インスタDMの「お金配り当選」は本物?なりすまし垢の見分け方と対処

インスタグラムで有名人や企業のアカウントをフォローした後、DMで「お金配り企画に当選しました」「支援金を受け取る手続きをしてください」と届き、本物かどうか迷っている方に向けた記事です。

結論として、当選の連絡をくれたアカウントが本人・公式のものかどうかと、受け取りのためにカード番号や手数料を求められていないかの二点を確かめれば、多くの場合は判断がつきます。この記事では、なりすましアカウントの見分け方を中心に、カード情報を送ってしまった後の動き方まで順に説明します。

インスタの当選DMで多いのは、なりすましアカウントからの連絡

写真・動画共有SNSでの「お金配り」をめぐっては、自治体の消費生活センターが具体的な事例を公表しています。

  • 広島県消費生活センター:写真・動画共有SNSで「当選者に100万円プレゼント」という投稿を見てフォローしたところ当選を知らされ、指示どおりにバーチャルカードを作ってカード情報の画面を送ると、別の動画共有SNSで10万円分が決済された
  • 茅ヶ崎市消費生活センター:偽の芸能人アカウントから「10万円プレゼント企画に当選」と通知され、個人情報とクレジットカード情報を入力した後、身に覚えのない商品がネット通販で届くようになった

どちらも、入口は有名人や人気アカウントに見える「企画」の投稿です。フォローやいいねといった手軽な参加方法で、疑う前に個人的なやり取りへ進んでしまう点が共通しています。

本物のアカウントかどうか、画面で確かめる5つの点

当選を知らせてきたアカウントをすぐに信じず、次の点を順に見てください。一つでも引っかかれば、返信は止めておくのが無難です。

  1. ユーザーネームの綴り:本物の公式アカウントと一文字だけ違う、末尾に数字や「_official」「_prize」が付いている
  2. アカウントの経歴:アカウントの詳細情報(「このアカウントについて」)を開けば、作成された年月や拠点となる国が確認できます。最近作られたばかり、名前を何度も変えているといった場合は注意
  3. 投稿とフォロワー:投稿がほとんどない、本物の画像を寄せ集めただけ、フォロワーが極端に少ない
  4. 当選の伝え方:本物の企画なら、応募要項に当選連絡の方法が書かれています。要項に書かれていない別アカウントからのDMは、それだけで疑う理由になります
  5. 外への誘導:LINEや別のサイトに移るよう言われる、見慣れない短縮URLが送られてくる

いちばん確かなのは、DMの相手ではなく本物のアカウントの投稿やプロフィールに書かれた案内を自分で探して照らし合わせることです。偽アカウントからのDMについて注意を呼びかける投稿を、本物の側が出していることもあります。

本物のプレゼント企画と、当選をかたるDMの違い

企業や有名人が本当にプレゼント企画を行うこともあるため、「企画があること」自体を疑う必要はありません。違いが出るのは、当選した後の手続きです。

確かめる点本物の企画でよくある形当選をかたるDMでよくある形
当選の連絡応募要項に書かれた方法(本物のアカウントからのDMなど)要項にない別アカウントや、似た名前のアカウントから届く
聞かれる情報賞品の送り先など、渡すのに必要な範囲カード番号と裏面のコード、口座の暗証番号、身分証の写真
お金のやり取り当選者が費用を負担することは通常ない受取手数料・登録料・税金などの先払い
期限の付け方要項に書かれた期日「今日中に」「30分以内に」と急がせる

表の右側に一つでも当てはまったら、その場で手続きを進めず、本物のアカウントや公式サイトで企画の内容を確かめ直してください。

「カード情報で入金する」という説明は成り立たない

当選を知らされた後によく出てくるのが、「当選金をカードに入金するので、カード番号・有効期限・裏面のセキュリティコードを送ってください」という依頼です。広島県の事例では、バーチャルカードを新しく作らせ、その画面のスクリーンショットを送らせています。

お金を振り込むだけなら、振り込む側が受取人のカードの裏面コードまで知る必要はありません。番号・期限・コードの三つがそろえば、ネット上で買い物ができてしまいます。広島県消費生活センターも、これらを第三者に伝えるとカードが悪用され、身に覚えのない請求が届くと警告しています。

三重県伊勢市のセンターも、動画SNSで持ちかけられたお金配りの相談を紹介したうえで、お金配りをうたうアカウントはすべて偽物と考えるよう呼びかけています。また、自分でカード番号を教えた場合は、カード会社の補償の対象にならないことがある点にも注意が必要です。

