LINEグループで誘われた中国系組織による投資詐欺に気づいたときにやること
LINEグループで誘われた中国系組織による投資詐欺に注意が必要なケース n LINEグループで誘われた中国系組織による投資詐欺のような状況に遭遇した場合、その内…
付き合い始めた相手から「私がFXを教わっている先生のグループがあるから入って」とLINEグループに招待された。そうした状況なら、グループの中の発言を「誰がどの役割で話しているか」に分けて読むことを先におすすめします。先生が相場の見通しを語り、アシスタントが個別に口座開設を案内し、ほかの参加者が次々と利益報告を書き込む。この分業が恋人の誘いと一本の線でつながっているなら、入金はいったん止めてください。
国民生活センターは、SNS上の投資グループでFX取引に誘われ、言われるまま毎回ちがう個人の口座へお金を送り、最後は1円も引き出せなくなったという相談を取り上げています。金融庁の注意喚起にも、グループの中で犯人側が何役も演じて「もうかっている人」を装う手口が出てきます。この記事は、恋人経由でグループに入ったばかりの人、まだ入金していないか少額だけ入れた人に向けて、グループの見分け方と抜け方に絞って書きました。恋愛から投資へ話が移る流れ全体はFX投資型の恋愛詐欺の記事で扱っています。
恋愛感情を入口にした投資の誘いでは、最初から大勢のグループに入れられることはあまりありません。まず1対1のやり取りで信頼関係ができ、その後に「私の先生」「叔父がプロだから」といった形で第三者が登場します。国民生活センターが紹介した相談には、マッチングアプリで知り合った女性に「プロ投資家の叔父から教わっているので負けない」と言われ、その指示に沿ってFXを始めた50歳代男性のケースが載っています。
連絡の場としてLINEが使われやすいことは統計にも表れています。警察庁のまとめでは、2025年(令和7年)のSNS型ロマンス詐欺は認知件数が5,645件で、そのうち被害にあった時点でLINEを使っていたケースが5,294件と、9割超を占めています。LINEを使っていること自体は珍しくありませんが、恋人が「二人の話」をグループの話へ移したがるなら、そこが一つの節目です。
「見ているだけでいい」という言葉は、警戒を解くためによく使われます。見ている間に参加者の利益報告を毎日浴びるので、数日後には自分から「始めたい」と言いたくなるように組み立てられている、と考えておくと冷静でいられます。
グループの発言を役割ごとに整理すると、全体がどこへ向かって動いているかが見えてきます。次の表は、相談事例や公的機関の注意喚起で繰り返し出てくる振る舞いをまとめたものです。当てはまる項目が多いほど慎重になってください。
| 役割 | よく見られる振る舞い | 確かめたいこと |
|---|---|---|
| 恋人(招待した人) | グループでは目立たず、個別トークで「先生を信じて」と後押しする | 自分の取引画面や出金の記録を、加工なしで見せてくれるか |
| 先生・講師 | 相場解説や「今日のシグナル」を投稿し、高い勝率を強調する | 氏名や所属、登録を受けた業者の名前を具体的に示しているか |
| アシスタント・秘書 | 個別に連絡してきて、口座開設や入金の手順を細かく案内する | 案内される業者やアプリが、金融庁の登録を受けているか |
| 参加者(メンバー) | 利益の画面を貼り、先生へのお礼を書き込む。疑う発言にはすぐ反論が入る | 損をした報告や、出金に時間がかかった話が一つも出ていないか |
筆者が特に気にしてほしいのは、アシスタント役が個別トークに移ってからの動きです。グループ全体への投稿では抽象的な話しかしないのに、個別になると「今日中に口座を作れば先生の特別枠に入れる」と急がせる場合、グループはあなたを個別の入金へ運ぶための舞台として使われている可能性があります。
利益の画面が毎日のように並ぶと、自分だけ乗り遅れている気持ちになりがちです。ただ、画面の画像は作ることも使い回すこともできます。次の点を一つずつ見ていくと、書き込みの性質がつかみやすくなります。
金融庁の説明でも、グループ内のメンバーの一部は犯人側が用意したアカウントで、うまくいっている様子を演じて入金を後押しする役だとされています。メンバーの数が多いことは、安心材料にはなりません。
