長崎県で詐欺の振込先口座を凍結してもらうには|離島からの相談先も

口座凍結申請の方法について弁護士監修の一般情報として解説します。口座凍結の具体的な手順と注意点をまとめました。

長崎県内で詐欺の相手に振り込んでしまったときは、振込先の金融機関へ取引停止を依頼する電話と、警察への被害申告をできるだけ同じ日に済ませるのが基本です。長崎県警の分析では、2025年の被害272件のうち171件(62%)が振込型でした。振込型であれば、口座に残ったお金を凍結で確保できる余地があります。

この記事では、県警の相談電話と詐欺専用のフリーダイヤル、長崎市と県の消費生活センター、そして五島・壱岐・対馬などの島から相談するときの窓口を並べました。いずれも2026年9月26日に各機関のサイトを開いて確認した内容です。全国共通の救済制度の説明は別ページに任せています。返金を保証するものではありません。

長崎県の2025年の被害:過去10年で最悪、振込型が6割

長崎県警察が公表した「令和7年中ニセ電話詐欺被害実態」(暫定値)では、県内の被害は272件、被害総額は約11億4,374万円でした。前年より90件、金額で約8億3,480万円増え、過去10年で最悪とされています。

  • 手口別:オレオレ詐欺127件(被害額約9億3,375万円)、架空料金請求詐欺77件、還付金詐欺39件
  • お金の渡し方:振込型171件(62%)、現金手交型55件(20%)、電子マネー型20件(7%)
  • 犯人からの最初の連絡:固定電話104件(38%)、携帯電話79件(29%)、パソコン等のポップアップ表示43件(16%)

SNS型投資・ロマンス詐欺は別に集計されていて、2025年は205件・約13億9,110万円でした。

「ニセ電話詐欺」から「特殊詐欺」へ呼び名が戻った

長崎県警は2022年から特殊詐欺を「ニセ電話詐欺」と呼んで広報してきましたが、2026年9月1日から呼び名を「特殊詐欺」に戻しました。同じ年の4月からは、警察官をかたる手口を「ニセ警察詐欺」として独立させ、SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺も特殊詐欺に含める13類型の分類になっています。県警サイトで過去の統計を探すときは、両方の呼び名で検索すると見落としが減ります。

振り込んだ日に長崎でやること

  1. 送金の控えを集める:振込受付書、ATMの明細、ネットバンキングの取引画面。振込先の金融機関名・支店・口座番号・名義・金額・日時がそろっているか確かめます。
  2. 振込先の金融機関に連絡する:詐欺の被害で送金したことを伝え、口座の取引を止めてもらえないか相談します。振込先の電話番号がわからなければ、自分の口座がある金融機関へ先に連絡して構いません。凍結の判断は金融機関が行います。
  3. 警察に被害を届け出る:脅されている、相手が来ると言っているなど急ぐ場面では110番。それ以外は最寄りの警察署か、下の相談電話へ。
  4. 相手からの連絡を記録し、応じない:着信履歴やメッセージは消さずに残し、追加の送金には応じません。記録の残し方は証拠の保存方法で説明しています。

長崎県警の相談電話は三つ

窓口番号受付
警察安全相談(県警本部)#9110/095-823-9110執務時間外は当直員が応対
警察情報ダイヤル(特殊詐欺の相談は音声案内で1番)0120-110874平日9時〜17時45分に係員対応、時間外は留守番電話
高齢者専用相談ダイヤル095-823-4165平日9時〜17時45分

#9110は時間外も当直員が出るため、夜間に「どこに届ければよいか」を聞く窓口として使えます。

警察署へ行くときの持ち物

被害を届け出る際は、振込の控えや明細、相手とのやり取りを表示したスマートフォン、本人確認書類を持っていきます。相手が名乗った名前・所属・電話番号をメモにしておくと、説明が短く済みます。届出のあとに受理番号や担当者名を教えてもらえたら控えておくと、金融機関とのやり取りで役に立ちます。

固定電話と還付金の誘いに気をつける理由

県警の分析で目を引くのは、最初の連絡が固定電話だった被害が約4割と、携帯電話を上回った点です。息子を名乗るオレオレ詐欺や還付金詐欺で、自宅の電話にかかってくる手口が増えたためとされています。

還付金詐欺は39件のうち38件が固定電話から始まり、送金はすべて振込型でした。「年金や保険料の払い戻しがある」と言って携帯電話で話しながらATMへ誘導し、操作を指示して振り込ませる流れです。ATMでお金が戻ってくることはないので、ATMの前で電話の指示を受けている時点で手を止めてください。

一方、架空料金請求詐欺では副業を名目にしたものが約65%を占め、最初の接触はSNSが最も多く、20歳台の被害が目立っています。送金方法は振込型が59%、電子マネー型が26%でした。電子マネーで払った場合は口座凍結の仕組みが使えないため、カードの発行会社にすぐ連絡することになります。

