電話で勧められたリール副業のサポート契約|クーリング・オフと借入の注意

インスタのリールで稼ぐ副業に興味を持ってLINEを登録したら、担当者から電話がかかってきて、「リール運用で月収を上げるサポートプラン」を数十万円から数百万円で勧められた。お金がないと言うと、消費者金融で借りる方法まで案内された。この記事は、そうした電話での勧誘を受けている人、契約してしまった人に向けたものです。

最初にお伝えしたいのは、電話の中で即決しないこと、借金をしてまで払わないこと、そして契約してしまった場合でもクーリング・オフなどの制度が使える可能性があることです。電話勧誘に関する特定商取引法のルールと、借入を勧められたときの注意点を、消費者庁と国民生活センターの情報をもとに説明します。

LINE登録の後に電話がかかってくる流れ

SNSで入口を作り、電話で契約まで進める形は、国民生活センターの相談事例に繰り返し登場します。

  • 動画投稿サイトの広告から副業サイトに入り、無料通話アプリで友だち登録。約2,000円の情報商材を買った後、電話で「約200万円のサポートプランが合っている」と勧められ、断ると遠隔操作アプリを入れさせられて2社から計100万円を借りた(2022年12月受付、20歳代女性。2023年6月7日公表)
  • メッセージアプリで登録した後に電話で話し、遠隔操作アプリを入れて消費者金融4社に申し込むよう言われた。「後で返金する」と言われ、借りたお金を暗号資産にして送った(2025年10月受付、30歳代女性。2026年5月19日公表)

どちらも、最初の広告や登録の段階では少額か無料で、電話に切り替わってから高額な契約が出てきます。電話では相手のペースで話が進み、書面を読み比べたり家族に相談したりする時間がありません。国民生活センターの事例でも、電話を切った後で「なぜこんな方法で送金させられたのか」と疑問に思ったという声が紹介されています。

電話口で使われやすい言い回し

  • 「リールの伸ばし方を個別に教えるので、半年で元が取れます」
  • 「このプランは今日の通話内でしか案内できません」
  • 「皆さん最初は借りて始めています。審査の通し方もお伝えします」
  • 「ご家族に話すと反対されるので、まずはご自身で決めましょう」

上は典型的な例を筆者がまとめたものです。こうした言葉が出たら、その場で返事をしないことが一番の防御になります。

その電話は「電話勧誘販売」に当たるか

特定商取引法の「電話勧誘販売」は、事業者が消費者に電話をかけて勧誘し、契約の申込みを受けたり契約を結んだりする取引です。消費者庁の解説によると、電話を一度切った後に消費者がメールや郵便で申し込んだ場合でも、電話での勧誘によって購入の意思が固まったのであれば該当します。

こちらから電話をかけた場合も対象になりうる

「LINEで予約して、こちらから電話した」というケースでも、次のような方法で電話をかけるよう求められた場合は電話勧誘販売に当たると、政令で定められています。

  • 契約の勧誘が目的だと告げずに、電話をかけるよう求められた
  • 他の人より著しく有利な条件で契約できると告げられ、電話をかけるよう求められた

「無料で副業の説明をします」と案内され、電話したら有料プランの勧誘だった、という流れは、この点を確かめる価値があります。

事業者が守るべきルール

  • 勧誘の前に、事業者名、勧誘者の氏名、商品や役務の種類、契約の勧誘が目的であることを告げる
  • 契約しないと伝えた人に、勧誘を続けたり再び勧誘したりしない
  • 契約の申込みや締結の際に、法律で決められた事項を記載した書面を渡す
  • 事実と違うことを告げる、重要な事実を故意に告げない、威迫して困惑させる、といった行為をしない

クーリング・オフの期間と、通知の送り方

電話勧誘販売であれば、契約内容を記した法定の書面が手元に届いた日を1日目として8日以内なら、書面または電磁的記録(メールなど)で申込みの撤回や契約の解除ができます。事業者が嘘を言ったり威迫したりしてクーリング・オフを妨げた場合は、8日を過ぎても可能です。

さらに、勧誘の中で「仕事を紹介するから、そのためのサポートを買ってほしい」という説明があった場合は、業務提供誘引販売取引として、書面を受け取った日から20日以内のクーリング・オフが認められる場合もあります。どちらに当たるかで期間が違うので、自分で判断がつかないときは、期間が過ぎたと決めつけずに消費生活センターへ相談してください。

通知の送り方

  • 書面なら、特定記録郵便・簡易書留・内容証明郵便など、送った記録が残る方法で
  • メールなら、送信したメールを保存する。ウェブのフォームなら送信画面のスクリーンショットを残す
  • カードで払った場合は、カード会社にも同時にクーリング・オフした旨を知らせる

