仮想通貨・暗号資産詐欺で損失が出た場合の返金相談方法
仮想通貨・暗号資産を使った詐欺は、偽の取引所・DeFi・NFTへの投資勧誘、ウォレット接続による資産の不正抜き取りなど多岐にわたります。 仮想通貨・暗号資産詐欺…
YouTubeで有名人が「このビットコイン投資なら必ず儲かる」と語る広告や、「送ってくれた暗号資産を倍にして返す」とうたうライブ配信を見かけても、送金や登録はしないでください。動画に本人が映っていても、AIで顔や声を合成したものや、過去の映像を切り貼りしたものである可能性があります。警察庁の統計では、YouTubeをきっかけにしたSNS型投資詐欺が2025年に前年の20倍以上に増えました。
この記事は、YouTubeの動画・広告・ライブ配信で投資の話を見た人、概要欄のリンクからLINEに登録した人、すでに暗号資産を送ってしまった人に向けています。動画の見分け方、送る前に確かめること、送った後の手順を順に説明します。特定のチャンネルや人物を詐欺と断定するものではありません。
警察庁の令和7年(2025年)確定値によると、SNS型投資詐欺で最初の接点になったツールのうち、YouTubeは1,229件でした。前年からの増加は1,171件、率にすると2,019.0%で、Instagramに次ぐ2番目の多さです。
接点の形で見ると、YouTubeで目立つのは広告です。バナー等の広告をきっかけにした被害のツール別内訳で、YouTubeは1,024件と最も多く、前年比1,989.8%の増加でした。警察庁は、YouTubeや投資のサイトの広告を入口とした被害の増加が、全体の被害を押し上げた主な要因だと分析しています。資料は、広告の中身についても触れていて、有名人の姿を本人に無断で使った広告や、もうけを約束し元本の保証をうたう広告が見つかったと報告しています。
筆者は、YouTubeは動画の再生前や途中に広告が自動で流れるため、自分で探したわけではない投資話にも触れてしまいやすい点が、この急増の背景の1つだと見ています。広告の審査を通って表示されているからといって、中身が確かめられているわけではないと考えておくのが安全です。
YouTubeのなりすましに関するポリシーは、AIを使って個人の声や姿をコピーし、本人がチャンネルを所有・承認しているように見せることや、有名人が自らの意思で出演し商品を宣伝しているかのように見せることを禁じています。裏を返せば、そうした動画が作られうるということです。
著名な経営者の名前を使い、「このアドレスにビットコインを送れば、2倍にして送り返す」と呼びかける配信は、海外でも以前から問題になっています。米国の連邦取引委員会(FTC)は、送った暗号資産を増やして返すという有名人の話はなりすましであり、有名人がSNSで個別に連絡してくることはないと注意しています。受け取るために先に送らせる仕組みそのものが、お金を奪う手段になっていると考えてください。
画面に「参加者が次々に受け取っている」という送金の流れが表示されていても、仕込みの可能性があります。見分けに迷ったら、本人の公式サイトや公式SNSで、その企画が告知されているかを確かめるのが確実です。
YouTubeの広告や動画から、概要欄のリンク、LINEの友だち追加、無料の投資教室へと誘導される流れは、警察庁が挙げるSNS型投資詐欺の典型に重なります。登録する前に、次の点を確かめてください。
| 確認すること | 方法 |
|---|---|
| 動画の人物が本当にその投資を勧めているか | 本人の公式サイト・所属事務所の発表を検索する |
| 案内された取引所やアプリが登録業者か | 金融庁の暗号資産交換業者登録一覧、金融事業者一括検索 |
| 無登録業者として警告を受けていないか | 金融庁の無登録業者への警告の公表資料 |
| 勧められたコインが実在するか | 名前で検索して、登録業者の取扱い一覧や信頼できる情報源に出てくるか |
| 「講師」が報酬を受けて宣伝していないか | 動画や概要欄に広告・提携である旨の表示があるか |
