出会い系詐欺とは?定義と見抜くサイン、払う前にできる対策

出会い系詐欺とは、出会い系サイトやマッチングアプリ、SNSでの出会いをきっかけに、恋愛感情や「お金がもらえる」という期待を利用して金銭を払わせる手口の総称です。法律用語ではなく、刑法の詐欺罪に当たる行為から、消費者契約のトラブルとして扱われるものまで幅があります。

この記事は、まだお金を払っていない人、やり取りの途中で「これは大丈夫か」と迷っている人に向けて書いています。結論から言うと、見抜くための一番確かな目安は「会ったことのない相手や、会わせてくれないサイトが、先にお金を求めてくるかどうか」です。そのうえで、登録前・やり取り中・家族が巻き込まれたときの3つの場面に分けて、具体的な対策を紹介します。

すでに支払ってしまった人は、出会い系詐欺の手口と返金方法から読むと、すぐに取るべき手続きが分かります。

出会い系詐欺とは?法律上の3つの枠組み

「出会い系詐欺」という言葉は、次の3つの枠組みにまたがって使われています。どれに当たるかで、相談先や使える制度が変わります。

枠組み中身主な相談先
刑法の詐欺罪(246条)人を欺いて財物を交付させる行為。法定刑は10年以下の拘禁刑警察
消費者トラブル(消費者契約法・特定商取引法など)サイトの運営会社との契約をめぐる問題。事実と異なる説明による契約は取り消せる場合がある消費生活センター
出会い系サイト規制法インターネット異性紹介事業の届出、利用者が児童でないことの確認、児童を相手にした誘引の禁止などを定める法律警察

警察庁は、SNSなどで対面しないままやり取りを重ね、恋愛感情や親近感を抱かせて金銭をだまし取る手口を「SNS型ロマンス詐欺」として集計しています。一方、国民生活センターは、出会い系サイトでポイントを買わされ続けるといった相談を「出会い系サイト」の相談として集計しています。同じ「出会い系詐欺」でも、行政の統計では別々に数えられているわけです。

出会い系サイト規制法は平成15年に制定され、事業者に届出を義務づけています。警察庁の資料によると、令和7年時点の届出事業者は1,393、届出サイトは2,030でした。届出があることは、そのサイトが安全だという意味ではありません。届出の有無とは別に、自分の目で確かめる点があります。

数字で見る出会い系詐欺の今

国民生活センターに寄せられた出会い系サイトの相談は、2023年度6,938件、2024年度4,402件、2025年度3,399件でした。件数は減っていますが、警察庁の集計ではSNS型ロマンス詐欺が令和7年に5,645件、被害額546.4億円と前年から増えており、当初の接触ツールはマッチングアプリが1,846件で最も多くなっています。出会いの場が「出会い系サイト」から「アプリやSNS」へ移り、被害の形も変わってきていると読むのが自然だと当編集部は考えています。

年代別・支払い方法別の細かい数字は出会い系詐欺の被害統計にまとめました。

支払う前に気づきたい10のサイン

次のうち1つでも当てはまったら、支払う前に手を止めてください。1つだけで詐欺と決まるわけではありませんが、公的機関が紹介している手口に共通して現れるサインです。

相手の言動に現れるサイン

  • 会ったことがないのに、お金の話(投資、立て替え、手数料)を持ち出す
  • 「2人の将来のために」と投資を勧め、特定のサイトやアプリへの登録を促す
  • やり取りを早い段階でLINEなど別のアプリに移したがる
  • 芸能人やその関係者、資産家、海外勤務の医師や軍人などを名乗る
  • 会う約束が何度も直前で取り消される

サイトの仕組みに現れるサイン

  • 「連絡先の交換には特別なポイントが必要」と、サイトの外で連絡を取らせない
  • 「支援金」「謝礼」を受け取るために、先に手数料や本人確認費用が必要とされる
  • 「個人情報閲覧料」「文字化け解除手数料」など、聞き慣れない名目の料金がある
  • 特定商取引法に基づく表記がない、または事業者の住所・電話番号が書かれていない
  • 支払い方法としてコンビニで電子マネーを買い、番号を送るよう指示される

警察庁の統計では、令和7年のSNS型ロマンス詐欺で被害時の連絡ツールはLINEが5,294件と9割以上を占めました。アプリの中でやり取りしていた相手が別のアプリに移ろうと言い出したら、それを1つの節目として注意の度合いを上げてください。

登録前にできる5つの対策

被害を防ぐ対策は、登録する前から始められます。サイトやアプリを選ぶ段階で確認しておけば、後で迷う場面が減ります。

  1. 特定商取引法の表記を読む:事業者名、住所、電話番号、料金、支払い方法が書かれているか。ページを保存しておくと、後で表示が変わったときにも比べられます。
  2. 料金の仕組みを確かめる:メッセージの送信・受信・閲覧のどれにポイントを使うのか、1ポイントがいくらか。「登録無料」は登録だけが無料という意味の場合があります。
  3. 年齢確認の手続きがあるか:出会い系サイト規制法では、利用者が児童でないことの確認が事業者に求められています。確認の手続きがないサイトは、法律上の義務を果たしていない可能性があります。
  4. 支払いの上限を決める:月にいくらまで、と金額を先に決めておきます。カードやスマホ決済の利用限度額を下げておくのも一つの方法です。
  5. 支払い方法を選ぶ:電子マネーの番号を送る支払いは、いったん送ると取り戻すのが難しい手段です。そうした支払いしか選べないサイトは避けるのが無難です。

