マッチングアプリの相手にAmazonギフトカードを求められたら|番号を送った後の対処

マッチングアプリで知り合った相手と数日やり取りしたあと、「会う前に交通費を立て替えてほしい。Amazonギフトカードでいいから」「コンビニで買って、裏の番号を写真で送って」と頼まれた。あるいは、言われたとおり番号を送ったところ、相手と連絡が取れなくなった。この記事は、そうした状況で次に何をすればいいか知りたい方に向けて書いています。

最初に結論を書きます。個人どうしのお金のやり取りにAmazonギフトカードの番号を求められたら、そこでやり取りを止めてください。Amazonは公式ページ「Amazonギフトカード 不正・詐欺に関して」で、出会い系サイトやSNSで何度かやり取りした相手が、実際に会うための費用などとしてギフトカードでの先払いを求め、番号を送らせた後に音信不通になる手口を、代表例の一つとして紹介しています。すでに番号を送った場合も、購入時のレシートとカードを手元に残し、Amazonと警察に早めに知らせることで、被害の広がりを抑える動きがとれます。

Amazonギフトカード自体はAmazonが販売している正規の商品で、Amazonもこうした悪用に注意を呼びかけています。問題は、会ったことのない相手に番号を渡してしまう使われ方のほうです。

マッチングアプリでAmazonギフトカードを求められるまでの流れ

令和7年に警察が把握したSNS型ロマンス詐欺は5,645件。そのうちマッチングアプリで最初に接触した例が1,846件(32.7%)あり、ツール別で一番多い数字でした(警察庁・確定値)。恋愛や出会いを目的にした場で信頼関係を作り、そのあとでお金の話を出す、という順番がとられやすいのが特徴です。

ギフトカードが絡む場合、流れはおおむね次のようになります。

  1. アプリ内でマッチングし、数日のうちにLINEなど別のアプリへ移るよう誘われる
  2. 毎日の連絡で距離が縮まり、「会いたい」「週末に行く」と具体的な約束が出てくる
  3. 直前になって「交通費が足りない」「会うには保証金が必要」「アプリのポイントを買ってほしい」などの話が出る
  4. 支払い方法として、コンビニでAmazonギフトカードを買い、番号やカード裏面の写真を送るよう指示される
  5. 一度送ると、別の名目で追加を求められるか、急に連絡が途絶える

Amazonは同じページで、Amazonサイトで購入したEメールタイプのギフトカードを、相手が指定したメールアドレスへ送らせる形も紹介しています。コンビニで買うカードでも、Amazonサイトで買うEメールタイプでも、番号が相手に渡れば結果は変わりません。

相手の言い分とAmazonの公式案内を並べてみる

相手はもっともらしい理由を用意してきます。言われた内容と、Amazonの公式案内に書かれていることを並べてみます。

相手の言い分Amazonの公式案内から分かること
「ギフトカードなら手数料がかからないから」Amazonギフトカードは、Amazon.co.jpやAmazon Payを導入しているサイトでの買い物に使うもので、それ以外の代金や手数料の支払いには使えないとされている
「番号を送ってくれれば、会ったときに現金で返す」番号を教えると、その金額をだまし取られてしまうとAmazonは説明している。番号を知った人が自分のアカウントで使えてしまうため
「登録している別のサイトの料金をギフトカードで払って」Amazon以外のサイトの利用料をギフトカードで払わせる手口も、詐欺の典型例として挙げられている
「急いで。今日中じゃないと会えなくなる」Amazonは、切迫感をあおって行動させようとすることを、なりすまし詐欺の危険信号の一つにしている

Amazonが詐欺によく使われる手口として挙げているのは、「電話・SMS・Eメール・はがき等で連絡がくる」「ギフトカードで支払うよう求める」「ギフトカードを購入するよう誘導する」「ギフトカード番号を教えるよう求める」の4つです。マッチングアプリの相手がこのうち3つに当てはまっているなら、相手の人柄や話の具体性にかかわらず、先払いは断ってください。

ギフトカードの番号は「現金そのもの」と考える

ギフトカードの裏面やEメールに書かれた英数字の番号は、それを入力した人のアカウントに残高として入ります。番号を写真で送ることは、財布から現金を抜いて渡すのとほとんど同じです。見知らぬ人や不審な人に番号を教えないよう、Amazon自身が繰り返し書いています。

番号を送る前に立ち止まるための確認

まだ送っていないなら、次の点を一つずつ確認してみてください。一つでも当てはまれば、支払わないで大丈夫です。

  • 会ったことのない相手が、自分にお金を払わせようとしている
  • 支払いの方法が「ギフトカードの番号を送る」に限られている
  • アプリの外(LINEなど)に移ってから、お金の話が出てきた
  • 「誰にも言わないで」「今日中に」と念を押されている
  • 断ると、責められたり、別れを持ち出されたりする

確認したら、やり取りの画面を保存したうえで、マッチングアプリの通報機能から相手を報告しておきましょう。同じアカウントがほかの利用者にも声をかけている可能性があります。

身に覚えのない請求で、店頭の電子マネーを買わせて番号を伝えさせるやり方について、国民生活センターは「全て詐欺」と強い言葉で注意を呼びかけています。マッチングの相手からの頼みは請求とは形が違いますが、番号を伝えさせてお金を移すという仕組みは同じです。

