ロマンス詐欺で送金してしまった場合の返金と対処法
ロマンス詐欺でお金を送金してしまった場合、できるだけ早く行動することが回収の可能性を高めます。銀行振込なら「組戻し」、クレジットカードなら「チャージバック」が有…
石油リグで働いているという恋人から、国際電話やアプリの通話がかかってきた。「リグのインターネット代が払えない」「現場では銀行が使えないから、コンビニでギフトカードを買って、裏の番号を読み上げてほしい」と頼まれている。この記事は、その頼みにどう応じるか迷っている人のためのものです。
結論ははっきりしています。電子マネーやギフトカードの番号を、会ったことのない相手に伝えないでください。カードそのものを渡していなくても、番号を伝えた時点で、カードに入っている金額を相手に渡したのと同じことになると、金融庁は注意を呼びかけています。取り戻すのが非常に難しい支払い方法でもあります。
洋上の石油施設で働くと名乗る相手についての連載のうち、この回は電話で電子マネーの番号を求められる場面を扱います。
石油リグで働いていると名乗る相手がギフトカードを求めるとき、次のような説明がよく添えられます。
どれも、「会えない理由」と「現金を送れない理由」を同時に説明する形になっています。けれども、通信費や手数料を個人が買ったギフトカードの番号で払わせる会社や通信事業者が本当にあるのか、と考えると不自然さが見えてきます。
米国の連邦取引委員会(FTC)は、恋愛目的の詐欺をする人物は、ギフトカード(Amazon、Google Play、iTunes、Steamなど)にお金を入れてPINコードを教えるよう求めると注意しています。2022年の報告を分析したFTCのデータでも、ロマンス詐欺の被害報告のおよそ4件に1件(24%)で、支払い手段がギフトカードでした。同じデータの分析では、洋上の石油リグの作業員という職業も、よく使われる偽の設定として挙げられています。
ただし、相手の話し方や名乗る国籍で見分けようとするのは避けてください。警察庁の令和7年の統計では、ロマンス詐欺の加害者が名乗った身分は国内在住の設定が約6割でした。日本語が自然か、どこの国の人かではなく、「会ったことのない相手が、取り消しのきかない方法でお金を求めているか」を基準にするほうが確実です。
コンビニなどで売られているギフトカードやプリペイドカードの多くは、カードに書かれた番号(コードやID)に価値がひもづいています。財務省関東財務局は、こうした「サーバ型電子マネー」について、相手にカードを渡さなくても、番号などを伝えるだけで電子マネーの価値を渡したことになると説明しています。
金融庁も、カードそのものは手元にあるので安心してしまいがちだが、番号を伝えることは購入した金額をすべて相手に渡したことと同じであり、後からだまされたと気づいても取り戻すのは非常に困難だ、と注意を呼びかけています。
電話で番号を読み上げさせる手口には、だます側にとっての利点がいくつもあります。
つまり、ギフトカードの番号を求められた時点で、その支払いは「取り消しがほぼ効かない送金」だと考えておく必要があります。
電話は、メッセージと違って考える時間がありません。声を聞くと相手の存在が身近に感じられ、断りにくくなるのも自然なことです。事前に言うことを決めておきましょう。
一度電話を切っても、失礼にはあたりません。切った後に落ち着いて考え、翌日以降に返事をしても、本当にあなたを大切に思う相手なら待ってくれるはずです。不安をあおる電話を受けても、カードのIDを教える形で支払ってはいけない、というのは日本資金決済業協会の呼びかけでもあります。
頼まれるまま店に向かいそうになったときは、レジに並ぶ前に次の点を自分に問いかけてみてください。
頼まれてカードを買ってしまっても、番号を伝える前なら、お金はまだあなたの手元にあります。カードの裏面の銀色の部分を削らず、そのまま保管してください。相手に「買った」と伝えている場合でも、「やはり送れない」と言ってかまいません。未使用のカードを返品や払い戻しできるかどうかは発行会社や店舗によって扱いが異なるため、レシートを持って購入した店や発行会社に問い合わせてみましょう。自分で使える種類のカードなら、日用品や自分のアプリの支払いに回すこともできます。
店頭で店員から「どなたかに頼まれていませんか」と声をかけられることもあります。恥ずかしがらずに事情を話してみてください。第三者の一言で立ち止まれることがあります。
通信費が理由として持ち出される場合、「洋上だから通話できない」という説明と重なっていることが多いものです。会えない理由や通信事情の読み解き方は、洋上勤務を理由に会えない相手の記事を参考にしてください。
すでに番号を伝えてしまった場合は、時間をおかずに次の順で動いてください。
複数の発行会社のカードを買った場合は、それぞれの会社に連絡が必要です。他の支払い方法も使っていた場合は、支払い方法別の手続きの記事で連絡先を確認してください。
ギフトカードでの支払いに一度応じると、「今度は別の会社のカードで」「金額が足りなかった」と、依頼が重なっていくことがよくあります。少額でも、それが何度も続けば大きな額になります。
依頼の金額がいつも同じくらいの少額で、カードの種類だけが毎回変わる、というやり方も見られます。一枚ごとの金額が小さいと罪悪感が薄れ、断るきっかけを失いやすくなるからです。これまでに買ったカードの枚数と合計額を書き出すと、全体の大きさに気づけるはずです。
ここで、一度立ち止まって関係全体を見直してみてください。
警察庁は、実際に会ったことのない人からお金の話をされたら注意するよう呼びかけ、一つでも当てはまればお金を振り込む前に警察に相談するよう勧めています。電話の声やビデオ通話でさえ、生成AIなどを使えばなりすましが可能だとも説明しています。関係をどうするかは、あなたが決めてよいことです。ただ、その判断はお金を渡す前に、誰かと話してからでも遅くありません。
A. 通信会社や勤務先が、個人の恋人に買わせたギフトカードの番号で料金を受け取るという説明は不自然です。金融庁も、業者がプリペイドカードの購入を指示する場合は詐欺業者である可能性が高いと注意しています。
A. 一刻も早くカードの発行会社へ連絡してください。相手が残高に手をつける前であれば、止めてもらえる可能性があります。ただし、使われた後は取り戻すのが非常に難しくなります。連絡と並行して、警察にも相談しましょう。
A. 店員の声かけは、あなたを守るためのものです。恋人に怒られることを理由に、番号を伝える必要はありません。188や#9110に相談し、今の状況を第三者に聞いてもらってください。
A. だまされて番号を伝えた場合も、警察に相談できます。購入時のレシートやカードの台紙、やり取りの記録を持って、最寄りの警察署または#9110に相談してください。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
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