詐欺の加害者が返金したら罪にならない?示談と被害届の関係

この記事の結論

  • 詐欺罪は、だまして財物を交付させた時点で成立します。後からお金を返しても、それだけで罪が消えるわけではありません。
  • 一方で、検察官は被害の回復や示談など「犯罪後の情況」も考えて、起訴するかどうかを決められます(刑事訴訟法248条)。返金や示談が処分に影響することはあります。
  • 「返すから被害届を取り下げて」と言われたら、返金の約束を書面にする前に、弁護士や警察に相談してください。

最終更新日: 2026-10-23

詐欺の相手が特定でき、「全額返すから被害届を取り下げてほしい」と連絡してくることがあります。被害者としては、お金が戻るなら応じたい一方で、約束が守られるか不安になります。刑事手続きと返金の関係を、条文をもとに整理しました(2026年10月23日にe-Gov法令検索で確認)。

返金と罪の関係

ポイント条文
人をだまして財物を交付させた者は、10年以下の拘禁刑刑法246条
詐欺の未遂も罰する刑法250条
検察官は、犯人の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重・情状、犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる刑事訴訟法248条

条文はe-Gov法令検索「刑法」とe-Gov法令検索「刑事訴訟法」にあります。詐欺罪は、親族間の一部の場合を除き、告訴がなければ起訴できない親告罪ではありません。被害届を取り下げても、それだけで捜査が必ず終わるわけではありません。

民事の返金とは別の手続き

だまし取られたお金を返してもらうことは、民事の問題です。詐欺による契約は取り消すことができ(民法96条)、だまし取られた損害の賠償も請求できます(民法709条、e-Gov法令検索「民法」)。刑事の処分が決まっても、お金が自動的に戻るわけではありません。

示談の話が来たら確認すること

相手の特定や開示の手続きは消えた詐欺の相手は特定できる?にまとめています。

よくある質問

加害者がお金を返せば無罪になりますか?

詐欺罪はだまして財物を交付させた時点で成立するため、返金だけで罪がなくなるわけではありません。ただし、検察官が起訴するかを決めるときに、被害の回復などの事情が考慮されることはあります(刑事訴訟法248条)。

「返すから被害届を取り下げて」と言われました。

返金の約束が守られる保証はありません。支払いの前に取下げを求められた場合は特に、弁護士や警察に相談してから判断してください。

示談書にサインする前に何を見ればよいですか?

金額・支払日・支払方法、清算条項の有無、支払いが遅れたときの扱いを確認してください。不安があれば、サインする前に弁護士や法テラスに相談してください。

本記事は一般的な情報提供で、個別の事案で支払義務があるか、返金や処罰が認められるかを判断するものではありません。