送ってしまった後、最初の一時間でやること

カード情報や個人情報を送ってしまったと気づいたら、次の順で動いてください。

  1. カード会社に電話する:カード裏面の番号に連絡し、第三者に情報を伝えたことを話して、利用停止と再発行を依頼します。バーチャルカードやプリペイド型のカードも、発行したアプリや会社で停止できるか確かめます
  2. 利用明細を確認する:すでに決済されていたら、日時・金額・加盟店名を控え、身に覚えがないことを伝えます
  3. 決済先のサービスに連絡する:広島県の事例のように、別のSNSやゲームで決済されていたら、その運営会社の問い合わせ窓口にも状況を伝えます
  4. インスタのパスワードを変える:DMのリンクからログイン画面に入力していた場合は、パスワードの変更と二段階認証の設定をすぐに行います

運転免許証などの写真まで送っていた場合は、それを使った契約や口座開設に注意が必要です。警察や消費生活センターに相談するときに、何を送ったかを具体的に伝えてください。

手数料を払ってしまった場合の考え方

カード情報ではなく、「振込手数料」「受取登録料」として電子マネーや振込でお金を払ってしまった場合は、支払いに使った手段ごとに窓口が変わります。コンビニで買ったギフトカードなら発行会社へ、銀行振込なら振り込んだ側の銀行へ、なるべく早く連絡します。

払った直後に「確認が取れました。あとは税金分だけです」「システムの都合で保証金が必要になりました」と連絡が来るのは、この手口でよく見られる展開です。相手は、払った人が引き返しにくくなる心理をよく知っています。追加の請求には応じず、やり取りを保存したうえで相談窓口に連絡してください。取り戻せるかどうかは状況によって大きく違い、確実な方法があるわけではありません。

家族のスマホに当選DMが届いていたら

お金配りの投稿は、フォローやリポストだけで参加できる手軽さから、SNSをよく使う若い世代の目にも触れやすいものです。子どもや親がDMのやり取りを始めていると気づいたときは、次の点を落ち着いて聞き取ってください。

  • どのアカウントの、どの投稿を見て参加したのか
  • DMで何を聞かれ、何を送ったのか(名前・住所・生年月日・カード・身分証の写真など)
  • アプリの登録や、カードの新規発行を指示されていないか
  • すでにお金を払ったり、買い物のコードを伝えたりしていないか

叱られると思うと、送った情報を隠してしまうことがあります。「まず止めることが大事で、責めるつもりはない」と伝えてから聞くほうが、正確な情報が集まります。未成年の子が親のカードを使っていた場合は、カード会社への連絡を保護者が行ってください。

DMの報告・ブロックと、なりすまされた本人への知らせ方

やり取りを画面に残したら、インスタのアプリからメッセージやアカウントを報告し、ブロックします。報告は、なりすまされている本人でなくても行えます。

インスタグラムを運営するMetaは、Facebookのヘルプページで、知り合いや政府機関などを装うアカウントが当選をかたり、前払いを条件に賞金を渡すと持ちかける「宝くじ詐欺」を典型例として挙げ、知らない相手からの当選通知を疑うよう案内しています。インスタでも同じ注意があてはまります。

なりすまされている有名人や企業には、本物のアカウントへのコメントや公式サイトの問い合わせ窓口から、偽アカウントの存在を知らせることもできます。本物の側が注意喚起を出せば、ほかのフォロワーの被害を防ぐことにつながります。報告の前にどの画面を撮っておくべきかは、証拠の残し方で具体的に挙げています。

相談先と、伝えるときに用意するもの

  • 消費者ホットライン188:お金を払った、個人情報を送った、どちらの相談もできます
  • 警察相談専用電話 #9110:カードの不正利用や脅しを受けている場合
  • カード会社・決済アプリの運営会社:利用停止と不正な請求の調査

相談の際は、相手のユーザーネーム(表示名ではなく@から始まるもの)、DMの画面、フォローするきっかけになった投稿、送った情報の一覧、決済の明細をそろえておくと話が早く進みます。ほかのSNSで届く当選の知らせとの違いは支援金当選通知の手口と対処法、Xで届くPayPayの当選話はXのPayPayプレゼント・当選DMでも取り上げています。

よくある質問

Q. インスタの認証バッジが付いたアカウントからのDMなら安心ですか?

A. バッジは本人確認の目安にはなりますが、DMの相手が本当にそのアカウントかは、ユーザーネームの綴りまで見ないとわかりません。本物の投稿に書かれた当選連絡の方法と照らし合わせてください。

Q. 当選の受け取りにバーチャルカードを作るよう言われました。

A. 広島県消費生活センターは、バーチャルカードを作らせてカード情報の画面を送らせ、別のSNSで決済された事例を公表しています。作った場合は画面を送らず、発行元のアプリで停止してください。

Q. DMに返信しただけでも危ないですか?

A. 返信しただけで直ちにお金が引き出されるわけではありませんが、反応がある相手として別の勧誘が続くことがあります。以後は返信せず、報告とブロックをしておくのが無難です。

Q. カード番号を伝えてしまいましたが、まだ請求は来ていません。

A. 請求が来る前でもカード会社に連絡し、停止と再発行を頼んでください。番号・期限・セキュリティコードがそろっていれば、いつ使われてもおかしくない状態です。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。