SNSの相手と電話した後にサイトで課金|電話勧誘販売に当たるかの確かめ方

SNSで知り合った相手に「声が聞きたい」と言われて電話をした。あるいは、登録したサイトの「担当者」から電話がかかってきた。その電話の中で「今ポイントを買えば会える」「このプランなら確実に連絡先を交換できる」と勧められ、電話を切った後にサイトで支払ってしまった。この記事は、そういう経緯をたどった人のためのものです。

知っておいてほしいのは、電話での勧誘がきっかけの契約には、特定商取引法の「電話勧誘販売」のルールが関わる場合があるということです。消費者庁の解釈では、SNSのメッセージで電話をかけるよう仕向けられたケースも、条件によっては対象になりえます。当たるかどうかは個別の事情で決まるため、最終的な判断は消費生活センターなどの相談先に任せることになりますが、そのためにも通話の記録を早めに残しておくことが大切です。

SNSのやり取りが電話に変わり、電話がサイトの支払いにつながる流れ

SNSで始まったやり取りが電話に移るとき、よく見られるのは次の2つの形です。

  • 相手から電話を求められる:「文字だと気持ちが伝わらない」「番号を送るからかけてきて」と言われ、自分から発信する。
  • サイト側から電話がかかってくる:登録後に「サポート担当」「会員係」などを名乗る人物から着信があり、有料プランやポイントのまとめ買いを案内される。

電話では、画面の文字と違って言われた内容が残りません。「今日だけの特別な条件」「あと少しで会える段階」といった言葉で気持ちを動かされ、通話が終わるとすぐにサイトで購入してしまう。後から見返せるのは、サイトの購入履歴だけ、という状態になりがちです。消費者庁はサクラサイトについて、魅力的な誘いや挑発、脅しには応じないよう呼びかけています。

かかってくる番号が毎回違う、非通知や海外の番号から着信する、といった点も、後で状況を説明するときの手がかりになります。気づいたことは小さなことでも書き留めておきましょう。

電話勧誘販売とは何か:消費者庁の説明から

特定商取引法ガイド(消費者庁)の定義では、電話勧誘販売とは、事業者が消費者に電話をかけて、または特定の方法で消費者に電話をかけさせて、その電話で勧誘を行い、契約の申込みを郵便等で受けたり契約を結んだりする取引をいいます。電話を切った後に消費者が申し込んだ場合も含まれます。

「電話をかけさせる」場合も対象になる

消費者が自分から電話をかけた場合でも、事業者が次のような方法で電話をかけさせていれば、電話勧誘販売に当たります。

  1. 「契約の勧誘をするため」と明かさないまま、電話するよう頼む
  2. 他の人よりずっと有利な条件で契約できると持ちかけて、電話するよう頼む

同ガイドの電話勧誘販売のQ&Aでは、電話をかけるよう求める手段に、SMSや電子メールと並んでSNSのメッセージも含まれると示されています。さらに、SNS上のやり取りで、勧誘目的を伏せて電話するよう求めたと評価できるなら、規制の対象になりうる、という考え方も示されています。

SNSの相手が「ただ話したいだけ」と言って番号を伝え、実際の電話ではポイント購入を勧めてきた、という経緯は、この説明に照らして検討する価値があります。

当たる可能性があるなら、何が変わるのか

電話勧誘販売には、事業者に対する義務と、消費者を守る仕組みが定められています。特定商取引法ガイドに示されている主なものは次のとおりです。

項目内容
勧誘前の名乗り事業者名、勧誘する人の氏名、商品やサービスの種類、勧誘が目的であることを告げなければならない
書面の交付申込みや契約の際、価格・支払いの方法・クーリング・オフの説明などを載せた書面を交付する義務がある
禁止行為うそを言う、大事なことをわざと伏せる、脅して困らせる、といった勧誘は認められていない
クーリング・オフ決められた書面が届いてから8日間は、理由を問わず申込みを撤回したり契約を解除したりできる。通知は紙のほか、メールなどの電磁的記録でもよい
取消しうそを告げられて本当だと思い込み、契約した場合などは、後から取り消せる

8日間の起算点は、法律が定める書面が手元に届いた日です。電話で勧誘されたのに、契約の内容やクーリング・オフの説明が載った書面が一度も届いていない場合は、そのことも相談の場で必ず伝えてください。通知を出すときは、はがきやメールなど後から内容と日付を示せる方法を選び、送った控えを保管しておくのが基本です。

サクラサイトの利用契約がこの取引に当たるかは、電話の内容、誰が電話をかけたのか、サイトとの関係などによって判断が分かれます。「当たるはずだ」と自分で決めて業者と直接やり合うより、記録をそろえて消費生活センターに相談し、どの手段が使えそうかを一緒に検討してもらうほうが確実です。

