10代・20代の出会い系トラブル|若者が狙われる理由と年齢別の守り方

先に結論を書きます。出会い系サイトやマッチングアプリでお金や画像のトラブルに巻き込まれたとき、使える守りの仕組みは年齢によって違います。18歳未満はそもそも出会い系サイトを利用できないと法律で決められていて、保護者の同意なく結んだ契約は取り消せる余地があります。18歳・19歳は2022年4月から成年として扱われ、この取消しの仕組みが使えなくなりました。20代になると、恋愛の話から副業や投資へ誘われるケースに注意が必要です。

この記事は、10代・20代の本人と、子どもの様子が気になっている保護者の方に向けて書いています。警察庁・国民生活センター・消費者庁が公表しているデータと制度をもとに、若い世代が狙われやすい理由、年齢ごとの法律の違い、お金や画像のトラブルが起きたときの動き方をまとめました(2026年9月24日時点の公開情報)。

数字で見る、若い世代と出会い系・SNSのトラブル

若い世代のトラブルは、公的機関の統計にもはっきり表れています。まずは主な数字を並べます。

統計数字出典
SNSに起因する事犯の被害児童数(18歳未満)2024年は1,486人(前年1,665人)警察庁「令和6年における少年非行及び子供の性被害の状況」
上記の被害児童のうち、スマートフォンからアクセスしていた人数1,449人同上
出会い系サイト規制法の禁止誘引行為による検挙件数2024年は21件(うち児童による誘引11件)同上
18歳・19歳の消費生活相談の総数2025年度は10,250件(2021年度以降で最多)国民生活センター(2026年5月27日公表)
そのうち「出会い系サイト・アプリ」に関する相談2025年度は111件(2024年度は184件)同上

警察庁の統計でいう「SNS」には通信ゲームが含まれ、届出のある出会い系サイトは含まれていません。つまり、子どもが知らない大人と知り合う入り口は、いわゆる出会い系サイトに限らず、普段使っているSNSやゲームにも広がっています。被害児童のほとんどがスマートフォンからアクセスしていた点も見逃せません。

18歳・19歳の出会い系関連の相談は前年度より減りましたが、ゼロにはなっていません。編集部としては、件数の増減よりも「年齢によって使える守りが違う」ことを先に知っておくほうが、実際のトラブルでは役に立つと考えています。

若い世代が狙われやすい4つの理由

1. スマートフォン1台で、すぐに登録できてしまう

SNSの広告やダイレクトメッセージからリンクを押すだけで、数分で会員登録が終わるサイトがあります。年齢確認は身分証の画像を送る方式が多いものの、登録の入り口そのものはとても簡単で、深く考える前に会員になってしまいます。

2. 恋愛や性の話は、周りに相談しにくい

親や先生に知られたくない気持ちは自然なものです。相手はそこを分かっていて、「二人だけの秘密」「誰にも言わないで」と念を押してくることがあります。相談しにくい状態が長く続くほど、支払いや画像の要求はエスカレートしやすくなります。

3. ポイント課金の金額感覚がつかみにくい

出会い系サイトの多くは「1ポイント=10円」のようなポイント制で、メッセージ1通ごとにポイントが減っていきます。1通あたり数百円でも、やり取りが続けば1日で数千円、数週間で数万円になります。お小遣いやアルバイト代の範囲で使っているつもりでも、気づいたときには合計額が大きく膨らんでいることがあります。

4. 「お金を稼げる話」と結びつきやすい

国民生活センターは、「悩みを聞くだけでお金がもらえる」と言われて出会い系アプリに登録したところ、報酬を受け取るための手続きとしてポイント代を次々に請求された、という相談を紹介しています。収入を増やしたい若い世代ほど、この入り口に引っかかりやすい傾向があります。

年齢で変わる法律の守り(18歳未満/18・19歳/20代)

年齢出会い系サイトの利用契約を取り消す仕組み
18歳未満出会い系サイト規制法で利用が認められていない。事業者には届出、利用者が児童でないことの確認などが義務づけられている保護者の同意なく結んだ契約は、民法の未成年者取消権で取り消せる場合がある
18歳・19歳成年として利用できる2022年4月1日から未成年者取消権は使えない。消費者契約法などによる取消しを検討する
20歳以上成年として利用できる18・19歳と同じ

