中高生がビデオ通話の録画で脅されたら|本人と保護者がすぐできることと相談先

この記事は、ビデオ通話で映った姿を録画され、「親や学校にばらす」「ネットに流す」と脅されている18歳未満の人と、そのことを知った保護者に向けて書いています。

最初に、中高生のあなたに伝えたいことがあります。悪いのは、子どもにそういう映像を求めて脅している大人の側です。18歳未満の人の性的な画像や動画は法律上「児童ポルノ」にあたり、政府広報オンラインは、製造や所持に加えて、それを求める行為や転送する行為も処罰の対象になると説明しています。あなたは法律に守られる側にいます。お金を払ったり、言われるままに新しい映像を送ったりせず、今日のうちに大人か相談窓口に話してください。

保護者の方は、叱るより先に「話してくれてよかった」と伝えることから始めてください。その一言で、この後の対応が大きく変わります。

数字で見る|子どもが自分で撮らされる被害

警察庁の統計によると、令和6年に児童ポルノ事犯の被害にあった子どもは1,265人でした。そのうち462人(36.5%)が「児童が自らを撮影した画像に伴う被害」、つまりだまされたり脅されたりして、自分の裸などを撮って送らされた被害です。

学年など人数(令和6年)割合
小学生54人11.7%
中学生253人54.8%
高校生147人31.8%
その他8人1.7%

半数以上が中学生です。政府広報オンラインは、女子中学生がSNSで知り合った男性モデルになりすました男に誘導され、裸の画像を送らされた例を紹介しています。男の子が狙われることもあり、同じ統計では被害児童全体の1割あまりが男子でした。「自分だけがこんな目に遭っている」と思う必要はありません。

YouTube・ゲーム・SNSでの誘われ方

子どもへの接触は、大人向けの出会いの場とは違う入口から始まることがあります。

  • 配信者やスタッフを名乗る。YouTubeのコメントやDMで「限定企画に参加しませんか」「本人確認のためにビデオ通話を」と誘い、個別のやり取りに移します。
  • 同年代の友だちを装う。ゲームのボイスチャットやSNSで、同じ学年のふりをして仲良くなり、「見せ合いっこしよう」と持ちかけます。
  • モデルやスカウトを名乗る。「オーディションの審査」「体型の確認」を理由に、服を脱ぐよう求めます。
  • プレゼントやお金で釣る。ゲームのアイテムやギフトカードを先に渡し、「お返し」を求めます。

通話の途中で画面を録画され、終わった直後に態度が変わるのが典型です。いろいろな接触経路の特徴はビデオ通話後の脅迫の見分け方にもまとめています。

中高生のあなたへ|今すぐやる4つのこと

  1. 返事をしない、お金も映像も送らない。「今すぐ払え」「もう1回だけ通話しろ」と言われても応じないでください。応じると、相手の持つ材料が増えるだけです。
  2. 画面を残す。相手の名前やID、脅しのメッセージをスクリーンショットで残します。自分が映った映像は保存し直さなくて大丈夫です。
  3. 大人に一人だけでいいから話す。親に言いにくければ、きょうだい、祖父母、学校の先生、保健室の先生、部活の顧問でもかまいません。
  4. 話せる大人がいなければ窓口に電話する。名前を言わなくても相談できる窓口があります。この記事の最後にまとめています。

「親に知られたら怒られる」「スマホを取り上げられる」と思うと、言い出せなくなりますよね。でも、相手はあなたが誰にも言えないことを利用しています。大人に話した瞬間、相手の一番の武器はなくなります。

相手がこう言ってきても、あなたは悪くない

  • 「お前も同意しただろう」…だまして撮らせた側に責任があります。
  • 「警察に行ったらお前も捕まる」…あなたを黙らせるための脅し文句です。警察は被害に遭った子どもの話を聞く窓口を用意しています。
  • 「親に言ったら全部流す」…言っても言わなくても、流すかどうかは相手次第です。だからこそ味方を増やしましょう。

保護者が知ったとき|最初の一言と、やってはいけないこと

子どもから打ち明けられたとき、保護者自身も強いショックを受けます。それでも、最初の数分の対応は子どもの記憶に長く残ります。

最初にかけたい言葉

  • 「話してくれてありがとう。あなたは悪くない」
  • 「一緒に解決しよう。一人で抱えなくていい」

避けたい対応

  • 問い詰める。「なぜそんなことを」と責めると、次に困ったとき相談してもらえなくなります。
  • 記録を残す前にスマホを取り上げる、アプリを消す。証拠が失われるおそれがあります。先に画面を保存してください。
  • 保護者が相手とやり取りする。親が名乗って交渉すると、要求が親に向かうことがあります。返信はせず警察に任せます。
  • お金を払って終わらせる。子どもを守りたい気持ちからでも、支払いは追加の要求につながりがちです。
  • 保護者が映像を探して転送する。確認のためでも、18歳未満の性的な映像を保存・転送することは避け、場所(URL)を控えるだけにとどめてください。