番号を送ってしまった後にやること

番号を送ってしまった場合も、慌てて相手に「返して」と連絡する必要はありません。相手とのやり取りはそのまま残し、次の順に動いてください。

  1. 追加の購入をしない:「あと少し足りない」「手数料が要る」と言われても応じない。一度払うと、名目を変えて次の要求が来やすい
  2. 購入の記録を集める:コンビニのレシート、カード本体や台紙、Eメールタイプなら注文確認のメール。番号が読める状態で保管する
  3. 送ったことの記録を残す:番号や写真を送ったメッセージ、相手のプロフィール画面、アプリ名とユーザー名、LINEのID
  4. Amazonに知らせる:Amazonの「不審な連絡について報告する」ページから報告し、カスタマーサービスにもギフトカード番号と経緯を伝える。未使用の場合にどんな対応ができるかは、その場で確認する
  5. 警察に相談する:Amazonも、被害に遭った場合は警察や消費生活センターに相談し、必要に応じて被害届を出すよう案内している
  6. アプリの運営に通報する:相手のアカウントの停止につながることがある

銀行振込とは取り戻し方が違う

ギフトカードでの支払いは銀行口座への振込ではないため、振り込め詐欺救済法による口座凍結と分配の仕組みは使えません。番号がすでに使われてしまうと、取り戻すのは難しくなりがちです。だからこそ、気づいた時点で時間をおかずにAmazonと警察へ伝えることに意味があります。

「ギフトを送った」というリンクと買取の誘いにも注意

ギフトカードの話が出たあと、相手が「お礼にAmazonのギフトを送っておいたよ」とリンクを送ってくることがあります。受け取るにはログインが必要だと言われ、開いた先がAmazonにそっくりなログイン画面だった、という形です。

Amazonのギフトカードを受け取るときは、届いたリンクではなく、自分で開いた公式アプリやAmazonサイトのアカウント画面から残高や登録状況を確認してください。Amazonのサイトのアドレスは「https://××.amazon.co.jp」の形で始まると、Amazonのヘルプに書かれています。

もしリンク先でメールアドレスとパスワードを入れてしまったなら、ギフトカードの件とは別に、アカウントを守る手当てが必要です。その手順はログイン情報を入力してしまった場合の対処に、リンクを開いただけで止めた場合はリンクをタップしただけのときの確認にまとめています。

「ギフトカードを買い取ります」にも近づかない

Amazonは、SNSで「Amazonギフトカードを買い取ります」と宣伝し、番号を聞き出したあと連絡を絶つ手口にも触れています。ギフトカードを転売・換金すること自体がAmazonギフトカード細則に反し、アカウント停止の対象になりうるとも書かれています。手元に残ったギフトカードを現金に換えようとして、別の被害に遭わないよう気をつけてください。

相談先と、相談前にまとめておくメモ

相談先は、起きたことに合わせて選びます。

  • Amazon:ギフトカードの番号を渡した、Amazonを名乗るリンクで情報を入れた
  • 警察相談専用電話 #9110・最寄りの警察署:お金をだまし取られた、脅すような連絡が続いている
  • 消費者ホットライン 188:アプリのポイント購入や有料サイトの利用料など、事業者との契約が絡む場合
  • マッチングアプリの運営:相手のアカウントの通報

相談の前に、次のメモを1枚にまとめておくと、どこに話しても説明がぶれません。

  • アプリ名、相手の表示名、やり取りを始めた日
  • ギフトカードを買った日、店、金額、枚数
  • 番号を送った日時と方法(写真・テキスト・Eメールタイプ)
  • 相手がお金を求めたときの言葉

マッチングアプリでのギフト券の頼みごと全般については「ギフト券を買って送って」と言われたら、証拠の集め方は証拠の残し方にまとめています。Amazonを名乗る連絡の見分け方の全体像はAmazonをかたる偽メールの見分け方をご覧ください。

よくある質問

Q. Amazonギフトカードの番号を写真で送っただけです。それでもお金を取られたことになりますか?

A. 番号を知った人は、自分のAmazonアカウントに登録して残高として使うことができます。Amazonも、詐欺犯に番号を教えるとその金額をだまし取られると説明しています。使われる前に知らせることが大切なので、レシートとカードを用意してAmazonと警察に早めに連絡してください。

Q. 相手から「Amazonのギフトを送ったから受け取って」とリンクが届きました。開いても大丈夫ですか?

A. リンクは開かないでください。ギフトカードの残高や登録状況は、自分で開いたAmazonの公式アプリやサイトから確認できます。リンク先でログインを求められても、情報を入れないことが大切です。

Q. 相手に「警察や家族に言ったら、もう会えない」と言われています。

A. 口外しないよう求めるのは、周りに止められるのを避けたいときによく使われる言い方です。国民生活センターの相談事例でも、誰にも言わないことを条件にされて相談できなかったケースが紹介されています。送った金額にかかわらず、家族や警察に話してください。

Q. 送ったギフトカードの代金は戻ってきますか?

A. 戻るかどうかは、番号がすでに使われたか、調査で何が分かるかによって変わるため、確実なことは言えません。銀行振込のような口座凍結の仕組みは使えないので、気づいた時点ですぐにAmazonと警察へ伝えることが、取れる手段の中で最も意味があります。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。

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参考資料

  • 警察庁「サイバー犯罪・特殊詐欺に関する情報」
  • 消費者庁・国民生活センター「消費者トラブルに関する公表情報」
  • 金融庁「無登録業者に関する注意喚起」
免責:本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の事案に対する法的助言ではありません。記載内容により返金・回収・解決を保証するものではありません。個別のご相談は、弁護士または公的機関にご確認ください。