Tinderの相手にLINEの投資グループへ招待されたら|サクラの見分け方と抜け方

Tinderでマッチした相手とLINEでやり取りするようになり、「一緒に勉強しよう」と投資のグループに招かれた。こうした流れは、警察庁が示すSNS型ロマンス詐欺・投資詐欺の典型に重なります。結論から言うと、招待されたグループでは発言せず、画面を保存してから通報・退出し、お金を入れていればすぐに振込先の銀行と警察に連絡するのが安全です。

この記事では、Tinderから始まった関係がLINEの投資グループへつながるまでの流れ、グループの中で見られやすい役割分担、抜ける前にやっておくこと、支払ってしまった場合の連絡先を順に説明します。Tinder自体は正規のサービスであり、ここで扱うのは、その利用者を狙って外へ連れ出そうとするアカウントです。

Tinderから投資グループに行き着くまでの流れ

警察庁のSOS47「SNS型ロマンス詐欺」のページでは、手口の一例として次の7段階が示されています。Tinderに当てはめると、どの時点にいるのか確かめやすくなります。

  1. マッチングアプリやSNSでやり取りが始まる
  2. 別のサービス(多くはLINE)で話そうと持ちかけられる
  3. 恋愛感情を抱かせるメッセージが続く
  4. 投資サイトを案内され、始めるよう勧められる
  5. さらに大きな金額を入れるよう勧められる
  6. 引き出そうとした段階で、名目を変えながら送金を求められる
  7. 連絡が取れなくなる

警察庁の事例に出てくる誘い文句

警察庁が紹介している事例には、「2人の将来のために投資でお金を貯めよう」「2人で旅行に行きたい」と将来の話に結びつけて投資を勧めるものや、グループチャットで「チャットの参加者はみな利益を得ています」「投資用アプリをインストールして下さい」と促すものがあります。恋愛の話題と投資の話題が同じ会話の中で混ざり始めたら、それ自体を注意のサインと受け止めてください。

1対1から「グループ」へ広がる形

1対1のトークで投資の話が出た後、「私が教わっている先生のグループがある」「仲間と情報交換している」と、複数人のグループに招かれる形もよく見られます。LINEの公式ガイド「投資に勧誘された…それ、詐欺です!」でも、SNSやマッチングアプリなど外部のサービスで知り合った相手から投資を持ちかけられる例と、著名人や投資家になりすました人物に投資グループへ招待される例の両方が紹介されています。

Tinderの安全ガイドによれば、Tinder上のメッセージは運営のTrust & Safetyによる検知を受けるので、悪意を持つ人ほど外部の連絡手段へ早めに移りたがる傾向があります。LINEへの移動と投資の話の両方がそろったら、関係の深さに関係なく一度立ち止まることをおすすめします。

グループの中で見られやすい役割分担

警察庁のSOS47「SNS型投資詐欺」のページでは、グループに招待された後の流れとして、もうかっているという投稿をするサクラ、投資家やそのアシスタントを名乗る人物からの振込指示、偽の利益の表示と少額の払い戻し、全額を引き出すための手数料の要求、突然の連絡断絶が挙げられています。これをグループ内の登場人物に置き換えると、次のようになります。

名乗る立場グループでの振る舞い見るべき点
先生・講師相場の見通しや銘柄を毎日投稿する金融庁に登録された業者かを示さない
アシスタント・秘書個別にトークを送り、口座開設や入金を案内する振込先が個人名義や、毎回違う口座になる
参加者「今日も利益が出た」と画像つきで報告する発言者が数人に偏り、反論や質問がない
Tinderの相手「私もこれで増やした」と背中を押すグループの話になると恋愛の話題が減る

グループの人数が多く、にぎやかであるほど本物らしく見えますが、人数や投稿量は信頼の根拠になりません。警察庁の事例にも、サクラが多数いる投資グループに加入して1億円以上を失ったケースが載っています。

取引アプリやサイトの「利益」を信じる前に確かめること

グループに入ると、専用の取引アプリやサイトを入れるよう案内されることがあります。画面上では入金額が増えていき、最初の少額の出金には応じてもらえるため、仕組みを信じやすくなります。確かめたいのは次の3点です。

  • 運営業者が登録を受けているか:金融庁は、登録を受けずに金融商品取引業を行う者の名称を公表しています。業者名が分からない、登録番号を尋ねてもはぐらかされる、という場合はそれ自体が判断材料になります。反対に名前が分かっているなら、金融庁が公開している免許・登録業者の一覧と照らし合わせてみてください。一覧に見当たらない、あるいは実在の会社に似せた名前を使っていると感じたときは、金融庁の金融サービス利用者相談室に問い合わせることもできます。
  • アプリの入手元:公式ストア以外のリンクやファイルから入れるよう言われたら、入れずに止めてください。
  • 出金の条件:「全額を出すには税金・手数料・保証金が先に必要」と言われたら、その支払いは送らないでください。警察庁も、出金しようとすると名目を変えて送金を求められる流れを繰り返し紹介しています。