その日のうちに保護者がすること

  1. 子どもと一緒に、相手のアカウントと脅しのメッセージを保存する
  2. 相手への返信を止め、子どもにも返信しないよう伝える
  3. 警察の少年相談窓口か#9110に連絡し、相談の日時を決める
  4. 映像が投稿されていないか、URLだけを控える形で確認する(探す作業がつらければ警察に任せる)

保護者自身が眠れなくなるほど動揺することもあります。支える側も一人で抱えず、下の窓口を使ってください。

拡散を防ぐ|Take It Downと削除依頼

18歳未満のときに撮られた性的な画像や動画には、Take It Downという仕組みが使えます。運営しているのは、子どもの搾取被害に取り組む米国の非営利団体NCMECです。Metaの協力で2024年に日本語版が始まりました。

  • 手元の画像や動画から「ハッシュ値」という数値だけを作って登録し、映像そのものは送らない
  • 参加している企業は、この数値をもとに同じ映像を見つけて取り下げ、再投稿も防ぐ
  • 年齢を問わず誰でも使え、大人になってから、未成年だった頃の画像について申請することもできる

すでにネット上に載っている場合は、セーファーインターネット協会の「セーフライン」に削除依頼を頼めます。セーフラインは、児童の場合は保護者からの通報も受け付けています。手順の詳細は録画を流されたときの削除依頼の手順を読んでください。

学校に伝えるかどうかの考え方

「学校にばらす」と脅されている場合や、同じ学校の子が関わっていそうな場合は、学校に伝えておくことも検討してください。担任や養護教諭、スクールカウンセラーなど、子どもが話しやすい相手を選ぶと負担が軽くなります。

伝える範囲は保護者と子どもで話し合って決めてかまいません。「ネット上で脅されていて、警察とも話をしている。もし学校に変な連絡があれば教えてほしい」という程度の共有でも、万一のときの対応が早くなります。子ども本人が嫌がる場合は、先に警察や相談窓口に伝え方を相談する方法もあります。

これからのために|家庭で決めておきたいスマホのルール

落ち着いたら、同じことを繰り返さないための話し合いも大切です。ただし、被害の直後に「だからスマホは禁止」と罰のように伝えると、次に困ったとき相談してもらえなくなります。守るためのルールとして、一緒に決めてください。

政府広報オンラインは、家庭で話し合っておきたいルールとして次のような項目を挙げています。

  • 個人が特定される情報を書き込まない
  • 知らない人と電話やメッセージのやり取りをしない
  • 下着姿や裸の写真は撮らない、撮らせない
  • 困ったことがあれば、すぐ保護者に相談する
  • ルールを守れなかったときにどうするかも決めておく

あわせて、携帯電話会社のフィルタリングを年齢に合わせて設定することもすすめられています。「困ったら話してね、怒らないから」という約束を、ルールの一番上に置いておくと、子どもが次に助けを求めやすくなります。

子どもと保護者が使える相談窓口

  • 警察の少年相談窓口(ヤングテレホンコーナーなど):都道府県警察ごとに設けられ、専門の担当者が話を聞き、対処を一緒に考えてくれます。
  • #9110:警察の相談専用電話です。脅しが差し迫っているときは110番へ。
  • 文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」:電話番号は0120-0-78310(なやみいおう)。夜間や休日も含め24時間、子どもも保護者も無料で相談できます。
  • こどもの人権110番(0120-007-110):法務省の窓口で、最寄りの法務局につながります。平日8時30分から17時15分です。
  • #8891:性犯罪・性暴力の被害者を支えるワンストップ支援センターにつながります。
  • Cure Time:性暴力に関する内閣府のSNS相談で、年齢や性別を問わず、毎日17時から21時に匿名でチャット相談ができます。

電話が怖ければチャットやSNSの窓口から始めても大丈夫です。どこか一つにつながれば、必要な窓口を教えてもらえます。

保護者の方も、子どもを支えながら自分の気持ちを誰かに聞いてもらってください。上の窓口の多くは、保護者からの相談も受け付けています。

よくある質問

Q. 自分で撮って送ってしまいました。自分も捕まりますか?

A. だまされたり脅されたりして撮らされた子どもは、警察の統計でも「被害児童」として数えられ、守られる立場です。責任を問われるべきは、子どもに映像を求め、持ち、脅している側です。怖がらずに、大人や警察の少年相談窓口に話してください。

Q. 親にだけは知られたくありません。それでも相談できますか?

A. できます。0120-0-78310の子供SOSダイヤルやCure Timeなど、名前を言わずに相談できる窓口があります。誰に話すかも、窓口の人と一緒に考えられます。

Q. YouTubeの配信者を名乗る相手でした。本人かどうか確かめたほうがよいですか?

A. 確かめる必要はありません。本人でも偽物でも、ビデオ通話を録画して脅すこと自体が問題です。相手にはもう返信せず、画面を残して大人と警察に相談してください。

Q. 保護者として、子どものスマホを見て映像を確認すべきですか?

A. 映像そのものを開いたり保存したりする必要はありません。相手のアカウント、脅しのメッセージ、映像が載った場所のURLを控えれば十分です。18歳未満の性的な映像は、確認のためでも転送しないでください。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。