グループの雰囲気とは別に、客観的に調べられる材料があります。入金を考える前に、少なくとも次の3つは自分の手で確かめてください。
金融商品取引法第29条は、登録を受けた者だけが金融商品取引業を営めると定めています。無登録での営業は同法第197条第1項第4号の3に当たり、罰則は拘禁刑なら10年以下、罰金なら1,000万円以下で、両方が科されることもあります。金融庁の「金融事業者一括検索」に業者名や電話番号を入れて、登録の有無を確かめましょう。業者の拠点が海外にあっても、日本に住む人を顧客にする以上は登録が要る、というのが金融庁の説明です。
無登録営業を理由に金融庁や財務局が警告書を送った相手の名前は、金融庁のサイトに一覧として載っており、随時更新されています。ただし金融庁自身が、載っていない業者でも無登録営業をしている場合がありうると断っています。一覧にないことは安全の証明になりません。
国民生活センターは、振込先として個人名義の口座を指定された場合は振り込まないよう呼びかけています。登録を受けたFX会社であれば、顧客から預かった資金は信託銀行などへの金銭信託で自社の資産と分けて管理することが求められています。取引のたびに違う個人の口座を指定されるなら、その時点で入金を止める理由になります。
このほか、国内の登録業者が個人向けに扱う店頭FXは、証拠金をレバレッジ25倍以下に抑える規制があります。グループで「100倍」「500倍」といった倍率が宣伝されているなら、国内の登録業者ではない可能性を考えてください。
抜けると決めたら、その前に記録を保存します。後から警察や相談窓口に説明するとき、グループの中身は重要な材料になるからです。保存の基本は証拠の残し方にまとめていますが、LINEグループでは次のものを押さえておくと役立ちます。
LINEの公式ガイドによると、グループから退会すると、そのトークに「〇〇が退会しました」というメッセージが表示されます。つまり、黙って抜けても他のメンバーには伝わります。退会の後に恋人やアシスタントから引き止めの連絡が来ることを想定し、返事を急がないと決めておきましょう。
また、LINEには迷惑なユーザーを通報する機能があり、LINEヘルプセンターは通報しても相手に通知されないと案内しています。記録を保存したうえで、先生役やアシスタント役のアカウントを通報しておくのも一つの手です。
少額でも入金していた場合、次に来やすいのは「利益が出たから追加で」「出金には手数料が必要」という要求です。国民生活センターが紹介した事例では、出金を申し出たところ口座残高の半分を証拠金として求められた相談もありました。追加の支払いで出金が実現する、という前提にはしないでください。出金申請が通らない場面の見極めはLINEグループ経由で出金できないときの記事で詳しく扱っています。
入金の経路が国内の銀行振込なら、送金先の銀行と警察にすぐ伝えると、相手の口座が止められるきっかけになりえます。止められた口座に残っていたお金は、振り込め詐欺救済法に基づいて被害を受けた人たちへ配られる場合があり、対象口座の公告は預金保険機構のサイトで確認できます。
弁護士への相談を考える場合は、当サイトの相談予約から申し込めます。持っていく資料に迷ったら相談前チェックリストを見ながら揃えてください。
A. 入っただけでお金が動くことはありません。ただ、アシスタント役から個別に連絡が来やすくなります。記録を保存したうえで退会し、口座開設や入金の案内には応じないでください。
A. グループの中で本人確認をするのは難しいのが実情です。本人の公式サイトや認証済みのSNSで、LINEグループを運営しているかどうかを確かめてください。案内された業者が金融庁の登録を受けているかも、あわせて金融事業者一括検索で確認できます。
A. 気持ちの整理はご自身で決めてかまいません。ただ、相手が投資の話を続けるなら、お金の話には応じないと決めておくことをおすすめします。やり取りは消さずに残しておいてください。
A. LINEヘルプセンターは、通報しても相手に通知されないと案内しています。一方、グループを退会すると「退会しました」という表示がトークに出ます。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。