ロマンス詐欺で送金してしまった場合の返金と対処法
ロマンス詐欺でお金を送金してしまった場合、できるだけ早く行動することが回収の可能性を高めます。銀行振込なら「組戻し」、クレジットカードなら「チャージバック」が有…
「ロマンス詐欺に遭うのは、寂しい高齢の女性」というイメージを持っている人は多いかもしれません。けれども警察庁の統計を見ると、実際の被害者像はかなり違います。この記事は、自分や家族が被害に遭ったかもしれない人に向けて、公表データから見える被害者の実像と、被害に気づいてから生活を立て直すまでの道のりを時期ごとに整理したものです。
なお、当サイトは作られた体験談を載せません。事例として紹介するのは、警察庁が公表している事例の要約だけです。被害に遭った方の心の動きについてはロマンス詐欺の被害者心理で別にまとめています。
警察庁が2026年6月に公表した確定値によると、令和7年(2025年)の1年間に警察が認知したSNS型ロマンス詐欺は5,645件、被害の合計額は546.4億円でした。前年比で件数は47.6%、金額は36.3%の増加です。主な数字を表にまとめます。
| 項目 | 令和7年の数字 |
|---|---|
| 性別 | 男性3,633件・328.7億円、女性2,012件・217.7億円(男性が件数・被害額とも約6割) |
| 年齢層 | 男女とも幅広い年代に及ぶが、40代から60代が多数 |
| 出会いの入口 | マッチングアプリが1,846件で最も多く、Instagram 1,288件とFacebook 1,049件がそれに続く。3つで全体の約7割 |
| お金を送った時点の連絡手段 | 9割以上(5,294件)がLINE |
| 相手が名乗った身分(地域) | 日本(国内)が3,461件で約6割 |
| 相手が名乗った職業 | 投資家627件、会社員507件、会社役員378件など |
| 暗号資産を送らされた型 | 2,177件・247.7億円(件数は前年の約2.8倍、被害額は約2.9倍) |
表からは、被害者の中心が「スマホで日常的にSNSやアプリを使う、働き盛りの世代」であることが読み取れます。また、1件あたりの被害額は単純計算で約968万円になり、少額で終わらず積み上がっていく傾向もうかがえます(警察庁の件数と被害額から当サイトで計算)。
数字は警察が認知した件数で、相談に至っていない被害は含まれません。実際の被害はこれより広いと考えるのが自然です。
令和7年は男性の被害が件数でも金額でも女性を上回り、男性の件数は前年から50.4%増えました。男性は「自分がだまされるはずがない」と考えやすく、相談が遅れがちな点にも注意が必要です。
相手が名乗った身分は日本(国内)が約6割でした。日本人の会社員や投資家を名乗り、自然な日本語でやり取りする相手も多いということです。国籍や言葉づかいだけで見分けることはできません。
最も多いのは40代から60代で、仕事や家庭を持つ現役世代が中心です。20代・30代でも、男女を合わせると数百件規模の被害が記録されています。
最初の接触はマッチングアプリが最も多く、InstagramやFacebookが続きます。普段使っている身近なサービスが入口になっているということです。しかも被害時の連絡は9割以上がLINEで、知り合った場所から別のアプリに移された後にお金の話が始まる流れが数字にも表れています。「アプリを移ろう」と言われた時点が、立ち止まるきっかけになります。
SOS47(警察庁の特殊詐欺対策ページ)では、実際にあったロマンス詐欺の事例が紹介されています。3件の要点を抜き出します。
3つの事例には、一度も会っていない、結婚や旅行など2人の将来を理由にお金の話が出る、数百万円単位まで段階的に膨らむという共通点があります。自分の状況と重なる点があれば、今の時点で送金を止めて相談することをおすすめします。
被害に気づいてからの行動を、時期ごとに分けると見通しが立ちやすくなります。全部を一度にこなす必要はありません。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 気づいた当日 | 追加の送金を止める。トーク・プロフィール・投資サイトのURL・振込控えを保存する。振込先の銀行に連絡し、詐欺被害の可能性を伝える。 |
| 1週間以内 | 警察署で被害を相談し、被害届の提出について確認する。送金の一覧表(日付・金額・方法・送金先)を作る。 |
| 1か月以内 | 口座凍結の有無や、振り込め詐欺救済法に基づく公告が出ていないかを確認する。弁護士への相談を検討する。 |
| 数か月以降 | 借入がある場合は返済計画を見直す。家計と生活リズムを整え、心の不調が続く場合は専門の窓口に相談する。 |
銀行振込で送った場合、送金先が犯罪利用口座として凍結されれば、振り込め詐欺救済法にもとづいて、その口座に残ったお金を被害者で分け合う手続きが行われます。分配の申請受付が始まると、預金保険機構のウェブサイトに公告として載ります。凍結の時点で口座のお金が引き出されていれば、分配の原資はありません。暗号資産を送った場合はこの法律の対象外で、取り戻すのは難しいとされています。送金に使った交換業者への連絡と、送信先アドレスや取引IDの記録を早めに行ってください。
クレジットカードで投資サイトやアプリに支払った場合は、カード会社に連絡し、請求の内容を説明して調査を依頼します。どの方法で送った場合も、「いつ・いくら・どこへ」を1枚の表にまとめておくと、銀行・警察・弁護士のどこに相談するときにも同じ資料を使えます。
ロマンス詐欺では、貯金だけでなく借入をして送金してしまう例もあります。お金の面で次の被害を防ぐため、次の点を押さえておきましょう。
弁護士に依頼するかどうかは、相手や口座を特定できる見込み、費用、回収できる可能性のバランスで判断します。当サイトの相談の流れもあわせてご覧ください。
一度被害に遭った人は、別の詐欺に狙われやすくなることがあります。代表的なのが「被害金を取り戻します」とうたう連絡です。国民生活センターは過去に、トラブル解決をうたう探偵業者に調査費を払っても解決しなかったという相談について注意を呼びかけています。公的機関の名前をかたって「救済金」を持ちかける連絡もあります。
見分け方は返金詐欺の記事で詳しく説明しています。
どこに相談すればよいか迷ったら、次の順番で考えると整理しやすくなります。
相談の場では、知り合ったアプリ名、相手が名乗った名前・国籍・職業、送金の一覧表、相手とのやり取りの記録の4点を伝えられるようにしておくと、話が早く進みます。相手の写真や投資サイトの画面も手元にあれば見せてください。弁護士への相談を考えている方は、相談前のチェックリストで抜けがないかを確かめてから相談予約をご検討ください。返金の見込みは個別の事情によって大きく変わり、結果を保証するものではありません。
A. 警察庁の令和7年の統計では、男女とも幅広い年代に被害が及びつつ、40代から60代が多数を占めています。性別では男性が件数・被害額ともに約6割でした。
A. 送金方法と、口座にお金が残っているかどうかで大きく変わります。銀行振込で送った分は、口座凍結後の分配を受けられる可能性がありますが、口座にお金が残っていないと受け取れません。暗号資産で送った場合は取り戻すのが難しいとされています。返金を約束できる手段はないため、早めに銀行・警察に連絡してください。
A. 警察や消費生活センターへの相談は本人だけで行えます。ただ、借入がある場合や心の負担が大きい場合は、信頼できる人に一人だけでも話しておくと、二次被害を防ぐ支えになります。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。