電話でパワーストーンを勧められたら|電話勧誘販売の断り方とクーリング・オフ

電話で「あなたの運気が下がっている」「この石で守られる」と勧められて申し込んだパワーストーンは、多くの場合、特定商取引法の電話勧誘販売に当たります。申込みの内容を記した法定の書面が手元に届いてから8日間は、理由を説明しなくても申込みを撤回できます(クーリング・オフ)。また、いったん「契約しません」と断った人に、業者が勧誘を続けたり、日を改めてかけ直したりすることは禁止されています。

この記事は、知らない番号から開運グッズの電話を受けた方、広告を見て無料鑑定に電話したら石を勧められた方、申し込んだ覚えのない石が届いた方に向けて、電話ならではの注意点と対処の順番をまとめたものです。

電話から石の購入につながる2つの入口

消費者庁の特定商取引法ガイドは、電話勧誘販売を「事業者が電話で勧誘を行い、申込みを受ける取引」と説明しています。電話をいったん切った後に、郵便や電話などで申し込んだ場合も含まれます。パワーストーンでは、入口が次の2つに分かれます。

業者からかかってくる電話

過去に占いサイトへ登録した、懸賞に応募した、以前に開運グッズを買った、といった記録をきっかけに電話がかかってくることがあります。「特別に選ばれた」「先生があなたを気にかけている」と切り出し、話の後半で石やブレスレットの購入を勧める形です。

自分からかけさせられる電話

チラシ、雑誌、ネット広告で「無料鑑定」「開運相談」とうたう番号に自分から電話したら、鑑定の途中で数十万円の石を勧められた、という形もあります。特定商取引法は、勧誘のためであることを告げずに電話をかけるよう求めた場合なども電話勧誘販売に含めています。自分からかけた電話でも、この形なら対象になりうるということです。

相手がだれなのかを確かめる

電話口で名乗った会社名や番号は、切った後にインターネットで検索してみてください。会社名で公式サイトが見つからない、サイトに所在地や電話番号の表示がない、同じ番号について注意を促す書き込みが多い、といった場合は、折り返しの電話をかけずに様子を見るのが無難です。相手の番号へかけ直すと、次の勧誘のきっかけを与えることにもなります。

電話で売る業者が守るべきルール

電話勧誘販売には、業者側の義務が細かく定められています。電話の内容をこの表と照らし合わせると、どこがおかしかったのかが整理しやすくなります。

ルール内容条文
名乗る義務勧誘の前に、事業者名、勧誘する人の氏名、売ろうとする商品の種類、契約の勧誘が目的であることを告げる第16条
再勧誘の禁止契約しないと意思表示した人に、そのまま勧誘を続けたり、改めて電話したりしてはいけない第17条
書面を渡す義務申込みや契約の際に、商品、価格、支払い方法、引渡し時期、クーリング・オフの説明などを書いた書面を渡す第18条・第19条
禁止される勧誘事実と違うことを告げる、故意に重要なことを隠す、威迫して困惑させる第21条

名乗らずに占いの話から入った、断ったのに翌週また電話が来た、書面が送られてこない。こうしたことがあれば、日付と一緒にメモしておきます。後で相談するとき、業者の対応を説明する重要な材料になります。

石そのものに加えて、「鑑定料」「祈祷料」といったサービスの代金を電話で申し込ませる場合も、電話勧誘販売のルールは同じようにかかります。石の代金とは別に請求書が来たときは、どの名目でいくら請求されているかを分けて書き出しておくと、どこまでクーリング・オフの通知に含めるかを整理しやすくなります。

その場での断り方と、電話の記録の残し方

電話の勧誘は、相手のペースで話が進み、考える時間を与えられないのが難しいところです。当編集部は、迷っているときほど「その電話では決めない」と最初に決めておくことを勧めます。

断るときの言い方の例

  • 「購入しません。今後、電話もしないでください」
  • 「家族と相談しないと決められないので、この電話では申し込みません」
  • 「書面で内容を送ってください。読んでから、こちらから連絡します」

ポイントは、「いりません」「契約しません」とはっきり言葉にすることです。これを伝えた後の勧誘は、再勧誘の禁止に触れる可能性があります。「運気が」「先生が」と話を続けられても、同じ言葉を繰り返して電話を切ってかまいません。

記録しておくこと

  • 電話があった日時と、表示された電話番号
  • 相手が名乗った会社名と担当者名(名乗らなかったなら、そのこと)
  • 勧められた商品と金額、支払い方法の案内
  • 「不幸が起きる」「今日だけ」など、印象に残った言葉
  • 自分が断った言葉と、その後の相手の反応

通話を録音できる機能があれば、使っておくと言った・言わないを避けやすくなります。メモは電話を切った直後に書くのがいちばん正確です。数日たつと、相手の言い回しや金額の細部を思い出せなくなるからです。スマートフォンのメモでも、カレンダーの予定欄でもかまいません。

