仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
暗号資産の詐欺被害を弁護士に相談するメリットは、使える法的手段を整理し、相手や口座が特定できる場合には代理人として請求できることです。一方で、相手が海外にいて身元が分からない案件では、弁護士に依頼しても回収できないことが多いのが実情です。東京弁護士会も、暗号資産の送金は資金が交換所を通ったところまでは追えても犯人が誰かまでは突き止められないことなどを挙げ、ロマンス詐欺の案件で被害金を回収するのは非常に難しいとしています。
だからこそ大切なのは、依頼する前に「払う費用」と「戻る見込み」を比べることです。この記事では、弁護士にできること・難しいこと、費用の内訳と計算のしかた、広告や事務所で確かめる点、費用をおさえて相談できる公的な窓口を順に説明します。当サイトは法律事務所ではなく、特定の事務所を紹介するものでもありません。
暗号資産が国内の口座や身元の分かる人物を経由しているか。弁護士に依頼する意味があるかどうかは、まずこの点で分かれると筆者は考えます。
日本弁護士連合会(日弁連)によると、弁護士の費用は個々の弁護士が基準を定めるもので、標準価格のようなものはありません。一般に、次の項目で構成されます。
| 費用の種類 | 内容 |
|---|---|
| 相談料 | 法律相談の対価。初回無料の事務所もある |
| 着手金 | 依頼した時点で払う費用。結果にかかわらず原則として戻らない |
| 報酬金 | 回収できた場合に、成果に応じて払う費用 |
| 実費 | 裁判所に納める手数料、郵便代、交通費など |
暗号資産の被害で気をつけたいのは、着手金が被害額に比例して高額になりやすい点です。東京弁護士会は、支払う費用が戻ってくる金額を上回るおそれが非常に高いのに、その点を説明しないまま引き受けるのは不適切で不誠実だ、という立場を示しています。
依頼の前に、次の計算を自分でしてみてください。数字は説明のための仮の例です。
被害額500万円、着手金50万円の場合。回収額が50万円未満なら、依頼しなかったときより手元のお金は減ります。報酬金が回収額の一定割合なら、損をしないために必要な回収額はさらに上がります。
見積もりを受けたら、「着手金」「報酬金の計算方法」「実費の見込み」「途中でやめた場合の扱い」を書面で確認し、回収の見込みについて弁護士自身の言葉で説明を受けてから決めることをおすすめします。
国際ロマンス詐欺の被害者向けに出されている弁護士の広告について、東京弁護士会の非弁提携弁護士対策本部は、法律や日弁連の広告規程に反するおそれのあるものが目につくと警告しています。挙げられている例は次のとおりです。
同じ対策本部は、依頼で失敗しないための方法として、事務所を実際に訪ね、依頼する弁護士と顔を合わせて説明を受け、紙の契約書に署名・押印して委任することを勧めています。いったん持ち帰り、家族や別の弁護士に相談すればさらに確実だとしています。
あわせて、日弁連の弁護士情報検索で、名前・所属弁護士会・事務所の所在地が広告と一致するかも確かめてください。広告の電話番号が登録されている番号と違う場合も、確認のきっかけになります。
被害に気づいた直後は焦りから、最初に見つけた広告の事務所にその場で依頼してしまいがちです。筆者は、次の順番で進めることをすすめます。
急がなければならないのは「お金を止める手続き」であって、「弁護士との契約」ではありません。この区別をつけておくと、焦って高額な契約を結ぶ失敗を防げます。
公的な窓口で見通しを聞いたうえで、複数の事務所の説明を比べると、費用と回収見込みの相場観がつかめます。
暗号資産の案件では、弁護士が見通しを立てるために送金の経路を追う必要があります。次の資料があると、初回の相談で具体的な話まで進みやすくなります。
相談の場では、次の4つを聞いておくと判断しやすくなります。
準備と当日の流れは弁護士への法律相談の準備と当日の流れ、相談の期限の考え方は相談するタイミングでも扱っています。
「暗号資産を追跡して取り戻す」「成功報酬で返金交渉を代行する」とうたうのが弁護士ではない業者の場合、弁護士法第72条に触れるおそれがあります。この条文は、弁護士でない者が報酬目当てに、他人の法律事件について代理や和解交渉などを業として行うことを禁止しています。
また、実在する弁護士や法律事務所の名前をかたって被害者に連絡し、費用を払わせる手口も報告されています。日弁連や東京弁護士会は、実在の弁護士をかたる詐欺に注意するよう呼びかけています。連絡してきた相手の名前を弁護士情報検索で調べ、登録された事務所の電話番号に自分からかけ直して確かめてください。
SNS発の暗号資産の投資話で失ったお金は、公的機関から見ても取り戻すのがきわめて難しいものです。その現実を隠さずに話してくれる相手かどうかが、依頼先を選ぶうえでのひとつの目安になります。被害を名目にした費用請求の手口は弁護士を名乗る人に費用を求められたら、全体の流れは仮想通貨詐欺の総合ガイドを参照してください。
A. 戻る保証はありません。相手や振込先口座の名義人が特定でき、支払える財産がある場合には回収の可能性がありますが、身元の分からない海外の相手に暗号資産を送った場合は回収が極めて難しいとされています。依頼前に回収の見込みと根拠を確認してください。
A. 弁護士の費用は各弁護士が基準を定めるため、決まった相場はありません。着手金・報酬金・実費の内訳を見積もりで確認し、回収できなかった場合に手元のお金がいくら減るかを計算してから依頼を決めてください。
A. 法テラスでは、収入や資産が一定の基準以下などの条件を満たせば、同じ問題について3回まで無料で法律相談ができ、弁護士費用の立替制度もあります。サポートダイヤルは0570-078374です。
A. LINE相談そのものが問題なのではありませんが、東京弁護士会は、実際には事務職員がメッセージを作っている例などを問題として挙げています。依頼する前に事務所へ行き、弁護士本人から説明を受け、紙の委任契約書を交わすことが勧められています。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
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