仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
Instagramにイラストや写真、ハンドメイド作品を投稿していると、知らないアカウントから「あなたの作品に感動した。NFTとして2ETHで買いたい」「OpenSeaに出品してくれたらすぐ購入する」といったDMが届くことがあります。やり取りを進めるうちに「出品にはガス代が要る」「ウォレットの認証費を先に払って」と言われ、送金を求められる流れです。
この記事の結論は次のとおりです。大手マーケットのOpenSeaは、固定価格で出品されたNFTを買うときのガス代は買い手が負担すると説明し、ガス代を個人のウォレットへ送るよう求めることは決してないと明記しています。見知らぬ「買い手」の指示で売り手が先にお金を送る必要が出てきたら、その取引は進めないでください。投資の勧誘として届くNFTのDMについても、後半で触れます。
クリエイターを狙うDMには、おおむね次のような順序があります。
OpenSeaのヘルプセンターは、よくある詐欺の型として、購入者が取引でエラーに遭ったと称して売り手に資金を送らせる偽のオファー、OpenSeaを名乗るQRコードつきのメッセージ、「開発者」「取引担当」を名乗る仲介役を挙げています。同社は、OpenSeaの開発者や仲介役とやり取りを求められることはないと説明しています。
数字でも裏づけがあります。2026年6月に警察庁が出した令和7年分の確定値を見ると、SNS型投資詐欺の入口として一番多く使われたのはInstagram(1,934件)でした。そのうち、DMが最初の接触だったものに絞ってもInstagramが1,000件で最多です。Instagramが、知らない相手から金銭の話を持ちかけられる入口として多用されていることが分かります。
ガス代とは、ブロックチェーン上で取引を記録してもらうために支払う手数料です。OpenSeaのヘルプセンターでは、負担する人を次のように説明しています。
| 場面 | ガス代を払う人 |
|---|---|
| 固定価格で出品されたNFTを買う | 買い手 |
| 届いたオファーを受け入れて売る | 売り手 |
| あるコレクションのNFTを初めて出品する | 売り手(コレクションの承認で発生する場合がある) |
つまり、売り手がガス代を負担する場面はあるものの、それは自分のウォレットからブロックチェーンへ手数料として払うもので、買い手や仲介役のアドレスへ直接送金するものではありません。OpenSeaも、ガス代をまかなうために個人のウォレットアドレスへ資金を送るよう頼むことは決してないと明記しています。
「相手が買ってくれるなら、ガス代くらい先に出してもいい」と考えたくなる気持ちは分かります。ただ、本当に買いたい人は、公開されているマーケットで出品を見つけて自分で購入ボタンを押せば済みます。売り手が相手に送金する工程が挟まっている時点で、編集部はその取引を止めるべきだと考えます。
DMに書かれたリンクの先が、本物そっくりの偽サイトであることもあります。OpenSeaが自社について公表している点を、判断のものさしにしてください。
リンクを開く前に、マーケットの公式サイトはブックマークか検索から自分で開く習慣をつけると、偽サイトを踏む危険を減らせます。
本当に作品を気に入った相手なら、この手順で困ることはありません。手順から外れた要求を重ねてくるかどうかが、判断の分かれ目になります。
DMの詐欺とは別に、投稿した作品が本人の知らないところでNFTとして発行・販売されている被害もあります。国民生活センターが発行する月刊誌のNFT特集(2023年10月号)は、NFTが誰にでも発行できる点を踏まえ、権利者ではない第三者が発行したとみられるNFTの流通が多く見られると指摘しています。同特集によると、経済産業省も2022年度にNFTマーケットでの正規版コンテンツの流通に関する調査事業を行い、2023年7月に報告書を公表しました。
OpenSeaは、著作権・商標・パブリシティ権を侵害するコンテンツを、米国のDMCAなどの法律に沿って削除すると定めています。申し立てには、署名(ペンネーム不可)、侵害しているアイテムへの直接リンク、連絡先、無断使用であることの宣誓などが必要とされています。既存のコレクションや有名人を装ったり、偽って提携をうたったりするアイテムも禁止対象です。
まず、それ以上の支払いを止めます。「エラーを直せば全額戻る」「あと一度だけ認証費を」という連絡が続いても応じないでください。
OpenSeaは、アカウントが乗っ取られた疑いがあるときは、残っている資産を安全なウォレットへすぐ移し、そのうえでヘルプセンターから連絡するよう案内しています。偽サイトで何らかの許可を出していると、時間がたってから資産が動かされることがあるためです。許可の取り消し方は承認をrevokeで取り消す手順の記事で説明しています。
保存が終わってから、Instagramのアプリ内でアカウントを報告し、ブロックします。先にブロックすると、やり取りが見づらくなることがあります。
Instagramでは、作品の購入話のほかに「NFTで資産を増やしている」「一緒に運用しよう」という投資の勧誘がDMで届くこともあります。こちらは相手が指定するサイトに暗号資産を送らせ、出金時に費用を求める形が多く、マッチングアプリ経由の勧誘についてはNFT転売をうたう勧誘の記事で詳しく扱っています。
送った暗号資産を取り戻すのは簡単ではなく、返金を約束できる人はいません。だからこそ、DMで知らない相手からお金の話が出た段階で、この記事のチェックに立ち戻ってください。
A. 本物の買い手が連絡してくる可能性はゼロではありません。ただ、本当に買いたい人は公開の出品を自分で購入すれば済みます。売り手に先払いや特定リンクからの登録を求める相手とは、取引を進めないでください。
A. OpenSeaは、固定価格の出品を買うときのガス代は買い手が払うと説明し、ガス代を個人のウォレットへ送るよう求めることはないと明記しています。相手のアドレスへの送金には応じないでください。
A. OpenSeaは、SNSで先にDMを送ることはなく、サポートはヘルプセンター経由で行うと公表しています。DMのリンクは開かず、公式サイトを自分で開いて確認してください。
A. 出品ページの情報と自分が作者である証拠を保存し、マーケットの権利侵害の報告窓口から削除を申し立てます。OpenSeaは著作権などを侵害するコンテンツを削除する方針を公表しています。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
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