という提案です。本来の仕組みなら、本人名義の口座を本人が操作します。他人の口座に入金したり、自分の口座の操作を相手に任せたりする形は、コピートレードとは別の話になっています。
入金先は最も確かめやすい項目です。警察庁が見分け方として示しているのは、正規の投資なら振込先に個人の名義が使われることはなく、入金のたびに口座が替わることも基本的にない、という2点です。
令和7年のSNS型投資詐欺では、被害金を暗号資産で送らせる「暗号資産送信型」が1,898件と前年の約2.5倍に増えました。相手が暗号資産での送金を急がせる場合は、送る前に一度手を止めて、第三者に話してみてください。
本来のコピートレードなら、利用者の口座で実際に注文が出され、約定の履歴や取引報告書が残ります。一方、相手が指定するサイトの画面に表示される数字は、実際の市場での取引の記録であるとは限りません。警察庁は、偽の投資アプリや会話を通じて運用益が上がっているように見せかけ、さらに振込みを求める手口を紹介しています。
警察庁が示す流れでは、最初に少額の「利益」を振り込んで信用させ、その後に高額の利益を表示して、手数料などの名目で送金を求めます。金融庁の注意喚起にも、初回に入れた分は引き出せたのに、大きな金額を出そうとした途端にあれこれ理由を付けて拒まれた、という例が載っています。
出金しようとして「税金を先に払って」「口座の保証金が足りない」「解約には手数料が必要」と言われたら、そこで支払いを止めてください。利益から差し引けば済むはずの費用を別に振り込ませる理由は、通常はありません。
まず、追加の送金をやめます。そのうえで、支払い方法ごとに連絡先を分けて動きます。時間がたつほど、口座の残高が移されたり、記録が消えたりしやすくなります。
マッチングアプリの運営会社にも、相手のプロフィールを通報しておきます。通報の前に、プロフィール画面、やり取りの画面、LINEのIDと表示名、相手が送ってきたURLを保存してください。スクリーンショットは日時が分かる形で残すと、あとで順番を説明しやすくなります(証拠の残し方)。
どこに相談するか迷ったら、下の表を目安にしてください。複数に並行して相談してかまいません。
| 窓口 | 向いている相談 |
|---|---|
| 警察相談専用電話 #9110/最寄りの警察署 | 送金してしまった、相手と連絡が取れない |
| 金融庁の相談窓口「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」、電話は0570-050588(平日10時から17時まで) | 業者の登録や勧誘の内容について |
| 消費者ホットライン 188 | 契約や支払いの取り消し、どの制度が使えるか |
相談の前に、次のものを時系列でまとめておくと話が伝わりやすくなります。
シリーズ全体の考え方はコピートレード詐欺の相談窓口に、弁護士への相談を考えている方は相談予約のページにまとめています。
A. 少額の出金ができたことは、仕組みが正常であることの証明にはなりません。警察庁は、最初に少額の利益を振り込んで信用させ、その後に手数料などの名目で送金を求める流れを紹介しています。運営会社の登録と入金先の名義を確かめるまで、追加の入金は控えてください。
A. 登録を受けた業者が提供する自動売買のサービスを、本人名義の口座で使うこと自体が禁じられているわけではありません。問題になるのは、日本で登録を受けていない業者との取引や、個人名義の口座への入金を求められるような形です。
A. ログイン用のパスワードをただちに変更してください。使い回しているサービスがあれば、そちらも同じく変えておきます。銀行や証券会社の口座なら、その金融機関に連絡して不審な取引がないか確認します。
A. 通報したことで返金の可能性がなくなるという決まりはありません。ただし、通報の前にプロフィールややり取りの画面を保存しておかないと、アカウントが消えて記録が残らなくなることがあります。保存してから通報してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。