LINE投資グループの写真詐称|著名人・投資家アイコンの確かめ方と通報

広告やSNSから招かれたLINEの投資グループで、有名な投資家や著名人の写真をアイコンにした人物が「先生」として相場を解説している。そんな状況で「この人は本当に本人なのか」と迷っている方に向けた記事です。

結論として、アイコンの写真や名前は、本人がそのグループにいる根拠になりません。本人かどうかは、その人物の公式サイトや所属先、本人の公式アカウントでの発信と照らし合わせて確かめます。確認が取れないまま入金や個人情報の提出を求められたら、応じずにトークを保存し、グループを離れる前に通報まで済ませてください。

LINEの投資グループで写真を使われやすいのは「投資家」と「著名人」

警察庁の令和7年の確定値では、SNS型投資詐欺は9,523件、被害額は1,288.0億円にのぼりました。犯人側が名乗った職業で最も多いのは投資家の3,288件で、そのほかの著名人をかたった例も692件あります。

注目したいのは連絡手段です。最初の接点はInstagram、YouTube、LINE、投資のサイトなどに分かれている一方、実際にお金をだまし取られた時点でやり取りに使われていたのはLINEが8,906件と、9割を超えていました。入口がどこであっても、最後はLINEのトークやグループに集められる傾向が読み取れます。

グループに招かれたこと自体は、誰にでも起こりえます。大切なのは、招待された経緯や講師役の肩書きを、LINEの外にある情報で確かめてから次の行動を決めることです。

警察庁が挙げる「著名人をかたる手口」の特徴

同じ資料は、著名人をかたる広告からSNSの投資グループへ誘う手口について、次の特徴を示しています。

  • 広告動画で、話す口元と音声がずれていたり、日本語の字幕に誤りがあったりする
  • 有名人の名前を出しながら、使っているのは未認証のアカウント
  • 話の途中でLINEの友だち追加や登録を促す
  • もうけを約束したり、元本が減らないと強調したりする

グループの中で起きやすい流れ

写真詐称のアカウントが中心にいるグループでは、役割が分かれているように見えることがあります。相談で語られる典型的な構図を、一般論として整理しました。

  1. 講師役:著名人や投資家の写真をアイコンにし、相場の見通しや銘柄の話を毎日配信する。
  2. アシスタント役:講師の秘書や助手を名乗り、個別のトークで参加者に声をかける。
  3. 参加者の投稿:「言われたとおりにしたら利益が出た」「出金できた」といった報告が続く。
  4. 専用のアプリやサイトへの登録:取引のためとして、見慣れない名前の投資アプリやサイトに誘導される。
  5. 出金時の追加請求:利益を引き出そうとすると、手数料や税金、保証金などを理由に入金を求められる。

警察庁の定義でも、SNS型投資詐欺は対面せずにやり取りを重ねて信用させ、投資金や利益の出金手数料といった名目で金銭をだまし取るものとされています。グループ内の成功報告は、発言者が実在の参加者かどうかを外から確かめる手段がありません。数の多さや熱気は判断材料にしないほうが安全です。

最初のうちは少額の出金に応じてもらえた、という話も珍しくありません。一度引き出せたことは、次の入金が安全だという裏づけにはならず、入れた金額が大きくなるほど、出金を止められたときの損失も膨らみます。「利益が出ているうちに増資を」と急かされたら、いったん手を止める合図と考えてください。

アイコンの人物が本当に本人かを確かめる手順

グループの外で、自分で調べた情報と突き合わせるのが基本です。グループ内で示されたリンクや連絡先は、確認の材料に使いません。

  1. 名前で検索し、公式の発信元を探す:本人の公式サイト、所属する会社・事務所、本人名義の認証済みアカウントなど、本人が管理していると分かる場所を見つけます。
  2. 公式側の告知を読む:著名人や企業の多くは、なりすましへの注意を公式サイトやSNSで告知しています。「LINEで投資指導はしていない」といった案内がないかを確認します。
  3. アイコン画像を画像検索にかける:同じ写真がニュース記事や講演の告知から切り取られたものなら、転用の可能性が高まります。手順は画像検索で写真の出どころを調べる方法で解説しています。
  4. 勧められた業者の登録を調べる:金融商品の取引や投資の助言を業として行うには、原則として金融商品取引業の登録が必要です。金融庁のウェブサイトに掲載されている登録業者の一覧を開き、案内された業者名を探してみてください。

どれか一つでも食い違いが見つかったら、それ以上の確認に時間をかけるより、入金しない判断を優先してください。有名人をかたる手口の全体像は有名人をかたる詐欺の手口と見分け方も参考になります。

グループを抜ける前に保存しておくもの

グループを退出すると、そのトークを見返せなくなるおそれがあります。離れる前に、次の情報を画面ごと保存しておきましょう。

保存するものポイント
グループ名・参加人数・アイコングループのトップ画面をそのまま撮影する
招待の経緯招待してきたアカウント、招待リンク、最初に見た広告や投稿
講師役・アシスタント役のプロフィール表示名、アイコン写真、ステータスメッセージ
ノート・アルバムの内容運用ルールや「実績」として貼られた画像
個別トーク入金先の指示、アプリやサイトのURL、出金を断られたやり取り
自分の入金記録振込の控え、暗号資産の送付記録、アプリ上の残高画面