電話の中身は消えやすい。今から残せる記録

電話勧誘販売に当たるかを検討してもらうには、「誰から、いつ、どんな言葉で勧められたか」が分かる材料が必要です。通話の後でも、次のものは残せます。

  • 着信・発信の履歴:電話番号、日時、通話時間が見える画面をスクリーンショットで保存します。
  • 電話をかけるきっかけになったSNSのメッセージ:番号を伝えてきた投稿やDM、「かけて」と頼まれた文面。電話勧誘販売の検討では、ここが大事な材料になります。
  • 通話内容のメモ:相手が名乗った名前や会社名、勧められた金額やプラン、「会える」「確実」などの言葉。覚えているうちに、日付を入れて書き出します。
  • 通話後に届いたSMSやメール:購入ページのURLや、支払いを促す文面。
  • サイトでの購入記録:電話の何分後に何ポイント買ったかが分かる履歴。
  • 書面の有無:契約内容やクーリング・オフについて書かれた書面やメールを受け取ったか。受け取っていないなら、その事実もメモします。

電話の相手とSNSの相手が同じ人物なのか、サイトとどういう関係なのかは、利用者の側では分からないことがほとんどです。分からない部分は無理に推測せず、「SNSの相手が番号を送ってきた」「サイトの担当を名乗る人から着信があった」と、見たままの事実を書いておけば十分です。

今後また電話がかかってきそうなら、通話を録音できる環境を用意しておくのも一つの方法です。録音できない場合も、通話の直後にメモを取るだけで、記録の価値は大きく変わります。

また電話がかかってきたときの対応

一度支払った人には、追加の購入を勧める電話が続くことがあります。次のように対応を決めておくと、その場で流されにくくなります。

  • 知らない番号や、以前サイトの担当者を名乗った番号には出ない。着信拒否に登録する。
  • 出てしまったら「電話では契約しません」とだけ伝えて切る。理由を説明する必要はありません。
  • 折り返しを求める留守番電話やSMSには応じない。
  • 住所、生年月日、カード番号、口座番号などを電話口で答えない。

SNSの相手から「詳しいことは担当の人が電話で説明する」と別の人物を紹介された場合も、考え方は同じです。紹介のメッセージと、紹介された人物の名前・番号を控えておきましょう。

「今やめると違約金がかかる」「これまでのポイントが無駄になる」と言われても、その場で結論を出す必要はありません。すでにSNSで誘導されたサクラサイトの被害が疑われる状態なら、なおさら追加の支払いは止めてください。

支払った後の動き方と、相談で伝えること

支払ってしまった後は、次の順番で動くと整理しやすくなります。

  1. 追加の購入を止める:カードの登録をサイトから外せるなら外します。
  2. 払った手段ごとの窓口に知らせる:クレジットカードはカード会社へ、銀行振込は振込先の銀行へ、電子マネーは発行元へ、いつ・いくら払ったかを伝えます。
  3. 188に相談する:消費者ホットラインは最寄りの消費生活センターなどにつながります。クーリング・オフや取消しを使えるか、使うならどう通知するかも、ここで確かめるのが安全です。
  4. 脅しや継続的な着信があれば警察にも相談する:#9110は、全国どこからでも地域の警察の相談窓口につながる番号です。

クーリング・オフの通知を自分で出そうと考えている場合も、送る前に相談先で文面や送り先を確かめておくと安心です。サイトの運営者の住所や連絡先がはっきりしないときは、どこへ送るかの判断から一緒に考えてもらえます。

相談では「SNSで番号を伝えられて電話した」「電話の中でポイント購入を勧められた」「その後サイトで支払った」という順番を、日時つきで話してください。電話勧誘販売の観点から検討してもらうための入口になります。国民生活センターのまとめでは、2025年度の出会い系サイト関連の相談が3,399件あり、手続き費用の名目でポイント代を払わせた事例も載っています。証拠のまとめ方はサクラサイト被害の証拠の残し方、窓口の使い方は消費生活センターへの相談の流れ、個別の相談は相談予約からどうぞ。

よくある質問

Q. 自分から電話をかけたのですが、それでも電話勧誘販売になりますか?

A. 契約の勧誘目的を伏せたまま電話するよう頼まれた場合や、特に有利な条件をちらつかせて電話を求められた場合は、自分から発信していても電話勧誘販売として扱われます。SNSのメッセージで求められたケースも含まれうるため、そのメッセージを保存して相談してください。

Q. SNSで知り合った相手の電話でサイトのポイント購入を勧められましたが、書面は何も受け取っていません。

A. 電話勧誘販売の事業者には法定の書面を渡す義務があり、クーリング・オフの8日間もその書面が届いた日から数え始めます。届いていないという事実も大切なので、メモに残して消費生活センターに伝えてください。

Q. 購入ボタンを押したのは自分です。それでも相談する意味はありますか?

A. 電話勧誘販売は、電話を切った後に消費者が申し込んだ場合も対象になる取引です。支払いの操作を自分でしたかどうかだけで、相談の余地がなくなるわけではありません。電話から購入までの流れを記録にして相談してみてください。

Q. 電話の相手が「サイトの管理者」や「弁護士」を名乗っていました。

A. 名乗った肩書きや名前は、そのままメモに残してください。本物かどうかを電話口で確かめるのは難しいため、電話で示された番号にかけ直すのではなく、公的な窓口に相談して確認するのが安全です。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。