仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
名前を聞いたことのある海外の暗号資産取引所でも、日本の居住者向けに営業しながら登録を受けていなければ、金融庁から警告書が出され、名称が公表されることがあります。公表資料に載っているかどうかは、その取引所を使い続けるか考えるうえでの重要な判断材料です。ただし、載っていないから安全という意味ではありません。
この記事は、SNSや知人から海外取引所の口座開設を勧められた人、すでに海外取引所に資産を預けていて金融庁の警告を知った人に向けて書いています。資料の読み方と、登録業者を使う場合との違い、資産を移すときの注意点を順に説明します。特定の事業者を詐欺と断定するものではありません。
金融庁の「暗号資産の利用者のみなさまへ」のページには、無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等として、警告書を出した国内業者と海外所在業者(所在不明を含む)の2種類の資料がPDFとExcelで置かれています。
令和8年9月に閲覧した海外所在業者の資料には、平成30年から令和8年9月までに掲載された約20の事業者が並び、それぞれ商号・所在地・業務の内容・運営するサービス名・掲載時期が記載されていました。所在地にはセーシェル、セントビンセント・グレナディーン、香港、シンガポール、ドバイなど国外の地名が並びます。令和6年11月の掲載分には、KuCoin、Bybit、MEXCといったサービス名が含まれています。
業務の内容欄は多くが「インターネットを通じて、日本居住者を相手方として、暗号資産交換業を行っていたもの」という書き方です。海外に拠点があっても、日本に住む人を相手に営業すれば日本の登録が必要になる、というのが制度の考え方です。
PDFを開いたら、ブラウザやPDFビューアの検索機能で、取引所のサービス名を英字とカタカナの両方で検索します。運営会社の商号はサービス名と違うことが多いため、備考欄の「「〇〇」等を運営している」という記載も見てください。同じ事業者が別の年に再度掲載されている例もあるので、最初に見つかった行だけで判断せず、最後まで目を通すと確実です。Excel版なら並べ替えや絞り込みもできます。
資料の冒頭にある留意事項には、次の趣旨が書かれています。読み違えやすいところなので、そのまま押さえておきます。
つまり、この資料は「警告を受けた事実」を確かめる道具で、安全な取引所を選ぶための一覧ではありません。取引所が安全かどうかを見るなら、先に登録一覧に載っているかを確認し、そのうえで警告資料を補助的に使う、という順番が分かりやすいでしょう。登録一覧は令和8年9月1日現在で全27業者です。
また、登録一覧の注意書きは、登録を受けた業者を使う場合でも、その業者が金融庁・財務局から行政処分を受けているかどうかを含めて、取引の内容やリスクの説明を受けて理解するよう求めています。登録は利用を考える出発点であり、使う側の確認がいらなくなるわけではありません。
金融庁は「無登録業者との取引は要注意!!」というページで、登録にあたっては虚偽表示や誇大広告の禁止、預かった資産の分別管理、トラブル時の対応窓口の設置、システムの安全稼働のための管理などの態勢整備が求められる一方、無登録業者はこうした態勢が確保されているか当局が確認できない、と説明しています。
| 項目 | 国内の登録業者 | 無登録の業者 |
|---|---|---|
| 利用者の資産の管理 | 資金決済法第63条の11で、利用者の金銭・暗号資産を自己のものと分けて管理し、定期に公認会計士または監査法人の監査を受ける義務 | 当局が確認できない |
| トラブル時の手続き | JVCEAを通じ、東京三弁護士会の仲裁センター等による金融ADRを利用できる | 国内の制度では原則として用意されていない |
| 当局の監督 | 金融庁・財務局の検査や行政処分の対象 | 警告書の発出や名称の公表が中心 |
なお、無登録で暗号資産交換業を行った者には資金決済法第107条で3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金(または併科)が定められていますが、これは営業する側に向けた規定です。利用した人が同じ罰則の対象になるわけではありません。問題になるのは、トラブルが起きたときに国内の保護の仕組みが使えないという点です。
警告を受けた取引所の口座開設そのものを勧めるケースのほか、有名な海外取引所の名前を信用づけに使うケースがあります。次のような説明が出てきたら、いったん立ち止まって確かめてください。
勧めてきた相手が取引所の社員や公式パートナーを名乗る場合も、取引所の公式サイトでその人物や窓口が案内されているかを確かめないまま、送金や個人情報の入力に進まないようにしましょう。
2026年7月に成立した改正法では、暗号資産の取引に関する規制が金融商品取引法へ移されます。金融庁の法案説明資料は、無登録業者への対応として次の点を挙げています。
暗号資産の規制移管の部分は公布から1年以内に施行されるとされています。施行されても、海外にいる事業者に対して国内の手続きがどこまで実効性を持つかは別の問題です。利用者の側でできることは、今のうちに登録の有無を確かめ、使う取引所を選び直すことです。改正後は登録一覧の名称や掲載ページが変わる可能性があるため、確認するときは金融庁サイトの最新の案内から辿るようにしてください。
警告を知って不安になっても、慌てて第三者の「資産移管サービス」や「サポート窓口」に連絡するのは避けてください。取引所名をかたる偽サイトや偽サポートは、こうしたタイミングを狙って案内を送ってきます。まずは次の順に確かめます。
出金を口実にした請求については「手数料を払えば出金できる」の特徴、取引所そのものが偽物だった場合の対応は偽の暗号資産取引所に入金してしまった場合で扱っています。
無登録の業者から勧誘を受けた、あるいは取引していて不安がある場合、金融庁は金融サービス利用者相談室への相談や、証券取引等監視委員会の情報提供窓口への情報提供を呼びかけています。相談室の「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」は0570-050588(平日10時〜17時)で、ウェブの受付は24時間です。
相談のときは、取引所名とURL、口座開設の経緯(誰に勧められたか)、入出金の履歴、やり取りの画面をそろえておきます。証拠の保存は証拠の残し方を参考にしてください。
A. 資金決済法の無登録営業の罰則は、登録を受けずに営業した事業者に向けたものです。利用者が同じ罰則の対象になるわけではありませんが、国内の分別管理や金融ADRといった保護の仕組みは使えません。
A. 安全とは言えません。資料には、掲載されていない者でも無登録で同様の行為をしていることがあり得ると書かれています。まず金融庁の暗号資産交換業者登録一覧で登録の有無を確認してください。
A. 公式サイトや公式アプリから操作し、受け取る国内取引所が対応している銘柄とネットワークを事前に確かめます。移管を手伝うと称する第三者の連絡や、出金のための先払いの要求には応じないでください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
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