保存したデータは日付ごとにまとめ、スマートフォン以外の場所にも複製しておくと安心です。整理の仕方は証拠の残し方を参照してください。

LINEでの通報のしかたと、通報で分かること・分からないこと

LINEのヘルプセンターによると、トークルームでは該当するメッセージを長押しして通報でき、友だちのプロフィール画面からも通報のメニューを選べます。オープンチャットでは、メッセージやトークそのもの、ノート、参加者を対象に通報できます。

  • 相手には通知されない:通報したことが相手に伝わることはないと明記されています。
  • 送られる範囲:選んだメッセージに加え、その前後の一部のトークがLINEに送信されます。
  • 結果は個別に知らされない:LINEが規約違反を確認すれば投稿の削除やアカウントの制限を行いますが、対応の結果は通報者に個別に伝えられません。違反にあたらないと判断されれば、何度通報しても措置はとられません。

警察もLINEアカウントの停止に動いています。警察庁によると、令和7年中に特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺に使われたとしてLINEヤフー株式会社へ情報提供したアカウントは18,214件で、そのうち9,505件がSNS型投資・ロマンス詐欺の関連でした。被害を警察に相談する際は、相手のLINEアカウントの情報も伝えると役立ちます。

知らない人からの招待を減らすLINEの設定

一度抜けたグループと似た名前のグループに、別のアカウントから再び招待されることがあります。LINEのヘルプセンターは、知らない人からのトークやグループ招待を防ぐための設定をまとめて案内しています。

  • メッセージ受信拒否:[ホーム]>[設定]>[プライバシー管理]でオンにすると、「知り合いかも?」に表示される相手からのメッセージやグループ招待を拒否できます。すでに友だちに追加している相手には効かない点に注意が必要です。
  • IDによる友だち追加を許可:オフにすると、LINE IDを検索されて友だちに追加されるのを防げます。
  • 友だちへの追加を許可:オフにすると、電話番号をもとにした友だち追加を防げます。

設定の名称や場所はアプリの更新で変わることがあるため、操作前にヘルプの最新の案内を確認してください。また、講師役やアシスタント役を一度友だちに追加している場合は、上の設定だけでは連絡を止められません。記録を取り、通報したうえでブロックするのが確実です。

招待を断っても、別の広告や投稿から再び誘われることはあります。「一度抜けたのに、また同じような先生のグループに誘われた」という場合は、以前の記録とあわせて保存しておくと、警察や消費生活センターに経緯を説明しやすくなります。

入金してしまったときの窓口

お金を出した後でも、動き出しが早いほど取れる手段は増えます。とはいえ、以下のどの手段をとっても全額が戻るとは言い切れない点は理解しておいてください。

  • 国内の銀行口座に振り込んだ:振込先銀行と警察へすぐに連絡し、口座の利用停止を依頼します。凍結後の分配手続きは振り込め詐欺救済法の口座凍結手続きで説明しています。
  • 暗号資産を送った:送付に使った交換業者へ連絡し、トランザクションIDや送付先アドレスを控えておきます。
  • 「出金には手数料が必要」と言われている:その支払いには応じず、相談を先にします。

相談先

  • 警察相談専用電話 #9110、または最寄りの警察署
  • 消費生活センター(局番なしの188でつながります)
  • 金融庁 金融サービス利用者相談室(無登録業者や投資勧誘に関する情報提供・相談)
  • 法テラス 0570-078374(弁護士に相談する方法の案内)

何をどの順で準備すればよいか迷う場合は、相談前チェックリストや当サイトの相談予約もご利用ください。

よくある質問

Q. LINEグループで講師をしている著名人が本人かどうか、見分ける方法はありますか?

A. グループの中の情報だけでは見分けられません。本人の公式サイトや所属先、本人名義の公式アカウントで同じ活動を告知しているかを、自分で検索して確かめてください。公式側で「LINEで投資指導はしていない」と注意喚起している例もあります。

Q. グループの参加者が次々に利益報告をしています。本当にもうかっているのでしょうか?

A. 投稿している参加者が実在の人物かどうかは外から確かめられません。成功報告の数や勢いを理由に入金を決めるのは避け、案内された業者が金融庁の登録業者一覧に載っているかを先に確認してください。

Q. LINEで通報したことは相手に知られますか?

A. LINEのヘルプセンターでは、通報しても相手に通知されることはないと案内されています。ただし、対応の結果が通報者に個別に知らされることもありません。

Q. グループ内で紹介された業者の「登録番号」が表示されていれば安心ですか?

A. 番号の表示だけでは判断できません。金融庁の登録業者一覧で、業者名・所在地・登録番号がすべて一致するかを確かめてください。実在の登録業者の名前や番号をかたる例もあるため、連絡は一覧に載っている正規の窓口に自分で行うのが確実です。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。