マッチングアプリの相手に無料サイトへ誘導されたら|課金の流れと対処

マッチングアプリで知り合った相手から、「このアプリは使いにくいから、こっちのサイトで話そう」「登録は無料だから」と別のサイトやアプリに誘われた。登録してみると、メッセージを送るたび、写真を見るたびにポイントが必要になり、気付けば数万円を払っていた。この記事はそうした状況の人に向けたものです。

結論として、最も大きな分かれ目は「元のアプリの外に出る瞬間」です。誘導先で課金が始まってからでは、相手が本当に会う気があるのかを確かめる手段がほとんど残りません。移る前に確かめること、移ってしまった後にやること、払ってしまったお金の相談先を順に説明します。

「アプリの外で話そう」から有料化までの流れ

国民生活センターは若者向けの注意喚起の中で、SNSで知り合った相手から「別のサイトでやり取りをしよう」と言われて出会い系サイトに誘引され、高額な費用を支払った事例を紹介しています。マッチングアプリを入口にした相談も、流れはよく似ています。

  1. マッチングアプリで好意的な相手とつながり、数日でやり取りが盛り上がる
  2. 相手が「アプリの調子が悪い」「運営に監視されている」「こっちの方が写真を送りやすい」などと理由をつけ、別サイトのURLを送ってくる
  3. 誘導先は「登録無料」「最初はポイントプレゼント」とうたっている
  4. 無料ポイントを使い切ったところで、相手から連絡先の交換や待ち合わせの話が出る
  5. 連絡先を見る、写真を開く、メッセージを送るたびにポイント購入が必要になり、会う約束は先延ばしにされる

国民生活センターが公表しているPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)の出会い系サイトに関する相談件数は、2023年度6,938件、2024年度4,402件、2025年度3,399件と減ってはいるものの、毎年数千件の規模で寄せられています。最近の事例として「知り合った相手と個人情報交換をしたり、会ったりするためにポイントを購入したが約束が守られない」という相談も挙げられています。

マッチングアプリが入口になりやすい点は、警察庁の統計からも読み取れます。令和7年のSNS型ロマンス詐欺5,645件のうち、当初の接触ツールがマッチングアプリだったのは1,846件(32.7%)で、ツール別で最多でした。ロマンス詐欺と出会い系の課金トラブルは別の問題ですが、「アプリで知り合った相手が別の場所へ誘う」という入口は共通しています。

誘導先に移る前に見ておきたい表示

URLを送られたら、登録ボタンを押す前に次の表示を確認してください。一つでも見当たらなければ、登録しない判断で問題ありません。

確認する表示見る場所根拠・理由
運営事業者の名称、住所、電話番号「特定商取引法に基づく表記」などのページ通信販売を行う事業者に表示が求められている事項
ポイントの価格と、1回の操作で消費するポイント数料金表、ヘルプ「無料」の範囲と有料になる操作を事前に把握するため
ポイント購入の最終確認画面で、分量・価格・支払時期などが分かるか購入手続きの最後の画面特定商取引法12条の6で表示が義務付けられている
年齢確認の手続きがあるか登録画面インターネット異性紹介事業者には、利用者が18歳未満でないことの確認が義務付けられている(出会い系サイト規制法11条)
事業の届出について記載があるか会社概要、利用規約インターネット異性紹介事業を行う者は、都道府県公安委員会への届出が必要(同法7条)

特定商取引法15条の4は、最終確認画面で表示すべき事項が表示されていなかったり、事実と違う表示があったりして誤認し、申し込んだ場合に、その申込みを取り消せると定めています。ポイント購入の画面は、あとで確認できるようにスクリーンショットを残しておくと安心です。

表示以外に確かめたいこと

  • サイト名やアプリ名で検索する。消費者庁や都道府県の消費生活センターが注意喚起で名前を挙げていないか、運営会社の名前が表記どおりに実在するかを確かめます。
  • アプリストア以外からのインストールを求められたら断る。公式ストアを通さないアプリや設定ファイルの導入は、課金トラブルとは別の危険もあります。
  • 短縮URLや、メッセージだけで届くURLは慎重に。サイト名を自分で検索して公式の入口を探し、それでも見つからなければ登録しないのが無難です。
  • 「今日中に登録して」と急がされていないか。確認の時間を与えない誘い方は、それだけで立ち止まる理由になります。

「無料」が有料に切り替わる仕組み

「登録無料」と書かれていても、無料なのは登録と最初のポイント分だけ、という料金体系は珍しくありません。有料になるのは、たとえば次のような操作です。

  • メッセージの送信、長文メッセージの閲覧
  • 相手が送ってきた写真や動画を開く
  • メールアドレスや電話番号など連絡先の交換
  • 「優先表示」「既読確認」などのオプション

注意したいのは、相手の側が課金を促す役回りをしているように見えるケースです。「サイトの規約でまだ連絡先を交換できない」「あと何通かやり取りすれば直接話せる」と先延ばしにされ、そのたびにポイントを買い足すことになる流れは、国民生活センターの相談事例とも重なります。

