出会い系詐欺の被害統計【2026年】相談件数・被害額・年代の推移

出会いをきっかけにしたお金の被害は、どのくらい起きているのでしょうか。この記事では、国民生活センター、警察庁、預金保険機構が公表している一次統計だけを使って、件数・被害額・被害者の年代・お金の渡し方・取り戻せた金額を整理しました(2026年9月24日時点で公表されている最新値)。

要点を先に挙げます。

  • 国民生活センターに寄せられた「出会い系サイト」の相談は、2023年度6,938件から2025年度3,399件へ減った
  • 一方、警察庁が集計するSNS型ロマンス詐欺は、令和7年(2025年)に5,645件・被害額546.4億円と前年から大きく増えた
  • 最初の接触に使われたツールは、令和7年・令和8年上半期ともにマッチングアプリが最多
  • 令和8年上半期は、暗号資産で渡した被害が被害額の6割近くを占めた

統計は集計する機関によって定義が異なります。数字を読むときの注意点は最後の見出しでまとめています。

消費生活センターへの出会い系サイトの相談件数

国民生活センターは、全国の消費生活センターに寄せられた相談をPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録し、「出会い系サイト」の相談件数を公表しています。

年度相談件数
2023年度6,938件
2024年度4,402件
2025年度3,399件
2026年度(5月31日まで)283件(前年同期373件)

出典:国民生活センター「出会い系サイト(各種相談の件数や傾向)」(2026年7月31日更新)。2026年度は5月31日現在の件数で、消費生活センター等からの経由相談は含まれていません。

2年で半分以下になった計算です。同じページで紹介されている最近の相談事例には、「支援金をあげる」というメールから出会い系サイトに誘導されたもの、動画共有SNSをきっかけに登録し、コンビニでプリペイド型電子マネーを買ってポイント代を払ったものなどがあります。入口がメールから動画SNSやアプリへ広がっていることがうかがえます。

SNS型ロマンス詐欺の認知件数と被害額

警察庁は、SNSなどで対面しないままやり取りを重ね、恋愛感情や親近感を抱かせて金銭をだまし取る詐欺を「SNS型ロマンス詐欺」として集計しています。出会い系サイトやマッチングアプリを入口にした恋愛がらみの被害は、主にこちらに数えられます。

期間認知件数被害額前年(同期)比
令和7年(確定値)5,645件546.4億円件数+47.6%、被害額+36.3%
令和8年上半期(暫定値)2,509件246.6億円件数+5件、被害額+6.3億円

令和7年は前年から件数で1,821件、被害額で145.5億円増えました。令和8年上半期は前年同期とほぼ同じ水準で推移しています。令和8年上半期の被害額を認知件数で単純に割ると、1件あたり約980万円になります(編集部の計算)。消費生活相談で扱われるポイント代のトラブルと比べ、1件あたりの金額が桁違いに大きいのが特徴です。

なお、警察庁は令和8年から集計の整理を変え、SNS型投資・ロマンス詐欺を「特殊詐欺」の一手口として位置付けました。令和8年以降の資料では、特殊詐欺全体の数字にSNS型ロマンス詐欺が含まれています。

最初の接触はマッチングアプリが最多、連絡はLINEが9割

警察庁は、被害者が最初に相手と接触したツールと、被害にあった時点で連絡に使っていたツールを分けて集計しています。

当初接触ツール令和7年令和8年上半期
マッチングアプリ1,846件753件
Instagram1,288件486件
Facebook1,049件449件
TikTok(上位3つに入らず)284件

令和7年は上位3つのツールで全体の約7割、令和8年上半期はTikTokを加えた4つで約8割を占めました。マッチングアプリはどちらの期間でも最多です。令和7年の当初の接触手段はダイレクトメッセージが5,238件と9割以上で、そのうちマッチングアプリ経由が1,713件でした。

被害時の連絡ツールは、令和7年がLINE5,294件、令和8年上半期がLINE2,344件で、いずれも全体の9割以上です。マッチングアプリやSNSで知り合い、LINEに移ってからお金の話が始まる、という流れが数字にも表れています。

被害者の性別と年代

性別(令和7年)

性別認知件数被害額
男性3,633件328.7億円
女性2,012件217.7億円

男性が件数・被害額ともに全体の約6割を占めます。「ロマンス詐欺は女性が狙われる」というイメージとは異なる結果です。

年代(令和8年上半期)

年代認知件数被害額
50代755件83.5億円
60代589件70.3億円
40代539件46.9億円
30代268件13.6億円

50代と60代で認知件数の53.6%、被害額の62.4%を占めました。60代は前年同期より件数が66件、被害額が11.5億円増えています。令和7年の資料でも、被害者は男女ともに40代から60代が多数とされています。

お金の渡し方:振込が減り、暗号資産が増えた

だまし取られたお金がどのような形で渡ったかも集計されています。

交付の形令和7年令和8年上半期
振込型3,055件・276.0億円(件数の54.1%)1,182件・90.2億円(件数の47.1%)
うちインターネットバンキング利用1,551件・189.2億円575件・57.0億円
暗号資産送信型2,177件・247.7億円1,118件・141.8億円
実質的に暗号資産で渡したものの割合件数40.4%・被害額48.6%件数45.4%・被害額58.7%

