仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
友人や職場の知人に誘われて始めたDeFiの運用で、出金ボタンを押しても手続きが進まない、「出金するには先に税金を納めて」と言われた。そんなときは、その「税金」を運営側に払わないでください。暗号資産の利益にかかる所得税は、原則として本人が確定申告をして国に納めるもので、出金の条件として運用先に支払うものではありません。
国民生活センターは2022年8月、友人や知人から「暗号資産でもうかる。人を紹介すれば紹介料も入る」と誘われてお金を預けたものの、出金も返金もされないというケースを取り上げて注意を呼びかけました。同センターの集計では、暗号資産に関する相談は8,498件(2023年度)、7,261件(2024年度)、8,132件(2025年度、2026年5月末時点)で、毎年7,000件を上回っています。この記事は、友人の紹介でDeFiに参加した人に向けて、税金の考え方、損失の扱い、紹介者である友人とどう話すか、そして相談先を順に説明します。
友人からの誘いは、知らない相手からの勧誘と違って疑いにくいのが難しいところです。国民生活センターが紹介した事例の一つは、同じ職場の人にAIで暗号資産を自動運用するシステムを勧められたケースです。相談者は手元に資金がないと伝えたところ消費者金融での借り入れを指示され、借りた60万円をそのまま同僚に渡したとされています。最初は運用で増えていく画面を見られたものの、その後はログインができなくなり、同僚にも連絡がつかなくなったといいます。
こうした話には共通する流れがあります。
同センターの最近の事例には、知人から誘われて始めた暗号資産の口座から出金できず、追加入金すれば出金できると言われた、という相談も載っています。紹介者の友人も、同じように画面の数字を信じて誘っている場合があります。紹介報酬のしくみそのものの注意点は友人に紹介された暗号資産の取引所・投資話で扱っているので、ここでは出金できなくなった後のお金と税金の話を中心にします。
国民生活センターの事例には、マッチングアプリで知り合った相手に暗号資産の運用を勧められ、利益が出たので引き出そうとしたら税金を請求された、というものがあります。友人経由の話でも、同じ名目が使われることがあります。
国税庁の「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」では、暗号資産取引で生じた利益は所得税の課税対象で、原則として雑所得に区分されるとしています。雑所得の税金は、本人がその年の所得を計算して確定申告し、税務署に納めるのが基本の流れです。日本の所得税を、海外のプラットフォームや相手の指定するウォレットへ送金して納める仕組みはありません。
税金、手数料、口座の凍結解除料、保証金と、名目が変わっても構図は同じです。払っても出金される保証はなく、次の名目で請求が続くことがあります。請求の画面やメッセージは、支払わずに保存しておいてください。出金前に支払いを迫られるパターンは出金トラブルの特徴でも詳しく扱っています。
実際に利益を受け取っていた場合は、税金の問題が出てきます。国税庁のFAQをもとに、DeFiに関係しやすい点を整理します。
| やったこと | 国税庁FAQでの扱い |
|---|---|
| 暗号資産を売って円に換えた | 利益は原則として雑所得(その他雑所得) |
| 暗号資産どうしを交換した(例:ETHで別のトークンを買った) | 手放した暗号資産を譲渡したものとして所得を計算する |
| ステーキングやレンディングで暗号資産を受け取った | 受け取った時点の時価が収入になる |
| 暗号資産取引の損失が出た | 雑所得の損失は、給与所得など他の所得とは差し引きできない |
注意したいのは、偽のサイトやアプリに表示されていた「利益」が、実際に受け取った資産とは限らないことです。画面の数字が増えていただけなのか、実際に自分のウォレットや口座に入ったのかで、考え方が変わります。途中で少額を引き出していた、紹介料を暗号資産で受け取っていた、という場合は、いつ・何を・どれだけ受け取ったかを記録に残し、申告が必要かどうかを税務署に相談してください。FAQでは、その年の暗号資産取引の収入金額が300万円を超える場合の区分についても説明されています。
DeFiの取引は、国内の取引所だけで完結しないため、記録が散らばりがちです。国税庁のFAQは、取得価額や売却価額が分からない場合の確認方法として、国内の暗号資産交換業者を通じた取引なら「年間取引報告書」を使えること(手元にない場合は再交付を依頼する)、それ以外の取引なら、購入や売却に使った銀行口座の入出金の記録、取引履歴と取引相場などから確かめる方法を挙げています。友人の紹介で入ったDeFiでは、次のものを揃えておくとよいでしょう。
これらは税金の相談だけでなく、警察や消費生活センターへの相談でも、お金の流れを示す資料になります。
「損をしたのだから、せめて税金で取り戻せないか」と考える人は少なくありません。ただ、国税庁の質疑応答事例では、雑損控除の対象は「災害又は盗難若しくは横領」による損失で、詐欺による損失は対象にならないとされています。だまされて送金した、自分で送った資産を持ち逃げされた、という場合は、雑損控除では差し引けないと考えておくのが無難です。
また、前の表のとおり、暗号資産取引で出た雑所得の損失は、給与所得など他の所得と通算できません。同じ年に暗号資産取引で別の利益があるかどうかなど、個別の事情によって計算が変わるため、自己判断で申告せず、税務署や税理士に相談しながら進めてください。
なお、暗号資産の税制については見直しの議論が続いています。申告の前には、国税庁のウェブサイトで最新のFAQや手引きを確認しましょう。
友人との関係は、お金の問題と同じくらい悩ましいところです。感情的になる前に、次の順で考えると整理しやすくなります。
自分も誰かを誘ってしまった場合は、その人にも出金できない状況を早めに伝え、それ以上お金を入れないよう知らせてください。紹介料を受け取っていたなら、その記録も残しておきます。
状況に応じて、次の窓口を使い分けます。
相談の前に、①誘われた日と誘った人、②お金や暗号資産を渡した日付・金額・方法、③実際に受け取った利益や紹介料、④出金を求めたときの相手の返答、の4点を時系列で書き出しておくと、どの窓口でも話が通じやすくなります。記録の残し方は証拠の残し方、全体の流れは相談の流れ、当サイトへの相談は相談予約からどうぞ。相談しても返金が約束されるわけではありませんが、次に取れる手段を具体的にするきっかけになります。
A. 実際に受け取った利益があれば、原則として雑所得として扱われます。ただし、申告が必要かどうかは、その年のほかの所得や金額によって変わります。受け取った日付と金額を記録したうえで、税務署に確認してください。
A. 暗号資産の利益にかかる所得税は、本人が確定申告して税務署に納めるもので、運用先に払う仕組みではありません。支払っても出金できず、別の名目で請求が続く相談が寄せられています。支払わずに、請求のメッセージを保存して相談してください。
A. 国税庁の質疑応答事例では、詐欺による損失は雑損控除の対象にならないとされています。暗号資産取引の損失の扱いは個別の事情で変わるため、税務署や税理士に相談してください。
A. 友人がどこまで関わっていたか、紹介料を受け取っていたか、どんな説明をしたかによって判断が分かれます。まずは友人とのやり取りを記録に残し、弁護士や法テラス、消費生活センターに相談してから方針を決めてください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
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