申し込んでしまったときのクーリング・オフと取消し

電話で申し込んだ後でも、あわてる必要はありません。まず、手元に届いた書面や商品に同封された紙を探し、受け取った日を確認します。

制度使える場面期間
クーリング・オフ(第24条)電話勧誘販売で申し込んだ・契約した法定の書面を受け取った日から数えて8日以内
過量販売の解除(第24条の2)普通に必要な量を大きく超える数や額の石を買わされた契約から1年
誤認による取消し(第24条の3)事実と違う説明や、重要な事実を隠されたことで誤解して申し込んだ誤認に気づいた時から1年、契約から5年

クーリング・オフの通知は、書面か、メールなどの電磁的記録で送ります。消費者庁は、書面なら特定記録郵便や書留、内容証明郵便などを使い、メールなら送信したメールを保存しておくよう案内しています。業者がクーリング・オフについてうそを言ったり、脅したりして通知をためらわせた場合は、8日を過ぎてもクーリング・オフができます。

8日は法定の書面を受け取った日から数えるため、書面が届いていない、または記載が足りないと感じるときは、期間が過ぎたと自分で判断せず、消費生活センターに確認してください。商品の引き取り費用は業者の負担です。「このままでは家族に災いが」など霊感を根拠に迫られていたなら、消費者契約法による取消しという別の道もあり、その要件は開運商法の手口と取消し・返金の手順の記事で説明しています。

申し込んでいない石が届いた・代引きで届いたとき

電話で「検討します」としか言っていないのに、石やブレスレットが送られてくることがあります。消費者庁によると、売買契約に基づかずに一方的に送られてきた商品は、2021年7月6日以降、受け取った人が直ちに処分できるようになりました。契約は成立していないため、代金を払う必要もありません。誤って払ってしまった場合は、返還を求めることができます。

判断に迷うときの確認

  • 電話で「申し込みます」「お願いします」と言ったかどうか、記録やメモを見直す。
  • 請求書や振込用紙が同封されていても、あわてて払わない。
  • 家族が電話を受けていなかったかを確かめる。

代金引換で届く場合は、受け取りと同時に支払いが発生します。申し込んだ覚えがなければ、配達の人にその場で受け取りを断る方法があります。家族が代わりに受け取って払ってしまった場合も、経緯をメモして188に相談してください。

送り主に連絡する前に

届いた箱に「返品の場合はこちらへ電話を」と書かれていても、すぐにかける必要はありません。電話をすると、そこで改めて購入を勧められることがあります。どうしても連絡が必要なときは、電話ではなく書面やメールで「申し込んでいないので代金は払いません」と伝え、控えを残しておきましょう。

相談先と、電話をかける前の準備

電話勧誘のトラブルは、どの窓口でも「いつ、だれから、何と言われたか」を聞かれます。手元のメモと書面をそろえてから相談すると、やり取りがずっと短くなります。

  • 188(消費者ホットライン):クーリング・オフの通知の書き方、業者との交渉の進め方。まず一番に相談したい窓口です。
  • #9110:「断ったら不幸になる」と脅される、家まで来ると言われた、といった身の安全にかかわる場合。
  • クレジット会社:カードで払った場合は、販売者への通知と並行して連絡します。

高齢の家族あてに電話が繰り返しかかってくるときは、迷惑電話を防ぐ機能のある電話機や、知らない番号に出ない決めごとを家族で話し合うのも一つの方法です。家族の見守りについては高齢の親が開運グッズを買っていたらでも取り上げています。相談の全体像は返金相談の流れをご覧ください。

当編集部の考えとしては、電話で勧められた石は、どれほど魅力的に聞こえても、その電話では買わないのが一番の予防です。本当に必要なものなら、書面で条件を確かめてからでも手に入るはずだからです。

よくある質問

Q. 電話で「はい」と答えただけで、パワーストーンの契約は成立してしまいますか?

A. 口頭でも契約が成立したと主張されることはあります。ただ、電話勧誘販売であれば、法定の書面を受け取った日から8日以内はクーリング・オフができます。何を言ったか思い出せる範囲でメモし、早めに188へ相談してください。

Q. 以前パワーストーンを買った会社から、何度も電話がかかってきます。

A. 「購入しません。電話もしないでください」とはっきり伝えましょう。契約しない意思を示した人への再勧誘は、特定商取引法第17条で禁止されています。伝えた日時を記録し、それでも続く場合は188に相談してください。

Q. 無料鑑定の番号に自分から電話しました。それでもクーリング・オフできますか?

A. 広告やチラシで勧誘目的を告げずに電話をかけるよう求められた場合などは、自分からかけた電話でも電話勧誘販売に当たることがあります。広告の画面やチラシを保存し、188で確認してください。

Q. 届いた書面にクーリング・オフのことが書かれていません。

A. 業者は、クーリング・オフに関する事項を含む書面を渡す義務があります。記載が足りない書面では期間の数え方に影響することがあるため、自分で期限切れと決めず、書面を持って消費生活センターに相談しましょう。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。