2026年7月に成立した金融商品取引法などの改正では、暗号資産を投資対象とする助言行為を投資助言業の規制対象とすることや、対価を受けて取引判断に関する意見を示す場合にその旨の表示を義務づけること(いわゆるステルスマーケティング規制)が盛り込まれました。改正の背景として金融庁は、投資セミナーやオンラインサロンなどで詐欺的な行為が疑われる事例が発生していることを挙げています。施行は公布から1年以内とされています。
すでにLINEに登録し、投資教室の案内や個別のメッセージが届き始めている場合でも、入金前なら引き返せます。届いたメッセージと、最初に見た動画のURLを保存したうえで、ブロックしてかまいません。「講師」から銀行口座やウォレットアドレスを伝えられている場合は、その画面が後で大事な手がかりになります。
YouTubeには、暗号資産の仕組みや税金、リスクを解説するまっとうな動画も数多くあります。すべてを疑う必要はありませんが、次のどれかに当てはまる動画は、情報提供ではなく勧誘として見たほうがよいというのが筆者の考えです。
反対に、損をする場面や手数料、税金の話まで説明し、口座開設を急がせない動画は、少なくとも勧誘の色は薄いと言えます。ただし、解説が丁寧でも、最後に「詳しくは個別に」と外部へ誘う形なら、上の表の確認をしてから進んでください。
家族がYouTubeで投資の動画をよく見ている場合は、見ること自体を止めるより、「お金を送る前に一度見せて」と声をかけておくほうが、話を聞いてもらいやすくなります。高齢の親の場合、スマートフォンの広告表示の設定を一緒に見直しておくのも一案です。
暗号資産の送信は、銀行振込と違って原則として取り消せません。FTCも、暗号資産で支払った場合、お金が戻るのは通常、受け取った人が送り返したときだけだと説明しています。それでも、早く動くほど打てる手は残ります。
金融庁の改正説明資料では、暗号資産が詐欺的な投資勧誘の支払い手段に使われるのを防ぐため、口座開設の直後は外部のウォレットに移せない期間を設けることなどが、内閣府令で定める措置の例として挙げられています。とはいえ現時点では、送る前に立ち止まることが一番の防ぎ方です。
YouTubeでは、ポリシーに違反する動画やチャンネルを報告できます。AIで自分や家族の顔・声が使われている場合は、プライバシーのガイドラインにもとづく削除リクエストを送る方法も案内されています。報告の前に、URLと画面を保存しておきましょう。
送信直後の具体的な流れは仮想通貨を送金してしまった場合の対応手順で解説しています。YouTubeから副業の勧誘に進んだケースはYouTubeの動画・広告から副業LINEへ誘われたとき、ほかの接点との比較はビットコイン投資の利益保証の経路別ガイドを参考にしてください。弁護士などへの相談を検討している方は相談予約もご利用いただけます。回収を約束するものではありません。
A. 本人の発言とは限りません。YouTubeのポリシーは、AIで有名人が商品を宣伝しているように見せることを禁じていますが、そうした動画や広告が出回ることはあります。本人の公式サイトや公式チャンネルで確かめてください。
A. 送信は原則として取り消せません。配信の画面と送信先アドレス、送信記録を残し、送信に使った交換業者と警察に連絡してください。追加で送るよう求められても応じないでください。
A. 友だち追加だけなら金銭の被害は出ていません。入金や個人情報の送信を求められても応じず、ブロックして構いません。やり取りの画面は念のため保存しておくと安心です。
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供です。特定のサービス・事業者を詐欺と断定するものではなく、返金・解決を保証するものでもありません。個別の判断は弁護士や公的機関にご確認ください。
サイト名、サービス名、担当者名、LINE名、決済名などで確認している方は、事例パターンと証拠の残し方を分けて確認してください。個別の違法性、返金可否、削除可否、解決を断定するものではありません。
LINEで相談前チェックリストを受け取り、支払い方法・証拠・やり取りを整理できます。弁護士確認が必要なケースも確認できます。