18歳未満の場合

出会い系サイト規制法(正式名称は「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」)は、18歳未満の児童が出会い系サイトを利用することを認めていません。児童を相手にした異性交際を求める書き込みは禁止されていて、書き込んだ大人は処罰の対象になります。警察庁の統計では、2024年の禁止誘引行為の検挙21件のうち11件が児童自身による誘引でした。子どもの側の書き込みも取り締まりの対象になりうる、という点は親子で共有しておきたいところです。

お金の面では、未成年者が保護者の同意を得ずに結んだ契約は、民法第5条にもとづいて取り消せる場合があります。ただし、年齢を偽って「成人です」と信じさせた場合などは、民法第21条により取り消せないことがあります。年齢確認の画面でうその生年月日を入れていた場合は、その事実も含めて相談先に正直に伝えてください。

18歳・19歳の場合

消費者庁は、成年年齢の引下げにより、これまで未成年者取消権が認められていた18歳・19歳は、この権利が認められなくなったと案内しています。保護者の同意なしに契約できる代わりに、契約の責任も自分で負う立場になりました。それでも、うその説明を信じて契約した場合や、不安をあおられて契約した場合などは、消費者契約法による取消しを検討できることがあります。

20代の場合

国民生活センターは、出会い系サイトやマッチングアプリで知り合った相手から投資を勧められ、お金を失う相談について注意を呼びかけています。恋愛感情が生まれたあとに「一緒に将来の資金をつくろう」と持ちかけられる流れは、社会人になりたての世代にも向けられています。詳しくはマッチングアプリで投資を勧められたときの対処にまとめています。

若い世代に多いトラブルの型と、途中で気づけるサイン

  1. ポイント課金型:「連絡先を交換するにはポイントが必要」「次のメッセージで会う場所を教える」と言われ続け、課金しても会えない。
  2. 画像を送らせる型:親しくなったあとに写真を求め、送った画像をネタに「拡散されたくなければ払え」と脅す。警察庁の資料には、SNSで知り合った子どもに現金を約束して裸の画像を送らせた事件が事例として載っています。
  3. 「稼げる」誘導型:悩み相談やサクラのアルバイトで報酬が出ると言われ、報酬を受け取るための手数料やポイント代を先に払わされる。
  4. 恋愛から投資への誘導型:アプリで知り合った相手がLINEに移ろうと言い、しばらくして投資アプリや暗号資産の話を始める。

型は違っても、途中で表れるサインには共通点があります。

  • 会う約束や連絡先の交換が、いつも「あと少し」で先延ばしになる
  • 「誰にも言わないで」と秘密にするよう求められる
  • サイトの外(LINEや別のアプリ)へ移ろうと急がされる
  • 顔や体が写った写真を何度も求められる
  • 電子マネーのカード番号や、報酬の受け取りに必要だという手数料を求められる

一つでも当てはまったら、いったんやり取りを止め、画面を保存してから誰かに相談してください。

画像を送ってしまった、脅されているときの動き方

性的な画像を求められて送ってしまった、あるいは「画像をばらまく」と脅されている場合は、お金の問題よりも先に安全を優先してください。

  1. お金を払わない、追加の画像を送らない。払っても要求が止まるとは限りません。
  2. やり取りを消さない。相手のアカウント名、ID、メッセージ、脅しの文面をスクリーンショットで残します。ブロックは保存が終わってからにします。
  3. 警察に相談する。警察庁によると、全国共通番号「#8103(ハートさん)」にかけると、発信した地域の都道府県警察の性犯罪被害相談電話につながります。
  4. 18歳未満なら、学校や家族以外の窓口も使える。文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310)は、夜間や休日も子どもの悩みを受け付けています。

画像を送ってしまったことを責められるのではないか、と心配になるかもしれません。相談窓口は、困っている人の話を聞いて次にできることを一緒に考える場所です。一人で相手と交渉しようとせず、早めに大人や専門の窓口につないでください。

お金を払ってしまったときの手順

最初にやることは、これ以上払わないことと、記録を残すことです。サイトを退会するとメッセージが見られなくなる場合があるので、退会はスクリーンショットを撮り終えてからにします。記録の残し方は出会い系トラブルの証拠保全で詳しく説明しています。

