鹿児島県で詐欺の振込先口座を凍結してもらう手順|奄美・離島の相談先も

口座凍結申請の方法について弁護士監修の一般情報として解説します。口座凍結の具体的な手順と注意点をまとめました。

鹿児島県内で詐欺の相手に銀行振込をしてしまったら、振込先の金融機関へ取引停止を依頼し、警察に被害を届け出ることから始めてください。鹿児島県警の集計では、SNS型を除く特殊詐欺の被害金額の約7割が振込で支払われていました。振込型なら、口座凍結によって残高を確保できる可能性があります。

一方で、SNSで持ちかけられた投資・ロマンス詐欺では、暗号資産などで送らされた被害も多く、その分は口座凍結の仕組みでは戻りません。この記事では、振込と暗号資産を分けて考える理由、県警の相談電話、奄美や種子島を含む県内の相談窓口を順に取り上げます。載せた情報は、各機関のサイトを2026年9月26日に開いて照らし合わせたものです。お金が戻ることを約束するものではありません。

鹿児島県の2025年の被害:SNS型が被害額の7割

鹿児島県警察が2026年9月に公表した資料に載っている2025年の確定値は、次のとおりです。

  • 特殊詐欺(SNS型投資・ロマンス詐欺を除く):310件、約9億4,514万円
  • SNS型投資詐欺:151件、約12億2,265万円
  • SNS型ロマンス詐欺:152件、約11億5,158万円
  • 合計:613件、約33億1,937万円

SNS型の2手口で被害額の約7割を占めています。件数は特殊詐欺とSNS型がほぼ半々ですが、1件あたりの被害額はSNS型の方がずっと大きくなっています。2026年も1〜8月で330件・約18億7,617万円(暫定値)と、前年同期より件数はやや少ないものの、金額はほぼ同じ水準です。2026年から独立した手口として数えられるようになった「ニセ警察詐欺」は、1〜8月だけで53件・約4億8,200万円にのぼりました。

県警の資料は、国際電話や詐欺に使われた番号からの着信をブロック・警告する無料アプリの利用も呼びかけていて、iPhoneなら2種類とも入れるのがおすすめだとしています。被害のあとに続く「取り戻してあげる」という電話を減らすうえでも役に立ちます。

なお、鹿児島県警は2025年までの資料で特殊詐欺を「うそ電話詐欺」と呼んでいました。2026年3月末分からは「特殊詐欺」の表記に変わっているため、過去の資料を探すときは両方の名前で検索してください。

送金方法で分かれる「止められるお金」と「止められないお金」

県警の2025年12月末の資料(暫定値)は、お金の渡し方も集計しています。

区分振込型(窓口・ATM・ネットバンク等)それ以外の主なもの
特殊詐欺(SNS型を除く)230件(62.5%)、被害額の69.0%電子マネー型54件、送付型44件、現金手渡し型14件(件数は少ないが被害額の14.5%)
SNS型投資・ロマンス詐欺282件(74.0%)、被害額の65.0%暗号資産などの「その他」93件(24.4%)、被害額の34.6%

振込型は口座凍結と分配金の手続きの対象になりえます。対して、暗号資産で送った分、電子マネーの番号を伝えた分、現金を手渡した分は、口座を止めても取り戻す手段にはなりにくいのが実情です。SNS型の被害では両方が混ざっていることが多いため、送金をすべて書き出し、振込とそれ以外に分けてから相談すると話が早く進みます。振込以外の分の考え方は救済法の対象外になるケースで説明しています。

暗号資産を送った場合に先にやること

暗号資産の送金は、交換業者の口座から外部のアドレスへ送った時点で、銀行のように取引を止めてもらうことが難しくなります。それでも、送金に使った国内の暗号資産交換業者に、詐欺に使われた可能性のある送金をしたと連絡し、送金履歴(日時、数量、送り先アドレス、取引ID)を保存しておくことは、警察への届出の材料になります。交換業者のアカウントに相手を招き入れたり、ログイン情報を教えたりしていたなら、パスワードの変更も急いでください。

県警が紹介した高額被害の流れ

県警の資料には、固定電話に通信会社の職員を名乗る電話が入り、他県の警察官、さらに検察官を名乗る人物へと引き継がれ、LINEに誘導されたうえで振込をさせられた70代女性の例が載っています。SNS型では、有名な実業家の投資をうたうネット広告からLINEグループに入り、専用の口座を開いたと思い込まされて振り込んだ60代男性の例、マッチングアプリで知り合った相手に暗号資産を送らされた30代男性の例が紹介されています。