期間が過ぎていても取り消せる場合

電話勧誘販売では、事業者が事実と違うことを告げた、あるいは故意に事実を告げなかったために誤って契約した場合、その申込みや承諾の意思表示を取り消せる規定もあります(特定商取引法第24条の3)。「サポートを受ければ必ず元が取れる」「追加費用は一切かからない」と言われたのに実際は違った、といった事情があれば、電話のメモや送られてきたメッセージが根拠になります。

消費者庁によると、クーリング・オフをすると損害賠償や違約金を払う必要はなく、支払済みの代金は速やかに返してもらえるとされています。ただし、事業者と連絡が取れない場合など、実際に返金されるかどうかは状況によります。

電話の途中で借入を勧められたら

「お金がないなら借りればいい」「副業ですぐに返せる」という言葉が出たら、そこで電話を終えてください。国民生活センターは2026年5月20日、副業や投資の勧誘業者に指示されて複数の貸金業者から短期間に次々と借り入れるケースが目立つとして注意喚起を出しました。特に20歳代以下からの相談が多いとされています。

同じ発表によると、勧誘業者に「すぐ返済できる」と言われて借りた場合でも、返済の義務を負うのは借り入れた本人です。勤務先や年収について事実と違う申告をするよう指示されることもありますが、国民生活センターは虚偽の申告は絶対にしないよう呼びかけています。

遠隔操作や画面共有を求められたら

「説明のために必要」と言われても、遠隔操作アプリのインストールや画面共有には応じないでください。すでに操作させてしまったなら、貸金業者のサイトのパスワードをすぐに変え、勝手に変えられていれば貸金業者に直接連絡します。国民生活センターは、個人情報の悪用に備えて信用情報機関の本人申告制度の利用も検討するよう勧めています。借入の返済に困ったときは、日本貸金業協会の相談窓口もあります。

通話の内容を記録に残す

電話を切った直後の10分が、記録を残すうえで最も大事な時間です。記憶が新しいうちに、相手の言葉をできるだけそのまま書き出してください。

電話でのやり取りは形に残りにくいため、話した内容をその場で書き留める習慣が役に立ちます。次の項目をメモしておくと、クーリング・オフや相談の場面で使えます。

  • 電話の日時と、かかってきた(またはかけた)電話番号
  • 相手が名乗った会社名と担当者名(名乗らなかった場合はその事実)
  • 勧められたプラン名、金額、支払い方法、「必ず稼げる」などの説明
  • 借入や遠隔操作を勧められたかどうか
  • 契約書面やメールが届いたか、届いた日
  • 電話の途中で送られてきたURLや、入力を求められた情報の内容

断るときは短く、はっきりと

「契約しません。今後の電話も不要です」と一度伝えれば十分です。理由を説明するほど、相手に反論の材料を与えることになります。電話勧誘販売では、契約しないと伝えた相手への再勧誘は禁止されています。それでもかかってくる場合は、その日時も記録に加えてください。

通話の録音ができる環境なら、録音も記録の一つになります。電話の後にLINEやメールで「本日のご契約内容」などが送られてきたら、消さずに保存してください。勧誘の断り方や、しつこい再勧誘への対応は副業コンサルの見分け方でも取り上げています。

契約してしまった後の相談先

  • 消費生活センター(188):クーリング・オフの通知の書き方や、期間の数え方を一緒に確認できます。契約書面を手元に用意してから電話すると話が早く進みます。
  • 警察(#9110):借りたお金を個人名義の口座や暗号資産で送った場合、脅すような電話が続く場合に。
  • 日本貸金業協会の相談窓口:勧誘業者の指示で借り入れた後の返済の相談に。
  • 法テラス:弁護士への相談を考えているが費用が心配なとき、無料法律相談や費用の立替制度の条件を確認できます。

支払い方法ごとの返金の動き方は返金相談の流れにまとめています。インスタを入口にした他の勧誘経路はリール閲覧副業の一覧ページから確認できます。

よくある質問

Q. こちらから電話したのに、電話勧誘販売のクーリング・オフは使えますか?

A. 勧誘目的を告げずに電話をかけるよう求められた場合や、著しく有利な条件を示されて電話をかけるよう求められた場合は、電話勧誘販売に当たるとされています。どのように案内されて電話したかを記録し、消費生活センターに確認してください。

Q. リール運用サポートの契約書面をもらっていません。クーリング・オフの期間はどうなりますか?

A. 期間は法律で定められた書面を受け取った日から数えます。書面を受け取っていない、あるいは記載に不備がある場合の扱いは個別に判断が必要なので、期間が過ぎたと決めつけずに188番へ相談してください。

Q. 勧誘業者に言われて借りたお金は返さなくてよいですか?

A. 業者から返済は心配ないと説明されていても、借りたお金を返す責任は契約した本人に残ると国民生活センターは説明しています。返済に困る場合は、貸金業者や日本貸金業協会の相談窓口に早めに相談してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。