筆者の考えでは、誘導先で課金を始めてしまった場合でも、最初に「ここまでなら払ってもいい上限額」を決め、上限に達したらやり取りをやめるのが被害を広げない現実的な線です。会う約束が一度でも流れたら、その時点で上限に達したと考えてよいと思います。

元のマッチングアプリでやっておくこと

誘導された後でも、元のマッチングアプリに残っている情報は大切な記録です。

  1. 相手のプロフィールとやり取りを保存する。ニックネーム、年齢、写真、自己紹介、そして別サイトへ誘導したメッセージを、日付が分かる形でスクリーンショットに残します。
  2. アプリの通報機能を使う。外部サイトへの誘導を禁止事項に挙げているマッチングアプリは多く、運営側が調査したり、同じアカウントによる被害を防いだりする手がかりになります。
  3. 自分のアカウントは急いで消さない。退会するとやり取りが見られなくなる場合があります。記録を保存してから判断してください。

誘導先サイトのURL、サイト名、運営者表記のページ、ポイント購入履歴、相手とのメッセージも、サイトが閉鎖される前に保存しておきます。保存の手順は証拠の残し方を参考にしてください。

払ってしまったポイント代の相談の順番

まず、追加のポイント購入をやめます。「返金するには手数料が必要」「退会するにはポイントが必要」と言われても応じないでください。そのうえで、支払い方法ごとに動きます。

  • クレジットカード:カード会社に連絡し、利用の経緯を伝える。手続きの考え方は出会い系でクレジットカード払いをした後の対処で解説しています。
  • 銀行振込:振込をした金融機関に連絡し、警察にも相談する。詳しくは出会い系で振込した後の対処法へ。
  • 電子マネー(コンビニで買うプリペイド型など):購入時のレシートとカードの番号を保存し、できるだけ早く発行会社に連絡する。国民生活センターの事例にも、コンビニで電子マネーを買ってポイント代を支払ったケースが複数あります。
  • キャリア決済:携帯電話会社に連絡し、利用状況と停止方法を確認する。

相談先は、事業者とのやり取りなら消費者ホットライン188、詐欺の疑いが強い場合は警察相談専用電話 #9110 です。返金されるかどうかは、事業者の対応や支払い方法、記録の残り具合によって変わり、取り戻せない場合もあります。「無料登録」全般の料金の仕組みは出会い系の「無料登録」から高額課金になる仕組みで整理しています。

被害に遭った人に「返金を代行する」と連絡してくる業者や、高額な着手金を求める調査会社には注意してください。相談前の確認項目はチェックリストにまとめています。

真剣に出会いを探す人のための線引き

マッチングアプリで出会いを探すこと自体に問題があるわけではありません。国民生活センターも、マッチングアプリ等が真剣な出会いの場として存在感を高めていると紹介しています。そのうえで、次の3つを自分のルールにしておくと、誘導型の課金トラブルはかなり避けやすくなります。

  1. 会うまではアプリ内でやり取りする。アプリの外に出る提案は、会ってから考えても遅くありません。
  2. 相手の都合で「別サイトへの登録」を求められたら、その時点で距離を置く。本当に会いたい相手なら、元のアプリでも約束は決められます。
  3. お金やポイントの購入が前提になる関係は続けない。「会うためにポイントが必要」という状況自体が、相手の本気度を測る材料になりません。

すでに誘導先に登録してしまった場合は、退会の手続きがどこにあるかを確認し、退会後に届くメールは迷惑メールフォルダに振り分けつつ、削除せずに残しておきます。退会後に「未払いがある」「放置すると法的措置」といった請求が届いたときも、慌てて払わずに188へ相談してください。同じ相手から別のサイトやアプリに再び誘われることもあるため、元のマッチングアプリで相手をブロックするのは、記録を保存してからにしましょう。

よくある質問

Q. マッチングアプリの相手に誘われたサイトで「無料」と言われたのに請求されました。払う必要はありますか?

A. まず料金表と、ポイント購入時の最終確認画面にどう表示されていたかを確認してください。表示すべき事項がなかったり事実と違ったりして誤認した場合は、特定商取引法15条の4により申込みを取り消せる可能性があります。判断に迷うときは消費者ホットライン188に相談してください。

Q. 誘導してきた相手は、サイト側の人だったのでしょうか?

A. 外から見て判断するのは難しいのが実情です。相手の正体を見極めるより、「連絡先の交換や会う約束のたびにポイント購入が必要になる関係かどうか」で判断する方が確実です。やり取りの記録は、相談の際の材料になるので保存しておいてください。

Q. 18歳未満の子どもが誘導されて登録してしまいました。

A. 出会い系サイト規制法は、インターネット異性紹介事業者に利用者が18歳未満でないことの確認を義務付けています。未成年者が親権者の同意なくした契約は、民法5条により取り消せる場合があります。保護者が記録をそろえ、消費者ホットライン188に相談してください。

Q. 誘導先のサイトが見られなくなりました。もう相談できませんか?

A. サイトが閉鎖されていても、決済の記録(カード明細、振込控え、電子マネーのレシート)やメールの受信履歴、元のマッチングアプリのやり取りが残っていれば相談できます。残っている記録をすべて集めて、188や警察に持参してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。