支払い方法ごとの連絡先

  • クレジットカード(保護者のカードを含む):カード会社に連絡し、請求の内容を説明します。家族が無断で使った場合は、会員規約で補償の対象外とされていることがあるため、使った経緯をそのまま伝えて相談してください。カード会社への申し出の流れはチャージバックの解説にあります。
  • キャリア決済:携帯電話会社の窓口に連絡し、利用の停止や利用上限の変更を相談します。
  • プリペイド型電子マネー(コンビニで買うカード):購入時のレシートとカードを保管し、発行会社へすぐに連絡します。まだ使われていなければ止められる場合があります。
  • 銀行振込:振込先の金融機関と警察に連絡します。口座が凍結されれば、振り込め詐欺救済法の手続きで残高から分配を受けられる可能性があります。

18歳未満が保護者の同意なく払った場合

未成年者取消権を使うときは、保護者(法定代理人)も一緒に動くのが一般的です。取り消す旨を事業者に書面やメールで伝え、送った記録を残します。事業者が応じない、そもそも連絡がつかない場合は、消費生活センターに経緯を相談してください。取り消せるかどうかは契約の内容や年齢確認の経緯によって変わるため、自己判断で「必ず返ってくる」と考えないことが大切です。

保護者ができること

子どもから打ち明けられたとき、保護者の最初の反応がその後を大きく左右します。

  • 責める言葉を先に出さない。「どうしてそんなことを」と言いたくなっても、まずは話してくれたことを受け止めてください。責められると、残りの事実を隠すようになりがちです。
  • スマートフォンを取り上げる前に、記録を一緒に保存する。取り上げたり初期化したりすると、相談に必要な証拠まで消えてしまいます。
  • 相手に直接連絡しない。保護者が名乗り出ると、相手がアカウントを消して追えなくなることがあります。
  • 支払い手段を見直す。カードの利用通知、キャリア決済の上限、アプリ内課金の承認設定を確認します。
  • フィルタリングは「罰」ではなく「予防」として話す。設定の理由を一緒に話し合うほうが、隠れて別の端末を使われるリスクを減らせます。

家族だけで抱え込まず、消費生活センター(188)や警察の相談窓口に一緒に電話するのも一つの方法です。相談の予約や準備の流れは相談予約のページでも案内しています。

年代別の相談先一覧

困っていること相談先番号
課金・返金・契約の取消し消費者ホットライン(最寄りの消費生活センターにつながる)188
脅し・詐欺の被害(緊急でないもの)警察相談専用電話#9110
性的な画像の要求・性被害性犯罪被害相談電話(都道府県警察)#8103
18歳未満の悩み全般24時間子供SOSダイヤル(文部科学省)0120-0-78310
法的な手続きの相談先を知りたい法テラス・サポートダイヤル0570-078374

電話の前に、サービス名、相手のアカウント名、支払った日付と金額、支払い方法をメモしておくと話が早く進みます。まとめ方は相談前チェックリストが参考になります。

よくある質問

Q. 17歳で出会い系サイトに課金してしまいました。お金は戻りますか?

A. 保護者の同意なく結んだ契約であれば、民法の未成年者取消権で取り消せる場合があります。ただし、年齢を偽って登録していた場合などは取り消せないこともあり、返金が保証されるわけではありません。保護者と一緒に消費生活センター(188)へ相談してください。

Q. 19歳です。未成年者取消権は使えますか?

A. 使えません。2022年4月1日から成年年齢が18歳になり、18歳・19歳には未成年者取消権が認められなくなりました。うその説明を信じて契約した場合などは消費者契約法による取消しを検討できることがあるので、契約の経緯を記録して相談してください。

Q. マッチングアプリで知り合った人に写真を送ったら、お金を払えと脅されています。

A. お金を払わず、追加の画像も送らないでください。メッセージや相手のアカウント情報を保存したうえで、#8103(性犯罪被害相談電話)または#9110に相談してください。18歳未満なら24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)も使えます。

Q. 親に知られずに相談できますか?

A. 188や#9110、#8103への相談は本人だけでもできます。ただ、未成年者取消権を使う手続きやカードの支払いの整理では保護者の協力が必要になる場面が多いため、窓口の人に伝え方を相談してみるのも一つの方法です。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。