令和7年は暗号資産送信型が前年から1,391件増え、令和8年上半期も前年同期より264件増えました。振込型は、令和7年は件数が増えたものの被害額は34.6億円減り、令和8年上半期は件数・被害額とも前年同期を下回りました。銀行振込は後で説明する振り込め詐欺救済法の対象になりますが、暗号資産を直接送った場合(暗号資産送信型)は預金口座への振込ではないため、この制度の対象になりません。取り戻しにくい渡し方の比率が上がっている点は、被害回復の面から見て深刻だと当編集部は受け止めています。

振り込め詐欺救済法で戻ったお金

銀行振込で被害にあった場合、振込先の口座に残っていたお金から被害者に分配金を支払う振り込め詐欺救済法の手続きがあります。預金保険機構が公表した令和7年度(2025年4月〜2026年3月)の実施状況は次のとおりです。

公告の種類口座数金額
口座の預金等債権を消滅させる手続きの開始74,478件約147.1億円
分配金の支払手続の開始34,522件約89.9億円
支払手続の終了(被害者への支払総額)ー約60.3億円

支払手続が終わった口座の債権総額約73.6億円のうち、被害者に支払われたのは約60.3億円で、支払率は82.0%でした。前年度の支払総額は約49.1億円です。

この数字は出会い系に限らず、振込が使われた詐欺全体のものです。それでも、SNS型ロマンス詐欺の振込型だけで令和7年に276.0億円の被害があったことと比べると、口座に残っていて分配に回るお金はごく一部だと分かります。手続きの流れは出会い系で銀行振込した後の対処法で説明しています。

出会い系サイト規制法の運用状況

出会い系サイト規制法は、インターネット異性紹介事業を行う事業者に届出を義務づけ、児童の利用を禁じています。警察庁の「令和7年における少年非行及び子供の性被害の状況」によると、運用状況は次のとおりです。

  • 届出事業者数:1,393(前年1,322)、うち法人1,155・個人238
  • 届出サイト数:2,030(前年2,124)
  • 同法違反の検挙件数:7件(前年21件)。平成28年の223件から大きく減少

同じ資料では、SNSをきっかけに犯罪被害にあった18歳未満の児童が令和7年に1,566人とされています。ただしこの「SNS」には、届出のある出会い系サイトは含まれていません。出会い系サイト規制法の届出の外にあるSNSやオンラインゲームでも、子どもが被害にあっている点には注意が必要です。

統計を読むときの注意点と編集部の見方

最後に、ここまでの数字を読むうえでの注意点と、当編集部の見方をまとめます。

  • 相談件数と認知件数は別物:国民生活センターの数字は消費生活センターへの相談件数、警察庁の数字は警察が認知した事件の件数です。両方に数えられている被害もあれば、どちらにも届いていない被害もあります。
  • 暫定値は後で変わる:令和8年上半期の数字は暫定値で、年間の確定値で修正されることがあります。
  • 分類の変更に注意:警察庁は令和8年から集計の整理を変えています。年をまたいで「特殊詐欺全体」を比べるときは、何が含まれているかを確認してください。

そのうえで当編集部は、「出会い系サイトの相談は減ったが、出会いをきっかけにした被害は減っていない」と読むのが実態に近いと考えています。舞台が出会い系サイトのポイント課金から、マッチングアプリやSNSを入口にした投資・送金へ移り、1件あたりの金額が大きく、取り戻しにくい渡し方が増えているためです。被害にあったと気づいたら、支払い方法を問わずすぐに消費者ホットライン188か警察相談専用電話#9110に相談してください。手口と対策の全体像は出会い系詐欺とは?、課金トラブルの対処は出会い系詐欺の完全ガイドにまとめています。

よくある質問

Q. 出会い系詐欺の被害額は年間どのくらいですか?

A. 「出会い系詐欺」だけをまとめた公的統計はありません。近い統計として、警察庁が集計するSNS型ロマンス詐欺は令和7年に5,645件・被害額546.4億円でした。国民生活センターへの「出会い系サイト」の相談は2025年度に3,399件です。

Q. ロマンス詐欺の被害者は女性が多いのですか?

A. 警察庁の令和7年の統計では、男性が3,633件・328.7億円、女性が2,012件・217.7億円で、男性が件数・被害額ともに約6割を占めました。年代は40代から60代が多数です。

Q. 出会い系サイトの相談件数が減っているのは、被害が減ったからですか?

A. 国民生活センターへの相談は2023年度から2025年度にかけて半分以下になりましたが、同じ時期に警察庁が集計するSNS型ロマンス詐欺は増えています。出会いの入口がマッチングアプリやSNSへ移ったことも考えられ、相談件数の減少だけで被害が減ったとは言い切れません。

Q. 振り込め詐欺救済法ではどのくらいのお金が戻っていますか?

A. 預金保険機構によると、令和7年度に支払手続が終わった分の被害者への支払総額は約60.3億円、支払率は82.0%でした。ただし分配の原資は振込先の口座に残っていた残高だけで、引き出された後のお金はこの制度では戻りません。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。