やり取り中に自分を守るルール

やり取りが進むと、相手への好意や「ここまで払ったのだから」という気持ちが判断を鈍らせます。そうなる前に、自分の中でルールを決めておくのが有効です。

  • 会う前にはお金を払わない、貸さない:警察庁は、実際に会ったことのない相手からの金銭の要求は詐欺を疑い、相談するよう呼びかけています。
  • 急かされたら一晩置く:「今日中に」「今だけ」と期限を切られたら、その日は払わないと決めておきます。
  • 第三者に画面を見せる:家族や友人、または#9110や188に、やり取りの画面を見せて意見を聞きます。自分では気づかない不自然さを指摘してもらえることがあります。
  • 投資の話はその場で調べる:勧められた業者名を、金融庁の無登録業者の警告リストで検索します。
  • 記録は最初から残す:何もなければ消せばよいだけです。トラブルになってから集めようとしても、相手がアカウントを消していることがあります。

よくある頼まれ方と、その場での返し方

相手の言い方返し方の例考え方
「一緒に投資すれば将来のためになる」「会ってから考える」会う前に投資の話を進める理由はない
「空港で荷物が止められた。立て替えてほしい」「家族に相談してから」第三者に話せない事情なら、なおさら払わない
「サイトの外では連絡できない決まり」「それならやり取りはここまで」会わせない仕組みに課金を続けても前に進まない
「今日中に手数料を払えばお金が届く」「明日、窓口に確認してから」もらえるお金のために先に払う構図は典型的な手口

証拠の残し方の詳細は出会い系詐欺の証拠保全で説明しています。

家族が巻き込まれているかもしれないとき

本人が相手を信じ込んでいる場合、周りが頭ごなしに「だまされている」と言っても反発されることがよくあります。消費者庁は、身近な人の異変を感じたら積極的に声をかけ、助言するよう呼びかけています。当編集部が相談事例から考える声のかけ方は次のとおりです。

  • 相手を否定するより先に、「最近、お金の出入りが多いけど大丈夫?」と事実から話す
  • 「会ったことはある?」「お金を頼まれたことはある?」と、答えやすい質問をする
  • 一緒に188や#9110に電話し、第三者の意見を聞く場をつくる
  • 本人がすでに払っている場合は、責めずに記録の保存と支払いの停止を優先する

高齢の家族の場合は、クレジットカードの利用明細や銀行口座の出金の変化で気づくこともあります。未成年の子どもがサイトやアプリを使っているときは、出会い系サイト規制法で児童の利用が認められていないことも伝えてください。

それでも払ってしまったら

支払ってしまったと気づいたら、次の3つを優先してください。追加の支払いを止めること、やり取りと支払いの記録を保存すること、支払い方法ごとの窓口に連絡することです。銀行振込なら振込先の銀行と警察、カードならカード会社、電子マネーなら発行会社と警察が最初の連絡先になります。

当編集部は、出会い系詐欺の対策で最も効果が大きいのは「会う前にお金を動かさない」という単純なルールだと考えています。サイトの見た目や相手の話の巧みさは年々変わりますが、このルールを守っていれば、紹介した手口の多くは入口で止められます。迷ったときの相談先は、消費者ホットライン188、警察相談専用電話#9110です。当サイトの相談前チェックリストも使ってください。

よくある質問

Q. 出会い系詐欺とはどういう意味ですか?

A. 出会い系サイトやマッチングアプリ、SNSでの出会いをきっかけに、恋愛感情や「お金がもらえる」という期待を利用して金銭を払わせる手口の総称です。刑法の詐欺罪に当たるものから、サイト運営会社との消費者トラブルとして扱われるものまで含まれます。

Q. 出会い系サイト規制法の届出があるサイトなら安全ですか?

A. 届出は法律上の義務を果たしているかどうかの一つの要素で、安全を保証するものではありません。特定商取引法の表記、料金の仕組み、支払い方法などを自分でも確かめてください。

Q. マッチングアプリの相手にLINEへ移ろうと言われました。詐欺ですか?

A. それだけで詐欺とは言えませんが、警察庁の統計ではSNS型ロマンス詐欺の被害時の連絡ツールの9割以上がLINEでした。移った後に投資やお金の話が出たら、支払う前に#9110などに相談してください。

Q. 家族が出会い系で知り合った相手にお金を送っているようです。どうすればいいですか?

A. 相手を否定するより先に、お金の出入りなどの事実から話を聞き、一緒に消費者ホットライン188や警察相談専用電話#9110に相談するのが一つの方法です。すでに払っている場合は、記録を保存して支払いを止めることを優先してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。