仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
「自分も毎月配当をもらっている」「紹介すればあなたにもボーナスが出る」。信頼している友人からこう誘われると、疑うこと自体が失礼に思えて、話を最後まで聞いてしまうものです。この記事は、友人経由で配当型の出資を持ちかけられて迷っている人、すでに出資して配当や紹介料を受け取っている人のための記事です。
友人が信頼できることと、その出資先が信頼できることは別の問題です。ここを分けて考えることが出発点になります。誘ってきた友人も、自分では本物の投資だと信じて配当を受け取っている参加者の一人かもしれません。そのうえで、ポンジスキーム型(新しく集めたお金を先の参加者への配当に回す仕組み)の事業が行き詰まると、受け取った配当や、人を誘った行為そのものが後から問題になることがあります。以下では、友人への確かめ方、紹介報酬に関わる法律、配当の返還をめぐる最高裁判決、抜けるときの手順を順に説明します。
内容は2026年9月時点の公的資料と判例をもとにした一般的な解説です。個別の事業者が違法かどうかを決めつける意図はなく、お金が戻ることを保証する内容でもない点をご承知おきください。
消費者庁は2026年9月1日、詐欺的な事業の破綻で多くの消費者が財産を失う悪質商法を念頭に、新たな対策パッケージを公表しました。そこで想定されているのは、多くの消費者に高配当をうたって出資を募り、最後には事業が破綻して被害の回復が難しくなる商法です。消費者庁はこの種の商法について、被害が表に出にくく、いったん発生すると取り戻すのが難しいという特性を挙げ、早い段階での対応が欠かせないとしています。近年の傾向として、海外の金融商品や不動産事業への出資、USBメモリなどの物品を預ける形の契約も出てきていると整理しています。
こうした事業が知人の紹介で広がりやすいのは、配当を受け取っている参加者自身が、何の疑いもなく次の人を誘うからです。紹介すると報酬や配当の上乗せがある設計なら、なおさら勧誘に熱が入ります。誘ってきた友人は悪意を持っているとは限らず、むしろ「良い話を分けてあげたい」という善意で動いていることが多いと考えたほうが、落ち着いて話を聞けます。
逆に言えば、友人の人柄や、友人が実際に配当を受け取っていることは、事業が健全である根拠になりません。配当が出ている時期こそ、仕組みの問題が外から見えにくいからです。
返事をする前に、次の点を友人に尋ねてみてください。答えられない項目が多いほど、友人自身も事業の中身を知らずに参加している可能性が高くなります。
問い詰める口調にすると関係がこじれやすいので、「家族に相談したいから、資料をそのまま見せたい」と伝えるのが角の立たない方法です。
編集部としては、会社名・登録・配当の出どころの三つについて書面が出てこない場合、友人との関係を理由に参加する必要はないと考えます。断るときは「家族と決めたルールで、書面のない投資はしないことにしている」など、友人ではなく自分側の事情を理由にすると後に引きずりません。
紹介料が絡む出資話で、まず知っておきたいのが無限連鎖講防止法です。この法律は、後から加入する人が倍率をもって増えていくことを前提に、先の加入者が後の加入者の出したお金から自分の出した額を上回る金品を受け取る配当組織を「無限連鎖講」(いわゆるねずみ講)と定めています。
| 行為 | 条文 | 罰則の上限 |
|---|---|---|
| 開設・運営 | 第5条 | 拘禁刑3年以下または罰金300万円以下(両方を科すこともある) |
| 業として加入を勧誘 | 第6条 | 1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金 |
| 加入を勧誘 | 第7条 | 20万円以下の罰金 |
第3条は、開設や運営だけでなく、加入すること、加入を勧めること、それらを助長することまで禁じています。表のとおり、単に友人を誘っただけでも罰則の対象になりうる点は見落とされがちです。
ただし、配当型の出資話がすべてねずみ講に当たるわけではありません。形によっては、元本以上の払戻しを示した出資金の受入れを禁じる出資法、ファンドの募集に登録を求める金融商品取引法、商品の販売を伴う場合は特定商取引法の連鎖販売取引(マルチ商法)の規制が問題になります。関わる法律によって取れる手段も違ってくるので、当てはめは消費生活センターや弁護士に任せるのが確実です。商品の購入を伴う紹介ビジネスのクーリング・オフについては紹介報酬つきNFT投資の見分け方と解約で扱っています。
ポンジスキーム型の事業が破綻すると、配当を多く受け取った参加者が、後から返還を求められることがあります。その考え方を示したのが、最高裁判所第三小法廷の平成26年10月28日判決(平成24年(受)第2007号)です。
下級審では請求が退けられ、二審は、違法な仕組みによる給付だから民法708条(不法原因給付)により返還を求められないと判断していました。これに対し最高裁は、この配当金は他の会員が出したお金を原資とするもので、多くの会員が出資額すら取り戻せないまま損失を受けていることなどを踏まえ、会員側が不法原因給付を理由に返還を拒むことは信義則上許されないと判断し、請求どおり2,133万円余りの支払いを命じました。
この判決から読み取れるのは、出資額を上回って受け取った配当は、事業が破綻したとき手元に残せるとは限らないということです。紹介料の扱いは受け取った経緯によって変わりうるため、自分のケースは弁護士に確認してください。いずれにしても、配当や紹介料として受け取ったお金はすぐに使わず、入金日と金額を記録しておくのが賢明です。
運営会社について破産手続が始まると、裁判所が選んだ破産管財人が会社の財産を集め、債権者に配当します。出資者は債権者として届出をすることで、回収された財産からの配当を受けられる可能性があります。また、運営者が詐欺などで刑事裁判を受け、犯罪で得た財産がはく奪された場合には、組織的犯罪処罰法に基づき、検察官が被害者に給付金を支給する「被害回復給付金支給制度」の手続きが開かれることがあります。法務省によると、手続の開始は官報と検察庁のウェブサイトで公告され、申請は定められた期間内に行う必要があります。
出資する前の段階でも相談はできます。消費者庁の対策パッケージは、事業者の信用性に不安を感じた人からの「契約前相談」に積極的に応じる方針を示しています。
友人との関係については、相手を加害者扱いするより、「一緒に確かめよう」と誘うほうが現実的です。友人がすでに多額を入れているなら、友人も被害を受ける側にいる可能性があります。二人分の記録を持ち寄って同じ窓口に相談すれば、経緯の説明も早く済みます。
記録の残し方は証拠の残し方、メールで届く配当停止のお知らせへの対応はメールで届いた出資・配当の案内への対処法、相談前の準備はチェックリストにまとめています。個別の相談は相談予約からどうぞ。
A. あります。ポンジスキーム型の事業は、新しい出資が集まっている間は配当を払い続けられるため、参加者が配当を受け取っていることは健全さの根拠になりません。運営会社、登録、配当の原資を書面で確かめてください。
A. 事業が無限連鎖講(ねずみ講)に当たる場合、同法第7条は加入を勧誘した者を20万円以下の罰金の対象としています。当てはまるかどうかは事業の仕組み次第なので、心配なら勧誘をやめたうえで弁護士に相談してください。
A. 事業が破綻して破産管財人が選ばれた場合、出資額を超える配当の返還を求められることがあります。最高裁は平成26年10月28日の判決で、無限連鎖講の配当について会員が返還を拒むことは許されないと判断しました。受け取ったお金は使わずに記録し、弁護士に確認してください。
A. 「書面のない投資はしないと家族と決めている」など、自分の側のルールを理由にすると角が立ちにくくなります。資料を求めて出てこなければ、それ自体が断る十分な理由になります。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。