鹿児島県内で振込先を止めてもらう順番

  1. 振込の控えを確保:窓口でもらった控えやATMの利用票、ネットバンクの送金完了画面を残し、振込先の金融機関名・支店名・口座番号・名義を書き出します。
  2. 振込先の金融機関に連絡:詐欺で送金させられたと伝え、口座の取引停止を依頼します。振込先がわからない場合は、自分が振込に使った金融機関に先に相談しても構いません。停止するかどうかは金融機関が決めます。
  3. 警察に届け出る:脅しや要求が続いているなら110番。落ち着いて話せるなら最寄りの警察署か#9110へ。
  4. 記録を消さない:LINEのトーク、広告の画面、相手のアカウント名はスクリーンショットで残します。手順は証拠の残し方で紹介しています。

県警の相談電話は24時間

鹿児島県警察の警察安全相談は、#9110(ダイヤル回線からは099-254-9110)で、土日・祝日を含めて24時間受け付けています。夜中や休日に被害に気づいた場合でも相談できるので、どこへ届け出ればよいかをまず聞いてみてください。県警は「県警あんしんメール」でも詐欺の発生情報を発信しています。

消費生活センター:本土と奄美の窓口

投資の会社や通販サイトなど事業者の形をとった相手なら、消費生活センターで返金を求める交渉の手順や、契約の取消しの可否について助言を受けられます。

窓口所在地電話受付
鹿児島県消費生活センター鹿児島市新屋敷町16-203 県住宅供給公社ビル2階099-224-0999平日9時〜17時、土曜10時〜16時(正午〜13時を除く。土曜の来所は要予約)
鹿児島県大島消費生活相談所奄美市名瀬永田町17-30997-52-0999平日9時〜17時
鹿児島市消費生活センター鹿児島市山下町11-1 市役所西別館1階099-808-7500平日9時〜17時15分

県のセンターは土曜にも電話で相談できるので、平日に仕事がある人でも週末に話を進められます。

島に住んでいる場合

国民生活センターが公開している窓口データ(2026年8月31日現在)を見ると、奄美市、西之表市、中種子町、瀬戸内町、和泊町、知名町、与論町などにも相談窓口が載っています。奄美群島の人は、名瀬にある県の大島消費生活相談所に電話で相談することもできます。どこへかけるか迷ったら188にかければ、近くの窓口につながります。

法律の相談:離島にも法テラスの事務所がある

高額の被害や、複数の口座に送金した場合は、弁護士に相談して口座ごとの手続きを任せる方法があります。

  • 法テラス鹿児島(日本司法支援センター鹿児島地方事務所):県内には法テラス鹿児島法律事務所のほか、法テラス鹿屋法律事務所、法テラス指宿法律事務所、法テラス奄美法律事務所、法テラス徳之島法律事務所があります。奄美大島や徳之島に住んでいても、島内で法律相談の窓口を探せます。資力の基準を満たせば無料で相談できる場合があり、案内はサポートダイヤル(0570-078374)で受けられます。
  • 鹿児島県弁護士会:相談会の会場や申し込みの手順は、弁護士会のサイトに載っています。

頼む前に、凍結できた口座の残高の見込みと、着手金・報酬の合計を聞いておきましょう。戻る額より費用が大きくなる場合もあります。暗号資産で送った分の回収を「確実にできる」とうたう広告には、契約前に十分注意しましょう。

凍結後の申請と、準備しておきたいこと

取引が止まった口座は、預金保険機構のサイトに一定期間掲載されます。その間に申請書を出せば、凍結時の残高の範囲内で被害額に応じた分配金が支払われます。公告の探し方と申請書類については分配金の申請手順にまとめています。

申請や相談の前には、次の3点を一枚の紙にしておくと便利です。

  • 振込ごとの日付・金額・振込先口座
  • 暗号資産や電子マネーで送った分の日付・金額・送り先
  • 相談した窓口(警察署、消費生活センター)と日付

書き出す項目に迷うときは相談前のチェックリストも使えます。本記事の窓口と統計は、鹿児島県警察・国民生活センター・法テラスのサイトを2026年9月26日に確認した内容です。受付時間は変わることがあるので、連絡の前に各機関の案内を見ておいてください。

よくある質問

Q. 鹿児島県警に夜間や休日でも詐欺の相談ができますか?

A. #9110(099-254-9110)は土日・祝日を含めて24時間受け付けています。お金をまだ要求されているなど緊急の場合は110番に連絡してください。

Q. 奄美大島に住んでいます。どこに相談すればよいですか?

A. 消費生活の相談は奄美市名瀬の鹿児島県大島消費生活相談所(0997-52-0999)で平日に受けています。法律相談は法テラス奄美法律事務所などの島内の事務所を使える場合があります。

Q. 暗号資産で送ったお金も口座凍結で戻りますか?

A. 暗号資産で送った分は、銀行口座の凍結と分配金の仕組みの対象になりません。振込で送った分と分けて、警察と専門家に相談してください。

Q. 口座凍結を頼めば全額戻りますか?

A. 全額が戻る保証はありません。分配金は凍結時の残高が上限で、引き出された後であれば戻らないこともあります。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。