警察庁の令和7年の確定値では、SNS型投資詐欺の認知件数が9,523件、被害額が1,288.0億円でした。被害時の連絡ツールはLINEが8,906件と9割を超えています。LINEが悪いという意味ではなく、信用させてからお金を動かす場面でよく使われている、という数字です。

グループを抜ける前に保存しておくもの

退出やブロックをすると、トークやメンバーの一覧を見返せなくなる場合があります。先に次のものを残してください。

  • Tinderの相手のプロフィール画面(名前・年齢・自己紹介・写真)と、Tinder上の会話
  • LINEの1対1トークと、投資グループのトーク(トーク履歴をテキストで保存できる機能もあります)
  • グループ名、参加人数、先生・アシスタントを名乗る人のアカウント名とID
  • 取引アプリ・サイトの名前、URL、ログイン後の残高や取引履歴の画面
  • 振込先の銀行名・支店名・口座名義、振込日と金額、暗号資産の送付先アドレス

保存が済んだら、グループ内では発言せずに通報し、それから退出してください。LINEの通報は、グループのトーク画面を開いて右上のメニュー[≡]から[設定]、[通報]と進めば送れます。LINEのガイドによると、通報した事実が相手に知らされることはありません。Tinder側でも、マッチ済みの相手はトーク画面の盾アイコンから報告できます。アプリの外で起きたことでも、Tinderで出会った相手が関わっていればコミュニティガイドラインの対象になると明記されているので、両方に知らせておくとよいでしょう。証拠の整理は証拠の残し方にまとめています。

お金を入れてしまった場合の連絡先|支払い方法で変わる

入金してしまったときは、支払い方法ごとに急ぐ相手が違います。

銀行振込

振込先の銀行に「詐欺の被害にあったかもしれない」と連絡し、警察にも相談します。口座が凍結された場合、そこに残っている資金から、振り込め詐欺救済法の手続きで被害回復分配金を受け取れる可能性があります。凍結された口座の情報は預金保険機構のウェブサイトに順次載ります。ただし残高がなければ分配はなく、全額が戻るとは限りません。

暗号資産

送った後で取り戻すのは難しいのが実情です。購入に使った国内の交換業者に経緯を伝え、送付先のアドレスと日時を控えて警察に相談してください。

電子マネー・クレジットカード

電子マネーはカードの番号を渡した直後なら、発行元に利用停止を頼める場合があります。クレジットカードで払った場合はカード会社に連絡し、請求の内容を確認してもらいます。

どの方法でも、「取り戻してあげる」と近づいてくる別の業者や、グループの別メンバーからの連絡には応じないでください。相談窓口の選び方は相談の流れ、同じ相手が別の連絡先から来る場面はインスタへ誘導されたときの記事も参考になります。

Tinderの相手を疑いたくないときの考え方

長くやり取りしてきた相手ほど、「この人に限って」と思いたくなるものです。その気持ちを否定する必要はありません。そのうえで、次の2つだけは相手がどう言っても譲らないと決めておくと、判断がぶれにくくなります。

  • 会ったことのない相手に勧められた投資には、お金を入れない
  • 出金のために追加でお金を払うよう言われたら、払わずに誰かに相談する

本当に好意を持っている相手なら、投資を断っても関係は続くはずです。断った途端に連絡が減る、怒る、急かすといった反応があれば、それも判断材料になります。迷いが消えないときは、マッチした日、LINEに移った日、投資の話が初めて出た日、最初に入金した日を紙に書き出してみてください。日付を並べると、関係が深まる速さとお金の話が出る速さを冷静に見比べられます。家族や友人に話しにくい場合は、警察の相談専用ダイヤル(#9110)や188番の消費者ホットラインに今の状況を話すところから始めても構いません。無料の相談予約も用意しています。

よくある質問

Q. Tinderで知り合った相手とLINEを交換しただけで危ないのですか?

A. 交換しただけで被害にあうわけではありません。ただ、Tinderの安全ガイドは、悪意のある利用者ほど早くTinderの外へ移ろうとすると注意しています。LINEに移った後で投資やお金の話が出たら、慎重に扱ってください。

Q. 投資グループで実際に少し出金できました。本物ではないのですか?

A. 少額の出金に応じるのは、信用させて大きな入金を促すための手順として警察庁が紹介している流れと同じです。少額が戻ったことは、運営業者が信頼できる根拠にはなりません。

Q. グループを抜けたら、相手に気づかれて怒られませんか?

A. 退出は相手に表示されることがありますが、応じる義務はありません。先に画面を保存し、発言せずに通報してから退出してください。LINEの説明では、通報したことは相手に伝わりません。

Q. 出金のための手数料だけ払えば、お金は戻りますか?

A. 払っても戻る保証はなく、次の名目で追加の支払いを求められる例が多く報告されています。払う前に、#9110(警察)か188(消費生活センター)へ連絡してください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。