自宅の電話でできる備え

長崎県警の特殊詐欺対策ページでは、番号非通知の着信を拒否する設定や、通話を自動で録音する装置の活用を紹介しています。次のような準備は、被害後の二度目の電話を防ぐうえでも役に立ちます。

  • 固定電話を常に留守番電話にしておき、相手を確かめてから折り返す
  • 番号を通知しない電話を受けない設定にする
  • 「この通話は録音されます」と流れる録音機を付ける
  • 家族のあいだで、お金の話が出たら必ず別の家族に電話してから動く、と決めておく

一度被害に遭った家には、「被害金を取り戻せる」と持ちかける電話が続くことがあります。受話器を取る前に相手がわかる仕組みがあれば、慌てて応じる場面を減らせます。

長崎市・県・離島の消費生活窓口

相手が副業や投資の事業者を名乗っていた場合、消費生活センターに相談すると、業者との返金交渉の進め方や、契約を取り消せるかどうかについて助言がもらえます。

窓口所在地電話受付
長崎県消費生活センター長崎市尾上町3-1 県庁舎行政棟2階095-824-0999平日9時〜17時(正午〜13時を除く)
長崎市消費者センター長崎市築町3-18 メルカつきまち4階095-829-123410時〜17時(土日祝も受付、月曜休み)

長崎市のセンターは月曜が定休で、土日祝日も相談を受けています。平日に仕事で電話できない人でも、週末に話を聞いてもらえます。

島から相談する場合

国民生活センターの全国一覧(2026年8月31日時点)によると、島しょ部にも次の窓口があります。

  • 五島市消費生活センター(五島市福江町)0959-72-6144
  • 壱岐市消費生活センター(壱岐市郷ノ浦町)0920-48-1131
  • 対馬市消費生活相談所(対馬市厳原町)0920-52-1214
  • 新上五島町住民生活課(新上五島町青方郷)0959-53-1124

島の窓口は平日昼間の受付が中心です。どこにかければよいか迷ったら、188にかければ最寄りの窓口を案内してもらえます。

金融機関の店舗が閉まっている夜や休日に被害に気づいた場合は、キャッシュカードの裏面や通帳に書かれた紛失・盗難の連絡先を確かめてください。時間外も受け付けている場合があり、そこで事情を話せば、振込先への連絡や取引停止の相談につないでもらえることがあります。

弁護士に相談するなら:法テラス長崎と長崎県弁護士会

高額の被害や、複数の口座に分けて送金させられた場合は、弁護士に口座ごとの対応を任せる方法もあります。

  • 法テラス長崎(日本司法支援センター長崎地方事務所):県内には長崎市のほか、法テラス佐世保法律事務所、法テラス五島法律事務所(五島市池田町)、法テラス壱岐法律事務所(壱岐市郷ノ浦町)があります。島に住んでいても、海を渡らずに相談の予約を取れる場合があります。一定の収入・資産の基準を満たせば無料で法律相談を受けられる可能性もあります。どこへ行けばよいかは、サポートダイヤル(0570-078374)で聞けます。
  • 長崎県弁護士会:法律相談の日程や場所は弁護士会の公式サイトで確かめてください。

弁護士費用が回収できる額を上回ることもあるため、依頼の前に見通しと費用を必ず確認しましょう。「成功報酬だけで必ず取り戻す」といった広告は、契約前に内容を落ち着いて読んでください。

凍結された口座からの分配と、対象にならない場合

金融機関が取引を止めた口座は、預金保険機構のサイトに載ります(公告)。載っている期間内に申請すれば、残高の範囲で分配金を受け取れる仕組みです。公告の見つけ方と申請書類は分配金の申請手順にまとめました。

現金を手渡した、電子マネーやレターパックで送った、口座からすでに引き出されていたという場合は、この制度では戻りません。そのときの選択肢は救済法が使えないケースのページで扱っています。相談の前に状況を整理したい方はチェックリストも使ってください。

本記事の窓口・統計は2026年9月26日に長崎県警察・長崎市・国民生活センター・法テラスの公式サイトで確認しました。受付時間は変わる場合があるので、電話の前に各ページを見ておくと安心です。

よくある質問

Q. 長崎県警に夜間でも詐欺の相談はできますか?

A. #9110(095-823-9110)は執務時間外も当直員が応対します。お金をまだ要求されているなど急ぐ場合は110番に連絡してください。

Q. 長崎県で土日に消費生活の相談ができる窓口はありますか?

A. 長崎市消費者センター(095-829-1234)が土日祝日も10時〜17時に受け付けています。月曜日が定休です。県のセンターは平日のみです。

Q. 五島や対馬に住んでいても、口座凍結の手続きはできますか?

A. 口座の凍結は振込先の金融機関へ電話で依頼でき、警察への届出も島内の警察署で行えます。消費生活や法律の相談も、五島市・壱岐市・対馬市の窓口や法テラスの島内事務所を使えます。

Q. 凍結を頼めば振り込んだお金は戻りますか?

A. 戻るとは限りません。分配金は凍結時点の残高を被害額に応じて分ける仕組みで、引き出された後だと戻らないこともあります。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。